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オンキヨーが初のSIMフリースマホGRANBEATを発表、同社単体DAP並みの構造とオーディオ部品を採用 - Engadget 日本版

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オンキヨーが初のSIMフリースマホGRANBEATを発表、同社単体DAP並みの構造とオーディオ部品を採用

LTEと3GのDSDSにも対応、マイクロSDスロットも同時に使えます

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1月26日、オンキヨー&パイオニアイノベーションズが、東京にて新製品発表会『"GRANBEAT" LAUNCH EVENT』を開催。オンキヨーブランド初となるSIMフリーAndroidスマートフォン『GRANBEAT』(DP-CMX1)を発表しました。

発売予定時期は2月下旬、価格はオープンですが、同発表会で取り扱いを表明した楽天モバイルでは一括払いで8万4800円(税別)となります。

Gallery: オンキヨー 高音質スマートフォン GRANBEAT | 73 Photos





特徴は、同社のデジタルオーディオプレーヤーDP-X1A(現行執筆時の実売価格は7万円前後)並みのオーディオ機能と品質を備える点。
商品コンセプトとしては「スマートフォン史上 最高の音質」を掲げ、同社が提供する「e-onkyo music」などのハイレゾ音源のみならず、各種ストリーミング音源も最高音質で楽しめるようにとの配慮がなされています。



例えば、ヘッドホン出力は一般的な3.5mm径タイプに加え、音質面で有利なバランス出力(2.5mm径4極)も搭載。発表会ではオンキヨー側から「スマートフォンでフルバランス駆動回路を搭載したのは世界初」とのアピールもありました。




D/A変換チップ(DAC)とアンプは、DP-X1Aと同様にESS社製『ES9018K2M』と『SABRE 9601K』を2基ずつ搭載。DACとアンプの回路はSoC側とは独立した基板に配置し、電磁ノイズ対策のシールドを施すなど、オンキヨーらしい気合いの入ったものとなっています。



また、単体DAPに対してスマートフォンでは大きく不利となる通信部からのノイズ対策としては、上述したように、DAC部以降のオーディオ回路部を独立基板として分離した設計を採用。さらにオーディオ回路側での「電源の再クリーン化」、特許出願中というシールド技術などで対策します。



こうした取り組みの結果として、プレゼンでは、LTE/3G無線部をオン/オフした状態での、アンバランス出力端子からのオーディオSN比比較値も公開。無線部をオンにしてもオーディオ部へのノイズはほぼ増加しないというデータを紹介しました。



プレーヤーアプリが対応する音源は、WAVとFLAC、AIFFとALAC、そして海外のストリーミング音楽サイトTIDALの採用で話題となったMQAが24ビット/384kHzまで。DSDも11.2MHzまでに対応します。



ただしDSD音源は、OSとしてAndroidを使っているなどの制限上、本体内蔵DACではPCMに変換されての再生に。USB DAC経由では(DAC側が対応すれば)ダイレクト再生や、さらに他形式ソースのリアルタイムDSD変換も可能です。





なおオーディオ関連の設定では、DP-X1Aで評価の高い、ジッターに起因するノイズを低減する「ロックレンジアジャスト機能」やデジタルフィルタカーブ特性の切り替え、192kHz(外部DAC経由では384kHz)までのアップサンプリングといった機能も網羅。このあたりのカスタマイズ性の広さもX1A譲りです。



スマートフォンとしての基本機能面では、Androidバージョンは6.0。ディスプレイは5インチのフルHD、IPSタイプ。

心臓部となるSoCにはクアルコムのSnapdragon 650(MSM8956:合計6コア、1.8GHz×2+1.4GHz×4)を採用し、メインメモリ(RAM)は3GB、ストレージは128GBを搭載。
昨今のスマートフォンの水準ではミドルレンジ級ですが、ある程度であれば重量級のアプリでも動かせるレベルです。さらにストレージはハイレゾ楽曲のデータに備えた大容量となっているのがポイント。



モデム部は、LTEと3GのデュアルSIM-デュアルスタンバイ(DSDS)に対応。さらにDSDS対応機としては珍しく、SIMスロットと独立したマイクロSDカードスロットを搭載するのも隠れたポイントです。





カメラはメイン(背面側)が1600万画素。イメージセンサーユニットはソニーの『IMX298』と明示しており、レンズの明るさはF2.0。動画は4Kにも対応します。フロント(正面側)は画素数800万、レンズの明るさはF2.2。





本体サイズは縦長状態で72×142.3×11.9mm(幅×高さ×厚さ)、重量は234g。音質を重視した設計などから、スマートフォンとしてはかなり厚みがありますが、実際に持ってみると質感と存在感が良く「長所となる厚み」という印象。このあたりは高級DAPに近い感覚です。




外装はアルミブロックからの削り出しで、実際の質感も高いレベル。とくに縦持ちで左側面に配置された音量用ダイヤル(ロータリーエンコーダー)周辺の指掛けを兼ねた曲面は、見事なアクセントとなっています。
また操作ボタンも、オーディオ重視設計モデルらしく、再生や曲送り用を搭載します。



なお、バッテリー容量は3000mAh。公称バッテリー駆動時間は「ハイレゾ音源再生で25時間」という値が最初に打ち出されているのは流石といったところ。クアルコムのQuick Charge 3.0にも対応します。



また隠れた注目ポイントは、市場動向やターゲットユーザーに関しての解説でした。狙うユーザーは基本的には「For "Music Lover"」と銘打っているように、従来のスマートフォンでは満足できない音楽好きです。



が、歴戦の本誌読者にとって見逃せないのは「Me Tooスマートフォンに飽きた、特徴あるスマートフォンを好む層」という層が入っている点。となりに「ITガジェット感心層」が入っている点からも、いわゆる変態端末愛好家の皆様も想定ターゲットに入っているようです。



このようにGRANBEATは、高音質なDAPであるDP-X1Aにスマートフォンとしての通信機能を備え、さらにSoCなどの基本性能を強化した位置づけのモデル。
実はDP-X1Aと前世代のDP-X1は、もともとAndroid採用のDAPだったため、ソフトウェアや音質に関わる機能に関してはノウハウが蓄積されてもいます。



発表会場では実動機でハイレゾ音源のリスニングを自由に行える状態でしたが、ざっとしたインプレは、従来は高級DAPならではとも呼べる、土台のどっしりとした音という印象。
ドナルド・フェイゲンの『I.G.Y.』といった厳しい(裏を返せば試聴に適した)曲でも、細かなアタックの立ち上がり速度が実力を感じさせてくれるものでした。

発表会場ではスマートフォンとしての実力が検証できなかった点や、個人的にはヘッドホン端子に今後普及が見込まれる4.4mmのバランス型を採用してほしかった点などはありますが、少なくともオーディオ機器的にはある程度のレベルを備えた機種であるとは呼べそうです(なお、4.4mm端子に関して設計担当者に聞いたところ「採用すると本体が2cmほどになりそうなので断念しました」とのこと)。



ポータブルオーディオ好きが荷物を減らせるスマートフォンとして、また非常に尖った変態端末として、他にない価値を提唱できる機種であることは確かなモデルです。
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