転載元:リオレウス「おーいチャイム鳴ったぞー」ガラッ
リオレウス「席つけお前らー」
ティガレックス「ギャハハww」
ラギアクルス「うけるww」
ライゼクス「でさーww」
・【R18】女上司(31)「シャキッとしろ!それでも男かっ!?」
・オチン●ンがぷるぷるwwwニューハーフのペニクリ暴れるエ□GIF画像すげーwww
・【※GIFあり※】フジ深夜枠で放送された「乳トレ講座」とかいう男性視聴者殺しの番組ww→「フ...
・【25枚】GIFで見ると結構やらかしてるアイドルのエ□ハプニング集
・【※GIFあり】卓球中の女子にリモコンバ●ブ仕込んでスイッチオンした結果wwwwwwwwww...
・【画像】21歳のグラビアモデルがエ□すぎる格好でイベントに現れて話題に
・「セクサロイド? お前が?」 「そうじゃ、おかしいか?」
・兄「くっ!膣内に射精すぞ!!!!」妹「え〜っ???まだ挿入れたばっかじゃ〜〜ん」
・【アヘ顔】本気でイった女の顔はこうなるwwwwwwwwwwwwww(GIFあり)
・【R18】女親友「アンタってさぁ、シたことある?」
・ハリー「ディメンターフエラを実現する会?」ロン「そう」
・上司「任天堂を継いでくれ」彡(゜)(゜)「おかのした」
・【R18】女教師「どうした、最近勉強に身が入ってないようだが?」
・馬場ふみか 豊満バストで“髪ブラ”披露!収まりきらず「ハプニングも」(*´艸`*)
・広末涼子(36)下着一枚で老人に抱かれてる…2ch「こんな濡れ場あったのか?」「枕営業再現?」
・【盗撮流出】トップレス姿を隠し撮りされた美人モデル…乳首まで晒されている…
・無修正。銭湯の女風呂の中を撮影する猛者あらわるw個人撮影のレベルが高すぎて少女のおま●こまでバッチリw
・【痴女】「私のパイズリ最高でしょ?」超絶爆乳のお姉様がしてくれるパイズリが圧巻過ぎる件ww【宇都宮しをん】
・痴漢冤罪で逮捕された俺の末路wwwwwwwwwwwwwwwww
・【衝撃画像】Toloveる、無修正の性器を晒してしまうwwwwアウトwwwww
・風間「しんのすけ、お前大学はどうするんだ?」
・【画像】ネッコ「ああおかえりいいいいいいい!!!」アタマゴンゴンゴン
・従姉妹(11)「にーちゃんにーちゃん! お小遣いちょーだい!」
・(´・ω・`)「あ、停電だ」
リオレウス「おーい」
ガムート「ら、ラギア君」
ラギア「あ?なに?」
ガムート「レウス先生来てるよ」
ラギア「あー」
ティガ「センセーサーセンww」
リオレウス「ジンオウガたちもマンガしまえよー没収するぞー」
ジンオウガ「(ヒソヒソ)今週の××マジアツイなww」
ブラキディオス「(ヒソヒソ)○○のこのシーンたまらんww」
クシャルダオラ「……先生の言うことは聞いておいたほうがいいぞ」
ジンオウガ「クシャル!…わ、わかったよ」
リオレウス「ふーやっと落ち着いたな。出席取るぞー」
リオレウス「蒼リオレウスー」
蒼レウス「はい」
リオレウス「クシャルダオラー」
クシャル「……はい」
リオレウス「ティガレックスー」
ティガ「ハイハイハイハイ来てる俺!俺来てる!!」
リオレウス「静かになー。えー、ナルガクルガー」
ナルガクルガ「……」
リオレウス「んん?寝てるな、誰か起こせー」
ティガ「テメェ起きろよナルガ」バシュッ(岩飛ばし)
ナルガ「いってぇ!ティガてめー!」
リオレウス「喧嘩やめろよー。出席取ってんだぞー。ナルガクルガいるなー?」
ナルガ「ちっ……はいいます。ティガ覚えとけよ」
ティガ「ベーーッ!!」
リオレウス「ラギアクルスー」
ラギア「はーいいるよー」
リオレウス「ジンオウガー」
ジンオウガ「はーいっ」
リオレウス「ブラキディオスー」
ブラキ「はいはーい」
リオレウス「……ゴア・マガラー…」
ゴア「………ぃ…………」
リオレウス「……ゴ、ゴア・マガラいるよなー…?」
ゴア「………はい………おります……」
リオレウス「よ、よかった。えーセルレギオスー」
セルレギオス「ふっふっ、この僕が出席を取るときにいなかったことなどありますか?」
リオレウス「結構あるなー。ガムートー」
ガムート「はいっ!」
リオレウス「おっ、ガムートは今期無遅刻無欠席無早退か。このクラスで唯一だな」
ガムート「えへへ…」
リオレウス「タマミツネー」
タマミツネ「ほーい」
結構あんのかよワロタ
リオレウス「ライゼクスー」
ライゼクス「ハイ、いる!俺見参!」
リオレウス「良かったなー。最後ディノバルドー…は、今日も休みか」
ラギア「あいつまたサボりかよ」
ティガ「最近さーあいつサボり多くね?」
ライゼクス「うぜーよなー」
リオレウス「確かにここ最近休みが多いな」
ガラッ
ディノバルド「………」
リオレウス「おっとディノバルド。残念だが遅刻だぞ」
ディノ「……すいません」
リオレウス「どうしたんだ今朝は」
ディノ「……寝坊です」
リオレウス「……夜更かしすんなよー。よし、授業始めるかー」
リオレウス「……あ、連絡事項。今日の五限と六限の体育は古龍科と合同だからなー」
ティガ「えっ合同?!」
ラギア「しかも古龍科!!!!」
ライゼクス「うっひょー!」
リオレウス「静かになー。あんまりはっちゃけるなよー。古龍だからなー」
ティガ「センセー今日の授業はずっと体育にしましょーよー」
リオレウス「それは無理だぞー。一限目はじめるぞー。教科書開けー」
ティガ「あっ教科書忘れた」
ラギア「俺も」
ライゼクス「俺も。ブラキ見せて」
リオレウス「先生は悲しいぞー」
ガムート「……あの、これ。私のやつ貸すよ。シェアして見たら?私、ミツネっちに見せてもらうし……」
ラギア「おー、ありがとなー」
ティガ「ラッキーだな」
ガムート「………//」
リオレウス「えーじゃあ昨日の続きなー。教科書56ページ『マンドラゴラの正しい洗い方』……」
----同時刻、古龍科----
テオ・テスカトル「えっ、合同……ですか?」
シャガルマガラ「そうだ。メインモンス科とな」
ナナ・テスカトリ「嫌ね。とてもうるさそう。それに、バカばっかりって聞くけど?」
シャガル「……否定はできない。だが私の子供や、お前らと同じ古龍の奴もいるぞ」
ナナ「クシャル君、最近会ってないけど元気かしら」
テオ「そうだな、彼には会っておきたいな。そう思うだろう、キリン?」
キリン「……うん、そうね……」
キリン「(クシャル君……)」
キリン「(メインモンス科かぁ……嫌だな。気が乗らないけど…)」
キリン亜種「………」
オオナズチ「ボク楽しみだな」
ラオシャンロン「(……帰って寝たい……)」
シャガル「まあ仲良くやってくれ。向こうの方が人数が多いがな」
キリン「(尚更嫌だ……)」
シャガル「では授業を始めよう。教科書97ページ『伝説の教師』……」
あれ、クシャル……
---戻ってメインモンス科---
リオレウス「……で、マンドラゴラの効能は人間のハンターにとっては……」
ティガ「zzz....」
ラギア「…………」(ハナクソホジー)
ライゼクス「(ヒソヒソ)お前これ今週号じゃん…いつ買ったんだよ…今朝?」
ジンオウガ「(ヒソヒソ)近所に…発売日の前日に入荷する店があって…」
ブラキ「(ヒソヒソ)そこでいつも…買ってんだよ…」
ライゼクス「(ヒソヒソ)あっ!でもハン○ーハ○ター載ってない!」
ティガ「zzz....」
ガムート「………」チラッ
ティガ「zzz....」
ガムート「……//」
ガムート「……(こそっ)ねぇミツネっち。ミツネっちって好きな人とかいる?」
ミツネ「……なんで急に?」
ガムート「なんとなく。ていうか、ミツネっちってその……男と女、どっちが恋愛対象なの?」
ミツネ「女の子に決まってるじゃん」
ガムート「どういう人がいいの?」
ミツネ「美しい人。……できれば竜がいいかなぁ…」
ガムート「そっかぁ。……あの……さ。そのーー、……ティガってさ、かっこいいと思う?」
ミツネ「……ティガ君……?……ガムちゃんなに、ティガ君好きなの?」
ガムート「べっ!べつにそういうわけじゃないけど……」
ミツネ「ふーん。……あんまり思わないかなぁ。僕はラギア君のほうが、カッコいいと思うけどなぁ」
ガムート「そっかあ」
ティガ「zzz....」
------昼休み、同じくメインモンス科------
ティガ「ふあぁ……あーよく寝た。メシかー」
ラギア「よく考えたらメシのあと体育か。体動くかなー」
ライゼクス「でも合同ってなにすんの?」
ティガ「サッカーじゃね?」
ラギア「えー俺バスケがいー」
ティガ「メシどーする?俺なんもない。金も」
ラギア&ライゼクス「同じく」
ティガ「……おっとあれはポポやん!」
ドドドド……
ティガ「よーよーポポやん。いーところに通ったじゃないの」
ガムートはメスなの?吉田さおりなの?
>>14
メスです。
ポポ「!!」びくっ
ティガ「俺今日メシなくてさー。金もないんだよねー」
ポポ「……」ビクビクッ
ティガ「ここでオマエを食ってもいいんだけど…それはさすがにねー?校則違反だよねー?」
ポポ「……」ガタガタ
ティガ「だからさーちょっと……ちょっとでいいんだ、恵んでくれない?三人分!」
ポポ「……」ブルブル……
チャリン
ティガ「……うおーありがとうポポやん!マジで!また頼むな〜アッハッハッハッ」
ティガ「食堂行こうぜー」
ライゼクス「ういーっす、いつも悪いなーポポ」
ラギア「オマエのおかげでメシが食えるぜ」バシバシ
ティガ「ぎゃっはっは」
------昼食後、学校・校庭------
ラギア「古龍科の担任のさー、シャガル先生って知ってる?」
ティガ「知ってる知ってる!綺麗だよなーめっちゃタイプ」
ラギア「あの人の子供って俺らのクラスにいるの知ってた?」
ライゼクス「えっ!誰?!もしやクシャル?」
ラギア「いや違う。ゴア・マガラ」
ティガ「えーあいつのー?!ゴマー?!」
ライゼクス「ゴマってなに考えてるかわかんねーしよーシャガル先生とちょっと似てるかも」
ティガ「……今更なんだけどゴマって男なの?女なの?」
ラギア「どっちでもないらしいぜ。男でもねーし女でもない」
ライゼクス「マジ?!えっじゃあシャガル先生も?!」
ラギア「男でもねーし女でもない」
ティガ「ウッッソだろどう見ても女にしかみえねー!マジかよ」
ライゼクス「俺は男だと思ってたけどなぁ」
ティガ「……えーショック……でも……男じゃないなら……いやでも女でもないんじゃなぁ……」
ラギア「女だったとしてもティガじゃムリだよ!ぎゃはは」
ティガ「うっせーぞラギア」
ライゼクス「ははは……あっ」
ライゼクス「古龍科の連中が来たぜ」
ティガ「おお」
テオ「早いな、メインモンス科の奴らは…」
ナナ「そうね。もっと時間にルーズだと思ってたけど」
オオナズチ「うわぁ〜みんなカッコいい〜」
キリン「…………」
キリン亜種「結構でかい奴もいるんだな……」
ラオシャンロン「(寝たい)」
ティガ「なーんかどいつもこいつもオカタイ感じ〜」
ライゼクス「あれ噂のナナちゃん?カッワイ〜」
ラギア「そうかぁ……?」
ラギア「……… …………っ!!」
キリン「(やっぱりうるさいなぁ)」
ラギア「……なぁライゼクス、あの子、誰だ?」
ライゼクス「んん?……ああキリンだよ」
ラギア「キリン……」
ラギア「……(なんて美しいんだ!)……」
ラギア「……(青白い身体…透き通る青い角!さすが古龍…!)……」
ティガ「……ラギア?」
ラギア「………………………」
キリン「(クシャルくん、来てるな…)」
クシャル「…………!」
クシャル「…………………」ふいっ
キリン「(……目、逸らされちゃった……)」
テオ「やあクシャルくん、久しぶりだね」
クシャル「……テオか」
ナナ「ねぇ、いつまでもメインモンス科になんていないで古龍科に編入してきたらいいのに」
オオナズチ「わぁ〜わぁ〜クシャルくんだぁ〜久しぶりだねっ久しぶりだねっ」
キリン亜種「元気だったかい」
ラオ「ちょっと錆びてきたなー」
テオ「君はサークルも辞めてしまったし、めっきり会う機会がなくなってしまったじゃないか」
キリン「(クシャルくんが編入してきたら……)」
キリン「(…………どうしよう……)」
クシャル「……気持ちは嬉しいけどね。俺は古龍だけどメインモンスだし、あのクラスも結構居心地がいいんだ」
テオ「でも仲の良い奴なんていないだろう?」
クシャル「…………」
ナナ「どうしてサークルを辞めてしまったの?あまりにも突然過ぎたじゃない」
クシャル「…………」
キリン「(!……クシャルくんがこっちを見た)」
クシャル「……まぁ、気まぐれだよ」
テオ「なにかもっと理由g……」
ライゼクス「ねぇねぇーーお姉さん、ナナさんでしょ?初めて会うね!」ずいっ
ティガ「体も青くってさぁ〜〜すげーカワイイじゃん」
テオ「……!おい、ナナから離れろ!!」
ナナ「……誰ですの、あなたたち」
ライゼクス「メインモンス科の〜〜ライゼクスで〜〜すっ」
ティガ「ティガレックスで〜〜す」
ラギア「…………」
ティガ「あれ?」
ライゼクス「おーいラギア?」
ラギア「……あ!ら、ラギアクルスと申します」
ティガ「ラギアクルスと『モウシマス』だぁ〜?」
ライゼクス「どうしたんだよお前!」
キリン「(……この人、ずっと私を見てる……)」
ラギア「…………」
キリン「(……なんなの?)」
ラギア「…………あの、さ」
キリン「(……寄ってきた!嫌だ!)」
バリバリバリバリッ
ティガ「うわっひでぇ!雷撃!!」
ライゼクス「……でもラギアには効かないだろ?」
ラギア「………(この……甘い衝撃!!!)………」
ラギア「…………いや、よく効いたよ……」
ティガ&ライゼクス「ハァー?!」
テオ「……意味がわからん。じゃあクシャルくん、今度食事でも」
ナナ「先生が来そうだから、またあとで」
オオナズチ「楽しみだねー!」
ガムート「………」
ガムート「(……ティガ、やっぱりナナさんに話しかけてる……)」
ガムート「(シャガル先生が来たら、きっと先生にも話しかけるわ)」
ガムート「(大体、馴れ馴れしいのよね、いろんな人に)」
ミツネ「……あたしだってティガとお話しがしたいのにぃ!古龍だからってずるいずるいー」
ガムート「うわっ、み、ミツネっち」
ミツネ「考えてること当たったー?」
ガムート「……よくわかるね」
ミツネ「ははは」
ミツネ「ガムちゃんも水臭いな。教えてくれればいいのに」
ガムート「ごめんね。……私、こんな見た目だから、恋してるなんてガラじゃないかなって……」
ミツネ「なにそれ?見た目なんて関係ないでしょ」
ガムート「……うん。でもミツネっちは美しい人じゃなきゃダメなんでしょ?」
ミツネ「それは僕のタイプってだけ。恋するのに見た目がどうこうは関係ないよ。それにガムちゃん可愛いじゃない」
ガムート「ありがとう。……私、体が大きいから、それを気にしてるんだ」
ミツネ「でも君は最小銀冠サイズじゃないの」
ガムート「うん……」
ミツネ「ティガ君を好きなら、コンプレックスは克服しなきゃ」
ガムート「……ありがとう。ミツネっち優しいね」
ミツネ「普通だよ」
リオレウス「やーやー遅くなったね」
シャガル「全員いるようだな」
ミツネ「先生たち来たね」
ティガ「ハイッセンセー!!体育なにするんですか!なにするんですか!!!!」ドドドドド……
リオレウス「はい、先生の周りをぐるぐる走らない」
シャガル「(うるさい)」
ライゼクス「俺サッカーとかバスケがいいんですけどー」
ラギア「…………」
リオレウス「そうだなー今日は……」
ラギア「…………」
ラギア「(………キリンちゃん………)」
ラギア「(どーしようマジ可愛い……なんだこの気持ちは……)」
ラギア「…………」チラッ
キリン「…………!」
キリン「(またあの人……)」
ラギア「…………」ペコッ……
キリン「(……?なんなの、あの人………体長すぎだし……こっち見てるし)」
ラギア「(……目が合っちゃったーー!)」
------体育後、メインモンス科------
ティガ「あっつ!マジあっつ!まさかサッカーとバスケ両方やるとはなー」
ライゼクス「帰り湖寄ってかね?」
ティガ「それアリ!」
ラギア「……」
ティガ「なーラギア、お前なんでずっと黙ってんの?」
ライゼクス「ハラいてーのー?」
ラギア「……なぁティガ、お前、黒ディアブロスとまだ続いてんの?」
ティガ「ハァーー?!んだよ急に」
ティガ「とっくに別れてるっつーの」
ライゼクス「あーそうだったんだ」
ライゼクス「あんなにラブラブだったのに」
ティガ「なんなんだよ!」
ラギア「なんで別れたの?」
ティガ「えーー?!……あいつ見た目は激カワだけど性格ちょー凶暴でさーすぐ怒るんだよね」
ライゼクス「いるいるそういう女」
ティガ「デートの時にさーちょっと遅刻したんだよ、30秒」
ティガ「そしたら『遅い!!』つって地面に潜ってさー」
ティガ「ちょー強力な突き上げ攻撃してきたんだよ」
ライゼクス「うっわ、キッツwwww」
ティガ「そんで俺、『あ、コイツとはもう終わりだな』って思ったね」
ラギア「……そうなんだ」
ラギア「ライゼクスは?桜リオレイアと、どうなの?」
ライゼクス「いやんもう超ラブラブ?」
ラギア「そうなんだ」
ティガ「なになにーお前、恋した系?」
ライゼクス「恋した系なのー?!」
ラギア「…………そーかもしれん」
ティガ「え…………」
ライゼクス「マジか…………?」
------放課後、どこかの山------
ディノバルド「……すいません。無理です」
???「(バリッバリッ)あぁ?なにが無理だってんだァ?」
ディノバルド「俺にはできないです」
???「(ムグ……)できるできないは聞いてねェよ」
???「やれよ」
ディノバルド「……すいません。勘弁してください」
ディノバルド「先輩の好きなアプケロスとか、」
ディノバルド「いっぱい取ってくるんで……許してください」
???「(ガツガツ)許すかは置いといて今すぐ取ってこいな」
???「じゃねェと……わかってるよな?」
ディノバルド「…………はい」
------同じく放課後、渓流------
ラギア「(ティガもライゼクスも恋愛経験があるのに)」
ラギア「(俺だけないんだな……)」
ラギア「(それにしてもキリンちゃん、可愛かった……)」
???「……い、…………いね、……ち」
???「………ら……に………ぶ?」
ラギア「(誰か来たな)」
ラギア「(学校の連中か?)」
ラギア「(ハンターじゃないだろうな……)」
???「……ハァ、ハァ……ミツネっち……きっつぅーー」
???「ねーホント、無理しないでよ……もうすぐ滝だよ!体冷やそうよ」
ラギア「あ」
ラギア「お前ら……!」
???(ミツネ)「えっ?あっ!ラギア君だ、ガムちゃん、ラギア君だよ」
???(ガムート)「わっ!本当だ!ラギア君……!」
ラギア「ぐーぜんだな」
ミツネ「珍しいね、今日は渓流に来たんだ」
ラギア「ああ、なんとなくだけど……って、おい」
ラギア「なんでガムートがここにいるんだ?」
ガムート「ハァ、ハァ……あのね……ふー、ミツネっちの巣に泊まろうと思って」
ラギア「???なんでまた?お前、寒いところじゃねぇと無理だろ」
ガムート「うん……はー、ギリギリ渓流なら、いけると思ったんだけど……まだ密林とかよりマシなんだけど、結構あついよ」
ミツネ「僕も、やめたほうがいいって言ったんだけどね。どうしても来たいって」
ラギア「……ミツネの巣に泊まりにきたのか。……ってことは……」
ラギア「………」
ラギア「……あー、なんだそーいうこと」
ミツネ「え?」
ガムート「えっ?!えっ?!!!なに?!!えっ、違うよ?!!友達だもん!」
ラギア「いーって、いーって。隠さんでも。俺も誰にも言わねーし。……ティガとライゼクス意外には」
ガムート「(ティガ?!)だ、ダメだよ!本当に違うの!!」
ミツネ「ラギア君。誤解だよ」
ラギア「……ふーん?」
ラギア「まぁ、そう言うなら信じるけど」
ラギア「でもフシギ。わざわざ渓流まで来たがる理由があんのか」
ガムート「うっ、うーん。それはーー……」
ミツネ「ガムちゃんが折り入って僕に相談したいことがあるんだって」
ラギア「ほーん?恋愛相談?」
ミツネ「まぁそんな感じ」
ガムート「みっ、ミツネっちーー……」
ラギア「なるほど」
ミツネ「僕は暇だからね。ガムちゃんの話を聞いてあげることくらいしかできないけど……」
ラギア「……いーねぇ。相談できる相手がいるってのは」
ミツネ「ティガ君とライゼクス君がいるじゃない」
ガムート「(ティガ……)そ、そうだよ」
ラギア「……いーやダメだ。ぜってーあいつら、からかってくるし」
ミツネ「からかわれるようなことで悩んでるの?」
ラギア「(ぎくっ)」
ミツネ「まあ、概ね恋愛関係の悩みかと思うけど」
ラギア「……ミツネお前、すげぇな……」
ミツネ「当たりなんだ」
ガムート「ラギア君、好きな人がいるの?」
ラギア「……うん、まぁ……好きっていうか、なんていうか……」
ラギア「か、可愛いなって、気になるんだ」
ミツネ「……ふーん。その話、詳しく聞きたいかも」
ミツネ「ここじゃなんだから、洞窟に入ろう」
ミツネ「洞窟の中は結構涼しいから、ガムちゃんもきっと大丈夫」
ガムート「うん、ありがとう」
ラギア「(乗せられた……?)」
------同じく放課後、森丘の湖------
ライゼクス「今日のラギアさー、様子変だったよな」
ティガ「思った!メッチャ変。あいつバスケ好きなくせにずっとボーッとしてるし」
ライゼクス「サッカーの時なんかずっとオウンゴールだぜ?」
ライゼクス「意味わかんねーよ」
ティガ「俺たちの恋愛の話聞いてみたりして、やっぱ好きな女でもできたのかな」
ライゼクス「にわかには信じらんねー」
ライゼクス「あいつ今までそんなんなかったし、バスケ命だったじゃん」
ティガ「もしそうなんだとしたら誰だろうなー」
ライゼクス「体育の時から変だから、ナナちゃんにでも惚れたのかな」
ティガ「シャガル先生かも!!」
ライゼクス「いやーー性別ないって知っててわざわざそれはねーべ」
ライゼクス「あとは……ああ、キリンとか」
ティガ「あー、あの小さいやつ?でも思いっきり雷落とされてたよな」
ティガ「雷落としてくる奴に惚れるとも思えねーし……」
ライゼクス「ガムートかも」
ティガ「ぶはっ、ねーよ!ないない!」
ライゼクス「ぎゃはは、そーだよなー」
ティガ「ラギアのことだからミツネって線もあるな」
ライゼクス「いやミツネ男だし」
ティガ「でも顔は女みたいだしさ〜」
ライゼクス「考えててもわからんなーー」
ティガ「ホントだなーー」
------戻って渓流------
ラギア「……て、わけで、俺の心にもイナズマが走ったわけです」
ミツネ「へぇぇーー、一目惚れってわけね」
ガムート「そのキリンって子と私、友達だよ」
ラギア「えっ?!!!!」
ガムート「私、基本的には雪山にいるんだけど……キリンちゃんも、結構雪山に来るから、仲良くなったんだ」
ラギア「うっっっそ?!!!マジで?!!」
ガムート「うん。いい子だよ」
ラギア「な……仲取り持ってください」
ガムート「うん、いいけど……」
ミツネ「ガムちゃんもさ」
ミツネ「取り持ってもらったら?」
ガムート「……えっ?!」
ラギア「ん?なんかあんの?」
ミツネ「話したら?」
ガムート「……えーーーー……」
ラギア「そーいや、ガムートがミツネに相談したかったことって、なんなんだ?」
ラギア「好きなやついんの?」
ガムート「…………うん…………」
ラギア「おーーー。誰?塔学校のやつ?」
ガムート「……うん」
ラギア「誰にも言わねーよ。……ティガとライゼクス意外には」
ガムート「(ティガ!!)じゃっ、じゃあダメっ!!」
ラギア「んーーーだよ。……ハッもしや」
ガムート「(ばれた……?)」
ラギア「俺?」
ガムート「いや違うかな」
ラギア「即答かよ」
ミツネ「ちゃんと話せば、ラギア君誰にも言わないと思うよ。ラギア君の弱みも握ってるしね」
ラギア「弱みってお前……」
ガムート「………うん、話すよ」
ミツネ「頑張って」
ガムート「……あの、ね」
ラギア「うん」
ガムート「…………ティガ」ぼそっ
ラギア「……ん?……えっ、ティガ?!」
ガムート「…………//」コクッ
ラギア「おーーー…………わーー……ティガねぇ」
ガムート「………うん。……おかしいよね」
ラギア「いやおかしくねーよ。……にしても、全然仲良くねーじゃん」
ガムート「そうなんだよね〜……」
ラギア「友達の俺が言うのも何だけどさー、どこがいいの?あんなの」
ラギア「うるせーし顔もイカツイだろ?」
ガムート「……ティガは、雪山によく野良ポポを食べに来るんだけど」
ラギア「そうだな。あいつポポ好きだもんな」
ガムート「よく見かけてて、かっこいいなって思って」
ラギア「……そうかぁ……?」
ガムート「前にね、いつもみたいにポポを食べに来たときに」
ガムート「初級ハンターのパーティーと遭遇して、ライトボウガンで撃たれてて」
ラギア「なんか聞いたことあるかも」
ガムート「ずっと撃たれ続けてるのに、構わずにポポを食べてたんだよね」
ガムート「ハンターが初級の奴らだからって、構わずに……//」ボッ
ラギア「……撃たれてるのに平然としてた姿に、惚れたってことか」
ガムート「…………うん……//」
ラギア「(どっちも変わった奴……)なるほど、ありがとうな、話してくれて」
ミツネ「僕もね、今日知ったんだ。ガムちゃん、教えてくれてありがとう」
ラギア「そうなのか。お前ら仲良いのに」
ガムート「恥ずかしくて……。私みたいな大きな身体で、ティガを好きとか」
ラギア「いや、体の大きさは関係ないと思うぜ?」
ガムート「……そう?」
ラギア「おお。慰めとかじゃなくて実際に、元カノとかあいつよりデカイ奴いたことあるし」
ガムート「やっぱり元カノいるんだ……」
ラギア「……あー、まーな。あいつ結構遊んでるからよー」
ミツネ「ちょっとチャラチャラしてるよね」
ガムート「今は付き合ってる人とかいるのかな……?」
ラギア「いや?いないはずだぜ。結構長く付き合ってた奴いたけど、そいつとは別れたって、たったさっき聞いたから」
ガムート「その、長く付き合ってた元カノさんって、誰だかわかる……?」
ラギア「黒ディアブロス。飛竜亜種科の」
ミツネ「あー可愛い子ね」
ガムート「ミツネっち、知ってるの?」
ミツネ「まあね。可愛い竜さんはリサーチ済み」
ガムート「そ、そうなんだ。でも確かに、飛竜亜種科って派手で、女の子もギャルっぽいよね……」
ガムート「他にも……いるのかな?付き合ってた人」
ラギア「……大丈夫なのか?そんなに聞いて」
ミツネ「過去いろいろ探って、ショック受けない?」
ガムート「……受けるかも!でも、気になるし」
ガムート「ティガの好みの子を探って、それに近づけるようになる!」
ラギア「おー、それならまあ、いいのかな」
ラギア「えーと黒ディアブロスの前は月ナルガと付き合ってたかな」
ガムート「ナルガクルガ希少種さん?!ナルガ君のお姉さんの?」
ラギア「そうそう。ナルガああ見えてシスコンだから、大好きな姉ちゃんティガに取られていじけてたんだぜ」
ラギア「だからいまでもあの二人は仲が悪い」
ガムート「そういう関係があったのね」
ミツネ「月ナルガさんも、美人だよね」
ラギア「あいつ面食いだからな。そう言えばシャガル先生を狙ってたっぽいな」
ガムート「やっぱりね。……ティガは女好きっぽく見えてたから、シャガル先生を気に入りそうとは思ってたけど……」
ラギア「まあ、シャガル先生に性別がないって知ってショック受けてたから、もう狙いはしねーだろうけどなー」
ガムート「…………そっかー」
ラギア「そんなしょげんなよ。方法はいくらでもあるはずだ」
ラギア「よし、そうだな……明日俺がティガに、ガムートのことをどう思っているのかそれとなく聞いてやるよ」
ガムート「ほんとっ?!そ、それとなくだよ?!わかんないように!!」
ラギア「だいーじょぶ、だいーじょぶ。まかせろ」
ガムート「じゃあ、明日はキリンちゃんと3人で一緒に帰ろう」
ラギア「マジっすか?!!!うわっ、どうしよう!!」
ガムート「ふふふ」
ミツネ「二人とも、良かったね」
ミツネ「この際僕も話そう」
ガムート「え……何を?」
ミツネ「僕、実は一ヶ月前から彼女います」
ガムート「えーーーっ!!!!」
ラギア「んだよオイオイーーー、リア充かよ」
ガムート「ミツネっち、今日好きな人いるか聞いたじゃーん!!」
ミツネ「はは、ごめんごめん」
ラギア「で、誰なんだ?彼女は」
ミツネ「白ラギアさんだよ」
ラギア「うお、俺、イトコだぜ」
ミツネ「知ってる。ガムちゃんごめんね、話さなくて」
ガムート「もーー、ミツネっちこそ水臭いじゃーん」
ガムート「でも、知れてよかった!なんかもっと仲良くなれた気がするね」
ミツネ「ははは、そうだね」
ラギア「なんか楽しーなー、よし、今日は盛り上がろうぜ」
ガムート「そうしよー!」
ミツネ「じゃあ僕はごはんにするお魚とかをとってくるよ」
ラギア&ガムート「よろしくー!!」
ミツネ「(ふー、なんか勢いで喋っちゃったけど)」
ミツネ「(まぁいいか……あの二人だし)」
矢文アイルー(黒)「タマミツネ様ー、タマミツネ様ニャー?」
ミツネ「おっと。矢文が来たのかい」
矢文アイルー(黒)「そうですニャー。孤島から、渓流のタマミツネ様に矢文ですニャ」
ミツネ「(孤島……)ありがとう。いつも悪いね」
矢文アイルー(黒)「とんでもないですニャー。それでは失礼しますニャー」
ミツネ「(孤島から矢文か……)」
ミツネ「(まあ誰からだか大体わかるけど)」
パサ
『ミッくん。
今夜会いたいな。
白ラギア』
ミツネ「(…………)」
ミツネ「(めんどくさ…………)」
グシャッ
------翌日、学校・メインモンス科------
ラギア「おはよー」
ティガ「おー」
ライゼクス「おはよーさん」
ラギア「ティガ、あのさ」
ティガ「お?」
ラギア「お前、ガムートのことどう思う?」
ティガ「……は?ガムート?」
ラギア「うん。どう思う?」
ライゼクス「(コイツやっぱ昨日から変だ……)」
ティガ「どうって……え?どーいうこと?」
ラギア「えーと顔とかさ」
ティガ「顔……顔ねぇ」
ティガ「(コイツ……ガムート狙ってんのか?)」
ティガ「や、全然タイプじゃない」
ラギア「……そうか」
ティガ「でもよく見るとそんなにブスではない……と思うぜ?」
ティガ「ふつーの顔だよな?ライゼクス」
ライゼクス「あ、あー。うん、悪くはないんじゃね?」
ラギア「おー、そうかそうか」
ティガ「何なんだ?急に」
ラギア「いや別に。……便所行くわ」
ティガ「……行っトイレー」
ティガ「(こそっ)なあ、変だぜ」
ライゼクス「(こそっ)ああ、変だな」
ティガ「やっぱり好きな女が出来たのは確定だな」
ライゼクス「しかもガムートっぽいな……」
ティガ「わけわかんねー趣味だな」
ライゼクス「まぁでも、応援してやろうぜ」
リオレウス「おーいチャイム鳴ったぞー」ガラッ
------昼休み、学校・食堂------
ティガ「おっちゃん。俺生肉A定食ね」
クック「あいよ。えーと、デザートは生肉だよね」
ティガ「そーそー」
ライゼクス「俺最近すげーことに気付いてさー」
ティガ「なになに?」
ライゼクス「生肉は、焼いてもうまい!」
ティガ「は?!なにそれ!焼いた生肉?!」
ライゼクス「焼くと生肉って呼ばないらしいぜ」
ティガ「マジ?!なに?!」
ライゼクス「焼肉!!!」
ティガ「うっそ!それスゲーッ」
ラギア「………」きょろきょろ
ラギア「(キリンちゃん、いねぇかな)」
クック「お兄さん、どうするの?」
ラギア「(キリンちゃん……)」
クック「ちょっと、お兄さん」
ティガ「……おいラギア!」
ラギア「(はっ)えっ?なに?」
クック「ゴハン。なににするの?生肉A定食?」
ラギア「あっ、うん。デザートも生肉で」
クック「あいよ〜」
ティガ「なーデザートくれよ」
ラギア「……いいよ」
キリン「やだ、お兄ちゃんたら……ふふふ」
紫キリン「それでその××を……」
オオナズチ「紫くんは面白いなぁ〜」
ラギア「(あっ!キリンちゃんだ!)」
ラギア「…………」
ラギア「(カッワイ〜)」
ライゼクス「なに鼻の下伸ばしてん……あっ!」
ガムート「キリンちゃ〜ん」
キリン「あら、ガムちゃん」
ラギア「…………」デレデレ
ライゼクス「(ひそっ)ティガ、あれ見ろよ……ラギアの視線の先」
ティガ「(ひそっ)あん?……あっ、ガムート」
ライゼクス「あいつガムート見て鼻の下伸ばしてるぜ」
ティガ「きもっ」
ラギア「(今日、一緒に帰れるんだよな……緊張してきた)」
ライゼクス「ティガ、焼肉食べる?」
ティガ「あー食ってみてーな。どんぐらいウマイか」
ライゼクス「よっしゃ」
ジジッ ジュウ…………
ティガ「おお、雷撃で……」
ライゼクス「あんまり焼きすぎないのがコツだぜ。ほらよ」
ティガ「あ、ホントだうめぇ」モグ
ライゼクス「だろ、結構あなどれねーよな」
ラギア「(キリンちゃんなに食べてんのかな……)」
ティガ「雷撃使えるのってべんりだよなー。俺なんにも使えねーもん」
ライゼクス「あーまぁ、便利っちゃ便利かな」
ライゼクス「暗いとことか」
ティガ「だろー?お前ら二人とも雷属性だもんなー。いいなー」
ラギア「(そういえばキリンちゃんも雷属性か……)」
ライゼクス「ティガだって雪ボール投げれるだろ」
ティガ「……ボール言うな。あれは雪山と氷海限定よ」
ラギア「(……雪山!)」
ラギア「あのさティガ」
ティガ「あ?」
ラギア「雪山には、どのくらいの頻度で行ってるんだ」
ティガ「……あー、最近は氷海が多いから、雪山は4〜5日にいっぺん、かな」
ラギア「その……会ったことあんのか?(キリンちゃんと……)」
ティガ「(ガムートのことか?)会うっていうか、見かけるくらいだぜ」
ティガ「でもあいつ氷海にも来るけど……」
ラギア「えっ?!そうなの?!氷海にも?!」
ティガ「おお……見かけても俺は話さないけどな」
ラギア「はぁ〜〜俺も、寒いところに適応したかった」
ティガ「(コイツ……そんなにガムートのことが……)」
ライゼクス「(本気だな)」
------放課後、メインモンス科------
ティガ「なーラギア、帰りに遺跡平原でケルビ狩りしない?」
ラギア「あーー俺パス、わりぃな、先約が……」
ライゼクス「なんだよ付き合いわりーよ」
ラギア「まじゴメン!今度埋め合わせするから!」
ティガ「しゃーねーなーー絶対だぞ!」
ラギア「おう、じゃな!」
ティガ「…………」
ライゼクス「…………」
ラギア「待たせたな〜行こうぜ!(キリンちゃんの迎えに!)」
ガムート「(キリンちゃんと帰るの)楽しみだね〜〜」
ティガ「あいつわかりやすいなぁ」
ライゼクス「つーかあれってもはや付き合ってね?」
ティガ「ガムートと二人でどこ行くんだろうなぁ」
ライゼクス「さぁ……氷海で海水浴とか?」
ティガ「ラギア凍るだろ」
ライゼクス「なんでまたガムートなんだか」
ティガ「さぁなーーー」
------同じく放課後、裏門前------
ミツネ「……………」
ミツネ「(遅いよ、いつも)」
白ラギア「あっ!ミッくーーん!」
ミツネ「!」
白ラギア「ごめん、遅れたー!待った?」
ミツネ「……いや、待ってないよ」
白ラギア「もー、ミッくん昨日の矢文無視したでしょ!」
ミツネ「あーごめんね。寝ててさ。朝起きたら頭の横に矢文が来てるの気付いたから……」
白ラギア「ホントなのー?」
ミツネ「ホントホント」
白ラギア「今日は孤島のあたしの巣に来るでしょ?」
ミツネ「うん」
白ラギア「お兄ちゃんも来てるんだよ!」
ミツネ「え…………っ」
ミツネ「冥ラギアさんが……?」
白ラギア「そうだよ!いつもは来てもすぐ海底遺跡に帰っちゃうけど、今日は泊まってくって」
ミツネ「そ、そうなんだ」
ミツネ「僕も泊まろうかな」
白ラギア「ホントに?嬉しい!」ぎゅっ
ミツネ「はは……」
ミツネ「(冥ラギアさん……)」
------同じく放課後、正門を出たところ------
キリン「あの、ガムちゃん」
ガムート「なーに?」
キリン「そちらの方が、昼休みに言ってた、ラギアさん?」
ラギア「(ドキッ!)は、はい」
ガムート「そうだよ〜同じクラスの!」
キリン「(確か昨日、私が雷を落とした人だわ……)」
キリン「(仕返しをしに来たのかしら)」
キリン「ラギアさん」
ラギア「(ドッキィーッ)はいっ!俺?!」
キリン「あの昨日……ゴメンなさい」
ラギア「へっ?!なにが?!」
キリン「私、いきなり雷を落としちゃって」
ラギア「や!!大丈夫!!俺には効かないから!!(でも恋の衝撃は効いたぜ!)」
キリン「そうなの……?雷が、効かない?」
ガムート「ラギア君は、キリンちゃんと同じ雷属性なんだよ」
ガムート「それを昨日知って、同じ属性だから仲良くなりたいんだって!」
ラギア「(ナイス、ガムート!)そ、そうなんだよ」
キリン「そうだったの。……私、人見知りだから、ついつい落としちゃうのよね」
キリン「お兄ちゃん以外に雷属性のお友達っていなかったから、嬉しいな」
ラギア「(どっひゃー!!)俺も嬉しいっ!か、雷属性かっこいいよな」
キリン「うん……でも」
キリン「傷付けるくらいなら、こんな属性ないほうがいいかな」
ラギア「…………?」
キリン「それに、龍属性のほうがかっこいい」
ラギア「あーそれはわかる、俺のクラスにも龍属性持ってる奴いるけど、かっこいいもん」
ガムート「あ、クシャル君ね。彼かっこいいよね〜〜」
キリン「(クシャル君……)」
ラギア「あれ?同じ古龍で……知り合いだったりする?」
キリン「……うん、サークルが一緒だった」
ラギア「サークル!なんのサークル?」
キリン「『気候操り会』ってサークルなんだけど」
ガムート「すごいサークルだね……」
キリン「古龍のみんなで集まって、どれだけ気候を操れるのかを研究するんだ」
キリン「とても楽しいの」
ガムート「私も入れるのかな〜?雪、降らせるかも」
ラギア「俺も!雷が……」
キリン「ごめんね、古龍限定なの……」
ガムート「ざんねん!」
ラギア「ど、どうしてもダメ……?」
キリン「……ごめんね」
ラギア「(こそっ)なぁガムート、俺嫌われてない?」
ガムート「(こそっ)そんなことないよ!キリンちゃんは人見知りなの」
キリン「ところで、帰る場所は雪山なんだけど、ラギアさんは大丈夫?」
ガムート「あっ……」
ラギア「…………」
ラギア「大丈夫、火山じゃなければ(あんまり行きたくないけど)」
------同じく放課後、遺跡平原------
ティガ「ラギアいねーとイマイチつまんねーよな」
ライゼクス「わかるわー」
ティガ「ケルビ、狩るのは楽しいけどあんまうまくねーんだよな」
ライゼクス「そう?俺結構すきー」バリッ、バリッ
ティガ「やっぱりポポが一番」
ライゼクス「まぁ……ポポはうまいな」
ライゼクス「でもガーグァもうまいと思うぜ」
ティガ「ガーグァ焼いて焼肉にしない?」
ライゼクス「あーそれさ、ガーグァって鳥じゃん」
ティガ「?おお、鳥だけど」
ライゼクス「鳥の肉は、焼いても焼肉にはならない」
ティガ「へ!!なんで?」
ライゼクス「焼鳥になる!!!!」
ティガ「うっっわ!!!それ面白い!!!」
ティガ「帰ったら兄ちゃんに教えよう」
ライゼクス「黒ティガさん元気?」
ティガ「あー元気元気。うぜーくらい」
ライゼクス「一番上の姉ちゃんは?えーと、大ティガさん?」
ティガ「あいつそんなに帰って来ねーからあんま会わないけど」
ティガ「まーたぶん、元気」
------夜、旧砂漠・ティガレックスの巣------
ティガ「黒兄(くろにい)ただいま〜〜〜」
黒ティガ「………zzz」すぴーすぴー
ティガ「んだよ、寝てんのか」
ティガ「カワイイ弟がただいまって言ってんのに」
ティガ「……起きて出迎えろやボケコラァァァ!!!」(バインドボイス大)
黒ティガ「……うっっっっ…………るせぇぇぇぇぇぇ!!クソガキてめぇぇぇ」(バインドボイス特大)
ティガ「なんで俺が帰る前に寝てんだよ!!!起きろよ!!!」
黒ティガ「ハァー?!なんで俺がテメェを待ってて起きてなきゃなんねーんだよ!!」
ドタドタドタ……(取っ組み合い)
ティガ「それが兄の務めってやつだろーーがっ!!!」
黒ティガ「ざっっけんな、テメェこそ俺より早く帰って俺を出迎えろや!!」
ティガ「意味不明!!!!しね!!」
黒ティガ「お前が死ね!!俺は長男だぞ!!!」
ドタドタドタ……
大ティガ「……うるっさいわねぇーーーなにやってんのよーーー!!!!」(バインドボイス超特大)
ティガ「!!!!」ビリビリビリ…
黒ティガ「!!!!」ビリビリビリ…
大ティガ「……はー。たまに帰ってくるとこれだから嫌だわ」
ティガ「姉ちゃん!!なんだよ、帰ってきてたのか」
大ティガ「そーよ。矢文送ったじゃない」
ティガ「あ………」
大ティガ「まあ、見てないだろうとは思ったけど」
黒ティガ「姉ちゃんがせっかく帰って来てんだから、俺も早く帰ったんだよ」
ティガ「……そーだったのか」
大ティガ「アンタらいい加減に大人になりなさいよ」
黒ティガ「俺はもう大人だぜ」
ティガ「ハ!!!俺の方が大人だね」
黒ティガ「んだとぉ?!いつも先に……」
大ティガ「やーめーなーさいっ!」ギュウウウ
ティガ「いってててて、姉ちゃんごめん」
黒ティガ「耳ひねるのやめろよー!痛い!」
大ティガ「はー、ティガあんた、ご飯どうするの?」
ティガ「あーー、もう食ってきた」
大ティガ「あっそう。せっかく用意したのに」
黒ティガ「姉不幸なクソ弟だな、お前は」
ティガ「うそ!!食べます、食べます」
ティガ「アプケロスの肉にガレオスのキモが乗ってて」
ティガ「姉ちゃんのメシ、じつにうまい」
黒ティガ「ところでよー、姉ちゃん今何処に住んでんの?」
大ティガ「今は、水没林に住んでる」
大ティガ「でも、もうすぐ引っ越すことになった」
ティガ「え?なんで?」もぐもぐ
大ティガ「……うん。今日はそのことで、話したいことがあったから帰ってきたの」
黒ティガ「なに?深刻な話?」
大ティガ「…………」
大ティガ「……私ね、結婚することになったの」
ティガ「?!」
黒ティガ「け……」
ティガ&黒ティガ「結婚ンンン?!!!!」
ティガ「ちょ、姉ちゃん!!結婚ってマジ?!」
黒ティガ「相手誰だよ相手」
ティガ「なんだよ子ども出来たのかーーー?!」
黒ティガ「それでどこに引っ越すんだよ!!!!」
大ティガ「ちょっと、ちょっと。一気に話さないでよ」
大ティガ「子どもなんてまだいないから」
ティガ「…………ほんとに結婚すんの?」
大ティガ「うん。やっぱ寂しい?」
ティガ「ばっ………寂しいわけねーし!調子のんなデブス!!」
黒ティガ「正直俺は寂しい」
ティガ「…………」
大ティガ「まぁ、アンタたちも大きいし、頃合いかなって」
黒ティガ「寂しいけど、姉ちゃんの幸せを願うよ」
黒ティガ「お前もだろ?ティガ」
ティガ「……おーおーおめでとさん!!良かったな行き遅れなくて!!ババア!!!」
大ティガ「なんでアンタはいつも口が悪いのよー」
ティガ「てめーに似たの!!早く嫁行っておしとやかになりやがれ!ハゲ!」
黒ティガ「おいティガ、落ち着けよ」
ティガ「落ち着いてるし?!ちょーホッとしてるし!」
ティガ「ハッピーウェディングババア!」
大ティガ「……ほんとに祝ってんの?」
ティガ「祝ってるし!!わーーーきゃーーーオメデトーオメデトー」
ティガ「寝る!」ドスドス…
黒ティガ「…………」
大ティガ「…………」
大ティガ「……やっぱりまだ、早かったかなぁ」
黒ティガ「いや、いつ言ってもあいつはあの調子だよ」
黒ティガ「動揺したんだろうけど、素直だから、姉ちゃんを祝わないってことはねーよ」
大ティガ「うん。……心配だけど、アンタ頼むわね」
黒ティガ「おう、大丈夫だよ」
------同時刻・同じく旧砂漠、遠くの岩場------
ズルッズルッズルッ
ディノバルド「……ヒュー、ヒューーッ」
ズルッズルッ
ディノバルド「…………」
ディノバルド「(くそっ、あの野郎)」
ディノバルド「ヒューッ」
ディノバルド「(殺してやる殺してやる……)」
ズッ、ズッ、ズッ
ドッ
ディノバルド「(体が……もう……)」
ディノバルド「(ダメだ、休もう)」
ディノバルド「(…………)」
バサッ、バサッ
セルレギオス「あっれ〜?ディノ君。ふっふ、なーにやってんの〜?」
ディノバルド「……!セルレギオス……!」
セルレギオス「『センパイ』がさぁ〜、キミの様子、見てこいって言うから」
ディノバルド「テメェ……」
セルレギオス「サボりはダメだよ〜?」
ディノバルド「………うるせぇよ……」
セルレギオス「なに?うるさいって?うるさいって何?」
セルレギオス「僕の何処がうるさいの?」
ディノバルド「…………ッ!」
セルレギオス「アッハハハ」ヒョイッ
セルレギオス「僕空飛べるの知ってるでしょ?無駄だよ、そんな攻撃」
セルレギオス「早く戻りなよ、『センパイ』が待ってるよ」
ディノバルド「………」
------同じく夜、孤島・ラギアクルス亜種の巣------
白ラギア「あっ、お兄ちゃん戻ってきた」
ミツネ「!」
白ラギア「お兄ちゃん、おかえりなさい〜〜どこ行ってたの?」
冥ラギア「ただいま。……あぁ、なんだ、ミツネ君来てたんだ」
冥ラギア「わるいね、いつもうちの白が世話になってるだろう」
ミツネ「いえ。……お久しぶりです」
冥ラギア「うん。また随分、カッコよくなったなぁ」
ミツネ「…………そんな、冥ラギアさんこそ、渋くなりましたね」
冥ラギア「はっはは、もうおじさんだからねぇ」
白ラギア「今日はミッくんも泊まるんだよ!」
冥ラギア「おお、賑やかになるねぇ」
白ラギア「ねー、どこ行ってたのーー」
冥ラギア「ちょっと用でね。旧砂漠に行ってたんだよ」
白ラギア「ふーーん」
冥ラギア「ミツネ君、酒を飲むかい」
ミツネ「……はいっ!いただきます」
ミツネ「(冥ラギアさん……)」
------数時間後、同じくラギアクルス亜種の巣------
冥ラギア「ぐ〜……ぐ〜……zzz」
ミツネ「……………」
白ラギア「…………」
白ラギア「ミッくん……起きてる……?」
ミツネ「………………うん」
白ラギア「ねえ、ミッくん」
ミツネ「何?」
白ラギア「覚えてる……?初めて会った日のこと」
ミツネ「……うん、覚えてる」
白ラギア「もう、7年も経つんだね」
ミツネ「うん」
白ラギア「まだ、あたしもミッくんも小さくて……」
ミツネ「うん」
白ラギア「あの日……孤島に迷い込んだミッくんは、ロアルロドスの群れに襲われて、泣いてたよね」
ミツネ「……泣いてたっけ?」
白ラギア「泣いてたよ。それを、あたしとお兄ちゃんが見かけて」
ミツネ「……うん、助けてもらったよ。冥ラギアさんに」
白ラギア「幼いミッくん、すごい可愛かった」
ミツネ「……うん」
白ラギア「そのあと、3人でごはん食べたよね」
ミツネ「そうだったね」
白ラギア「あたし……あの日からずっと、ミッくんが好きだったよ」
ミツネ「…………」
白ラギア「だから、数年ぶりに学校で再会できて、本当に嬉しかった」
白ラギア「たまにすれ違って、立ち話するくらいしかできなかったけど」
白ラギア「思い切って自分の気持ちを伝えて、良かったよ」
ミツネ「…………うん」
白ラギア「ずっとずっと、あたしはミッくんだけなの」
ミツネ「…………」
白ラギア「だからミッくん、あたしのこと捨てないでね…………」
ミツネ「…………」
ミツネ「……うん。ごめん、もう寝るから」
白ラギア「うん、おやすみなさい」
ミツネ「…………」
ミツネ「…………(思ったよりも、重い女)」
ミツネ「(だけど、僕の方がずっと、最低だな……)」
------翌朝、ラギアクルス亜種の巣------
ミツネ「…………」むくっ
ミツネ「(まだ太陽が登りきってない)」
ミツネ「(もう少し眠れるかな……)」
冥ラギア「おや、早いね」
ミツネ「……!!起きてたんですか」
冥ラギア「僕は早起きだから」
ミツネ「……おはようございます」
冥ラギア「うん、おはよう」ニコッ
ミツネ「……(素敵だ……)」
ミツネ「あの……孤島にはいつまでいらっしゃるんですか?」
冥ラギア「うん。今日の昼間、君たちが学校に行ってるくらいの時間には出るよ」
ミツネ「そうなんですか……」
冥ラギア「ちょっと忙しくてね。海底遺跡から、持ち出さなきゃいけないものもあるし」
ミツネ「えっ?なんでですか?」
冥ラギア「ああ、話してなかったかな。引っ越すんだよ。海底遺跡を出るんだ」
ミツネ「え……引っ越す?急にですか?」
冥ラギア「いやぁ、結構前から決まってたんだ」
冥ラギア「結婚……することになってね」
ミツネ「…………!」
ミツネ「え………………」
ミツネ「………………」
冥ラギア「はは、なんだい、そんなに意外だったかい?」
ミツネ「いや…………そんな………」
ミツネ「…………」ズキッ、ズキッ、ズキッ
ミツネ「(心臓が……)」
ミツネ「結婚…………」
冥ラギア「うん。待たせちゃったからね」
ミツネ「付き合ってる人が……いたんですね」
ミツネ「(そんなまさか……結婚だなんて)」
冥ラギア「そうだね。いるんだよ」
冥ラギア「もう三年くらいかな」
ミツネ「お…………」
ミツネ「おめでとうございます……」
冥ラギア「うん、ありがとう。白をよろしく頼むよ」
ミツネ「はい…………」
ミツネ「…………もう少し寝ます」
冥ラギア「そうかい。朝食の準備をしておくからね」
ミツネ「…………」
ミツネ「(そんな……結婚…………ずっと彼女が…………)」
ミツネ「(……くそっ)」
------数時間後、学校・メインモンス科------
ラギア「っはよーーーー!!」
ライゼクス「おはよー」
ライゼクス「朝から元気だな」
ラギア「へへっ、まーな」
ラギア「あれ?ティガどした?」
ティガ「…………」
ラギア「おいハラいてーのか?食い過ぎ?」
ティガ「…………」
ラギア「肉の食い過ぎ?」
ティガ「…………」
ラギア「え、死んでない?」
ライゼクス「こう見えて死んでない」
ラギア「でも机に突っ伏したまま動かねーじゃん」
ラギア「寝てんの……?うわっ、目開いてるよ」
ライゼクス「バリバリ起きてるんだよなこいつ」
ラギア「え?なんなの?どーした?」
ラギア「うおい、ティガー?」
ティガ「…………」
ラギア「は?シカト?」
ライゼクス「こいつずっとシカトだぜー」
ライゼクス「珍しく俺より早く来てると思ったけど、なに言っても無反応」
ラギア「やっぱり死んでんじゃね?目開けたまま」
ライゼクス「や、一回咳してたから死んでない」
ラギア「なんなんだ?」
ライゼクス「喋らねーティガとかつまんないわー」
ティガ「………」
ラギア「うわ?!目からよだれが出てる」
ラギア「きたねーな」
ライゼクス「いやそれ涙だから」
ライゼクス「って、泣いてんの?は?」
ティガ「………」
ライゼクス「マジだわ」
ラギア「ティガが泣くわけねーだろ」
ライゼクス「確かに。じゃあ、よだれか」
ライゼクス「サイッテーだな目からよだれ垂らすとか」
ラギア「なんの病気?」
ラギア「目からよだれ出る病気だから無反応なの?」
ライゼクス「ちょー怖いんですけどその病気」
ガラッ
ジンオウガ「今朝古代林寄ったらすごかったぜ……」
ブラキ「俺も聞いた!野良リモセトスの……」
ラギア「おはよう二人とも」
ジンオウガ「おはよっ」
ブラキ「ういーす」
ライゼクス「なーお前らどう思う?」
ジンオウガ「え?なに急に」
ラギア「ティガがさーどうも病気みたいなんだよね」
ブラキ「えっ大丈夫なの?」
ライゼクス「容態は悪いぜ。目からよだれが出てるし、動かないんだ」
ジンオウガ「目からよだれ……?泣いてんじゃないの」
ラギア「ティガが泣くわけなくね?」
ブラキ「いやいや。ティガだって泣きたいときくらいあるでしょ」
ライゼクス「えっそーいうもん?」
ラギア「どう考えても『目からよだれ病』だろ」
ライゼクス「白ラギアちゃんに告ってフラれたときだって泣かなかったんだぜ」
ラギア「えっ告ったの?」
ライゼクス「前に。学校一の美女と名高いからな」
ラギア「抜かりねーな、コイツ。俺のイトコにまで」
ジンオウガ「よっぽど落ち込むことがあったんだよ」
ブラキ「ティガ?大丈夫か?」
ティガ「…………」
ブラキ「お前が落ち込むなんてらしくないぞ?わけを話せよ」
ティガ「………」
ラギア「ダメだこりゃ」
ライゼクス「落ち込んでるんじゃなくて病気だからなに言っても無駄だろ」
ラギア「『目からよだれ病』について図書館で調べるしかないな」
ティガ「………ぇ」ボソッ
ジンオウガ「あれ、喋ったよ」
ラギア「おっ?!」
ティガ「……うるせぇよお前ら……俺のことはほっといてくれよ………」
ライゼクス「やっと喋った!ティガ!」
ティガ「ほっとけよ……」
ラギア「いいやほっとけねぇ。お前が病気で苦しんでるなら、俺らもその苦しみを分かち合いたい」
ライゼクス「そうだぞ。話してくれ。一体なんの病気なんだ」
ラギア「目からよだれが出るなんて、ただごとじゃねぇよ。不治の病じゃねーだろうな」
ティガ「だから病気じゃねーーよ!!」ガバッ
ジンオウガ「あ、起きた」
ブラキ「お前ら親友なんだから、メンタルケアしてやれよ〜」スタスタ…
ライゼクス「病気じゃないならなんで目からよだれ垂らしてんだよ!」
ティガ「よだれじゃねーーっつの!バカじゃねーの??!」
ラギア「よだれじゃ、ないのか……?」
ティガ「目からよだれ垂らしてなにが楽しいんだよ!!クソバカめ!!」
ライゼクス「え、じゃあマジ泣き?」
ティガ「……うっせぇなぁ」
ラギア「ブラキも言ってたけどお前が泣くほどのことってなにがあったんだよ」
ライゼクス「あっ、尻尾切ら………れてないか」
ラギア「やっぱりハラが痛すぎて泣いてる?」
ティガ「だーーかーーらーーーそんなんじゃねーよ」
ティガ「俺だってセンチメンタルな気分になるんです!」
ライゼクス「せ、せんちめんたる」
ラギア「なぁ、なにがあったんだよ。話してくれよ」
ライゼクス「そうだぞ。友達だろうが」
ティガ「…………」
ティガ「……俺の姉ちゃん、結婚するんだ」
ラギア「あのデカイ姉ちゃんか」
ライゼクス「おう、それで?」
ティガ「……それだけ」
ラギア「…………は?」
ライゼクス「……………それだけ?」
ティガ「おう」
ラギア「姉ちゃんが結婚するからセンチメンタルなの?」
ライゼクス「それで泣いてんの?」
ティガ「……わりーかよ」
ラギア「…………」
ライゼクス「………………ふ」
ラギア&ライゼクス「ぶあっはははははははははっはっはっはっはっはーーーーーーっ!!!!!」
ティガ「なっ……なに笑ってんだよ!!」
ラギア「くくく……なにそれ。姉ちゃんが結婚て!」
ライゼクス「お前シスコンかよーーー!!」
ティガ「テメェら殺す!」
ラギア「はっはっはーーーっ」
ライゼクス「うっひゃひゃ」
ガムート「…………」
ガムート「(ティガたち楽しそう……)」
ガムート「(いいなぁ、私もあんな風にティガと仲良くしたいなぁ)」
ガムート「(いっそ男の子に生まれたかった……)」
ミツネ「…………」
ミツネ「おはよう………」カタン
ガムート「あ。ミツネっち、おはよう」
ミツネ「………はーっ」
ガムート「どしたの?元気ないね」
ミツネ「……うん。ちょっとね」
ライゼクス「はー、にしてもめでてーじゃん。いつ結婚するの?」
ティガ「……来月」
ラギア「誰と結婚すんの?」
ティガ「……お前のイトコ」
ラギア「え?冥ちゃん?」
ティガ「……おう」
ライゼクス「ティガの姉ちゃん、ラギアのイトコと結婚すんの?!」
ティガ「おう」
ラギア「それ俺まだ聞いてねーな。つーか付き合ってたんだ」
ライゼクス「世間狭すぎだろ」
ティガ「はーーーー」
ティガ「俺、すげー動揺してる」
ラギア「なんで?」
ティガ「自分でもわかんね。姉ちゃんが幸せなのはいいけどよ……なんかこう、ついにきたか、って感じ?」
ライゼクス「ふーん」
ティガ「俺もう姉ちゃんから自立した気になってたけど……まだまだ俺もガキだな」
ポン
ティガ「?……だれ?」
ミツネ「…………」
ラギア「ミツネじゃん」
ミツネ「君のお姉さんと結婚するの、誰って言った?」
ティガ「………?ラギアのイトコの、冥ラギアって奴だけど?」
ミツネ「ほんとに?」
ライゼクス「ミツネどうしたの?」
ガムート「(ミツネっち……)」
ガムート「(いきなりティガのところ行っちゃったけど)」
ガムート「(なに話してるの?)」
ガムート「(まさか、私の話じゃないよね?!)」
ティガ「ホントだよ。姉ちゃんから聞いたんだ」
ミツネ「……そっか」
ティガ「なに?急に」
ミツネ「いや。……ごめん。ラギア君のイトコとは知り合いでさ」
ティガ「………へぇ」
ミツネ「急にごめん」すっ
ティガ「…………いいけど……」
ライゼクス「なんなんだ?あいつ」
ラギア「あー……なんだろな」
ミツネ「………」
ガムート「おかえり、ミツネっち……」
ミツネ「うん。ただいま」
ガムート「なに………話してたの?」
ミツネ「…………うん」
ミツネ「はーーーっ」
ガムート「(どうしたのかな?心配だな……)」
ガラッ
白ラギア「…………」きょろきょろ
クラス一同「?!」ざわっ
ジンオウガ「白ラギアさんだ!」
ブラキ「マジだ!なんでここに?」
ミツネ「!!!」
ガムート「あ……ミツネっちの彼女さん」
ミツネ「……」
ガムート「あれ?ミツネっち、寝たふり?」
ラギア「(ミツネに用か?)」
ライゼクス「おぉ、ティガを振った女……」
ティガ「うっせー。あーマジかわいー」
白ラギア「あ、ねぇ、ラギア」
ラギア「あ?俺?」
白ラギア「ちょっと来てもらえる?」
ラギア「??おー」
白ラギア「言うの遅くなっちゃったけど……今度お兄ちゃん結婚するの」
ラギア「あ、うん。さっきティガから聞いた」
白ラギア「そっか、ティガ君のお姉さんだもんね」
ラギア「おぉ」
白ラギア「それでさ、結婚式なんだけど……もちろんラギア、来るでしょ?」
ラギア「ああ、冥ちゃんの結婚式だもんな。行くよ」
白ラギア「わかった。じゃあ、詳しいことわかったら連絡するね」
ラギア「おお………」
白ラギア「…………」
ラギア「…………」
白ラギア「…………」
ラギア「え?用終わりだろ?」
白ラギア「……うっ、うん」
ラギア「……あー、ミツネか?」
白ラギア「!!」ボッ
ラギア「お前ら付き合ってんだからよ。俺ダシにしないで普通に会いにこいよな」
白ラギア「そ!そんなんじゃないし。今朝一緒に来たし!」
ラギア「おーおー、お熱いことで。なのにもう会いたいのか?」
白ラギア「別にっ!!大丈夫!じゃあね!」
ラギア「じゃーなー」
ラギア「…………」
ラギア「ラブラブじゃん」
ラギア「おい、ミツネー」
ミツネ「……はーい」ボソッ
ラギア「なに、寝てんの?白ちゃん来たぞ」
ミツネ「あっ、そうなんだー。気づかなかった」
ラギア「お前らラブラブじゃん」
ミツネ「………」
ラギア「あ、ガムート。(ひそっ)ティガ落ち込んでるから慰めてやれよ」
ガムート「えっ……」
ラギア「じゃ」スタスタ
ライゼクス「おおお……」
ティガ「なに?」
ライゼクス「見た?今、ラギアがガムートに耳打ちしたぜ」
ティガ「え、見てねーな。なに話したんだ?」
ライゼクス「……まぁ、大方『俺のイトコ結婚するから俺らもいっちょ結婚しようぜ!』とかじゃね?」
ティガ「うっひょっひょ、それはやべぇ!!イトコ結婚するからって………」
ティガ「て、あいつのイトコ俺の姉ちゃんと結婚するんだった…………」
ライゼクス「また落ち込んでるよ」
ガムート「(ミツネっち、白ラギアさんに気付かないふりした……)」
ガムート「ねぇ、白ラギアさんと喧嘩でもしたの?」
ミツネ「………」
ミツネ「……ふー。そんなんじゃない。そんなんじゃないんだよ……」
ガムート「じゃあどうしたの?ミツネっち、変だよ……」
ミツネ「……うん。ガムちゃんあのさ」
ガムート「うん?」
ミツネ「ガムちゃんはティガ君が好き。でも気持ちは伝わってない」
ガムート「え……うん」
ミツネ「もし。もし、だよ。例え話ね。……ティガ君に気持ちを伝えても、上手く行きそうにないなって思ってて……」
ミツネ「そんな時に、ティガ君のお兄さんに告白されたら、どうする?」
ガムート「えっ……」
ミツネ「もちろん、好きなのはティガ君だけど、ティガ君のお兄さんと付き合ったら、ティガ君と仲良くなれるじゃない」
ガムート「…………」
ミツネ「もし結婚でもしちゃえば家族になれるし?」
ミツネ「上手くいけば乗り換えられるかも」
ガムート「…………やだよ!」
ミツネ「……」
ガムート「私が好きなのはティガだもん……いくら血がつながってるからって、ティガのお兄さんとは付き合えない。好きじゃないもん」
ガムート「それに……お兄さんにも失礼だよ。気持ちを踏みにじってる」
ガムート「だから、もし例えそんなことになっても、私は付き合わない」
ミツネ「………うん」
ミツネ「ガムちゃんなら、そうだよね」
ガムート「ミツネっち、どうしてそんなこと聞くの?」
ミツネ「…………」
ガムート「なにがあるの?どうして白ラギアさんに気付かないふりしたの?」
ミツネ「…………」
ガムート「それに私……見ちゃったから!ミツネっちが、矢文を受け取ってすぐにぐしゃぐしゃにして捨てたのを」
ミツネ「……マジ?」
ガムート「あれ、白ラギアさんからでしょ?どうしてそんなことしたの」
ガムート「話してよ……友達でしょ?」
ミツネ「うん……」
ガムート「行こう、ミツネっち」ぐいっ
ミツネ「え、もう先生くる……」
ガムート「関係ない!ミツネっちが話してくれるまで、私、授業に出ないから!」
ミツネ「そんな……」
ドスドスドス………ガラッ ドスドス……
ラギア「………」
ティガ「でっけー足音だな」
ライゼクス「なんだ?どうしたんだ今日は」
ティガ「なんか緊迫してなかった?」
ライゼクス「シュラバかー?」
ティガ「ハッ!(ぼそ)ラギアとミツネが仲良くしてたことに嫉妬とか?」
ライゼクス「(ぼそ)だから、ミツネは男だから」
ティガ「(ぼそ)でもよーわかんねーじゃん……」
------一限目、学校・屋上(塔の頂)------
ミツネ「ガムちゃん、ごめんね」
ガムート「謝らないで」
ミツネ「………」
ガムート「ミツネっちのこと大好きだよ。だからなんか隠されてると……寂しいよ」
ミツネ「……うん」
ガムート「そりゃ、私もティガのこと好きって言ってなかったけど……それは隠してたわけじゃないもん」
ガムート「ミツネっちは、なんか隠してる!」
ミツネ「(どちらも同じでは…?)……うん。隠してるね」
ガムート「話して欲しいよ……」
ミツネ「……話すよ」
ガムート「うん」
ミツネ「あの…………僕の彼女は白ラギアさんだけど」
ミツネ「僕、彼女のこと、好きじゃないんだ。べつに」
ガムート「…………」
ミツネ「……本当は他に好きな人がいるんだ」
ガムート「…………」
ミツネ「白ラギアさんのお兄さん……冥ラギアさん」
ガムート「……ラギアクルス希少種さんね」
ミツネ「うん。僕は昔からあの兄妹と知り合いなんだ」
ミツネ「小さい頃、僕の危ないところを助けてくれたんだ。……冥ラギアさんは大人で、素敵で……僕はすぐ好きになった」
ガムート「そっか……」
ミツネ「でも僕は男だ。男なのに、男性を好きになるなんて変だろ」
ガムート「私は、そうは思わないけど……」
ミツネ「ガムちゃんがそう思わなくても、そんな人ばっかりじゃない」
ミツネ「気持ち悪いって言われるのが関の山だよ」
ガムート「………」
ミツネ「僕は、男性を率先して好きになるわけじゃない。女の人も好き」
ガムート「……うん?」
ミツネ「だから、白ラギアさんに告白されたときに色々考えたんだ」
ミツネ「女性だし、なにより冥ラギアさんの妹だし……自然と、冥ラギアさんとも親密になれるかもしれないし、もしなれなくても、白ラギアさんを好きになれるかもしれないって」
ミツネ「でも大半は、冥ラギアさんともっと自然に近づきたいっていう下心だよ」
ガムート「…………」
ミツネ「…………」
ガムート「……ミツネっち。最低だよ」
ミツネ「………うん」
ガムート「ただなんとなく付き合うってわけじゃなく、本当は本命の相手に近付くために利用したんだよね」
ミツネ「………そうだよ」
ガムート「それは、酷い仕打ちだよ。白ラギアさんが知ったら、きっと傷付く」
ミツネ「そうだよね」
ガムート「でも………ミツネっちも、冥ラギアさんを好きな気持ち、誰にも言えなかったんだね」
ミツネ「……うん。ごめん」
ミツネ「僕も、ガムちゃんのことが大好きだよ。だからこそ、言えなかった。ガムちゃんに軽蔑されたくなかったんだ」
ミツネ「僕は、ガムちゃんしか友達がいない。ガムちゃんに嫌われたら、どうしたらいいのか……そう思うと、不安でさ」
ガムート「……私が、ミツネっちのこと嫌うわけないじゃん……」ポロポロ
ミツネ「……えっ、な、泣かなくても」
ガムート「ミツネっちのことなんて、絶対嫌いにならないもん!!!軽蔑だってしないし……わーーん!!」ブオオオオン
ミツネ「ガムちゃん……ガムちゃん!!」
ガムート「ブオオオオン!ブオオオオオオオオン!!」
ミツネ「ちょっ、泣かないで!!ガムちゃんたら!!お願い!!」
ガムート「ブオオオオオオオオオオン!!!!」
ミツネ「うわーっ!」ズルズルズル……
ガムート「………ぐすっ」
ミツネ「…………」
ガムート「ミツネっち、つらかったね」
ミツネ「…………」
ガムート「……これからどうしようか、ミツネっち」
ミツネ「……うん。……どうもしないかな?」
ミツネ「まさか僕の想いを冥ラギアさんに伝えるわけにもいかないしね」
ガムート「白ラギアさんは?」
ミツネ「……うん。ちゃんと考えないとね」
ガムート「……そっか」
ミツネ「ガムちゃん」
ミツネ「ありがとうね」
------同時刻、地底火山------
ディノバルド「…………」
ディノバルド「(今日も、学校行けねぇな)」
セルレギオス「ふっ、ディノ君、考え事?」
ディノバルド「…………」
セルレギオス「あっ、シカト?」
ディノバルド「…………」
セルレギオス「なにシカトしてんの?」
ディノバルド「…………チッ」
セルレギオス「は?舌打ち?」
ディノバルド「……黙れよ……」
セルレギオス「なにそれ……僕とやる気?」
ディノバルド「…………」シュッ、シュッ……
セルレギオス「あーあー尻尾研いじゃってる。やる気なんだぁ」
ディノバルド「…………」グググ……
セルレギオス「飛べない君が、飛べる僕とやる気なんだ」
セルレギオス「生意気じゃん……!」バサッ!
???「オイ」
セルレギオス「!!」
ディノバルド「………!」
???「サボんな」
セルレギオス「す……すいません、先輩……!」
???「早く行け」
セルレギオス「すいません…すいません!」
セルレギオス「僕のこと嫌いになりましたか?!」
セルレギオス「すいません先輩……やりますから!」
???「………」ドカッ
ディノバルド「セルレギオス……!」
セルレギオス「ぐ……ぅ……い、痛い……先輩……」
???「寄るんじゃねー」
ディノバルド「…………」
???「早く行け」
ディノバルド「…………ハイ」
------昼休み、学校・食堂------
ラギア「あれっ、ティガ今日弁当?」
ティガ「おーーー」
ライゼクス「珍しくねーー?」
ティガ「姉ちゃんが作ってくれた」
ラギア「いいねーちゃんだよな」
ティガ「おーーー」
ライゼクス「まだヘコんでんの?」
ラギア「ぷぷぷ、シスコンティガちゃん」
ティガ「うっせーな!」
黒ティガ「…………」きょろ
黒ティガ「……(あ、いた)」
ティガ「いっただっき………」
黒ティガ「うぉい、クソ野郎」ボカッ
ティガ「痛った!は?!」
ライゼクス「あっ黒ティガさんじゃんー」
ラギア「お久しぶりっすね!」
黒ティガ「てめー弁当俺のと間違って持ってったろ!」
ティガ「ハァ?」
黒ティガ「いじけてテキトーに持ってきやがって」
ティガ「別にいいじゃねーか、どっちがどっちでもよ」
黒ティガ「バァーーッカ、こもってる愛情がちげーんだよ」
ティガ「……ハイハイどーせ俺のには愛情こもってねぇですよ!」ずいっ
黒ティガ「てめーまだいじけてんの?いい加減にしろよ」
ライゼクス「黒ティガさん聞いてくださいよ」
ラギア「今朝コイツ、落ち込みすぎて全然しゃべんなかったんですよ」
黒ティガ「は、マジ?バカかよ」ボカッ
ティガ「いってーな、いちいち殴るんじゃねーよ」
黒ティガ「コイツさーシスコンすぎるんだよな」
黒ティガ「コイツの歴代彼女知ってる?」
ラギア&ライゼクス「あ、ハイ」
黒ティガ「みんな体でけー女ばっかだったろ。うち、一番上の姉がすげーでかいんだけど」
黒ティガ「その影響で、デカイ女を好むんだよな」
ラギア「あ、なるほど」
ライゼクス「そーいう理由があって、ねぇ……」
ティガ「あーあーうっせー!しょーもねぇことベラベラ喋るんじゃねーよバカ兄貴」
黒ティガ「バカはどっちだよクソ。今夜も姉ちゃんいるんだから早く帰ってきて謝れよ」
ティガ「わかったよ!いいからあっちいけ!」
黒ティガ「じゃ、邪魔して悪かったなー」ドスドス
ラギア&ライゼクス「どーもっす」
ラギア「(なるほどティガはむしろデカイ女を好んでいたのか……)」
ラギア「………………」
ラギア「あのさぁ、今日みんなで食べね?」
ティガ「は?」
ライゼクス「え?」
ラギア「……あっ、ガムートーー!」
ティガ「!!!!!」
ライゼクス「??!!!」
ガムート「えっ、なに?」
ミツネ「珍しいね彼が呼ぶの」
ラギア「一緒に食おうぜーーー!!」
ティガ&ライゼクス&ガムート「えっ?!?!!!!」
ラギア「メシ、みんなで食おうぜーーーこっち来いよ!ミツネも!」
ミツネ「ティガ君もいるね」
ガムート「どっ、どどどどーしよう」
ミツネ「行こうよ」ガタッ
ガムート「きゃあああ」(小声)
ティガ「(ひそっ)ついに俺らに紹介?ガムートとの関係」
ライゼクス「(ひそっ)なんか唐突すぎね?」
ミツネ「どうも〜」
ガムート「どっ、どどどどどどうも………」
ラギア「おう、座れよ。えーとティガの隣空いてんな、いいだろティガ?」
ティガ「……おー、別に……」
ガムート「(キャーそんなに気を使わないで……)」
ガムート「失礼します……」カタッ
ライゼクス「…………」
ラギア「………」にやにや
ティガ「……お前ラギアの隣じゃなくていーの?」
ガムート「……えっ!うん!べ、別に!!」
ティガ「へぇ(隣だと恥ずかしいのかな……)」
ライゼクス「……なんかさ〜このメンバーめっちゃ珍しいよね」
ラギア「はっは。たまにはいーじゃん、賑やかで」
ティガ「俺ガムートとあんま話したことないよな」
ガムート「そ、そうだね(キャー近い……)」
ティガ「雪山とか、氷海で良く見かけるぜ、俺」
ガムート「あっ、わ、私も……」
ラギア「(なんかいい感じ…?俺ナイスだな)」
ライゼクス「今日ガムートとミツネどうしたの?珍しくサボってたじゃん、二人して」
ラギア「おお、レウス先生がびっくりしてた」
ガムート「あっ、えっとね……それは」
ミツネ「僕がお腹が痛くて、医務室に行ってたんだよ」
ガムート「う。うん、そうなの」
ティガ「へーー」
ライゼクス「(ちょっとカマかけてみるかな)」
ライゼクス「ガムートとミツネってさぁ、やっぱ付き合ってんの?」
ガムート「ぶっ」
ミツネ「げほっ」
ガムート「いやいや……」
ミツネ「付き合ってないよ」
ライゼクス「ふーん?他にいるの?」
ミツネ「うん」
ティガ&ライゼクス「!!!!」
ライゼクス「(やっぱりガムートとラギアが……)」
ミツネ「僕は白ラギアさんと付き合ってるよ」
ティガ「え、そうなの?」
ミツネ「うん」
ティガ「お前やるなぁ。白ラギアちゃん、すげー可愛いじゃん」
ライゼクス「なにティガ、ジェラスィー?」
ティガ「ちげーよ」
ライゼクス「……で、ガムートは?」
ガムート「わ、私……はーー………」
ティガ「(ラギア……ラギアだろ!)」ドキドキ
ライゼクス「(ラギアラギアラギア!!!)」ドキドキ
ガムート「彼氏は、いないよ……」
ティガ&ライゼクス「!!!!!!」
ティガ「(何ィ?!)」
ライゼクス「(まだ付き合ってねーのか!)」
ラギア「恋する乙女だもんな」
ティガ&ライゼクス「!!!!!!」
ガムート「ちょっ、ちょ!!!ラギア君っ……」
ラギア「なんだよ、別にいいだろ。はは」
ライゼクス「はは、って……」
ティガ「……なるほど、じゃあガムートは好きな奴はいるんだな」にやにや
ガムート「………うん」
ティガ「どんな奴?」にやにや
ガムート「え…………」
ティガ「かっこいーの?」にやにや
ガムート「………うん」
ティガ「へー」にやにや
ライゼクス「早く付き合えばいいのに〜」にやにや
ティガ「なーー!!」にやにや
ラギア「タイミングってのもあるしな」
ガムート「うん……」
ティガ&ライゼクス「…………」
ティガ「(ラギアは、ガムートの気持ちを知ってて……)」
ライゼクス「(ガムートと両想いのくせに、タイミングとか言って付き合ってねーのか……?)」
------放課後、学校・メインモンス科------
ティガ「お前さ、どうかと思うよ。ラギア」
ラギア「はい?」
ライゼクス「うんうん。女の気持ちをまるでわかってねー」
ティガ「好きなんだろ?」
ラギア「えっ!(キリンちゃんのことがバレている?!)」
ライゼクス「好きなんだろ?」
ラギア「うっ………うん……」
ティガ「あいつも待ってるはずだぜ。お前の言葉を」
ライゼクス「そうだぞ。白々しいぜ、知らんぷりしてて」
ラギア「……いやいや知らんぷりって」
ライゼクス「知らんぷりしてるだろ!!あいつもお前を好きなはずだぜ!!!」
ティガ「そうだぞ!!それをなんだよ!!『恋する乙女だもんな』ってよ!!」
ラギア「……え?」
ライゼクス「『え』じゃねーよ『え』じゃ」
ティガ「なんなの?もてあそんでんのか?おぉ?!」
ラギア「いやいや待て待て、話がおかしい」
ティガ「おかしくねーよ!おかしいのはラギアだろ!」
ラギア「おかしいって!!お前ら誰のこと言ってんの?!」
ライゼクス「ハァ?ばっくれんな!ガムートだろ!」
ティガ「ガムート以外いねーだろ!」
ラギア「…………はいぃ?!」
ラギア「……ガムートが、なんだって?」
ティガ「だーかーらー、お前はガムートに惚れてんだろ!」
ライゼクス「ガムートもお前と同じ気持ちなんだろうが!!」
ラギア「……なんでガムートだと思ったの?」
ティガ「ハァ?そんなん一目瞭然じゃねーか。俺らにガムートの話をしたりよ」
ライゼクス「ガムートと二人で帰ったりよ。分かりやすいんだっつーの」
ティガ&ライゼクス「隠すな!!!!」
ラギア「あの、ゴメン。俺隠してないぜ」
ティガ&ライゼクス「嘘こけ!!!!」
ラギア「俺ガムートとはマジでなんもねーよ」
ティガ&ライゼクス「あァ?!」
ラギア「…………ふーーっ」
ラギア「(なんかめんどくせぇことになってる……話すしかねーな)」
ラギア「……俺に好きな子がいるのはマジ」
ティガ&ライゼクス「おぉ!!」
ラギア「その子とガムートが仲良くて、仲を取り持ってもらってるんだ」
ラギア「ガムートと二人では帰ってない。その子と三人で帰ったんだ」
ラギア「ホントだぜ」
ティガ&ライゼクス「……………」
ティガ「…………マジ?」
ラギア「マジです」
ライゼクス「なっんだよ。そーいうことかよ」
ティガ「あれ?でもなんでガムート呼んだりしたんだ?メシの時」
ラギア「あーそれは……」
ラギア「(ガムートがティガのこと好き……ってのは、言ったらまずいよなぁ)」
ラギア「まぁ、いーじゃん」
ライゼクス「ハーーなんだよ。すげー気にしてたんだぜ」
ティガ「まぁなんでガムートなんだろうなって言ってたんだけど、違ったか、さすがに」
ライゼクス「さすがにwwwwww」
ラギア「おいおいガムートはいいヤツだぞ」
ティガ「まぁ今日初めてマトモに話したけど、結構ふつーのヤツだったな」
ライゼクス「ちゃんと話せたよなー」
ラギア「そうだぞ」
ティガ&ライゼクス「で!!」
ティガ「誰だよ、オマエが惚れてんのは」
ライゼクス「そーそーそれ本題」
ラギア「あーーーー…………」
ティガ「話せよな」
ラギア「(バカにされそうだからあんまり言いたくねーけど……)」
ラギア「キリンちゃんて子。古龍科の」
ライゼクス「えーー?!!古龍かよ」
ティガ「ちょっと高望みすぎねぇ!?」
ラギア「うっせーなー。いいだろ、好きなんだよ」
ティガ「つーかどういうヤツだったっけ」
ライゼクス「白くて小さくてさー……」
ティガ「見に行こうぜ。古龍科ならSHRなげーから、まだ残ってるかも」
ラギア「え、マジ?マジで行くの?」
ライゼクス「たりめーだろ。そうと決まったら急げ」
------数分後、古龍科の教室の手前------
ライゼクス「おっ、シャガル先生が出てきたぜ」こそこそ
ティガ「おーーじゃあ、まだいるな。キリン」こそっ
ラギア「呼び捨てすんなよ、ちゃんを付けろちゃんを……」
ライゼクス「行けラギア。キリンちゃ〜んって」
ラギア「そこまでまだ仲良くなれてねぇよ……って」
ラギア「あ?あれ、クシャルか?教室の真ん前」
ティガ「あん?」ずいっ
ライゼクス「あ、マジだ。クシャルも古龍だから仲良いんじゃねー?」
クシャル「…………」
クシャル「キリンいる?」
ティガ&ラギア&ライゼクス「!!!!!!」
ティガ「あいつキリンに用事かよ!」
ラギア「ちゃんを付けろ!!」
ライゼクス「何の用だ?!」
キリン「……………」そろり
ライゼクス「うおーキリンちゃん来た!」こそ
ラギア「うおおおカワイーッ」こそこそ
ティガ「ちっせーだろ。あんなちっさかったか」
ライゼクス「あれ?……角、青いんだな……」
キリン「……………」
クシャル「よう」
キリン「…………どうしたの?」
クシャル「…………うん」
クシャル「久しぶりだな」
キリン「…………」
クシャル「……まぁおとといも会ったけど」
キリン「…………」
クシャル「ちゃんと話すの、久しぶりだよな」
キリン「…………そう……だね」
クシャル「あのさ」
キリン「…………」
クシャル「………その、俺、今日は雪山に帰るんだが」
クシャル「お前は?」
キリン「……うん、私も雪山だけど……」
クシャル「……そっか。…………一緒に帰ろうか」
キリン「!!!」
キリン「う……うん。カバン取ってくる……」パタパタ……
クシャル「…………」
クシャル「…………ふーーーっ」
ティガ「…………」
ラギア「…………」
ライゼクス「…………聞いてた?全部」
ティガ「聞いてた」
ラギア「…………」
ライゼクス「おいラギア!!ライバルじゃねーかよ!!」
ティガ「どーすんだよあいつら二人で帰るぞ!!」
ラギア「……やべぇ、なんかショック」
ライゼクス「なんかじゃねーよ!惚れた女が他の男と一緒に帰るんだぞ!!」
ティガ「お前も一緒に行け!!三人で帰れ!」
ラギア「いやそれはすごくおかしい」
ラギア「はーー仲良いんだなあの二人」
ライゼクス「まーただの友達ってならいいけどよー」
ティガ「なんか怪しくない?ヨソヨソしいっていうか」
ライゼクス「それ。ふつー、仲良しってのは」
ライゼクス「『お待たせー?かえろー?』『うん?どこどこ寄ってこ?』ってなるもんだろ」
ティガ「それはテメーと桜レイアだけだ」
ラギア「……そっか……人を好きになるっていうのは、こういう気持ちにもならなきゃいけないんだな」
ライゼクス「ラギア君、ジェラシーを覚えるの巻〜」
ティガ「まぁチューして抱き合ってたわけでもねーんだから、そんな落ち込むなって」
ティガ「明日はお前が一緒に帰れよ。キリンと」
ラギア「……キリンちゃん、な」
桜リオレイア「あっクスクスこんなとこにいたのーー!!」ドスドスドス
ライゼクス「桜ちん?」
桜レイア「教室にもいなくてさー、探しちゃったじゃん」
ライゼクス「ごめーん?アホに付き合ってたの?」
ティガ「おいおいアホってのは俺のことか?!」
ラギア「いや俺のことだろ……ふつーに……」
桜レイア「二人ともチョー久しぶり」
ティガ「ハイ久しぶり」
ラギア「俺はハジメマシテだぞ」
桜レイア「アハハ。きみ知ってるよ。ラギア君でしょ」
ラギア「こちらも噂はかねがね聞いてるよ……」
桜レイア「えっなにー?!クスクスったらあたしのどんな噂してんの?」
ライゼクス「んもう桜ちんがカワイすぎるって噂?」
桜レイア「きゃっもうヤダー!帰ろ?」
ライゼクス「うん帰ろ?原生林の滝寄ってこ?」
桜レイア「寄るー?」
ライゼクス「ってことで俺は帰るからな、むさ苦しいオスども」
ラギア「おう今すぐ帰れよ」
ティガ「お前のこと割と本気で死ねって思ってる」
ライゼクス「ヤダー?死なない?」
桜レイア「うふふふクスクスー?」
ライゼクス「桜ちん?」
ライゼクス「じゃーーなーーーー」バサッ、バサッ
ラギア「…………」
ティガ「……あいつらちゃんと門から出てけよ!窓から飛ぶなっつの」
ラギア「おめー授業はロクに聞かないのに変なところだけ真面目だよな……」
ラギア「はー、俺もラブラブの彼女欲しい」
ティガ「おれもー」
ラギア「……お前いま狙ってるやつとかいねーの?」
ティガ「いねーな。可愛い子にはひとしきり声かけたってかんじー」
ラギア「ふーーん……」
ティガ「……ハッ!!あいつら!!」
ティガ「……あ〜〜もうクシャルもキリンもいなくなってる」
ティガ「あとつけようと思ったのに」
ラギア「いやいやしねぇよそんなこと。つーかティガは今日まっすぐ帰るんだろ」
ティガ「あーー……そうだ。ババアがいるからな!」
ラギア「ババアとか言ったらダメだろーが……世話んなってる姉ちゃんだろ」
ティガ「…………俺ほんとは姉ちゃんの結婚、めでてーと思ってるよ。ちゃんと」
ラギア「お?」
ティガ「だけどよ〜〜なんか素直になれねぇんだよ……姉ちゃんには、誰よりも幸せになって欲しいと思ってるのに」
ラギア「(ティガがまた真面目なこと言ってる……)」
ラギア「いーんじゃね?姉ちゃんなんだから、ティガの気持ちくらいわかるべ」
ティガ「……そっかなー」
ラギア「平気だろ」
ティガ「……そーだな。今日は帰ってちゃんと祝うかーー」
ラギア「そーしろそーしろ。花でもプレゼントしろや。早く帰ろうぜ」
ティガ「おめーも落ち込むなよ。大したことじゃねーよ、キリンとクシャルが二人で帰ることくらい」
ラギア「ちゃんを付けような。……おう、ありがとな」
------数十分後、原生林------
桜レイア「そういえばクスクスさぁー」
ライゼクス「なにー?」
桜レイア「なんで今日、古龍科の近くにいたの?」
ライゼクス「だから、アホに付き合ってたの〜」
桜レイア「なんの用で?古龍科なんて、近寄り難くない?」
桜レイア「超エリートだし?」
ライゼクス「ん〜〜〜〜……(話しちゃってもいいかな……)」
ライゼクス「ラギアいるだろ?あいつがなんか狙ってる子が古龍科でさ」
桜レイア「えーマジで?案外身の程知らずだね?」
ライゼクス「んーーやっぱそうなのかなーー」
桜レイア「で、誰なの?」
ライゼクス「キリンって子〜」
桜レイア「あっキリンちゃんなんだ。あたし話したことないけどさ、確かに可愛いよね」
ライゼクス「桜ちんのほうが百億倍カワイイ?」
桜レイア「ヤダー?知ってる?」
ライゼクス「でもうちのクラスのクシャルが先にいてさ」
ライゼクス「キリンちゃんと二人で帰ってったぜ」
ライゼクス「チョー怪しい感じで」
桜レイア「……あーー……うん、なるほど」
桜レイア「そりゃそうだね」
ライゼクス「え?なにか知ってる?」
桜レイア「知ってるよん」
ライゼクス「なに?教えてよ〜」
桜レイア「キャハハハくすぐらないでよ!」
桜レイア「あの二人ってさ〜付き合ってたんだよ」
ライゼクス「…………へっ?」
桜レイア「元恋人ってこと〜」
ライゼクス「そうなの?えっ別れたってこと?」
桜レイア「そーいうこと〜」
ライゼクス「……いつ別れたのかな?ってか、いつ付き合ってた?」
桜レイア「一年くらい前かなぁ」
ライゼクス「ってか桜ちん、なんでそんなこと知ってんの?」
桜レイア「んーー飛竜亜種科では有名ーー」
桜レイア「飛竜亜種科はゴシップに強いーー」
ライゼクス「でも別れたなら、なんで一緒に帰るんだ?」
桜レイア「嫌い合って別れたわけじゃ、ないんじゃない?未練があるとか?」
ライゼクス「ふーーーーん…………」
ライゼクス「(こりゃ本格的に、クシャルがライバルかもな)」
ライゼクス「(ラギア……)」
------約1時間後、旧砂漠・ティガレックスの巣------
ティガ「…………」
ティガ「…………」
ティガ「(ラギアに言われたように、花なんか摘んじまった……)」
ティガ「(俺のキャラじゃない!完全に!!)」
ティガ「…………」もんもん
黒ティガ「なにボーッと突っ立ってんだよ」ドカッ
ティガ「いってーな、黒兄」
ティガ「蹴んな!」
黒ティガ「おめーがボサッとしてっからだろ」
黒ティガ「まぁ、今日はちゃんと早く帰ったんだな。感心感心」
ティガ「…………そりゃあ……」
黒ティガ「あれ?ティガそれなに?」
ティガ「あっ…………」
黒ティガ「……星見の花じゃん!えっ何、摘んだの?」
ティガ「うっせーっ」
黒ティガ「えっえっ!姉ちゃんにプレゼント?」
ティガ「うるせっ!ラギアが摘めって言うから……俺のアイディアじゃねーよ!」
黒ティガ「ぷぷぷっ、テレちゃって」
黒ティガ「カワイーなお前。うはは」
ティガ「てめーにだけはカワイイとか言われたくねーよ」
ティガ「つーか姉ちゃんは?」
黒ティガ「冥さんとどっか行ってるよ。夜だぜ帰ってくんの」
ティガ「んだよ。早く帰った意味ねーー」
黒ティガ「姉ちゃんのためにメシの下準備でもしとこうぜ」
黒ティガ「そうだな……ポポでも獲りに行くか」
ティガ「えーめんどくせぇーー!」
黒ティガ「いいから行くぞ」
ティガ「はーーーーーっ」
------数分後、雪山の麓付近------
クシャル「…………」
キリン「…………」
キリン「……クシャル君」
クシャル「うん」
キリン「……急に一緒に帰ろうなんて、珍しい」
クシャル「………うん」
キリン「あれからまともに話したことないし」
キリン「もう、私のことなんて……嫌いなんだと思ってたよ」
クシャル「…………嫌わない」
キリン「…………」
クシャル「ずっと気にかけてたから」
キリン「…………ありがとう」
キリン「でも……こういうのは、この一度で終わりだね」
クシャル「えっ……」
キリン「私のこと、嫌っていいから」
クシャル「……なんで?」
キリン「……嫌って当然だから……」
クシャル「なに言ってんだ……!」
キリン「もう……無理でしょう?」
クシャル「そんな…………」
キリン「じゃあ。久しぶりに話せて嬉しかった。クシャル君は、頂上だよね。私中腹だから、ここで」タッ
クシャル「おいっ………」
キリン「…………」タッタッタッタッタッ……
クシャル「…………」
クシャル「クソッ」
------ほぼ同時刻、雪山の頂上付近------
ドカッ
ティガ「オラオラティガレックス様の参上だぜーー!!」
黒ティガ「自分らの運の無さを呪えやー!」
野良ポポの群れ「………!」
野良ポポの群れ「…………」ドッ、ドッ、ドッ……
ティガ「逃げんじゃ……ねぇーーーっ!」(バインドボイス大)
黒ティガ「ティガそっちから挟みこめ!」
ティガ「よっしゃ!」
黒ティガ「オラオラ轢くぜ倒れろーー!!」ドガガガガガッ
野良ポポの群れ「………!…………」ドサッ
ティガ「うおりゃーーー!」ガブガブッ
野良ポポの群れ「………………」
黒ティガ「…………フー、五頭か」
黒ティガ「何頭か逃げてったな」
ティガ「あーおいしーおいしーー」ガツガツッバリッ
黒ティガ「バカヤロー食ってんじゃねー。持って帰るぞ」
ティガ「えーでもおいしくてー」モグモグ
黒ティガ「…………うんやっぱウマイよなー」バリッバリッ
ティガ「なー」バクバク
黒ティガ「……って食うなよ!!」
ティガ「黒兄も食ってるじゃん」
黒ティガ「ウマイからな!でもこれは姉ちゃんの分だ!」
黒ティガ「……つーか、さみぃ……俺雪山は嫌いだぜ」
ティガ「ケケケ、雑魚じゃん」
黒ティガ「オラ帰るぞ。咥えろ」
ティガ「へいへい」カプリ
シュバッ
ティガ「まおえんああもめるファー(あの辺から飛べるかー)」
黒ティガ「おー、あももいっふぁんもいよー(おー、あそこ一旦降りよー)」
ティガ「っふぁう、もえもふるーひほいれー(ったく、俺もふつーに飛びてー)」
黒ティガ「ふぁっふうっへまふぁいよふぁー(滑空ってダサいよなー)」
ティガ「ファーッ(なーっ)」
ドサッ
ティガ「あー、咥えるの疲れるな」ペッ
黒ティガ「否めねー」ペッ
ティガ「………ん?」
キリン「××××××………」
クシャル「×××!×××××……!」
ティガ「(麓のほう……キリンとクシャル!!マジで一緒にいる)」
ティガ「(なんか……揉めてる……?こっからじゃ聞こえねーな)」
キリン「×××××……」タッ
クシャル「××!」
ティガ「(あれ……キリン行っちまった)」
ティガ「(クシャルがボッチだ……)」
黒ティガ「なに見てんだよ、下りるぞ」カプリ
ティガ「ああハイハイ……」カプリ
ティガ「……ふおひい、ほいひへる?(黒兄、恋してる?)」
黒ティガ「ファアーー?(はぁーー?)」
------数分後、雪山の中腹------
キリン「ハァ、ハァ、ハァ……」タッタッタッ
キリン「…………」
”寄越せよ”
”やだ、やめてよ……”
”来ないでよ!”
”うるせぇ!騒ぐんじゃねぇ!”
”キリン!”
”怖いよ……”
−−−−バチバチバチッ−−−−
”あ……ごめんなさい……”
”ごめんなさい……クシャル君……”
キリン「…………」タッタッ…
キリン「ハァ、ハァ……」
キリン「………」ポロっ
キリン「うっ……うっ……」
キリン「…………」ぐすっ
ガムート「…………キリンちゃん?」
キリン「!」
キリン「ガムちゃん……」
ガムート「キリンちゃん!今日も、雪山なんだね」
キリン「…………うん」ぐいっ
ガムート「あれっ………泣いてるの?」
キリン「…………っ」
ガムート「………どうしたの?」
キリン「うっ……う……うわああああん!」
ガムート「キリンちゃん……!」
------数分後------
ガムート「落ち着いた……?」
キリン「……うん。ごめんね、急に……」
ガムート「ううん。よかった、泣き止んで……」
キリン「ありがとう………」
ガムート「…………」
キリン「…………」
ガムート「…………」
キリン「…………あのね」
ガムート「うん?」
キリン「大好きな人が、いたの」
ガムート「うん」
キリン「すごくすごく好きだった。毎日一緒にいて……」
キリン「いっぱい、いろんな話をした。いろんなところに行った」
キリン「でもね、ある日傷付けちゃったんだ……」
ガムート「傷付けた……?」
キリン「うん。傷付けようと思って、傷付けちゃったわけじゃないんだ」
ガムート「うん…………」
キリン「でも、私が全部悪いのよ」
------同時刻・塔学校、会議室------
リオレウス「本日、クラスの生徒であるジンオウガからの報告ですが……」
リオレウス「古代林にて、野良リモセトスの大量死骸を見かけたとのことです」
シャガル「野良?」
リオレウス「はい」
シャガル「……」
リオレウス「ハンターの仕業ではないようで、全て食べかけであったり、爪痕のようなものが残っていたようです」
一同「………」
リオレウス「ここ最近、こういった……野良モンスターの大量死骸の目撃情報が、あまりにも多すぎます」
リオレウス「……副教頭。どうお考えですか?」
リオレウス「………」
アマツマガツチ「………」
アマツ「……食べかけであったとしても、襲ったのがハンターではないとは限りませんね」
アマツ「ハンターが?ぎ取り目的に殺したのを、他の者が食べた……といったところでしょう」
リオレウス「……そうでしょうか?」
アマツ「ええ。お気になさらず……」
------翌日早朝・古代林------
ディノバルド「………センパイ」
???「あァ?」バリッ、バリッバリッ
ディノバルド「俺今日は、学校行かなきゃなんで……」
???「……ふっははは、お前まだあのクソ学校通ってんの?」バキッ
ディノバルド「…………」
???「辞めちまえ」
ディノバルド「…………や……」
???「早く連れてこいよ、てめーのクラスの連中」ムシャムシャ
ディノバルド「……すいません。できません」
???「……ほー……」パキッ、バリッ、ジュルッ……
------数時間後、学校・メインモンス科------
ティガ「あっクスクスおはよう」
ライゼクス「てめークスクスとか呼ぶな!」
ティガ「うふふふクスクスー?」
ライゼクス「やめろや。その呼び名は桜ちんだけ許されてるんだ」
ティガ「オアツイねえ、ライゼクスクス君」
ライゼクス「やめろっつの」
ティガ&ライゼクス「ところでさ……」
ティガ「あっ、なに?先言えよ」
ライゼクス「いやいやティガこそどーぞ」
ティガ「あーー…………キリンのことなんだけど」
ライゼクス「あっ、俺もキリンちゃんのこと」
ティガ&ライゼクス「…………」
ティガ「……俺昨日見たんだよ。雪山で。あの二人マジで一緒にいたわ」
ライゼクス「ほほぉ」
ティガ「でもなんか不穏な空気でよー。キリン、走って行っちまったんだぜ。クシャル置いて」
ライゼクス「わお。ケンカしてたの?」
ティガ「や、話してることは聞こえなかったけど……クシャルが、なんか引き止めてたっぽい?でも行っちまったけど……」
ライゼクス「……なるほど」
ティガ「で、そっちはなに?」
ライゼクス「……ああ。これ、桜ちんから聞いたんだけど……」
ティガ「なになに」
ライゼクス「(ひそっ)キリンとクシャル。あいつら前に付き合ってたらしい」
ティガ「な………!!」
ライゼクス「シーッ!声でけぇ!」
ティガ「ま…………」
ティガ「マジで………?」こそっ
ライゼクス「ああ。一年くらい前に別れたらしい」
ティガ「別れたのになんで……」
ライゼクス「桜ちんの考えだけど、嫌い合って別れたわけじゃないんじゃないか、って」
ティガ「えーー!だとしたらラギアの入る隙、ナシ?!」
ライゼクス「わからん……」
ティガ「やべーーもっと詳しい情報が知りてぇ……」
ライゼクス「…………ラギアの話だと、ガムート……って、キリンと仲良いはずじゃ?」
ティガ「……!ガムートなんか知ってっかな……?」
ライゼクス「……ラギアまだ来ないよな…………」
ティガ「ああ…………」
ライゼクス「………呼ぶか」
ティガ「……おい、ガムート!」
ガムート「?!」
ミツネ「おー直々にお呼びが」
ガムート「や……やっぱり私の名前呼んだよね?!」
ミツネ「うん。間違いなくね」
ガムート「なっ……なななななんで……?」
ミツネ「早く行きなよー」トンッ
ガムート「うっうん……」
ガムート「な…………なにっ?」
ティガ「おーガムート。座れよ」
ガムート「はい……」
ライゼクス「折り入ってお聞きしたいんだがー」
ティガ「お前、キリンと仲良いんだろ?」
ガムート「(顔、近い……)うん……まぁ……」
ティガ「あのさ……キリンとクシャルって、付き合ってたのか?」
ガムート「……わかんない……」
ライゼクス「……なんだ、そーか」
ガムート「うん、でも……多分、付き合ってたのかな」
ティガ「多分?」
ガムート「誰とは言ってなかったけど……話聞いてて、そうかなって思ったよ」
ライゼクス「その話、俺らにもできねぇかな?」
ティガ「ラギアのこともあるし……知っておきてぇんだ」
ガムート「(どうしよう……)」ドキドキ
ガムート「(話してもいいのかな……)」
ライゼクス「他の誰かに喋ったりとか、絶対しねーから。俺ら」
ガムート「うん……」
ガムート「……昨日、キリンちゃんと会ったんだけど、泣いててね」
ティガ「!」
ティガ「……泣いてたのか」
ガムート「そうなの……よくわかんないけど慰めてたら、話してくれて」
ガムート「大好きな人がいて、その人を自分のせいで傷付けてしまった、って」
ライゼクス「うーむなんだか意味深だけど抽象的な話だな」
ティガ「なんで傷付けてしまったか、ってのは?言ってた?」
ガムート「うん。……なんかね、キリンちゃん、前に他のモンスターに襲われたことがあったんだって」
ライゼクス「…………」
ティガ「…………」
ライゼクス「まぁ、俺らにとっても、ありえ無くはない話だよな」
ガムート「その襲ってきた人の名前は、やっぱり教えてくれなかったけど……」
ガムート「……キリンちゃんの、『角』を、食べたがってた、って……」
ティガ「角……?」
ライゼクス「…………『キリンの蒼角』か」
ガムート「…………」
ティガ「なに?それ」
ライゼクス「あのな。キリンちゃん、角が青い個体だぜ」
ティガ「……青いと、なんなの?」
ライゼクス「キリンの蒼角を、好んで食う奴がいる」
ティガ「俺、しらねーな……」
ガムート「…………」
ライゼクス「いや、知ってる。元々、ケチャワチャとかと同じクラスだった奴だ」
ティガ「鋏角牙獣科?あのクラスっていったらまさか……」
ティガ「……ラージャン、か?」
ガムート「…………」コクッ
ライゼクス「あいつ校則破って退学になって、禁足地に追放されたろ」
ティガ「ああ……学校の奴を食ってな」
ティガ「ちょうど一年くらい前だ……あの事件のときに、キリンも襲われたってことか」
ライゼクス「そーいうことになるな」
ティガ「……うーわ、ラージャンに襲われるのはちょっと……さすがにかわいそー」
ティガ「俺でもちょっとビビるかも」
ライゼクス「あいつケタ違いだもんな。古龍レベルじゃねーと、マトモに戦えねーよ」
ティガ「あれ?でもキリン、角はちゃんとあったよな?」
ガムート「……間一髪のところを、助けてくれたのが、その『大好きな人』なんだって」
ライゼクス「クシャルだろうな」
ティガ「……確かに古龍だし、ラージャンとも渡り合えるよな」
ライゼクス「属性も、辻褄が合う。クシャルは氷持ってるし、ラージャンは氷によえーだろ」
ティガ「なーーーーーる」
ティガ「でも、それっていい話じゃね?なんで別れたんだ」
ガムート「……キリンちゃん、その時パニック起こして大泣きしちゃったんだって」
ライゼクス「んーー、カワユイ女の子にありがち!」
ティガ「それをクシャルがギュッとしてやれば一件落着、めでてーめでてーー」
ガムート「『襲ってきた人』を追い払った『大好きな人』が血まみれになってるのを見て、すごく怖くなって」
ガムート「その人が宥めようとして抱き締めてきたのを、バチバチッ、とね」
ティガ「ナルホド、パニック起こして雷撃やっちまったんだな」
ライゼクス「キリンちゃん、古龍だし帯電してるとつよそー」
ティガ「……あっ、クシャル、雷ダメじゃん!」
ガムート「そうなんだよね……」
ライゼクス「うわ。ラージャンにやられて瀕死のクシャルに、追い打ちを……」
ティガ「ヒィー、それは悲劇」
ガムート「でもその『大好きな人』は、全然怒らなかったみたい」
ライゼクス「クシャル、寛大そうだもんな」
ガムート「だけどキリンちゃんはすっごく悩んじゃったみたい。大好きな人を傷付けちゃった、って」
ティガ「んなこと言ったって……しゃーねーだろ?クシャルは怒らなかったんだから、それでいーじゃん」
ガムート「ううん、気にするよ、きっと。大好きな人が、自分のせいで瀕死にまでされて、さらに自分で傷付けちゃったら」
ガムート「確かにね、キリンちゃん言ってたの。ラギア君と三人で帰ったときに、ラギア君が『雷かっこいいよね』って言ったら」
ガムート「傷付けるくらいなら、こんな力は無いほうがいい、って……」
ティガ「…………」
ティガ「よえー女だな、キリンってのは」
ガムート「!!」
ライゼクス「おい、ティガ……」
ティガ「キリンは、クシャルが好きだったんだろ?それじゃダメなわけ?」
ティガ「『アタシの力で傷付けちゃったから、もう一緒にいられない!別れる!』ってんで別れたんか?そのあと」
ガムート「……そうみたい……」
ティガ「なんだよそれ!クシャルの気持ち、踏みにじってるだろ?!」
ガムート「そんな言い方!」
ライゼクス「落ちつけよ二人とも……」
ティガ「なんのために命がけで助けたんだよ。キリンは、自分が傷付きたくねぇだけだろが!」
ガムート「違うよ、大好きな人のことなんて、傷付けたくないって思うのは普通じゃないの?!」
ティガ「じゃあもう傷付けないようにすれば済む話じゃねーか!なんで別れるって考えになるんだよ!!意味わかんねーよ」
ティガ「ラギアが深みにはまんねーうちに、目ェ覚まさせたほうがいいんじゃねーの」
ガムート「……!」
ティガ「そんなテキトーな女に、ラギアはもったいねーよ」
ライゼクス「ティガ!」
ガムート「…………っ」
バシッ
ティガ「痛って……」
ライゼクス「(ひー、鼻でビンタ……)だ……だいじょぶ……?」
ガムート「サイッテー!」
ティガ「ガムート……」
ガムート「なによ!キリンちゃんだって、いっぱい悩んだんだから!!なにも知らないで!!」
ティガ「……ごめん、ガムート……」
ライゼクス「あっ……ガムート泣いてんの……?」
ガムート「……泣いてない!」グスッ
ティガ「ガムート、お前……」
ティガ「そんな風に怒ることあるんだな……」
リオレウス「おーいチャイム鳴ったぞー」ガラッ
リオレウス「席つけお前らー」
ガムート「!」
ライゼクス「えっもうそんな時間?」
ティガ「ラギア来てねーじゃん……」
ガムート「………ゴメンね、私……戻るね」すんっ
ライゼクス「おー……」
リオレウス「出席とるけどーー……なんだよ、今日休み多いな?」
リオレウス「ぱっと見で……クシャルダオラと、ディノバルドとセルレギオス……ラギアクルスも休みかー?」
------約1時間後、孤島・ラギアクルスの巣------
ラギア「…………ぐおぉ……」
ラギア「………zzz……」
ラギア「…………」すぴーっ
矢文アイルー(アメショ)「ラギアクルス殿ーー」
ラギア「ぐー、ぐー……zzz」
矢文アイルー(アメショ)「ラギアクルス殿……」
矢文アイルー(アメショ)「…………」コチョコチョ
ラギア「……うひっ、うっひっはっはっはっひゃっ」
矢文アイルー(アメショ)「ラギアクルス殿、起きてくださいニャー」
ラギア「うぅん……zzz」
矢文アイルー(アメショ)「…………」コチョコチョ
ラギア「ひっひっひゃっ」
ラギア「……うーん?」パチッ
ラギア「…………?」
ラギア「……んナァーーーーーーッッ!!!!」ガバッ
矢文アイルー(アメショ)「起きたですニャー」
ラギア「うわ!!なに?!矢文?!」
矢文アイルー(アメショ)「ですニャー」
ラギア「つーか学校!!え?!いま何時?!」
矢文アイルー(アメショ)「その学校から矢文ですニャー」
ラギア「えっ?!ありがとう!」バッ
矢文アイルー(アメショ)「どうぞニャ」
パサッ
『学校をサボるとわ 男らしくない
ハゲボンバーラギアよ 早く来やがれ
天下のティガ様より』
ラギア「ハゲボンバーだと……?」
ラギア「……うわー寝すぎたよーー寝すぎたーー」
ラギア「(昨日寝付けなかったから……)」
矢文アイルー(アメショ)「…………」ニコニコ
ラギア「…………」
矢文アイルー(アメショ)「…………」ニコニコ
ラギア「……あの……ありがとう。もういいよ、読んだから」
矢文アイルー(アメショ)「お代がまだですニャ」ニコニコ
ラギア「えっ?」
矢文アイルー(アメショ)「着払いですニャ」ニコニコ
ラギア「……あの野郎ーーーーーっ!!」
------数分後、巣から学校への道中------
ラギア「クッソーティガの野郎」
ラギア「ふつー矢文は元払いだろが」ブツブツ
ラギア「金欠だっつの……」ブツブツ
ラギア「ん?」
野良ガーグァの死体「…………」
ラギア「あ!腹減った!朝飯まだだし!」
野良ガーグァの死体「…………」
ラギア「誰の食い掛けだ……?ほとんど残ってないけど」
ラギア「でもいーや!食お」バリッバリッ
ラギア「あールドロス食いてーけど狩ってるヒマないーー」モグモグ
ラギア「ごちそーさま!!!」
ラギア「(行かねば……もう二限も終わりかけだよなーチクショー)」
ラギア「ん?」
野良ガーグァの死体2「…………」
ラギア「(また食い掛けだ……)」
ラギア「(何だ?ハンターか?……でも食ってあるしなぁ)」
ラギア「…………!」
野良ガーグァの死体の群れ「…………」
ラギア「……死にすぎ…………」
ラギア「……3、4、5、6、7………12?!12頭も死んでやがる……」
ラギア「(何だ……?みんな、食われててほとんど残ってない)」
ラギア「(こんなことする奴……誰だ?!)」
ラギア「……………………」
------同時刻、学校・メインモンス科------
リオレウス「……『天は砕かれた、その怒りによって。地もまた等しく砕かれ、世界の全ては無へと返り……』」
リオレウス「……『その鼓動だけが、無に共鳴した』」
ティガ「………zzz」
ライゼクス「(ひそひそ)お前ー!ついに来週号なんて持ってきて……」
ジンオウガ「(ひそひそ)もっとすごい商人アイルーにコネができてさ……」
ブラキ「(ひそひそ)他では出回ってない、発売前の号を買えるんだぜ」
ライゼクス「(ひそひそ)すげぇよ……神だよ……」
ミツネ「(ひそひそ)それで言い合ってたの?」
ガムート「(ひそひそ)うん……鼻ビンタはやりすぎたかもだけど、ティガもひどいよ」
ミツネ「んー……キリンさんの気持ちもわかるけど、ティガ君の言ってることもわかるかなぁ……」
ガムート「……うーーーん……」
リオレウス「……『彼にとってその世界は、数多ある住処の一つに過ぎなかった』」
リオレウス「……『小さき者どもは問い、狂う。終わりの鐘が聞こえ……』」
ガラッ
ディノバルド「…………」
クラス一同「?!」
リオレウス「ディ……ディノバルド……!」
ディノバルド「(ヒュー)すいません……遅れ、ゲホッ、遅れました……(ヒューッ)」
リオレウス「どうしたんだその怪我!!」
ディノバルド「……いいんです……ゲホ、ゴッ」
ミツネ「どうしたの?彼……」
ガムート「わかんないけど……すごい、血が出てる」
ライゼクス「……なんかヤバそうじゃね?」
ジンオウガ「いたそーっ……」
リオレウス「良くない良くない!見ろ!お前の歩いた跡、血痕!」
ディノバルド「ゲホッ、あーー………」ヒュー……
リオレウス「襲われたのか?!いやそれどころじゃない!医務室!手当しろ!」
リオレウス「先生の奥さんいるから!な?!」
ディノバルド「……いいです、別に……ゴホッ」
リオレウス「もうすぐ三限だけど、二限で来たことにするから行ってこい!」
ミツネ「……行ったほうがいいよ」
ミツネ「レイア先生に、手当てしてもらったほうがいい」
ガムート「ミツネっち……(珍しい、大きい声出して)」
ライゼクス「……ミツネの言う通りだぞ!」
ディノバルド「…………」
リオレウス「なっ?」
ディノバルド「…………ハイ」
ガラッ
ズル、ズル…………
リオレウス「……大丈夫だろうか……?」
リオレウス「血痕もすごいな……」
ガムート「先生。私、拭きます」
リオレウス「おお、悪いな」
ガムート「………」ドスドス、ガラッ、ドスドス……
リオレウス「……あーもう二限終わるな。続きは三限で」
キーンコーン……
ガムート「………」ブオオオオ………
ガムート「…………」ブウウウウウン……
ガムート「(こんなもんかな……)」
ティガ「……拭いたっつーより、吹いてるな」
ガムート「!!」
ティガ「……コレ。俺の顔に刺さってた」
ガムート「……あ……鼻棘」
ティガ「捨てるのも悪いから、返すぜ」
ガムート「……ごめん、さっき…………」
ティガ「あーーー、いい、いい」
ティガ「謝んのは、俺のほうだ」ポリポリ
ガムート「え……」
ティガ「……悪かったよ。お前の友達のこと悪く言って」
ガムート「…………」ふるふる
ティガ「お前、友達思いだな」
ガムート「……ティガ……くん、こそ」
ティガ「じゃ……」トボトボ……
ガムート「…………//」ドキドキ
------同時刻、学校・医務室------
ディノバルド「いっ…………」
リオレイア「しみるわよ。……あらぁーこれは、縫った方がいいかしら……?」
ディノバルド「……いーです。勝手にくっつくんで……」
リオレイア「バカ言わないの。ハイ、縫うからね」
ディノバルド「いやいーですホント」
リオレイア「麻酔なんかしないわよ」プスッ
ディノバルド「……い……たいっす」
リオレイア「我慢!」ぬいぬい
ディノバルド「…………」
リオレイア「良く見るとあなた、古傷ばっかりねぇーーメインモンス科の三バカですら、ここまで傷はないわよ」ぬいぬい
ディノバルド「(ティガ達のことか……)はぁ……」
リオレイア「この傷も、噛みつかれたような痕だし……誰にやられたの?」
リオレイア「ハンターじゃないでしょう」
ディノバルド「…………」
リオレイア「(……この噛み痕、以前にも手当てしたことがあるわ)」
リオレイア「(まさか、また……?)」ぬいぬい
ディノバルド「…………ッ」
リオレイア「………………」ぬいぬい
リオレイア「ハイ、あとは薬塗って包帯巻くからね」
ディノバルド……………ありがとうございます……」
リオレイア「…………」ぬりぬり
ディノバルド「…………」
リオレイア「…………はい、終わり」
ディノバルド「…………」ペコッ
リオレイア「ほんとは少し寝ていってほしいくらいだけど」
ディノバルド「や……戻ります」
リオレイア「……そう」
ディノバルド「世話んなりました」ズル、ズル
リオレイア「いーえ」
ガラッ
リオレイア「……ディノ君」
ディノバルド「?」
リオレイア「……気をつけるのよ」
ディノバルド「…………」ペコッ
バンッ ズル、ズル、ズル……
リオレイア「…………」
リオレイア「…………ふーっ」
リオレイア「嫌な予感だわ」
------数分後、学校・メインモンス科------
リオレウス「……その『頭』は、全ての始まりだ。反対に『尾』は全ての終わりであって……」
ティガ「………zzz」
ドスドスドスドス…………
ガラッ!!
ラギア「遅刻しましたーーーーーっ!!」
ライゼクス「あ、ラギアだ」
ティガ「うぅ………ん?」むくっ
ティガ「あっテメークソラギア!おせーよ学校サボリマン!!」
リオレウス「あーやっと来たか」フーッ
リオレウス「大遅刻だぞ気をつけろよ」
ティガ「学校サボリマン!!!!」
ラギア「うるせーー居眠りマン!!!!」
リオレウス「早く席つけ」ドカッ
ラギア「痛っ!センセー蹴らないで!」
ライゼクス「アハハハ」
ティガ「俺様の愛の矢文が届いたな」
ラギア「死ね!着払いにしやがって」
ティガ「うっはは」
ガムート「…………」チラッ
ガムート「(ラギア君……)」
ガムート「(元気そうだけど……キリンちゃんのこと知ったら、ショック受けるよね……)」
ガムート「…………」
ラギア「…………?」チラッ
ガムート「あっ……」
ラギア「……(お、は、よ)……」パクパク
ミツネ「………」
ガムート「…………!」ペコッ
ミツネ「……口パクで『おはよう』なんて、彼ずいぶん爽やかじゃない?」
ガムート「そうだねー」
ミツネ「もうさー、ティガ君よりラギア君のほうがいいんじゃない?」
ガムート「な!!!!」
ミツネ「白ラギアさんと、ダブルデートしよう」
ガムート「やめてよ!!私やっぱりティガがいい……」(小声)
ミツネ「ははは。冗談冗談……」
------昼休み、食堂------
ミツネ「ガムちゃん、席ありがとう」
ガムート「いーのいーの。いつもミツネっちにとってもらってるし」
ミツネ「今日もさ、みんなで食べれたらよかったよね」
ガムート「うん、まぁ……」
ミツネ「でも昨日も今日もたくさん話せて良かったね!」
ガムート「うん!!ラッキー、私!!」
ラギア「…………ガムート、ミツネ!」
ガムート「え?」
ラギア「こっち来れば?」
ミツネ「おー更にラッキーだね」ガタッ
ガムート「えーもうほんと幸せ……」ガタッ
ガムート「どーも……」
ミツネ「すわりまーす」
ティガ「……あれ?お前らって肉食わないの?そう言えば」
ガムート「うん」
ミツネ「昨日もそうだったけど?」
ティガ「やー気付かなかった」
ライゼクス「ガムートは草食だし、ミツネは魚が好きだもんな」
ラギア「……そういやさー、今日、孤島がすごかったぜ」
ティガ「なに?」
ラギア「ガーグァの死体だらけでさ」
ライゼクス「ハンター出たんじゃね?」
ラギア「ハンターにしては変。全部食いかけだった」
ティガ「……つーことは、モンスターの仕業だよな」
ライゼクス「野良の奴らじゃねーの」
ラギア「……イヤーそれにしても、今まであんなんなってんのは見たことなかったぜ」
ミツネ「……それって…………」
セルレギオス「オイ!!ディノバルド!!!!」
生徒たち「?!」
ドスドスドス……
セルレギオス「ディノバルド、テメェ!!!!」
ディノバルド「…………」
生徒たち「キャーッ」
ライゼクス「あいつもスゲー怪我だぜ……」
ガムート「ディノ君よりひどい……」
セルレギオス「シカトすんじゃねー!クソ!!」
ディノバルド「……うるせェな、俺いまメシ食ってんだけど」
セルレギオス「…………!!」
バシッ!
パリン、カラカラ…………
ディノバルド「…………」
ティガ「……なに?ケンカじゃん」
ライゼクス「ディノバルドの皿割れてるー」
セルレギオス「てめーのせいだろ!!??」
セルレギオス「テメーのせいで俺こんなんなってんだけど!」
ポタポタ……
クック「ちょっとちょっと!なに暴れてるの」
クック「血もすごい……」
セルレギオス「うるせージジイ!!!」
バッシーーン
キャーーーーーー……
セルレギオス「ハァ、ハァ……」
ガムート「怖っ……どうしよう!!」
ディノバルド「……おじさん。大丈夫ですか」グイッ
クック「うう……なんだい、いきなり……」
セルレギオス「てめぇが働かねーから俺が被害被ったんだぜ?!」
セルレギオス「てめぇが!!『センパイ』は行くなって言ったのに逆らって学校に来やがって!!!」
セルレギオス「お陰で俺ァ!!!このザマだ!!!畜生!!!」
セルレギオス「俺に怒りの矛先向けられたんだぜ!!どうしてくれるんだよ!!」
ディノバルド「…………」
ミツネ「『センパイ』……?」
セルレギオス「なんか言えよコラアァァ!!!」
バルルルルッ…………
セルレギオス「殺してやる!!!!!」
ティガ「うおーあいつマジ戦闘モード」ガタッ
ライゼクス「ちょ、止めんべ」ガタ
ラギア「おー」ガタッ
アマツ「やめなさい!!!なにをしているのです!!!!」
ティガ「あ、副教頭だ」
アマツ「……あなたはメインモンス科のセルレギオスですね!食堂でこんなこと……」
セルレギオス「あ…………副教頭先生…………」
アマツ「来なさい。今すぐ」
セルレギオス「あっ……違うんです、先生……僕は……」
アマツ「言い訳は聞きませんよ」クルッ
セルレギオス「…………」トボトボ
ガムート「行っちゃった…………」
ティガ「アマツ先生に呼ばれちゃあ、処分だろなぁ」
ライゼクス「謹慎とかで済めばいいけどな」
ラギア「つーか、なんであいつらケンカしてんの?」
ラギア「関わりあったのか?」
ライゼクス「センパイがどうのって言ってたけど……」
ティガ「なんだろなぁ」
ミツネ「…………」
ガムート「そう言えばミツネっち、何か言いかけてた?」
ミツネ「……うーーーーん………」
------数十分後、校長室(古塔近くの砂丘)------
リオレウス「……セルレギオス!」バサッ、バサッ
アマツ「…………」
セルレギオス「レウス先生……」
アマツ「もうすぐ、ダレン校長が来ますので」
リオレウス「すみません……私の生徒が……」
アマツ「……問題なのは、生徒自身ですから」
ズズン……ズズン…………
グオオオオオオーーーーン
ザッパアーーーーーーン
アマツ「ダレン校長……」
リオレウス「………!」ペコリ
ダレン・モーラン「…………うーーーーーーーむ………」
ズズズズゥン…………
アマツ「お茶でございます」ズズッ
ダレン「うーーーーむ」
リオレウス「(いつ見てもデカすぎる湯呑みだ……)」
リオレウス「(ウチの生徒が2、3人入りそう)」
アマツ「こちら、メインモンス科のセルレギオスという生徒です」
ダレン「うーーーーむ」
セルレギオス「…………」
ダレン「んーーーーーーーーー」
ダレン「リオレウスぅーーーーー」
リオレウス「はっ!」
ダレン「先生のォーーーーーー…………」
リオレウス「はい!」
ダレン「クラスのォーーーーーーーー………」
リオレウス「はい……」
ダレン「生徒だぬ?」
リオレウス「……はい、その通りです」
アマツ「(ひそっ)レウス先生。いい加減慣れてくださいね」
リオレウス「す、すみません……」
アマツ「先ほど食堂にて、同クラスの生徒に遅いかかりました」
セルレギオス「…………」
アマツ「更に食堂のイャンクックさんのことも投げ飛ばしました」
アマツ「問題行動と見なされます」
ダレン「……うーーーーーーーむ……」
ダレン「困るよねぇーーーーーーーー…………」
アマツ「ご覧のとおりセルレギオスは肉食の大型モンスターです。遅いかかった生徒を捕食することも可能かと」
リオレウス「いやそんな……子供のケンカですよ!」
アマツ「……レウス先生」
リオレウス「……はい」
アマツ「先生も肉食ですね。お分かりのはずです」
リオレウス「…………」
アマツ「あなたも、学校外のモンスターとの戦闘くらい経験があるでしょう」
アマツ「我々にとっては、人間のハンターはもちろんのこと、同じモンスターの生態も、等しく脅威となります」
リオレウス「………はい」
アマツ「我々は、学校という一つの秩序の中に生き、共に暮らしてきました。……我々はもはや、理性なき怪物ではない」
アマツ「本能のままに赴くことは恥です。少なくとも学校での生活があるうちは、『同志』を尊重し、捕食行動を控える。これは、塔学校の設立された、1000年前から決まっていることですよ」
アマツ「……我々の師が……築き、貫いてきたことです」
ダレン「……つーーまぁ〜〜りぃ〜〜〜〜……」
リオレウス「はい」
ダレン「塔学校のぉーーーーー」
ダレン「んぬーーー………生徒・教師・職員はぁーーー……」
リオレウス「…………」
ダレン「いついかなる時でもォ〜〜〜〜」
ダレン「……ゲフンッ、ゲフンッ」
アマツ「校長!大丈夫ですか」
ダレン「………同学校の関係者を捕食してはらないんだぬ〜〜〜〜……」
ダレン「……どんなに強い子でも……生徒を食べるなんてぇ〜〜〜〜」
ダレン「…………ズズ……」
リオレウス「(ここでお茶飲むのか……)」
ダレン「……ぬぅ………ご法度なんだぬ………」
リオレウス「それは重々承知です。しかし……」
ダレン「簡単なことだよぬ……学校関係者を捕食しないなんてのはぁーーー……」
ダレン「…………でも大事だよォ〜〜〜〜………」
セルレギオス「待ってください!……僕はディノ君を食べてないです!!」
リオレウス「そうですよ!問題はそこで……」
セルレギオス「食べようとも思ってない!ただムカつくから、一発殴ってやろうって……聞いてくださいよ!ディノ君の奴……」
アマツ「お黙りなさい」
セルレギオス「…………でも!」
アマツ「あなたが生徒をどんな理由で襲ったのかなんて、どうでもよいのです」
アマツ「問題は、あなたが塔学校の生徒であること。襲った相手も、同校の生徒であること。そして、塔学校内で暴れたこと」
セルレギオス「…………」
アマツ「そしてあなたには、多かれ少なかれ、間違いなく殺意がありました」
セルレギオス「そんな……それは言葉のあやで……」
アマツ「……一年前と同じように、あなたは結局、怪物のままだった……」
リオレウス「!」
セルレギオス「!」ビクッ
アマツ「…………ダレン校長。いかがいたしますか」
ダレン「………うーーーーーーーむ………」
リオレウス「校長!…………」
ダレン「………問答、無用………」
アマツ「……」コクッ
ダレン「退学…………と………追放だぬ………」
リオレウス「そんな!」
セルレギオス「…………う」
セルレギオス「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だァァァァァァァ畜生ォォォォァァ」
リオレウス「校長!!どうかご慈悲を…………」
セルレギオス「あああああああ!!!嫌だああああ!!!先生ぇぇぇレウス先生えええええええええええええ」
ダレン「…………ふーーーーー」
リオレウス「…………」
アマツ「…………」
リオレウス「セルレギオス…………」
リオレウス「………すまない…………」
セルレギオス「せんせぇぇぇぇぇぇぇあああああああああ」
アマツ「…………」プシュッ
セルレギオス「ああ………」
シューーッ………
セルレギオス「…………」バタッ
リオレウス「……鎮静剤ですか」
アマツ「ええ」
アマツ「口輪もしなくては」
カチャカチャ………
ダレン「んぬーーー………心苦しいけどねぇ………」
ダレン「……うーーーーむ、四人目の……退学者かぁ〜〜〜……」
アマツ「…………」
リオレウス「……禁足地行きですか」
アマツ「いえ……禁足地は、あれから我々教師でも近づく事は危険ですので」
アマツ「古代林の、最奥ですかね……」
ダレン「………んーーーー……古代林も、どうかねぇ………」
アマツ「……ええ、『別件』もありますが……」
ダレン「ぬぅーーーまぁ……500年も、経ってるしねぇ……」
リオレウス「……500年?」
アマツ「あぁ、レウス先生はまだご存知ない?」
リオレウス「はぁ………」
アマツ「……お教えしましょう。古代林は……」
アマツ「……×××××××……」
リオレウス「………え……………」
リオレウス「……そんな……」
------数十分後、学校・メインモンス科------
ガラッ
ライゼクス「オイ、セルレギオス退学だって………!」
クラス一同「?!」ざわっ……
ディノバルド「…………!」
ティガ「……おいおいジョーダンだろ?やばくねーかーー?」
ガムート「そんな……セルレギオス君……」
ラギア「シャレんなんねーだろ」
ミツネ「まさか退学なんて…………」
ディノバルド「…………」
ライゼクス「だから、五限と六限、自習だってよ……」
ライゼクス「セルレギオスを護送するらしい」
ジンオウガ「護送って!犯罪者みたいに……」
ブラキ「一年前から、先生たちも敏感になっちまってる」
ブラキ「最悪の事態に備えての処罰ってとこか」
ナルガ「いくらなんでも過敏すぎねぇ?」
蒼レウス「ちょっとケンカしただけでござる」
ティガ「……蒼レウスの声、久々に聞くなぁ……」
ミツネ「蒼レウス君って、ござる系なの……?」
ラギア「護送って、禁足地までか」
ライゼクス「まぁ、多分そうだろうな……」
------数分後、学校・屋上(塔の頂)------
リオレイア「あなた!」バサッ
リオレウス「……レイア……」
リオレイア「まさかあなたのクラスから退学者が出るなんて……」
リオレウス「ああ……俺の教育が……」
リオレイア「……そんなことないわ」
セルレギオス「……………」スー……
リオレイア「……彼、眠ってるのね。口輪までされて、手足も鉄の板に固定されちゃって……」
リオレウス「うん。……そして酷いキズなんだ」
リオレイア「本当……ディノ君といい、どうしたのかしら」
リオレイア「せめて手当てをしてあげなくちゃ……」カチャカチャ
リオレイア「…………!」
リオレイア「(この噛み痕は……)」
リオレウス「……その噛み痕。わかるかい」
リオレイア「ええ……やっぱりそうなのかしら」
リオレウス「だとしたら、マズイぞ」
リオレイア「この噛み痕と同じ噛み痕、ディノ君にもあったの……」
リオレウス「何だって?!」
リオレイア「……恐ろしいわ」
リオレウス「その件に関しては……後ほど会議にかけるしかないな………」
ジャガル「……遅くなりました」バサッ
アマツ「護送は、わたくしとレウス先生、あとシャガル先生とレイア先生に手伝っていただきます」バサッ
リオレウス「ああ……(他の先生方、ほとんど飛べないもんな……)」
アマツ「檻に入れますから、どいてください」
リオレイア「…………」スッ
アマツ「…………」ガチャンッ
セルレギオス「スー……スー……」
アマツ「……さて。運びますよ」
ガチャリ………
バサッ
リオレイア「う……重いのね、四人で掴んでも」
アマツ「護送用の檻ですからね」
フワッ
バサッ……バサッ…………
------戻ってメインモンス科------
ガムート「………あっ」
ミツネ「?」
ガムート「窓から見える!!先生たちが、護送してる……」
ティガ「どこどこどこ!」ドドドドッ
ティガ「マジだ……」
ライゼクス「護送の風景、初めて見た」
ラギア「四人で檻の鎖を掴んでんだな……」
ミツネ「……方向違くない?」
ガムート「え?」
ミツネ「禁足地は、ここから真南だよ。先生たち、南西に向かってない?」
ティガ「あーー……そういや、そうだな」
ライゼクス「なんでだ?」
ラギア「こっから南西に真っ直ぐっつーと……旧大陸とか……あとは古代林だな」
ティガ「古代林に護送ーー?!」
ティガ「俺でも行けるじゃん!追放になんのか?」
ミツネ「いや、古代林に追放……ありえるね」
ライゼクス「どーゆーこと?」
ミツネ「古代林の、奥の奥のずっと奥に……行くんじゃない?」
ガムート「なにかあるの?私、古代林は行ったことなくて……」
ミツネ「……僕もない。詳しくは、わかんないけどね」
ラギア「……古代林っつーと……あれ?なんか聞いたことあるような……」
ティガ「思い出せ!ラギア!」
ラギア「……んー、忘れた!」
ディノバルド「……………」
------六限終盤、同じくメインモンス科------
ガラッ
リオレウス「……みんなちゃんと自習してたかー?」
クラス一同「!!」
リオレウス「……まあお前らがちゃんとするわけないか」フーッ
ティガ「先生!……セルレギオスは?」
リオレウス「ああ…………」
リオレウス「あーーちょっと早いけど、SHRにするぞ」
リオレウス「元の席戻れ」
クラス一同「…………」ガタッ……ガタガタ
リオレウス「……随分おとなしいなー」
リオレウス「……えーと。みんなもう知ってると思うが、このクラスから生徒が一人いなくなった」
リオレウス「セルレギオスだ」
クラス一同「…………」
リオレウス「昼休みに食堂にいた奴は見たと思う。セルレギオスの暴走が原因で、校長たちは彼に対して退学と追放の処分を下した」
ティガ「…………」
ラギア「…………追放って、どこに?」
リオレウス「…………」
リオレウス「……みんな覚えてるだろう、一年前」
リオレウス「このクラスではないが……塔学校の生徒が、セルレギオスと同じように罰せられ、退学と追放となった」
リオレウス「その生徒は天空山の一角である『禁足地』に追放された」
リオレウス「禁足地は……人間のハンターも近寄らない。我々も同じように、物理的に、そして倫理的にも近寄れないことは、みんな知ってるだろう」
リオレウス「その生徒も、我々塔学校によって、禁足地からは二度と出られないように処置された」
リオレウス「しかしセルレギオスが追放されたのは、禁足地ではない」
ガムート「…………」
ライゼクス「…………」
リオレウス「……詳しいことは言えないが、古代林だ」
ティガ「……!!」
ミツネ「……やっぱり……」
リオレウス「古代林は、俺も良く行く。このクラスのみんなも、古代林に行く生徒は多いだろう」
リオレウス「古代林の……奥の奥。普通に生きているだけでは辿り着けない場所だ」
リオレウス「……みんなに頼む。古代林は、危険だ」
リオレウス「特に深奥には、絶対に近付かないでくれ」
ティガ「……シェンガオレン先生の、昔の抜け殻があるあたり?」
リオレウス「いや実際にはもっと奥だ。しかしそのエリア付近にも出来るだけ近付かないでほしいんだ」
リオレウス「生徒の葬式など、出たくないからな……」
ガムート「…………!」
ミツネ「……何かを見たんですか?」
リオレウス「…………!」
ラギア「ミツネ…………」
リオレウス「…………いや」
リオレウス「とにかくお前らが近付かなければいい話だ」
リオレウス「セルレギオスの件は悲しい。……しかし、もう二度と会えないんだ」
ライゼクス「……追放された場所で、どー過ごすの?」
リオレウス「何もできない。今は鎮静剤によって眠っているだろうが、いずれ鎮静剤が切れたとしても、鉄の板に固定されたまま、身動き取れずに衰弱するだけだ」
ティガ「……むごい」
ラギア「……実質、死刑じゃん……」
リオレウス「そういうことだ。……みんな、気をつけてくれ。俺からはそれしか言えない」
クラス一同「…………」
リオレウス「じゃあ、真っ直ぐ家に帰れよ。古代林へは行くな。SHRは終わりだ」
スタスタ……
ガラッ
クラス一同「…………」
ティガ「…………胸糞悪い話だな」
ラギア「そうだな……」
------放課後、どこかの森------
ディノバルド「……(今日は1グラムも入れたが)……」
ディノバルド「………(上手くいくといい)………」
ドスン……
ディノバルド「!」
???「おォーーいっぱい持ってんなぁ」
???「…………」バリッ、バリッ
ディノバルド「……今日、セルレギオスが退学になりました」
???「へーー」ガツガツ
ディノバルド「古代林に行きましたよ」
???「いい場所じゃん」ムシャ、ムシャ
???「最奥のまた最奥だろ?」グチャグチャ
ディノバルド「……って、言ってました」
???「担任が?」ガツ
ディノバルド「はい」
???「連れてこい」
ディノバルド「……無理ですって……」
ディノバルド「ジョー先輩……」
???(イビルジョー)「…………」バリッバリッ
------同じく放課後、渓流・タマミツネの巣------
ティガ「行っちゃダメってことはさーー行っていいってこと?」
ライゼクス「いやいや。お前バカなの?」
ティガ「ダメって言われると行きたくなるんだよねー」
ラギア「…………」
ガムート「でも、ダメだよ……」
ティガ「えーー」
ミツネ「……どーでもいいけどさぁ」
ミツネ「なんでみんな僕の巣にいるの?」
ライゼクス「あ、お邪魔してまーす」
ミツネ「遅いよね、言うの」
ガムート「みんな、一人になりたくないんだよね……」
ティガ「…………」
ライゼクス「ティガ以外みんな一人暮らしだもんなぁ」
ティガ「俺は単純に黒兄とむさ苦しい空間にいたくないだけだしー?」
ミツネ「だからって、なんで僕の巣なの……」
ガムート「まぁまぁ、気候的にみんなが一番集まりやすいからね!」
ミツネ「なら森丘のライゼクス君の巣でも良かったんじゃない?」
ライゼクス「あっ俺はダメ!桜ちんの巣がすぐ近くだから」
ガムート「桜ちん?」
ライゼクス「俺の彼女!桜リオレイアちん。男どもならまだいいけど、ガムートまでいるとこ見られちまったら殺されちまう」
ガムート「あぁ……なら別に、私はいなくてもいいけど……」
ティガ「いやみんなで集まるのがいいんだってー」
ガムート「……ありがとう//」
ラギア「…………」
ライゼクス「……そんなにキリンちゃんと会えなかったことショックなの?ラギア」
ラギア「んーーー…………」
ミツネ「? なんで会えなかったの?」
ティガ「今日休みだったーー」
ガムート「キリンちゃんと一緒に帰ろうとしたの?」
ライゼクス「昨日、クシャルとキリンちゃんが一緒に帰ろうとしてるとこ見ちゃってさーー」
ティガ「それで、今日はラギアが一緒に帰ろうとしたんだけど、教室行ったら休みだって言われて」
ライゼクス「にしても、古龍科の奴らって冷たいよなぁ〜」
ティガ「そーそー!めっちゃぶっきらぼうに『キリンは休みですわよ』だってさーー!!」
ライゼクス「似てる!!!!ぶっははは」
ミツネ「誰に言われたの?」
ライゼクス「ナナ・テスカトリちゃん!」
ガムート「ああ。確かに言いそう」
ティガ「だろーー?wwww」
ラギア「…………」
ライゼクス「ラギアーーー?」
ティガ「そんなに気になるならさぁー、矢文でも送ってみろよ」
ラギア「……矢文?なんて?」
ライゼクス「『今日休みって聞いたぜ!大丈夫?』とかさ」
ラギア「えーーいきなり送っていいのかな」
ティガ「矢文はいきなり送るもんだろ!送れよ」
ラギア「……送ってみっかー……?」
ガムート「うん、送ってみなよ。きっと雪山にいるよ」
ガムート「昨日のこともあるし、私も心配……」
ラギア「え?昨日のことって?」
ティガ&ライゼクス「!!!!!」
ガムート「あっ……」
ティガ「(言うなよ……絶対言うなよ!)」
ライゼクス「(まだクシャルとキリンちゃんのことは隠したい!!)」
ガムート「あの……雪山がいつも以上にすごい吹雪だったから…………」
ラギア「えっマジか!じゃあ心配だな!送ろ!」
カリカリ……
『キリンちゃん
今日、学校休んだんだって?
大丈夫?
(返事は着払いでいいです)
ラギアクルス』
ライゼクス「……『着払いでいいです』……ウーー!健気だなぁ」
ラギアクルス「じょーしきだろ!」
ティガ「早く出してこいよーー」
ラギアクルス「おう」
ペタ、ペタ、ペタ……
ラギア「(渓流から矢文って、送ったことないんだよな……)」
ラギア「(とりあえずネコの巣はどこだ………)」
ラギア「(えーーっと狭そうなとこ……)」
ラギア「あ、あそこか?ネコの像もあるし」
ラギア「『やぶみ うけつけ』……ここだな」
ラギア「あのーーぅ……」
矢文アイルー(茶トラ)「はいニャー!」パタパタ
ラギア「あっ、矢文を送りたいんだけど」
矢文アイルー(茶トラ)「これはこれはラギアクルス様!元払いですニャ?それとも着払いニャ?」
ラギア「元払いで」
チャリン
矢文アイルー(茶トラ)「まいどー!どこのどなた様宛ですニャ?」
ラギア「雪山の、キリンさん宛に」
矢文アイルー(茶トラ)「はい承知ニャ!」
矢文アイルー(茶トラ)「シローーー!矢文ニャー!」
矢文アイルー(白)「はいニャ、はいニャ」パタパタ
矢文アイルー(茶トラ)「雪山のキリン様宛だニャ!」
矢文アイルー(白)「雪山宛は、ワタクシの担当なんですニャー」
ラギア「そうなんだね」
矢文アイルー(白)「……よっ、せーの……ニャアッ!!!」
シュピーーーーン…………
矢文アイルー(白)「完了だニャ。5分もしない内に雪山に届くニャー」
ラギア「ありがとう。俺はタマミツネの巣にいるから、もし返事が来たらよろしく頼む」
矢文アイルー(茶トラ)「承知ニャー!!」
ラギア「(返事、来るかなぁ……)」
ウォォォーーーーーーン……
ウォォォーーーーーーン……
ラギア「?!……ジンオウガの声だ!」
ドッドッドッ…………
ラギア「ジンオウガ!!!」
ウォォォーーーーーーン!!!
バチバチバチバチッ
ジンオウガ「…………」バチッ、バチッ
ハンター1「?!」
ラギア「聞こえてねぇか……俺も行く!!」
ドスッドスッドスッ
ハンター2「ラ……ラギアクルス?!」
ハンター3「また乱入かよ!!」
ラギア「…………」スゥゥゥゥーーーーッ
ゴガアァァァァァァァァァ!!!!
ハンター1「……クソッ、うるせぇ……!」ビリビリ
ジンオウガ「…………」ドガァン!ドガァン!!!
ハンター4「チッ……分が悪い!!帰ろう!!!!」
ハンター3「ここへ来てリタイアか……」
ラギア「出てけ出てけェーーーーー!!!」バチバチッ
ハンター1「さっきはイビルジョーの足跡があったってのに……!!」
ハンター2「二頭乱入なんて聞いたことがねェ!!逃げるぞ!!!」
ラギア「……?……なんつってるかわかんねーーよ!!」
ラギア「俺らにわかる言葉で話せやーーーーー!!!」
ググググッ…………
ガオオォォォォン…………
バチバチッ バチバチッ
ハンター4「雷球だ!!早く逃げよう!!」
パシャパシャパシャパシャ…………
ラギア「…………」
ラギア「………逃げてったな、クソ雑魚め」
ジンオウガ「…………」バチッ……バチッ……
ラギア「あの……大丈夫?」
ジンオウガ「…………」バチッ……ジジッ……
ラギア「…………」
ジンオウガ「…………久々に狙われちゃったーあ!」シュウウン
ラギア「大丈夫か?何も言わないからビックリしたよ……」
ジンオウガ「ごめん!超帯電状態だと、声とかに反応できなくなっちゃうのー」
ラギア「ケガないか?」
ジンオウガ「ちょっと大剣くらっちゃった!」
ラギア「……えー?!あっ、血ィ出てんぞ」
ジンオウガ「ほんとだー」
ラギア「お前の巣、こっからどんくらい?」
ジンオウガ「南に10分くらい走るとあるよ」
ラギア「(ミツネの巣のほうが近いな……)」
ラギア「いまクラスの奴らでミツネの巣に集まってんだけど、お前も来れば?」
ジンオウガ「そうなのー?!え、行っていいの?」
ラギア「おう。ミツネの巣なら、ちゃんと薬草とかあると思う」
ジンオウガ「じゃあ、お言葉に甘えようかな?」
------五分後、渓流・タマミツネの巣------
ラギア「たらいまーー」
ティガ「おう、おせーぞ!」
ライゼクス「ちゃんと送れたかー」
ミツネ「あれ、ジンオウガ君」
ガムート「会ったの?」
ジンオウガ「おおっ、ほんとにみんないる!」
ラギア「ハンターに狙われててさー」
ラギア「ケガしてっから。ミツネ、薬ある?」
ミツネ「あるよ」ゴソゴソ……
ジンオウガ「ごめんねー久々に狙われちゃってさ」
ジンオウガ「一発食らっちゃったのー」
ガムート「ひゃー……大丈夫?」
ジンオウガ「痛いけど、薬塗ればへいきー」
矢文アイルー(茶トラ)「ラギアクルス様ー!!」
ラギア「うお!!もう返事?!」
ティガ「早ぇー!!読め早く!」
矢文アイルー(茶トラ)「雪山のキリン様から、お返事ですニャー」
ラギア「あああああキリンちゃんからの返事……」
ラギア「あっ、料金」
矢文アイルー(茶トラ)「元払いですから、料金はいらないですニャー」
ラギア「えっ……着払いでいいって言ったのに」
ライゼクス「くーっ!いい子!!キリンちゃん」
ラギア「…………」ドキドキ
パサ
『ラギアさん
ありがとう。大丈夫だよ。
キリン』
ティガ「………これだけ?」
ライゼクス「スッゲーーー塩対応!!」
ガムート「…………」
ミツネ「(気の毒……)」ぬりぬり
ジンオウガ「……痛い!……しみるねーー」
ラギア「…………えーーーーー……」
ティガ「更に返事しろ!!!」
ライゼクス「おお!『明日、一緒に帰ろう!』って!」
ラギア「……俺、メンタル弱い……」
ティガ「だーー!!もう!!俺が書いたるわ!!」
ラギア「あっ、ちょ……」
『明日一緒にかえろーーーー
まじさみしかった〜〜チュッチュッ
?イケメンラギア?』
ライゼクス「ぎゃーーーっはっはっはっ」
ティガ「コレで行け!」
ラギア「…………」バチッ
ティガ「あ゛ヴっ」
ライゼクス「ぎゃーーはははは!!うわーーーっはっはっはっ!!」
ガムート「笑いすぎ………」
ミツネ「………ガムちゃんも、笑いこらえてない?」
ガムート「………っ……ふっ……」
ラギア「俺がそんなアホな文送るか!嫌われるっつの!!」
ラギア「しかも字が下手すぎて更にアホに思われる!!!!」
ティガ「あぁ?!俺様のゲージュツ的な美文字が下手だとぉ?!」
ラギア「…………」カリカリ
『ならよかった。(料金ごめん)
明日、一緒に帰らない?
(ホントに着払いでいーです)
ラギアクルス』
ティガ「……あーつまんねーー」
ライゼクス「純情か!」
ラギア「お前ら俺を応援してんのか?!それとも無惨にフラれてほしいのかよ!!」
ティガ「いやいや応援してる」
ライゼクス「上手くいけば万々歳だし、フラれてもちょっと面白い」
ティガ「どっちに転んでも俺らには面白いから」
ラギア「…………」バチッ
ティガ「あ゛ヴっ」
ガムート「二人とも……」
ラギア「……また、出してくるわ」
ライゼクス「ケントーを祈る!」
ラギア「ういーっす」ズルズルズル……
ティガ「あいつ走ってったな」
ライゼクス「あいつ走り方ヘンだよな」
ティガ「海竜種だから?」
ミツネ「僕も海竜種なんだけど」
ティガ「あっゴメン」
ジンオウガ「…………ラギアって、キリンさんと付き合ってんの?」
ライゼクス「まっさか。あいつの純粋な片思い」
ティガ「俺たちはあいつの応援隊」
ジンオウガ「へーーーーー」
ジンオウガ「そういえばキリンさんって、前にクシャルと付き合ってなかった?」
ティガ&ライゼクス「?!?!!!」
ミツネ&ガムート「!!!」
ジンオウガ「あれ?みんな知らない?」
ティガ「し………ってる。知ってるぜ」
ガムート「……」コクコク
ジンオウガ「だよねーー。俺も、双子の弟から聞いたんだけどね」
ティガ「獄オウガか」
ライゼクス「なんで獄オウガが知ってんの?」
ジンオウガ「獄ね、ナルガの弟の、緑ナルガと仲がいいんだけど」
ジンオウガ「その緑ナルガから聞いたんだって」
ティガ「緑ナルガって飛竜亜種科だよなー」
ガムート「(ひそっ)……獄オウガって?」
ミツネ「(ひそっ)ジンオウガ亜種君だよ。獣牙竜科の」
ライゼクス「……桜ちんが言ってた!『飛竜亜種科はゴシップに強い』って!」
ジンオウガ「うん、そうなんだってね。だから俺さー、クシャルに聞いちゃった」
ティガ「えっ!!!」
ライゼクス「何を?!」
ガムート「いつ?!!」
ミツネ「どのタイミングで?」
ジンオウガ「えっとー。二、三ヶ月くらい前かな?俺ときどきクシャルと話すんだよ」
ジンオウガ「あいつ寡黙だし、孤高な感じするけどー」
ジンオウガ「マンガ読んでるらしくて、その話とか結構してくれる!」
ティガ「意外な一面だな……」
ライゼクス「で、何を聞いたんだ?」
ジンオウガ「クシャルと二人でマンガ買いに行った時に、聞いたんだよね。『キリンさんと付き合ってたの?』って」
ミツネ「また唐突に聞いたんだね」
ガムート「そしたら……?」
ジンオウガ「『うん』って」
ティガ「うっっっわ!!マジ確定事項!!!」
ミツネ「わーーー……」
ジンオウガ「『フラれて随分経つ』とも言ってたなー」
ジンオウガ「だから、また聞いちゃった!!」
ティガ&ライゼクス&ガムート「何を!!!」
ジンオウガ「『まだ好きなのー?』って」
ティガ&ライゼクス&ガムート「!!!!!!!!!」
ジンオウガ「『うん』って言ってた!」
ティガ「……なんと!!!!」
ライゼクス「ラギア死んだな!」
ガムート「未練あったんだ……」
ミツネ「まあ予測できたよね」
ジンオウガ「それでねー、『でも彼女の心には傷がある。俺ではその傷を癒すことはできない』ってさ!なんかカッコいいよね〜」
ティガ「傷ねぇ…………」
ガムート「(例の件……のことだろうな)」
ジンオウガ「俺、クシャルはいいやつだと思う!顔も渋い感じのイケメンでさ」
ミツネ「んまぁ、確かにイケメンっていうか、男前だよね」
ライゼクス「ラギアとどっちがかっこいいと思う?女子の意見として!!」
ガムート「んーー……ラギア君は、今風の爽やかイケメンだよね。クシャル君は、ほんとに大人の男って感じで……系統が違うよ……」
ティガ「でもラギアは頭脳がザンネンだからな」
ライゼクス「お前にだけは言われたくないと思う」
------数十分後、渓流・ネコの巣を出たところ------
ペタ、ペタ、ペタ……
ラギア「(さて、帰り道はこっちの方か……)」
ラギア「…………」
ラギア「…………?!」
ペタッ
ハンター達の死体「…………」
ラギア「!!」
ラギア「(ハンターだ!!!)」
ハンター達の死体「…………」
ラギア「(四人パーティーだ……全滅してやがる)」
ラギア「(さっきジンオウガを狩ろうとしてた連中とは……違うみたいだ)」
ラギア「(装備からして、初級ってわけではなさそうだし……)」
ラギア「(不運だったな)」
ラギア「(それにしても……誰を狩りに来たんだ?そして……)」
ラギア「(……誰に返り討ちにされたんだ?)」
------同時刻、塔学校・会議室------
アマツ「先生方、全員集まりましたね」
アマツ「窓を開けましょう」
リオレウス「はい」ガラッ
ザァァァァァ…………
アマツ「校長!教頭!聞こえますか?」
ダレン・モーラン「……んーーーーーーー………」
ジエン・モーラン「……きーーーーーこーーー……」
ダレン「えーーーーー…………」
ジエン「まーーーーーーー」
ダレン「すーーーーー……」
リオレウス「(ダレン校長とジエン教頭……)」
アマツ「では本日の会議を始めます。各クラス、報告を」
リオレウス「メインモンス科担任のリオレウスです」ガタッ
一同「…………」
リオレウス「本日昼休みに食堂にて、生徒のセルレギオスが同クラスのディノバルドを襲った上で『殺してやる』と発言し、退学及び追放となりました」
一同「…………」
リオレウス「……以上です」カタン
シャガル「古龍科担任のシャガルマガラです」
シャガル「本日、例の抜きうちテストをしたところ、受けた全生徒が学校平均を遥かに上回る点数を獲得致しました。なお生徒のナナ・テスカトリは学校トップの点数であり、これで15回連続の学校トップのために表彰の対象となりました」
パチパチパチパチ……
グラビ「飛竜科担任のグラビモスです。生徒のモノブロスが本日未明に砂漠にてハンター二人の襲撃に遭い応戦し、ハンターは二人ともリタイアしたそうです」
黒グラビ「飛竜亜種科担任のグラビモス亜種です。本日は問題もなく……」
リオレウス「…………」
リオレウス「(セルレギオスにあった噛み痕は……)」
ハプル「魚海竜科担任のハプルボッカです……」
リオレウス「(やはりレイアも言っていたように……)」
宝纏「獣牙竜科担任の宝纏ウラガンキンです」
リオレウス「(もし、それが真実ならば……)」
シェン「両生甲殻科担任のシェンガオレンです」
リオレウス「(……本当に恐ろしいことになる……)」
紅兜「鋏角牙獣科担任の紅兜アオアシラです」
リオレウス「(しかし、なぜ噛み痕だけなのか……)」
青クック「鳥竜科担任のイャンクック亜種です」
リオレウス「(体の肉が無くなった様子はなかった)」
水ガララ「蛇竜甲虫科担任のガララアジャラ亜種です。本日、生徒のアルセルタスより『野良の草食モンスターの大量の死骸を、原生林にて見かけた』との報告を……」
リオレウス「(命からがら逃げてきたというのか……)」
リモセトス「雑魚科1組担任の……」
リオレウス「(果たして逃げられるものなのだろうか……)」
リオレウス「…………」
リオレウス「………………」
アマツ「……はい、それでは他に何か報告はございますか?」
一同「…………」
リオレウス「……はい、私から一つございます」
アマツ「はい、レウス先生どうぞ」
リオレウス「本日退学となったセルレギオスですが、彼の身体は大きな傷だらけであり、瀕死の状態でした」
リオレウス「また、同クラスの生徒であるディノバルドの身体にも、同様の傷が」
リオレウス「……ディノバルドを治療したリオレイア先生によると、二人とも同じモンスターに攻撃されたのではとのことです」
アマツ「……なるほど、それは野良のモンスターの可能性が高いのでしょうか?」
リオレウス「……はい。噛み痕の歯型からして……私にも見覚えがありました」
アマツ「…………」
リオレウス「……おそらく、高確率で『イビルジョー』による攻撃かと思われます」
一同「?!」ザワッ……
アマツ「……イビルジョーは一年前、ラージャンと共に退学及び追放となりましたが?」
リオレウス「はい、確かにそうです。……ですがあの噛み痕は、どう考えても……イビルジョーのものかと」
アマツ「…………」
ジエン「………ぬーーーーーーーーーん………」
ジエン「……イビルジョーもラージャンも……口輪をした上で鉄の板に強く……固定してあったはず……」
ダレン「……いかにも……自力で抜け出すことは、どうにしても……うーーーむ、不可能……だぬ……」
アマツ「その通りです。二人は食堂で揉めていたそうですから……喧嘩でもして、お互いの歯型がついたのでは?」
リオレウス「絶対に違います!」
アマツ「…………」
ダレン「…………」
ジエン「…………」
リオレウス「……一年前、確かに……イビルジョーによって捕食されかけた生徒にあった歯型と、同じものです」
アマツ「…………」
リオレウス「禁足地への追放は、護送檻に厳重に鍵をかけ、更に内部でも固定した上で行われたので……確かに自力では、イビルジョーやラージャンとて抜け出せないでしょう」
リオレウス「しかし何者かが故意に……意図的に彼らを解放したのならば……ディノバルドやセルレギオスを攻撃することも可能でしょう」
アマツ「……何者かが、『まず物理的に厳重に拘束され、さらに閉鎖された僻地へと送り込まれた彼ら』を解放したと?」
リオレウス「そう考えるのが……自然かと……」
アマツ「……レウス先生、あなたは……」
アマツ「『我々の処置が杜撰であった』と……そうおっしゃりたいのでしょうか?」
リオレウス「…………」
ざわ……ざわ……
シャガル「……アマツ副教頭。水を差すようですが……私も、その可能性はゼロではないかと」
アマツ「……シャガル先生」
シャガル「イビルジョーがもし解放されてしまったのなら、同時にラージャンの解放も考えられます」
シャガル「そして本日セルレギオスの護送先である古代林で確認されたことに関しても、合わせて重要事項とみて、今後の対策を話し合うべきでは?」
リオレウス「(古代林……)」ゾクッ
ざわ………
アカムトルム「古代林ではなにを確認したのです?」
アマツ「……アカム主任」
ウカムルバス「500年前の件との関係はあるんです?」
ウカムルバス「もしそうであれば、大問題じゃないです?」
アマツ「………………」
アマツ「……ウカム副主任の言う通りです」
一同「…………」
アマツ「……わかりました。すべて説明し、今後の対策を考えなくてはなりませんね」
------数分後、渓流・タマミツネの巣------
ライゼクス「おかえりラギア!!遅かったなまた」
ラギア「んーー、返事待ってた……」
ティガ「え!!来たの?返事!!!」
ラギア「…………すぐ来た」
パサッ
『不在ニャ』
ガムート「え?不在?」
ミツネ「ほんとだ、ラギア君が送った矢文も返されてる……」
ライゼクス「肉球のスタンプ付きだな……」
ティガ「最初は返事きて、またすぐ送ったのに今度は不在?」
ラギア「俺に返信した後に、どっか出かけたんだろ」
ガムート「んーーーー巣に帰ったのかな?」
ラギア「そう言えばキリンちゃんの巣って、どこ?」
ガムート「未知の樹海だよ。双子のお兄さんの紫キリンさんと二人暮らしで……シャガル先生とゴマ君の巣も近いって言ってたかな」
ティガ「未知の樹海に送り直してみるか?」
ラギア「いやもういーよ。明日、直接誘ってみるし……」
ライゼクス「んーードキドキが止まんねぇな!」バシバシ
ラギア「あっ、そう言えばよー」
ラギア「いま帰ってくる途中、全滅してるハンターのパーティー見かけたぜ」
ティガ「ざまぁ!」
ジンオウガ「俺に襲撃してきた奴らかな?」
ラギア「違ったみたいだぜ。すごかったよ、四人パーティー全員死んでんの」
ラギア「頭ない奴もいたし」
ライゼクス「おえー」
ラギア「今朝も、孤島で野良ガーグァの群れの死骸も見かけたし……なんか、変だよな」
ジンオウガ「あー俺も!昨日の朝、古代林で野良リモセトスの大量死骸見た」
ティガ「マジで?」
ラギア「みんな食い掛けでさー」
ライゼクス「俺らも遊びとかメシで狩ったりするけど、全部食べるしちゃんと片付けるもんなー」
ティガ「校則守んねー奴か、野良の大型モンスターがやったんじゃねーの?」
ラギア「……にしても、こんな頻繁に見かけるか?大量死骸なんて!!」
ガムート「怖いね……今日はディノ君もセルレギオス君も、もの凄いケガだったし……」
ミツネ「…………うーーーーん」
ミツネ「イビルジョーじゃない?」
一同「?!!」
ミツネ「そんなに食い散らかすようなことするのって、イビルジョーくらいじゃないかなぁ」
ティガ「いやいや、あいつは一年前に追放なったろ?」
ライゼクス「そーそー、ラージャンと二人してさー」
ジンオウガ「俺見ちゃったもん。あいつらがクラスメイト食ってるの」
ラギア「げぇーーっ!!キツすぎ!」
ミツネ「追放になっても、誰かが禁足地の扉とついでに檻を開ければ余裕じゃない?」
ガムート「…………」
ティガ「……誰がそんなことするんだよ」
ライゼクス「だってよ……メリットねぇだろ?」
ラギア「当然、禁足地に近付いたり、場所を探ることは校則で禁止されてるし……」
ガムート「そもそも、具体的な場所を知らなきゃ禁足地にはたどり着けないでしょ?」
ティガ「そうだぜ!まず、ハンターや野良の連中は知るはずがねぇ。俺らも、禁足地の場所はしらねぇ。天空山のどっかってだけ!」
ライゼクス「知ってて近付いたとしても、あんな食欲の権化みたいな連中、解放しようって思うか?!」
ジンオウガ「自分の命だって危ないし」
ラギア「更に校則破ったことがバレたらてめーも追放だぜ?」
ガムート「ほんとに……考えられない話だよ……」
ミツネ「まあそうなんだけど」
ミツネ「裏を返せば、場所を知りさえすれば簡単に解放できる。んで、バレなきゃいいんだもの」
一同「…………」
ミツネ「塔学校って、詰めが甘いんだよ」
ティガ「……えっ、ガバガバじゃん!!」
ライゼクス「塔学校ガバガバ!!ガバガバ学校!!」
ラギア「えーーーでも解放した瞬間に、そいつも食われねぇか?つーか、檻に拘束されて放置されるんだから、ジョーもラーもさすがに腹減って死ぬっしょ」
ミツネ「そこまでは、どうなのかわかんないけど……」
ミツネ「でも仮に、ホントに解放されたんだったら……ヤバくない?」
一同「…………」
ティガ「……怖っ。……帰ろうぜ?」
ライゼクス「そうだな……自分の巣で安心マッタリしたいな……」
ラギア「ティガ、ガムート送ってけよ」
ガムート「えっ?!!!」
ティガ「え?あーーーー……」
ミツネ「女性一人だしね。危ないよ」
ガムート「!!!!!」
ティガ「おーーそうだな。雪山でポポ食ってけるし……」
ラギア「じゃ、またな〜〜」ニヤニヤ
ジンオウガ「ミツネ薬ありがと〜」
ライゼクス「お邪魔しました〜」バサッ
ミツネ「じゃ、ガムちゃんまた明日」パチッ
ガムート「うん……(ミツネっちって、ウィンク上手い……)」
ティガ「ラギア明日は遅刻すんなよ!」
ティガ「じゃ……行くか」
ティガ「お前飛べねぇし……俺も歩くわ」
ガムート「あっ、ご、ごめんね」
ティガ「いや?たまにはいーっしょ」
ガムート「(キャーーーーーーーーーッ!!!)」ドキドキドキドキドキドキドキドキ
------夜、古代林・ディノバルドの巣------
ディノバルド「…………」
”今日気分ノラねーからお前帰っていいよ”
ディノバルド「………」
ディノバルド「(久々に、ゆっくり休めるな……)」
ディノバルド「(月があんなに丸く……)」
ディノバルド「……父上……もうすぐです」
------同じく夜、塔学校・職員室------
シャガル「………」
シャガル「…………」
ガラッ
アマツ「…………」フヨフヨ……
シャガル「……アマツ副教頭!」
アマツ「あ……シャガル先生。まだ残っていたのですね」
シャガル「はい……」
アマツ「早くお帰りになったほうがよろしいのでは?お子さんが、お待ちでしょう」
シャガル「いえそれは、問題ありませんが……」
シャガル「……アマツ副教頭。本当に、良いのでしょうか?」
アマツ「……何を?……と聞くのは、野暮ですね」
アマツ「もう、そう決定したのですから、良いのです」
シャガル「しかし生徒たちには、やはりその存在を……伝えたほうが良いのでは?」
アマツ「なりません。絶対に隠し通します」
シャガル「…………」
アマツ「汚点は隠さねば。塔学校の失敗など、絶対にあってはいけないことです」
シャガル「もし……隠しきれなかったら、どう対処するおつもりですか?」
アマツ「…………」
アマツ「その時は、塔学校が終わる時でしょう」
------同じく夜、旧砂漠・ティガレックスの巣------
ティガ「〜〜♪〜〜〜♪」
ティガ「……ランランランランババアババア……♪ランランランランクソババア〜〜♪」ボリボリ
ティガ「……ん〜〜デカイケツババア……♪クソババア……♪」ムシャムシャ
ティガ「メシだけウマい超絶ババア♪どうしてそんなに♪ムカつくの〜〜♪」じゅるじゅる
ティガ「……クソバ〜バ〜〜ア〜〜〜♪♪」(ファルセット)
《『ババアのうた』詩・曲/ティガレックス》
大ティガ「……バカじゃない?」
ティガ「!!!!!!」
ティガ「あれ……なに、また帰ってきたの?」
大ティガ「なーに?実家に帰ってきちゃ悪いっての?」
ティガ「いいえ断じてそんなことは」
大ティガ「てか、なにその歌。……まさか母さんの歌じゃないでしょうね……?」
ティガ「いや!!まさか!!(い……言えない!!)」
ティガ「(ガキの頃作った、姉ちゃんのテーマソングだなんて言えない!!!!)」
大ティガ「あ、そ。……あと、寝ながら食べないの!起きな!!」
ティガ「へいへい……」ムクリ
ティガ「黒兄まだ帰ってこないんだけど」
大ティガ「あー今日はデートじゃない?」
ティガ「は?!!なにあいつ女いんの?!!!」
大ティガ「なによ知らないのー?ベリオロス亜種ちゃん?」
ティガ「!!風ベリオちゃん……?」
ティガ「だーーーちくしょ!クソかわいいじゃん!!クールビューティじゃん!!!前に一回矢文送ったのに無視されたじゃーーーーん!!」ゴロゴロ……
大ティガ「性格も良いよー。私、同じクラスだったし」
ティガ「いやだいやだーー!!黒兄はいつでもブスと付き合ってて欲しいよーー!!!!」じたばた
ティガ「俺が彼女いないときは超絶ブスと付き合ってるか同じくフリーでいてほしいよーー!!」じたばた
ティガ「いつでも俺の下にいてほしいよーー!!」じたばたじたばた
大ティガ「…………」ゲシッ
ティガ「痛い!」
大ティガ「ホンット、バカなんだから!」
ティガ「うっせーー!!怪力ババア!!!!」
大ティガ「…………」ギチチ……(ヘッドロック)
ティガ「ごめんなさい!」
大ティガ「……はーーっ。ほんっとにね、お願いだからもう少し大人になってちょーだいよ」
ティガ「……へいへい」
大ティガ「明日学校行くからね」
ティガ「え?!!なんで?!授業参観?!!!」
大ティガ「そんなわけないでしょ。先生方に報告にいくのよ」
ティガ「へ?……なんの?」
大ティガ「結婚の」
ティガ「…………」
ティガ「あ、そ」ホジホジ
大ティガ「鼻をほじるな!」ペシッ
ティガ「いてーな!」
ティガ「あのな!!姉ちゃん俺のことバカバカ言うけどな!!頭とか叩きすぎてバカになっちゃったんじゃねーの?!!」
大ティガ「その発想がもうバカ!」
大ティガ「……今日ね、あんたに渡すものがあるのよ」
ティガ「……なに?」
大ティガ「はい」スッ
ティガ「…………」
ティガ「何これ……矢文?」
大ティガ「うん。むかーーーしの」
ティガ「……」
パサッ
『子供たちよ、利口にしているか。
父たちは極圏に向かう。明日には帰路に着く。
父より』
ティガ「……親父の……」
大ティガ「……うん。最後の矢文」
ティガ「そっか……」
ティガ「…………」
大ティガ「……父さんの形見みたいなものだからさ。あんたにあげる。持ってなさい」
ティガ「わかった」
ティガ「もう、何年経つ?」
大ティガ「……12年かな。父さんも母さんも極圏に行ってて」
ティガ「……そのまま、だよな」
大ティガ「あんた末っ子だからホントに可愛がられてたんだからね」
ティガ「……親父もお袋も、生きてたらさ」
ティガ「姉ちゃんの結婚……誰よりも喜んだよ」
大ティガ「ティガ…………」
ティガ「おめでとう。……マジで」
大ティガ「……うん。ありがとう」
ティガ「…………」
大ティガ「……あれ?あんた顔、何貼ってるの?」
ティガ「あっ……」
大ティガ「バンソーコー?」
ティガ「…………」
”今日、本当にごめんね……鼻棘まで刺しちゃって”
”いーよ別に……痛くねーし”
”コレ、貼ってね” ペタッ
ティガ「……………べつにー?」ゴロン
大ティガ「アンタ、笑ってる?」
ティガ「…………んーー」にんまり
------翌朝、学校・メインモンス科------
ドスドスドス ガラッ
ラギア「俺is一番乗り!!!!」バンッ
ガムート「…………」
ミツネ「…………」
ラギア「あれ…………お前らもう来てんのか」
ミツネ「僕たちは真面目なんだよ」
ラギア「エライっすね。俺が一番かと思ったのに3位かよ……」
ガムート「珍しいね、なんでこんなに早いの?」
ラギア「俺、昨日寝坊したろ……?おととい寝付けなかったからなんだけど」
ラギア「だから今日は気合い入れて早起きした」
ラギア「メシもめっちゃ食った!!!!」
ミツネ「良かったね」
ガムート「明日は学校休みだしね」
ラギア「そーなんだよ!!……でさーちょっと相談なんだけど」
ガムート「うん?」
ラギア「俺今日さ……キリンちゃんと二人で帰ろうと思うんだけど」
ミツネ「そうだったねー」
ラギア「そんで、明日とか明後日とか学校休みだから、そのーーーー…………」
ガムート「?」
ラギア「で……デデででででデェトに誘おう……かなーーって思うんだよね……」
ミツネ「へぇーーーー思い切ったね」
ガムート「すごい行動力!」
ラギア「まぁ、まだ思いつきなんだけども」
ラギア「でさ。……どこに行こうかなって……。どこがいいかな?」
ガムート「んーーーー……ごめん、私も男の子とデートなんてしたことないから……よくわかんないや」
ラギア「そっかーー俺も、もし上手くいけば初めてのデートだぜ……」
ラギア「ミツネは白ちゃんといつもどこ行ってんの?」
ミツネ「僕?僕は……基本的にはお互いの巣に行くのが多いけど……」
ラギア「いきなり巣はヤバイ!!いきなり巣はヤバイ!!!!」
ミツネ「ちょうど、何か面白いイベントとかやってればいいけどね」
ガムート「ヤマツカミ理事長の弾き語りライブとかは?今年も、そろそろ時期だよね?」
ラギア「いや……いいや……ジジイの歌声に興味ないし……」
ジンオウガ「じゃあラギアが歌ったら?」
ラギア「!!……ビビった……ジンオウガか」
ジンオウガ「おはよーっ」
ガムート&ミツネ「おはよう〜」
ラギア「俺が歌う?」
ジンオウガ「うん。ラギアが、キリンさんに歌を聴かせたら?」
ラギア「ええ…………」
ミツネ「ラギア君、歌えるの?」
ガムート「聴いたことない〜」
ラギア「……や……上手くはねェけど……そんなに嫌いではないかな……?」
ジンオウガ「じゃあ、いいじゃん」
ラギア「でも伴奏がないとな……」
ジンオウガ「俺のコネで、楽器隊アイルーに頼んでやろうか?」
ガムート「わ!!楽しそう……」
ラギア「お前も歌う?」
ガムート「ええっ!!!!」
ミツネ「へーガムちゃんも歌うなら僕も行きたいなぁ」
ジンオウガ「俺も俺もーー」
ラギア「そーだな……みんなでライブフェスってのはどうだろうか」
ガムート「フェス……」
ミツネ「いいね。あ、でも、ラギア君はいいの?」
ミツネ「キリンさんと二人きりがいいんだよね?」
ラギア「まぁ、なれるならなりてーけど。でも、みんなで盛り上がったほうが楽しくねー?」
ジンオウガ「そーだよそーだよ。後で幾らでも呼び出せるじゃん?」
ガムート「すごい!なんか楽しそうだよ!!」
ジンオウガ「ブラキも呼んでいい?」
ラギア「おー。なんならみんなの友達呼ぼうぜー」
ガラッ
ティガ「血圧良好な俺様さんじょーー」
ラギア「おいティガーー!!お前も歌えよ!!」
ティガ「なに?!歌う!!!!」
ミツネ「(ひそっ)良かったじゃん」
ガムート「(ひそっ)うん……どんな歌、歌うんだろう……」
------昼休み・学校、食堂------
ラギア「えっとー俺とティガとライゼクスとー」
ラギア「ガムートとミツネとジンオウガとーブラキとー」
ラギア「ナルガと蒼レウスとゴマとー」
ラギア「桜ちゃんと白ちゃんとー」
ラギア「あと、キリンちゃん?」
ティガ「俺らのクラスほとんど来るじゃん」もぐもぐ
ジンオウガ「俺の弟とか、ナルガの弟とかも友達引き連れて来るらしいよ」
ライゼクス「つーか逆にうちのクラスだと誰が来ねぇの?」ムシャムシャ
ジンオウガ「一応ディノとクシャルにも声掛けたけどどっちも来れないってー」
一同「ふーん……(あとセルレギオスか……)」
ガムート「まだ、キリンちゃんは誘ってないよね?」
ミツネ「そうだよね。どうするの?彼女が来れなかったら」はぐはぐ
ティガ「うっ……」
ライゼクス「た、確かに……」
ラギア「痛いところ突きやがって……」
ガムート「だって、キリンちゃんのためにやるようなもんでしょ?」
ミツネ「元も子もないよ……」
ラギア「一応、今日一緒に帰って……その時に、誘おうと思うんだけど」
ガムート「一緒に帰るってことも、まだ誘ってないんでしょ?」
ミツネ「そもそも一緒に帰ってくれなかったら、どうするのさ」
ティガ「……お前らラギアをイジメんなよ!!」
ライゼクス「そーだそーだ!ラギアは前向きに生きてるんだぞ!」
ラギア「……一緒に帰ってすらくれなかったら、どうしよう……」
ガムート&ミツネ「うん、ホントにどうするの?」
ラギア「…………」
ティガ「……まあ、キリンが来てくれなくてもフェスはやろうぜ?」
ジンオウガ「みんな誘っちゃったしねーー」
ラギア「うん……そうだな……今回ダメでも、またやればいいしな……」
ライゼクス「そうそう!楽しいぜ、定期開催!」
ティガ「つーかさ、イベントの名前決めねぇ?ただのライブフェスじゃ、つまんないっしょ」
ガムート「そうだねぇーー何がいいかなーー」
ミツネ「古塔祭りとか?」
ティガ「いやいやダサい」
ジンオウガ「うんダサい」
ミツネ「なにさーー」
ライゼクス「主催者のラギアさん的には!!どんなんがいいですか!!」
ラギア「…………そーだなーーーー……」
ラギア「……」
ラギア「……幻獣祭とか?」
ガムート「幻獣……って……」
ジンオウガ「キリンさんの異名じゃない?」
ラギア「そーだよ」
ライゼクス「ヒューーーッ!!キリンちゃん大好きラギア君!!!!」
ティガ「それだったら『轟竜祭』のほうがカッコよくねー?」
ガムート「いいんじゃない?幻獣祭で!」
ティガ「シカトかよ」
ミツネ「うん、確かに幻獣はキリンさんの異名だけど……意味そのままでもおかしくないしね」
ラギア「だろだろ!!」
ジンオウガ「幻獣祭かーーいいね!」
ブラキ「よう、遅くなったわ」
ガムート「ブラキ君!」
ティガ「おつかれーなにやってたの?」
ブラキ「俺今日、日直でさー!日誌書いてた」
ライゼクス「にしては、随分遅くね?」
ブラキ「なんか卒業生が今度結婚するってんで、挨拶に来ててよ」
ブラキ「それでちょっとレウス先生に待たされた」
ミツネ「……えっ?」
ティガ「あーーーそーいや、姉ちゃんが言ってたな、今日学校来るって」
ラギア「なんか俺も冥ちゃんから矢文きてたかもー」
ミツネ「本当に?」
ガムート「(ミツネっち……)」
ミツネ「…………」
ガムート「(ひそひそっ)ミツネっち……行ったら……?」
ミツネ「…………うん」
ミツネ「ごめんなんかお腹痛い!お先!」ガタッ、バタバタ……
ラギア「?」
ティガ「おー大丈夫かー?」
ライゼクス「お大事にしろよー」
パタパタパタ……
ティガ「ミツネが走ってる……」
ライゼクス「あいつ走り方ヘンだよな」
ティガ「海竜種だから?」
ラギア「俺も海竜種なんだけど」
ティガ「あっゴメン」
ガムート「(ミツネっち……頑張って!)」
------数秒後、学校・正門前------
バタバタバタ……
ミツネ「冥ラギアさん!!!!」
冥ラギア&大ティガ「?」くるっ
ミツネ「はーーっ……はーーっ……」
冥ラギア「なんだ!ミツネ君かぁ」
冥ラギア「どうしたの?」
ミツネ「はあっ、はぁ……(この人が、ティガ君のお姉さん……)」
大ティガ「?」ニコッ
ミツネ「…………(冥ラギアさんの、奥さんになる人……)」
冥ラギア「???」ニコニコ
ミツネ「(……でっっか!!めちゃめちゃデカイ!!!)」
大ティガ「えっと……冥の後輩?同じ海竜種みたいだし……」
冥ラギア「ああ、うん。でも、クラスは違ってたよ。彼はメインモンス科なんだよ」
大ティガ「ええっ!じゃあ、うちの下のバカ弟と同じクラス?」
ミツネ「あっ……タマミツネって言います」
大ティガ「ティガレックス希少種です〜」
冥ラギア「あとね、白の彼氏くんなんだよ」
大ティガ「やだ、そうなの!確かにお似合いかも〜」
ミツネ「あの……お二人とも…………ご結婚、おめでとうございます……」
大ティガ「うふふ、ありがとう」
冥ラギア「結婚式にも、是非来て欲しいな!来月なんだ」
ミツネ「はい…………是非…………」
大ティガ「ふふ………じゃあ冥、そろそろ行きましょうか」
冥ラギア「そうだね。僕はこれからちょっと忙しいから……ミツネ君、次に会うのは式の当日かな」
ミツネ「…………はい……」
冥ラギア「じゃあ……」
ミツネ「…………あのっ!」
冥ラギア&大ティガ「?」
ミツネ「……冥ラギアさん……あの時は、ありがとうございました」
冥ラギア「あの時?」
ミツネ「子供の頃とか……それからも、いろいろお世話になりました」
冥ラギア「ああ……いいんだよ。これからも僕のこと、兄だと思って頼ってよ!」
ミツネ「最初に会ったときから冥ラギアさんは憧れで………」
ミツネ「…………僕、冥ラギアさんが好きです!!!」
大ティガ「……」
冥ラギア「…………」
冥ラギア「うん、僕もミツネ君が好きだよ!」
ミツネ「…………」
冥ラギア「弟みたいに思ってるよ!本当に、僕は君の兄になるかもしれないんだし……これからもほんと、よろしくたのむよ!」スッ
ミツネ「あ……(握手……)」
ギュッ
ミツネ「…………」
大ティガ「私も……ティガと仲良くしてあげてね」ギュッ
ミツネ「…………はい……」
冥ラギア&大ティガ「…………」ニコニコ
ミツネ「…………それじゃっ」ペコッ
くるっ パタパタパタ……
大ティガ「冥ったら、慕われてるのねー」
冥ラギア「そうだね……彼はちょっと特別だよ」
冥ラギア「本当の、弟だ」
大ティガ「うん、そんな感じだね」
冥ラギア「彼になら、大事な白を任せられるんだ……」
ミツネ「…………!」
ミツネ「…………」
ミツネ「(冥ラギアさん………)」
ミツネ「…………」
パタパタ……
------同時刻・古代林、深奥------
セルレギオス「…………」
セルレギオス「…………」パチッ
セルレギオス「ん……」
セルレギオス「(……ここは……?俺……)」
ガチャンッ
セルレギオス「!!!!」
ガチャンッ、ガチャンッ
セルレギオス「(畜生、拘束されてる……)」
セルレギオス「(あの教師ども、ホントに俺を退学に……)」
セルレギオス「……ン…ンーーーー!!ンーーーーーーーッッ」
セルレギオス「(ご丁寧に口輪まで……)」
セルレギオス「(畜生!!!!)」
ガチャガチャッ ガチャンッ
セルレギオス「んーーーー!!んーーーーーー!!」
セルレギオス「(俺死ぬかも……やべぇ……)」
セルレギオス「…………」
セルレギオス「……(つーかここ……どこだ?)」
シン………
セルレギオス「(禁足地……?いや……天空山の一角にしては高度が低そうだ……)」
セルレギオス「うっ……うっ………」
ガチャガチャッ……
セルレギオス「(アマツマガツチ……あのクソアマめ)」
セルレギオス「(無能教師どもが!!!!……雑魚のクセに……!!!!)」
セルレギオス「(俺をどこに追放しやがった!!)」
ガチャンッ……
セルレギオス「(畜生腹が減った……)」
セルレギオス「(誰か助けにこねぇかな……)」
セルレギオス「…………」
セルレギオス「うっ……うう………」ポロポロッ
セルレギオス「(来るわけねぇよな……)」ポロポロ
ズズズッ…………
ズズゥゥゥ……………ボコボコッ
セルレギオス「?!」
セルレギオス「(何の音だ?!)」
ズズズッ………オオオオオオ…………
セルレギオス「…………」ガタガタ……
セルレギオス「(なん……だ……あれ………)」
ズルズルッ…… ズルズルッ…………
セルレギオス「(化け物だ……!!!!)」
セルレギオス「ン……ンーー!!!ンーーンーーンーー!!!」ガチャンッガチャンッ
ズルズルズルッ ズルズルズルズルズルズルッ
バキャッッッッ
セルレギオス「!!」
セルレギオス「(檻を壊した……)」
???「…………」
セルレギオス「(何だよこいつ……)」ガタガタガタ……
セルレギオス「…………!」
セルレギオス「(もしかして………?!)」
???「…………」
するっ
セルレギオス「あ………口輪……」
???「……ホホホ……」
セルレギオス「えっと……ありがとう……」
???「ホホホ……ホホホホ……」
セルレギオス「ははは……あの……ひょっとしたらあんたは……」
???「ホホホ……」
セルレギオス「……えっと……」ビクビク……
???「…………貴様……」
セルレギオス「?」
???「うむ……ホホホ……久しぶり……久しぶり……」
セルレギオス「久しぶり……?」
???「怖いか……怖いか……」
セルレギオス「…………」
???「…………」
……ザジャアアアアアアアアアアアッッッ
セルレギオス「!!」ビリビリ……
セルレギオス「なん……(咆哮……聞いたこともねぇ……)」
???「ふふふ……ホホホホ貴様……」
???「……我の血肉となれ……」ズアッ
セルレギオス「?! えっ、あっ!!」ガシャンッ
セルレギオス「(なんだよこの粘液……)」
セルレギオス「は、離せ…………」
???「………」ガパア………
セルレギオス「やめっ、あ゛っ!!」
セルレギオス「ぎゃぁぁぁああああああ゛あ゛ッッッ!!」バキッ……バキッ
セルレギオス「い゛ッ、痛ああ゛あ゛ッッッああああああッッッ」バリッ……バリッ………
セルレギオス「たっ……」
バクン…………
???「…………」バキッ…
???「……」ゴクン……
???「……ホホ………美味………美味……」
ズルズルズル………
ゴポッ ブクブク……
シン…………
------五限・学校、メインモンス科------
ミツネ「…………」
ガムート「…………」
ミツネ「…………はあぁぁぁぁぁぁーーーっ」
ガムート「ミツネっち……」
ミツネ「……なーーんかさーーー……」
ミツネ「……僕、本当に好きだったよ、あの人のこと……」
ガムート「うん……そうなんだね」
ミツネ「はあーー……カッコいい人だよ、やっぱ」
ガムート「お話できたんだね?」
ミツネ「まあね。隣に婚約者もいたけど……」
ガムート「(ティガのお姉さん……)」
ミツネ「でっかいわ、かなり」
ガムート「そっかぁ……」
ミツネ「でも、いい人だったよ……ティガ君のお姉さん……」
ガムート「…………」チラッ
ティガ「…………zzz」
ミツネ「……好きって、言っちゃった……」
ガムート「えっ!!!」
リオレウス「ガムートおしゃべりしてんなよ〜」
ガムート「ご、ごめんなさい」
ガムート「……気持ちは伝えないって、言ってなかった?」
ミツネ「そのつもりだったけど……どうしても、言いたくなっちゃって」
ミツネ「……はぁーーーーーーーーっ」
リオレウス「タマミツネどんよりしてんなよ〜」
ミツネ「……ほーい……」
ガムート「それで、何だって……?」
ミツネ「…………」
ミツネ「冥ラギアさんも、僕のことが好きってさ」
ガムート「ええ……?えっ?え?」
ミツネ「……そもそも僕の『好き』をね、恋愛の意味で捉えてなかったよ」
ガムート「ああ……」
ミツネ「弟みたいで、好きだって。いずれ本当の兄弟になるかもしれないし、これからもよろしく……ってさ」
ガムート「そっかあ……でも、良かったんじゃないかなー?」
ミツネ「ま、ね。わりとスッキリしたけどさ」
ミツネ「ふくざつーーーー」
ガムート「……お疲れ様、ミツネっち」
ミツネ「ありがとー。……んでさ、校舎に戻るときに聞こえたんだよね」
ミツネ「冥ラギアさんと、大ティガさんの話してることが」
ガムート「なんて?」
ミツネ「……僕は、本当の弟みたいで特別だ、って」
ミツネ「僕になら、大事な白ラギアさんを任せられるんだ……って」
ガムート「そうなんだ……」
ミツネ「あーあ……荷が重いよー」
ガムート「…………」
ミツネ「白ラギアさんとも……すぐ別れるわけにもいかないし」
ガムート「うん……」
ミツネ「……っつーか……もはや冥ラギアさんに大事にされてる白ラギアさんが羨ましい……」
ガムート「まあ彼女は妹さんだからね……仕方ないよ」
ミツネ「……白ラギアさん、性格悪くないし、顔も可愛いし……友達としては好きなんだけどね」
ミツネ「これからちゃんと恋人として好きになれるように努力するよ……」
ガムート「そっかー」
ガムート「ラギア君……には、ドキドキしないもんねぇ?同じような顔だけど……」
ミツネ「やだよ……あの人すごいバカじゃん……」
ガムート「ミツネっちったら……」
ミツネ「顔は確かにほとんど同じだけど、冥ラギアさんのほうが大人っぽくてかっこいいもの」
ミツネ「冥ラギアさんはちょっとすっとぼけてるけどさ」
ミツネ「首席で卒業しているだけあって……頭いいよ、やっぱり」
ガムート「ラギア君もいい人だけどね」
ミツネ「それはわかる……でも僕、バカはいやだ……ラギア君は成績も悪いし……」
ミツネ「ほんとにいい人だけどさ」
ガムート「うん、成績はいつもクラスで下から二番目だよね」
ミツネ「そうだよ……まあ、万年最下位は……」
ガムート「……ティガなんだけどね……」
ミツネ&ガムート「…………」じーっ
ティガ「……zzz……はがっ!…が…zzzz……」
ミツネ「……ライゼクス君は、クラスではそんなに成績悪くないのにね」
ガムート「いつも真ん中くらいだもんね。何気に、学級委員だし」
ミツネ「やっぱこのクラスで一番頭がいいのは、クシャル君か……」
ガムート「時々ゴマ君が抜くときあるけど、基本的にはクシャル君だよね」
ミツネ「さすが古龍っすよホント……」
------放課後、学校・古龍科教室の前------
ラギア「…………」ドキドキッ
ラギア「…………」ドキッ
ラギア「(うおお……早く終われSHR……)」
ラギア「(キリンちゃん……キリンちゃんキリンちゃん……)」
シャガル「…………」ガラッ
ラギア「!!(終わった!!!!)」
ラギア「さっ、さようならー……」
シャガル「……ハイさよーなら」スタスタ…
ラギア「…………」チラッ
ラギア「(キリンちゃん……いたーー!!いたキリンちゃん!!)」
ラギア「(可愛すぎ……)」
ラギア「うへへ……」デレデレ
オオナズチ「あの……何かご用ー?」
ラギア「ハッ!」
ラギア「えと……き、キリンちゃん…いるかなーって」
オオナズチ「あーキリンちゃんねー!呼ぶねっ」
ラギア「サンキュ……」
ラギア「…………」
オオナズチ「……×××?×××××……」
キリン「××?××××?」
オオナズチ「××〜〜」
キリン「×××………」
キリン「…………」そろっ…
ラギア「あッ、キリンちゃん……」
キリン「うん……ラギアさん」
ラギア「あのっ……きき今日、一緒に帰らないっ?!」
キリン「えっ……」
ラギア「あのっ……一緒に帰らないっ?!」
キリン「…………」
ラギア「(やべ俺ーー!!同じこと2回言っちゃったよ!!アホか!!)」
キリン「えっと……ガムちゃんも、一緒……?」
ラギア「えッ?!(ガムートいないとまだダメ?!)」
ラギア「……アッハハ!ガムート!ガムートね!えーーっとガムートは今日は氷海に帰るとかで……えーと……」ゴニョゴニョ……
キリン「え?」
ラギア「が、ガムートはいません!!ガムートはいないよ!!」
キリン「そうなんだ…………」
ラギア「だっ、ダメ……かな?」
キリン「……私今日、沼地に行くんだけど……それでもいい……?」
ラギア「えっ!わっ!全然!全然へいき!!むしろ行きたい俺!俺沼地行きたい!!!!」
キリン「……ふふっ……」
ラギア「ハハハ……(笑ってる!!!!)」
キリン「カバンとってくるね」パタパタ……
ラギア「うん!!」
ラギア「(うおっひゃひゅっああっあああああ+%#=>^\$―→:ーーーーー!!!)」
ラギア「(やった!やった!一緒に帰れるうううううう)」ニヤニヤニヤニヤ
キリン「おまたせ……行こっか」
ラギア「うん……!」
------数分後、学校・正門前------
ティガ「今日やっぱ泊まっていー?」
ライゼクス「えー今日はカンベン。夜中、桜ちんと星を見に行くんスよね」
ティガ「ハー?!ったくこれだからリア充は……」
ドドドド……
ラギア「ティガ〜!ライゼクス〜!!!」
ティガ「あっ、ラギアだ」
ライゼクス「マジだ」
ドドドドド……
ラギア「俺ーー!bgっておいうfdw!!でさ!!っhdsくdswちゅおふぇwd〜〜ッ!!!」
ティガ「わーなにー?」
ライゼクス「なに言ってんのお前……」
ラギア「だから!っhfでっtyxdうぃyfxぺっf〜〜〜!!」
ティガ「早口すぎてなに言ってるかわかんねーよ……」
ライゼクス「なになに?なに興奮してんの」
ラギア「キリンちゃんbっふhdsりゅいおyっr!!!!」
ティガ「キリン……?」チラッ
キリン「…………」
ティガ「あーキリン……」
ラギア「じゃっ!行こキリンちゃん!!!!」ドスドス
ライゼクス「…………」
ティガ「…………」
ライゼクス「なんだってんだ……?キリンちゃんと、一緒に帰れたってこと?」
ティガ「メチャメチャ興奮してたな」
ライゼクス「……ふっ、可愛いなあいつ」
ティガ「良かった良かった。まず一歩踏み出せたなww」
ライゼクス「幻獣祭にも来てくれるといいけどな〜」
ティガ「なーそれさ、絶対『轟竜祭』のほうがかっこいいと思うんだけど」
ライゼクス「それにしても……上手くいくといいな」
ティガ「シカトかよ!」
------約1時間後、沼地付近------
ラギア「……でさ〜さっきいたアイツ、ティガって言うんだけどめっちゃバカでさ〜!」
ラギア「授業中ずっと寝てばっかで、しょっちゅう先生に頭叩かれてんの!」
キリン「うふふ……」
ラギア「そんでこの間は、寝てるのバレないようにってまぶたに目のイラストを……」
キリン「あははっ」
ラギア「授業中いかに上手く居眠りするか!これ課題ね!俺らの!」
キリン「ふふ、そうなんだ」
ラギア「(なんかキリンちゃん楽しそうじゃね?!)」
キリン「ふふふっ……ラギアさん面白い」
ラギア「ま、マジで?!俺面白い?!」
キリン「うん、面白い……」くすくす
ラギア「(ヤッベーー笑顔のキリンちゃんバリかわ!!オニかわ!!)」
キリン「あの……昨日は、矢文ありがとう」
ラギア「ううん!!てかごめん、料金!」
キリン「いいの。いくらでもないしね。嬉しかった」
ラギア「マジすかーーーー!!!!」
キリン「うん」にこっ
ラギア「…………//」ドキドキ
ラギア「あのさ……キリンちゃんって、明日は何してる?」
キリン「特になにも予定ないけど……」
ラギア「(うおおおおお!!)あのさっ……クラスの奴らでライブフェスやるんだけど、良かったら来ない……?」
キリン「ライブフェス?」
ラギア「うん!みんなで歌ったり騒ぐんだ!友達のコネで楽器隊アイルー呼んで……」
ラギア「あとコックアイルーも呼んで、うまいメシとかも出すんだぜ!!」
キリン「へえ……」
ラギア「こ、来ない?別に無理に歌わなくていいからさ!聴くだけでも!!」
キリン「誰がいるの?」
ラギア「俺らのクラスの奴らはほとんど来る!あとはそいつらの彼女とか……」
キリン「……ガムちゃんも、来る?」
ラギア「来る来る!!もちろん!!!!」
キリン「(クシャル君も来るのかな……)」
ラギア「キリンちゃんの友達呼んでもいいし……」
キリン「行こうかな」
ラギア「!!!!!」
ラギア「ほっ、ホント……?ホントに来てくれる……?」
キリン「うん。あ、ナズっちも呼んでいい?」
ラギア「ナズっち……?ああ、オオナズチ?」
キリン「うん」
ラギア「勿論勿論!」
キリン「場所はどこ?あと、時間は……?」
ラギア「えっと!遺跡平原!来れるよね?!時間は、日没直後から!!」
キリン「うん、行ける」
ラギア「や……やったーー!!やったーーーー!!」
キリン「ふふふっ、楽しみにしてる」
ラギア「よしっ、よし!!じゃあ、俺明日に備えてやっぱり早く寝ようかな……もう沼地だしね!また明日ッ!」
キリン「うん、ありがとう。明日ね」ニコッ
ラギア「〜〜〜〜〜っ//」
キリン「じゃあね」タッタッタッ……
ラギア「うん!」ぶんぶん(手)
ラギア「……………」
ラギア「…………おおお……うおおおお……」
ラギア「うおおおおお俺の時代来たあーーーーっ!!!」
ラギア「ヤベー俺!!俺サイコー!!!!俺オブザイヤー!スーパーハッピー!!スーパーハッピードラゴーーーーーーンッッッ!!!」
ラギア「〜♪〜〜♪〜〜〜〜〜〜♪」バシャバシャ……
ラギア「(あっ、ネコの巣だ)」
ラギア「……ティガとライゼクスに矢文送るか!」
ラギア「コンチワ!!矢文一通!!」
矢文アイルー(サバトラ)「はいラッシャーーイっ」
ラギア「………」カリカリ…
ラギア「コレ!えーっと森丘のライゼクスに!」
ラギア「(そういやティガもライゼクスの巣に行ってるはずだ)」
矢文アイルー(サバトラ)「お代どうするニャー?!」
ラギア「着払いで!!」
矢文アイルー(サバトラ)「はい承知ニャーー!ムラサキーー矢文送るニャーーッ」
矢文アイルー(紫)「承知ーーッ」
シュピーーーン……
ラギア「頼んだよー!!」
矢文アイルー(サバトラ)「あざぁーーーーっすニャーーー!!」
------約五分後、森丘・ライゼクスの巣------
ライゼクス「ラギアのやつ上手くいってるかな?」
ティガ「どーだろな?矢文送りてぇけど……」
ライゼクス「どこいるかわかんねーもんな」
矢文アイルー(灰)「ライゼクス様矢文ニャー!」ピョコピョコ
ライゼクス「うおっタイムリー、誰から?」
矢文アイルー(灰)「沼地のラギアクルス様からニャ!」
ティガ「ヘェー沼地に行ったんだ」
ライゼクス「どれどれ」パサッ
ライゼクス「…………?」
ティガ「うわっ、なんじゃこりゃ」ずいっ
ライゼクス「お………ン……ま……ハ……よ…………?」
ティガ「ま……お……ジ……う……て……?」
ライゼクス「読めねーよなんだこれ」
ティガ「すっげー走り書きwwww」
ライゼクス「マジでなんなんだ?」
矢文アイルー(灰)「ライゼクス様!着払いニャ!」
ライゼクス「は?……ヤロー舐めやがって」チャリン
矢文アイルー(灰)「まいどっ!」
ライゼクス「……『お』れもう絶望して『ン』だ……『ま』っすぐ帰ればこんな『ハ』プニングには会わなかった……さ『よ』うなら」
ライゼクス「とかか?」
ティガ「い『ま』まで『お』れの友だちでいてくれてマ『ジ』ありがと『う』……『て』ぃが様かっこいい」
ティガ「かな?」
ライゼクス「やべーあいつすごいフラれ方したのかな」
ティガ「体が長いし青くてイヤ!トゲもイヤ!バカ!って言われたとかかな」
------夜、天空山・崖の近く------
ディノバルド「…………」
イビルジョー「おいディノぉー、おっせーぞ」バリバリ……ドスドス
ディノバルド「すいません」ダダッ
イビルジョー「……おーい来たぞー」
???「………おーー……ジョーか……ディノも……」ズシ…ズシ
イビルジョー「ったくセルレギオスが追放されやがったからメシの調達がすくねーっつの」バリボリッ
イビルジョー「なァ、ラー?」
???(ラージャン)「……全く……不便だぜ……」
ラージャン「腹が減って腹が減って……!!」
ディノバルド「……とってきますから」スッ
タッタッタッ……
ラージャン「クククッ……」
イビルジョー「……ヒヒヒ……」
ラージャン「ハッハッハッハッハッ!!!」
イビルジョー「ヒーーーッヒッヒッヒッ!!!」
ディノバルド「………」タッタッ……
ディノバルド「(……父上………)」タッタッタッ……
------翌日夕方(日没前)、遺跡平原・川沿い------
ラギア「オーーッス!!みんないるなー!!」
ティガ「あ、ラギア来たじゃん!!」
ライゼクス「おーーよかった!!大丈夫かー??」
ジンオウガ「おっすー!!」
楽器隊アイルー達「ニャーーーッ」
獄オウガ「おい緑見ろよ!ラギアパイセンだぞ!」
緑ナルガ「うお!でけー!かっけーっ」
ラギア「いやーみんなありがとー」
ライゼクス「つーかお前なんだよ昨日の矢文!!」
ティガ「ちょー意味深だったんだけどwww」
ラギア「え?キリンちゃんが来れるって話?」
ティガ「!!!キリン来れんのーー?!」
ライゼクス「お前ー!!やったじゃん!!」バンバン
ラギア「いやだってそう書いてあったろ?」
ライゼクス「や、読めなかった」
ティガ「部分部分しか読み取れなくてさー」
ライゼクス「遺書かとも思ったわ」
ティガ「ダイイングメッセージとかなー!!ぎゃはは」
ラギア「バッカ言うなよ。俺まだダイしねーっつの」
ラギア「あと200年生きる!!!!」
ティガ&ライゼクス「おォーーーーッ」
ラギア「つーかなんで読めなかったんだ?」
ライゼクス「字が汚すぎて」
ティガ「興奮しすぎて手がバグッたか」
ラギア「『お』まえら驚け!キリ『ン』ちゃん明日来てくれるってー!!う『ま』いこと行ったぜ!『ハ』リきろうぜ!!ち『ょ』ー楽しみ!、『ま』じ気合い入れて『お』れたち楽しもう『ジ』ャン!!ありがと『う』な!『て』んかいちのラギアより」
ラギア「って書いたけど?」
ライゼクス「そんな長文だったとは」
ティガ「なんだよ、『て』ぃが様かっこいい、じゃねーのかよ」
ライゼクス「『て』゛んりゅうライゼクス超イケメン、とかな」
ラギア「アホかお前らなんか1ミリもかっこよくねーよww」
ティガ「てめーww」
ライゼクス「ぎゃーっはっはっ」
ガムート「みんなーっ!!」
ミツネ「おつかれー」
ジンオウガ「あっ二人ともおつかれーーっ」
ティガ&ライゼクス&ラギア「おーーーっ」
ミツネ「うわ、ステージでかい!」
ジンオウガ「アイルー達がみんなやってくれたんだよー」
ガムート「すごいね!ありがとう!」
楽器隊アイルー達「ニャーーーッ」
ミツネ「なんかもう手伝うことないね?」
ガムート「ね!すごいライブっぽい……」
ティガ「いーや、まだできてねェ部分がある!」
ライゼクス「ジャジャーン!!横断幕!!」
ラギア「おおー!」
ジンオウガ「ラギアが書いてよ、『幻獣祭』って!」
ラギア「えっ、いいのか……?」
ティガ「おうよ!元々はお前がキッカケだしな!」
ライゼクス「ラブいキリンちゃんの別名書いちゃってください!」
ガムート「そうだねー!」
ミツネ「でっかく書いてよ」
ラギア「お、おう……」
ジンオウガ「はい、ペンキ!青にしたよ!」
ラギア「……よっしゃ!書くかー」
一同「いえーーい!!」ワクワク
ラギア「…………」ポタッ
ラギア「…………」ペシャッ
ラギア「…………」スリッ
一同「…………」
ラギア「どーだぁ!」
ティガ「下手www字がwww」
ライゼクス「『獣』がグチャグチャじゃんwww」
ラギア「うっせーっ」
ジンオウガ「でもすごい!インパクトがある」
ガムート「うんうん、キリンちゃん喜ぶといいねー!」
ミツネ「みんなそろそろ来るんじゃない?」
桜レイア「クースークースーー!!?」バサッ、バサッ
白ラギア「ミッくんーーーー!!」ザパア
ライゼクス「さっくらちん?」
桜レイア「お花持ってきたー!!」
ミツネ「白ラギアさん。川から来たんだね」
白ラギア「うん海から上って来ちゃったー!」ザパザパ
ラギア「白ちゃん今日はありがとー!」
白ラギア「あーラギア!今日楽しみにしてたよー」
ティガ「あいつマジで白ラギアちゃんと付き合ってんのか……」
ガムート「うん……みんなすごいね」
ティガ「…………」
ガムート「…………//」
ブラキ「うーっす来たぜー」ドッパアッ
ジンオウガ「ブラキー!お前地面から来たのかよっ」
ブラキ「おう、ダリいから掘ってきた」
ナルガ「ここかーアホの集まりは」ドシュンッ
蒼レウス「他のクラスの者もいるでござるな」バサッ、バサッ
ゴマ「…………」バサッ
ティガ「ナルガボケ!!なんで来たんだよ!!!」
ナルガ「あぁ?!ボケはどっちだ女好きめ!!」
ティガ&ナルガ「ぬぬぬぬぅ〜〜……」ギロリッ
蒼レウス「まあまあご両人、こういう時くらいはやめるでごさるよ〜〜」
桜レイア「なーにー?!蒼まで来たわけー?!」
蒼レウス「拙者のセリフでござる。なぜ桜がいるでござるか!!!」
ライゼクス「俺のカノジョだから呼んだの〜」ずいっ
蒼レウス「なんと!!!!」
桜レイア「ふっふーん」
蒼レウス「ライゼクス氏それは悪趣味でござる……こんなワガママ女などと……!」
ガムート「ふふふ……」
ミツネ「桜レイアさんと蒼レウス君は双子の兄妹なんだよね」ペタペタ
ガムート「あれっミツネっち、白ラギアさんの隣にいなくていいの?」
ミツネ「うん……ちょっと暑苦しくてね」
ジンオウガ「えーどうして?!白ラギアさんは涼しいでしょ?!川から来たんだし」
ミツネ「ジンオウガ君、そういう話じゃないんだよ」
ゴマ「…………」
ティガ「よ、ようゴマ。来てくれたんだな」
ゴマ「……ええ……お誘い頂いて…………感謝いたします……小生などを……」
ティガ「いや、いいんだぜ。来てくれよ、同じクラスなんだし……」
ゴマ「……ええ……嬉しいです……」
ティガ「は、はは……(絡みづらーー!!)」
蒼レウス「ゴマ氏ー、今日は特にウイルスに気をつけるでござるよ!」
ティガ「えっウイルス?!」ズザッ(後ずさり)
蒼レウス「ゴマ氏は超厄介なウイルス持ちでござる。感染すると狂うでござるよ」
ゴマ「…………ええ……そうなんですよ……我を忘れるとどうしても…………ふふふ、黒いウイルスが……」
ティガ「ええー……(ジンオウガなんでコイツ呼んだんだよ!)」
蒼レウス「でも心配ないでござるよーメチャメチャ怒らせなければ!」
ゴマ「………ええ………大丈夫…………」
ティガ「……へー……(怖い…)」
ラギア「…………」きょろきょろ
ラギア「(もう、日が沈むってのに……キリンちゃん、まだかな……)」そわそわ
ラギア「…………」
ラギア「…………」
ラギア「……………!」
キリン「……あっ、ラギアさん……」
オオナズチ「わあっいっぱいいるねー!」
ラギア「キリンちゃあああああああああああん!!!」ズドドド……
ラギア「キリンちゃん!!ほんっとに来てくれたんだね!オオナズチも!!ありがとう本当にありがとう!!」
キリン「うふふ、私たち最後だった?」
オオナズチ「ボクこそ嬉しいな!みんなと仲良くなれるかなー?」
ラギア「なれるさ!さあこっちこっち!」
ラギア「〜〜♪〜〜〜♪……」ペタペタ……
ガムート「! キリンちゃんだ!」
ミツネ「来てくれたんだね」
ジンオウガ「ラギア大喜びだなー」
ジンオウガ「さて……おっ、もう日没だな」
ダダッ、スタッ
ジンオウガ「さァーーみなさん!本日はありがとーございますっ!司会のジンオウガでーす!!」
パチパチパチパチ……
ジンオウガ「本日協力してくれる楽器隊アイルー達ー!!」
楽器隊アイルー達「ニャーーーッ!よろしくニャーー!!」
ジンオウガ「そして全食事の提供をしてくれるコックアイルー達ーー!!」
コックアイルー達「イエーーイニャー!ウマイメシ作るニャーー!!」
ジンオウガ「そしてーー今回の主催者!!ミスターラギアクルス〜〜〜〜!!!!!」
ワーーーーッ……
ラギア「どーもッす!どーもッす!」
ジンオウガ「宵は来たれり!これより第1回幻獣祭!開催しまァーーーーす!!!」
ワーー……ワーー……
キリン「幻獣祭……?」
キリン「(……そういえば、クシャル君いないな……)」
ティガ「トップバッター俺!!歌うぜーー!!」
ガムート「!」
ミツネ「おーすごいね」
ガムート「きゃー……」ドキドキ
ティガ「えー今度、俺の姉ちゃんケッコンしまーーす!!」
パチパチパチパチ……
ティガ「ガキの頃両親が死んで、そっから一人で俺と兄貴を育ててくれた姉ちゃん!」
ティガ「そんな姉ちゃんに捧げます!!」
オーーーッ………
ティガ「……………」スゥーーーッ
ティガ「『クソババアのうた』!!!!ワンッツースリーッ!」
ドッ ハハハ……
ラギア「なんつー恩知らずな奴だ」
ライゼクス「早めに来て楽器隊アイルーとなんかやってると思ったらこれの打ち合わせだったのかよww」
桜レイア「キャハハっ、ティガ君バカ過ぎ!!」
ティガ「クソババアックソババアックソババアーー!!ババアライフ〜〜〜朝が早いーーーーッ!!」
ミツネ「ねえ、あんなティガ君を見ても本当に好きなの?いつもよりバカに見えない?」
ガムート「えっ……うん……歌は酷いと思うけど、かわいいと思っちゃう」
ミツネ「へーー……(もしかしたらガムちゃんは……変なのかもしれない……)」
白ラギア「ミッくんーー魚串持ってきたよ!食べよ」
ミツネ「ああ……ありがとう」はぐはぐ
白ラギア「ハイ、ガムさんも!サラダバーあるから取ってきちゃった!」
ガムート「えっ、ありがとう……私のこと知ってるんだね」
白ラギア「知ってるよ!ミッくんからいつも聞いてまーす」
ミツネ「僕の唯一のお友達だからね」はぐはぐ
ガムート「ラギア君とかも友達でしょ?」しゃくしゃく
ミツネ「ああ……うん……そうなのかな……」
白ラギア「ラギアと友達になってやってよー!勉強教えてあげて!」
ミツネ「僕よりガムちゃんのほうが頭いいよ」
白ラギア「そーなの?!すごい!」
ガムート「ううん、ミツネっちと変わらないよ。僅差ってかんじで」
ティガ「〜♪〜〜♪……エンジョイビッグババアッ!」ジャン!
ワーーーー…… ピーピー……
ティガ「ハァ、ハァ……セーーンキュ、セェーーンキューー」
ラギア「めっちゃメタルな曲だったな」
ライゼクス「ハイハイ次俺行くー!」ドスドス
桜レイア「キャ〜クスクス宇宙一カッコイイー!」
ライゼクス「モンスターはみんな知ってるぜ!超名曲『ファッキンハンター』行くぜベイベ!!」
チャッ、チャッ、チャッ、タタン!
〜♪〜〜〜〜♪〜〜♪…………
キリン「初っ端から盛り上がってるね」
オオナズチ「そうだねぇ〜〜メインモンス科、楽しいね」
ラギア「キリンちゃん!」パタパタ……
キリン「ラギアさん……」
ラギア「楽しんでる?」
キリン「うん、みんなすごいね」
オオナズチ「ボクもそのうち歌いたいなぁ〜」
ラギア「おー歌ってくれよ!マジなんでもいいからさ」
キリン「あの……幻獣祭、って?」
ラギア「あ……」ドキッ
ラギア「えっと……俺が付けたんだ。きっ、キリンちゃんの別名だけど……」
オオナズチ「なんで〜?」
ラギア「えーと……キリンちゃんと、もっと仲良くなりたくて……さ……」
キリン「…………」
ラギア「ひ、引いた……?」
キリン「……ううん、嬉しい!」
ラギア「よ、よかったー!!」
キリン「あの……今日クシャル君は……?」
ラギア「えっ!ああ……誘ったけど、来れねぇって……」
キリン「そっか……」
ラギア「(……キリンちゃん……もしかして……)」
キリン「……食べ物とか、いっぱいあるね!取ってくるねっ」
オオナズチ「ボクも行くぅ〜〜」パタパタ……
ラギア「うん…………」
ラギア「………………」
------約二時間後、同じく遺跡平原・川沿い------
ワイワイ……ガヤガヤ……ワイワイ……
ブラキ「……へー、蒼レウスってレウス先生とはイトコなんだ?」
蒼レウス「そうでござる〜」
ナルガ「俺も最初はさー、親子だと思ってたぜ」
蒼レウス「拙者と桜の父と母は、銀レウスと金レイアでござる」
蒼レウス「レウス先生の父と母は、黒炎王と紫毒姫で」
蒼レウス「銀レウスと黒炎王が、兄弟ということでござるよ〜」
ゴマ「……フフフ……」
ガヤガヤ……ワイワイ…………
ジンオウガ「みんなけっこー楽しんでるな」
ティガ「俺ちょっと休憩〜歌いすぎた……」
ライゼクス「ババアだのカスだのロクでもねぇやつ歌いすぎな」
桜レイア「キャハハ!ホントホント〜」
ナルガ「よっ、ゴマ大王〜〜!!」
蒼レウス「歴史に残る勇姿でござるよ〜〜!!」
ブラキ「いけいけー!!」
ガムート「えっ、ゴマ君も歌うの……?」
ミツネ「ビックリだよ僕」
白ラギア「あの人、目がないのにちゃんと歩いてる!!」
ゴマ「…………あの本日………小生……歌います……」
ナルガ「聞こえねぇよー!!」
蒼レウス「大声!!ゴマ氏、大声でござる!!」
オオナズチ「ゴマさんかっこいぃ〜!!」
ゴマ「……歌います!!!!小生の本気、しかと見やがれ!!!」
ゴマ「『夕暮れの霊』!!!!」
ジャジャン、ジャジャン……
ゴマ「♪真紅の闇に生まれし堕ちた天使……♪」
ティガ「うおーめっちゃビックリした」ヌッ
ガムート「!!……ティガ、君」
ティガ「あいつも歌うなんて意外だよなー」
ミツネ「……」
ミツネ「(ひそっ)白ラギアさん、あっちで二人になろうか」
白ラギア「え?」
ガムート「ティガ君……ライゼクス君たちは?」
ティガ「あー、ライゼクスは桜とイチャついてるし、ラギアはキリンのとこ行ってるし……」
ティガ「だから、ガムートんとこ来た」
ガムート「えーーーっ(だからってなんで?!どうして?!)」ドキドキドキドキドキドキ……
ティガ「そういやさ、お前、好きな男呼んでねーの?」
ガムート「!!」ドキッ
ガムート「うん……」ドキドキ
ティガ「へーもったいねーな」
ガムート「そうかな……」
ティガ「やー俺はてっきり、お前とラギアが付き合ってるんだと思ってたんだけど」
ガムート「えっ?!なんで???!!」
ティガ「なんかラギアがいきなりお前のことどう思うかとか聞いてきたりしてさ」
ガムート「あーー……(あの話か……)」
ガムート「(てかなんで直球で聞いてるの!!私、さりげなく聞いてって言ったよね?!)」
ティガ「でも、違ったんだなー」
ガムート「全然違う!!」
ティガ「好きな男ってのもラギアだと思ってたけど」
ティガ「それもちげーの?」
ガムート「違う!!断じて、違う!!!!」
ティガ「(すげぇ剣幕……)へーじゃあさ……誰なの?」
ガムート「…………」
ティガ「…………」
ガムート「……言えない……」
ティガ「……ふーん」
ティガ「かっこいー奴なんだろ?なんかあったら相談しろよな」ニヤニヤ
ガムート「……うん……」
ガムート「(言えないよ……言えるわけないし……)」ドキドキ
ガムート「(でも……やっぱりティガってかっこいい……)」ドキドキ
ガムート「(好きだなぁ……)」ドキドキ
ラギア「(ガムートとティガ……上手くいってるな!よしよし)」
キリン「………これ美味しい、なに?」はぐはぐ
ラギア「ああ、モスの腸詰め……だったかな?」
キリン「すごい!初めて食べたけど、美味しいのね」
ラギア「ハマりそーだろ?」
キリン「うん」はぐはぐ
ジンオウガ「おいラギアー!!お前そろそろ歌えよ!!」
蒼レウス「そうでござる〜」
獄オウガ「ラギアパイセン〜〜!!」
ラギア「あっ……」
キリン「ラギアさん、歌うんだね」
ラギア「うん……あの……聴いてて!!一番前で!!」
キリン「一番前で?」
ラギア「うん!オオナズチとか……俺らのクラスの奴らも、前の方にいるからさ」
キリン「わかった」
ラギア「…………//」
ティガ「! うぇーーーいラギアーーー!!!」
ガムート「あっ、ラギア君……」
桜レイア「あの子歌えるのー?」
ライゼクス「やーなんか俺まで緊張する!」
ラギア「…………」
わーわーーーー……ラギアーーー……
ラギア「(キリンちゃん……)」
ラギア「(俺、歌うぜ!!)」
ラギア「待たせたなー歌うぜー!!……『笑顔の君へ』!!」
ピーピー!ワーーワーーーーー……
ラギア「♪〜〜♪♪〜〜〜太陽の〜〜光の〜〜……♪♪」
キリン「……………」
キリン「(ラギアさん……って、いい人だな……)」
ワーーーーーー…………ワーーーーー…………
------約3分後------
ラギア「あざーす!!あざーーーっすみんな大好きーー!!ハァ、ハァ……」
わあああああ………
ティガ「ラギア下手だぞーー!!でもカンドーしたーーっ!!」
ライゼクス「ラギア最高ーーー!!」
ラギア「うっせーありがとーー!!!」
ナルガ「次俺歌うー!!」
キリン「(ラギアさん……)」
ラギア「キリンちゃん!」
キリン「ラギアさん、素敵だったよ」
ラギア「えっマジ?!//」ボッ
キリン「うん」
ラギア「ハァ……けっこー疲れるのな」
キリン「何か飲む?」
ラギア「うん……あのさ」
キリン「?」
ラギア「ちょっと抜けない?」
------数分後、遺跡平原・川の少し上流------
ラギア「…………」ズズズッ
ラギア「あーーうめぇ!オレンジジュース!!!」ぷはー
キリン「ふふっ……」
ラギア「キリンちゃん……今日、楽しい?」
キリン「うん、すごく楽しい」
キリン「お料理も美味しくて……なにより、メインモンス科の人たちって、みんな楽しくていい人ね」
ラギア「古龍科の奴らは、こんな風に騒がねーの?」
キリン「ありえない!みんな頭良くって、真面目だから」
ラギア「ふーーん……」
キリン「いいな……メインモンス科」
ラギア「うん、みんなバカばっかだけど、楽しいよ」
ラギア「まあ、バカじゃない奴もいるけどさ」
キリン「それって……」
ラギア「クシャルとかさ」
キリン「…………」
ラギア「…………」
キリン「………そっか……」
ラギア「………あのさ、キリンちゃん」
キリン「うん」
ラギア「クシャルと……前になんかあった?」
キリン「!!」
キリン「…………どうして?」
ラギア「……うん。一緒に帰るところ見かけたし……」
キリン「…………」
キリン「……付き合ってたの」
ラギア「!!……………」ドクン………
ラギア「そうなんだ」
キリン「うん………嫌いになって別れたわけじゃないんだけどね」
ラギア「…………うん」ドク……ドク……
キリン「あのね、クシャル君は私の命の恩人なの」
ラギア「…………」ドク……ドク……
キリン「私を殺そうとした人から、命がけで助けてくれたの」
ラギア「…………」ドク…ドク…
キリン「でも私、ダメね。パニック起こしちゃって」
キリン「クシャル君に雷落としちゃって」
ラギア「………」
キリン「そこから、もうダメ。私は、生まれもった能力のせいで、好きな人を傷付けちゃったから……」
”ごめんね、もう付き合えない”
キリン「…………」
ラギア「……クシャルのこと、今でも好き?」
キリン「…………わかんない……」
ラギア「そっか…………」
キリン「…………」
ラギア「…………」
フワ……フワ………
キリン「!……なに?光っててキレイ……」
ラギア「わ……(これ……ジンオウガの雷光虫か……?)」
キリン「すごい……こんなにたくさん」
ラギア「…………」チラッ
ジンオウガ「……(シーーッ……)……」こそっ
ラギア「(やっぱそうか……)」
ラギア「……すごいな!やっぱ夜に見ると綺麗だな」
キリン「うん!ロマンチック……」
ラギア「触ると痺れるヤツだけど、まあ俺らには効かないよな」
バチバチッ、バチッ
キリン「ふふっ、くすぐったい」
ラギア「……(キリンちゃん、俺……)」
キリン「数えきれない!1、2、3……」
ラギア「……1000は飛んでるっしょ」
キリン「こんなにいっぱい、見たことない」
キリン「本当に、綺麗……」
ラギア「……あっ、そんなに水辺に近付いたら……」
キリン「えっ?………あ」ズルッ
ラギア「キリンちゃん……!」
バッシャーーーーーン
キリン「…………」
ラギア「…………ふー、危ないよ」プカプカ
キリン「……ごめんなさい私!!はしゃいじゃって……」
ラギア「はは、いいよ。でもズブ濡れだね」プカプカ
キリン「しかも私泳げなくて……」プカプカ
ラギア「……うん。大丈夫、俺が泳げるから」
キリン「ありがとう……ッ?!」ドキッ
ラギア「!!!」ドキッ
キリン「………!」パッ
ラギア「………」パッ
キリン「(びっくりした……顔が近かった……)」
ラギア「(やべっ!めっちゃ近い!でも可愛い……)」
キリン「………」プカプカ
ラギア「…………」プカプカ
ギュッ
キリン「!」
ラギア「……あのさ、キリンちゃん……」ドキッドキッ
キリン「…………」ドキドキ……
ラギア「俺……キリンちゃんのこと、好き……だよ……」ドキドキ
キリン「え…………」ドキッ!
ラギア「俺バカだけど……キリンちゃんのこと、大事にするし、だから俺のこと……好きになってほしいと思ってる」
キリン「………」ドキン、ドキン……
ラギア「キリンちゃん、俺のこと……好きになってよ」ドキッドキッ
キリン「(…………ラギアさん………)」ドキッ、ドキッ
------同時刻・遺跡平原、ラギア達の上空------
ギシコン、バサッ……
ギシコン、バサッ……
クシャル「…………」
ギシコン……ギシコン……
ラギア「××××××……××××………」
キリン「×××………」
ギシコン……
クシャル「………ふーん………」
バサッ、ギシコン……
ギッ、ギ………
バサッ バサッ バサッ………
------翌日早朝、遺跡平原・川沿い------
一同「………zzz……」
ティガ「……ぐおああ………がふっ!……zzz……」
ライゼクス「ん〜……zzz……桜ちん………」
桜レイア「クスクス……すー……すー……zzz」
ガムート「……zzz」
ミツネ「うぅ……苦しいよ……zzz……重い……」
白ラギア「ミッくん……zzz…ミッくん……」ギュウウウ…
ラギア「………zzzz………zzz……」すぴーっ
キリン「………」むくり
キリン「…………」
オオナズチ「……zzz……」
キリン「…………」チラッ
ラギア「…………zzz……」
キリン「(帰ろう……かな……)」
キリン「(……ラギアさん………)」
ラギア「………ん?」パチッ
キリン「!………」
ラギア「………あれ、キリンちゃん……」むくっ
ラギア「……あーみんな帰ってねーな……寝てるよ……」
キリン「おはよう……」
ラギア「うん………」
キリン「私、帰ろうかなって……」
ラギア「………あーーーー………」
ラギア「……えっ?!帰るの?!」
キリン「うん、ありがとう、楽しかった」
ラギア「……送るよ?巣まで……」
キリン「ううん、大丈夫」
キリン「ごめんね、後片付けとか……」
ラギア「いやそれはいいんだけど……えっ本当に帰る?」
ラギア「朝メシは?」
キリン「大丈夫。みんなにごめんねって言っておいて」
ラギア「……うん……わかった、気をつけて」
キリン「ありがとう。またね」タッ
タッ、タッ、タッ………
ラギア「…………」
------同時刻、天空山・崖の近く------
ラージャン「……そろそろ時だろうか?」ガツッ、ガツッ
イビルジョー「あーもういけそうだな」バリッ、バリッ
ラージャン「もう飽きてきたぜ、俺は……」
ラージャン「パシリにメシの調達させるのは」ガツ、ガツ
イビルジョー「……じゃあマジで……行く?」
ラージャン「そうだな……」
イビルジョー「ヒヒヒッ……俺らにしては待ってた方だぜ」
イビルジョー「一年も……!」
ラージャン「ククク、違いない……」
イビルジョー「ゆくゆくは、『大先輩』と共に……な……」
ラージャン「クククッ……ククッ……」
イビルジョー「ヒヒヒヒヒッヒッヒッヒッヒッ!!!」
------夕方、孤島・ラギアクルスの巣------
ラギア「ふあ〜〜〜〜…………」ムクッ
ラギア「…………やべ……日が沈みかけてる」
ラギア「(キリンちゃんが帰ったあと……俺あのまま、また昼まで寝て……)」
ラギア「(残ってた奴らでメシ食って解散して……帰ってきて……)」
ラギア「(また今まで寝てたんだよな)」
ラギア「あ〜〜〜ダリ〜〜〜〜………」
ラギア「(一晩中バカ騒ぎしたもんな……)」
ラギア「ってか……」
ラギア「………あ!!わーーーーっ!!!俺キリンちゃんに告白しちゃったんだァーーーーーっ!!!!」
ラギア「ヤバイヤバイヤバイヤバイ………」ドキドキドキドキ……
ラギア「っっっっあ!!!俺のアホ!!!クソ!!!バカ!!!まだはえーっつの!!はえーーーーーーよーーーーー」
ラギア「俺のバカ!!!」
ラギア「…………………」
ラギア「(キリンちゃん………何て言ってたっけ……)」
ラギア「………なんかあんま思い出したくない!思い出したくない!!昨日の俺のバカ!!!畜生、時間もどれっ!!」
ラギア「あーーあーーーあーーーー……」ドキドキ……
ラギア「(でも朝の態度普通だったし……)」
ラギア「(俺嫌われてない?!嫌われてないよな?!)」
ラギア「……どーしよ……ん?」
ギシコン……バサッ
ギシコン……ギシコン……バサッ
バサッ、バサッ……
クシャル「…………」
ラギア「クシャル……」
ラギア「……(……キリンちゃんのモトカレ!!)」
クシャル「…………」ギシコン、ギシッ
ドスン
クシャル「…………」
ラギア「…………なに、何の用?」
クシャル「…………お前、キリンにチョッカイ出しているのか」
ラギア「……は?」
クシャル「キリンに、チョッカイを出しているのかと聞いた」
ラギア「……チョッカイ?」
クシャル「そうだ」
ラギア「……チョッカイ、ってのは言い方悪くね?」
クシャル「…………」
ラギア「好きだけど?キリンちゃんが」
クシャル「…………そうか」
ラギア「お前、付き合ってたんだろ?」
クシャル「…………」
ラギア「なに?お前も、キリンちゃんがまだ好きなわけ?」
クシャル「そうだ」
ラギア「……へぇーーー……」
ラギア「……えっなに、『俺のキリンちゃんに手を出すな』とか言いにきたわけ?」
クシャル「そんなことは言わない」
ラギア「じゃあなに?」
クシャル「お前に、キリンの心の傷を癒せるのかを聞きに来た」
ラギア「……どうもご丁寧に」
クシャル「キリンが心に傷を負っていることは、当然知っているはずだよな?」
ラギア「……殺されかけたっつーことしか、聞いてねぇけど?」
クシャル「殺されかけた、とは少し違う。食われかけたんだ」
ラギア「!」
クシャル「しかもラージャン、にだ」
ラギア「ラージャン……あの大食いヤローにか」
クシャル「そうだ」
ラギア「お前、命がけで助けたんだろう」
クシャル「そうだ」
ラギア「……で、フラれたわけ」
クシャル「…………」ビュッ
ズガッ
ラギア「………」
ラギア「(ヒィーー俺の顔スレスレに……氷の塊が飛んできた……)」
クシャル「命をもってかばった俺にすら、彼女の心の傷は癒せなかった……」
クシャル「……俺にすらできないことが、お前にできると思うのか?」
ラギア「……ほーー」ブチッ
ラギア「お前結構ムカつくな。俺にはキリンちゃんの傷を癒せないだと……?」
クシャル「なにもおかしいことは言っていない」
クシャル「ラージャンは、きっとまたやってくる」
ラギア「……は………?……とっくに、追放されてるけど?」
クシャル「……追放ごときが、奴の力を制止できるとは思えない」
クシャル「またラージャンがやってきたとき、お前にキリンを守れるのか?」
ラギア「…………言われなくても守りますけど?」
クシャル「………フッ」
ラギア「は?笑った?今」
クシャル「………失礼。言い方を変えようか」
クシャル「曲がりなりにも古龍であるキリンが、お前に助けを求めるのだろうか?」
ラギア「曲がりなりにもって……」
クシャル「俺と並んで、自分が選ばれる自信と価値があると、思っているのか?」
ラギア「…………たかが大型モンスターに過ぎねェ俺が、キリンちゃんとは釣りあわねぇってことか?」
クシャル「…………」
ラギア「だから手を引け、とでも言いてェのか……?」
クシャル「……まぁ……解釈の仕方は、それぞれだ」
ラギア「……てめぇ……陰湿な性格してやがるな」
クシャル「お前こそ、物言いが失礼だ」
ラギア「どっちがだよ!!!!」バチバチッ……
1: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:00:40 ID:W5S
リオレウス「席つけお前らー」
ティガレックス「ギャハハww」
ラギアクルス「うけるww」
ライゼクス「でさーww」
・【R18】女上司(31)「シャキッとしろ!それでも男かっ!?」
・オチン●ンがぷるぷるwwwニューハーフのペニクリ暴れるエ□GIF画像すげーwww
・【※GIFあり※】フジ深夜枠で放送された「乳トレ講座」とかいう男性視聴者殺しの番組ww→「フ...
・【25枚】GIFで見ると結構やらかしてるアイドルのエ□ハプニング集
・【※GIFあり】卓球中の女子にリモコンバ●ブ仕込んでスイッチオンした結果wwwwwwwwww...
・【画像】21歳のグラビアモデルがエ□すぎる格好でイベントに現れて話題に
・「セクサロイド? お前が?」 「そうじゃ、おかしいか?」
・兄「くっ!膣内に射精すぞ!!!!」妹「え〜っ???まだ挿入れたばっかじゃ〜〜ん」
・【アヘ顔】本気でイった女の顔はこうなるwwwwwwwwwwwwww(GIFあり)
・【R18】女親友「アンタってさぁ、シたことある?」
・ハリー「ディメンターフエラを実現する会?」ロン「そう」
・上司「任天堂を継いでくれ」彡(゜)(゜)「おかのした」
・【R18】女教師「どうした、最近勉強に身が入ってないようだが?」
・馬場ふみか 豊満バストで“髪ブラ”披露!収まりきらず「ハプニングも」(*´艸`*)
・広末涼子(36)下着一枚で老人に抱かれてる…2ch「こんな濡れ場あったのか?」「枕営業再現?」
・【盗撮流出】トップレス姿を隠し撮りされた美人モデル…乳首まで晒されている…
・無修正。銭湯の女風呂の中を撮影する猛者あらわるw個人撮影のレベルが高すぎて少女のおま●こまでバッチリw
・【痴女】「私のパイズリ最高でしょ?」超絶爆乳のお姉様がしてくれるパイズリが圧巻過ぎる件ww【宇都宮しをん】
・痴漢冤罪で逮捕された俺の末路wwwwwwwwwwwwwwwww
・【衝撃画像】Toloveる、無修正の性器を晒してしまうwwwwアウトwwwww
・風間「しんのすけ、お前大学はどうするんだ?」
・【画像】ネッコ「ああおかえりいいいいいいい!!!」アタマゴンゴンゴン
・従姉妹(11)「にーちゃんにーちゃん! お小遣いちょーだい!」
・(´・ω・`)「あ、停電だ」
2: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:01:46 ID:W5S
リオレウス「おーい」
ガムート「ら、ラギア君」
ラギア「あ?なに?」
ガムート「レウス先生来てるよ」
ラギア「あー」
ティガ「センセーサーセンww」
リオレウス「ジンオウガたちもマンガしまえよー没収するぞー」
ジンオウガ「(ヒソヒソ)今週の××マジアツイなww」
ブラキディオス「(ヒソヒソ)○○のこのシーンたまらんww」
クシャルダオラ「……先生の言うことは聞いておいたほうがいいぞ」
ジンオウガ「クシャル!…わ、わかったよ」
リオレウス「ふーやっと落ち着いたな。出席取るぞー」
3: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:02:57 ID:W5S
リオレウス「蒼リオレウスー」
蒼レウス「はい」
リオレウス「クシャルダオラー」
クシャル「……はい」
リオレウス「ティガレックスー」
ティガ「ハイハイハイハイ来てる俺!俺来てる!!」
リオレウス「静かになー。えー、ナルガクルガー」
ナルガクルガ「……」
リオレウス「んん?寝てるな、誰か起こせー」
ティガ「テメェ起きろよナルガ」バシュッ(岩飛ばし)
ナルガ「いってぇ!ティガてめー!」
リオレウス「喧嘩やめろよー。出席取ってんだぞー。ナルガクルガいるなー?」
ナルガ「ちっ……はいいます。ティガ覚えとけよ」
ティガ「ベーーッ!!」
リオレウス「ラギアクルスー」
ラギア「はーいいるよー」
4: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:03:53 ID:W5S
リオレウス「ジンオウガー」
ジンオウガ「はーいっ」
リオレウス「ブラキディオスー」
ブラキ「はいはーい」
リオレウス「……ゴア・マガラー…」
ゴア「………ぃ…………」
リオレウス「……ゴ、ゴア・マガラいるよなー…?」
ゴア「………はい………おります……」
リオレウス「よ、よかった。えーセルレギオスー」
セルレギオス「ふっふっ、この僕が出席を取るときにいなかったことなどありますか?」
リオレウス「結構あるなー。ガムートー」
ガムート「はいっ!」
リオレウス「おっ、ガムートは今期無遅刻無欠席無早退か。このクラスで唯一だな」
ガムート「えへへ…」
リオレウス「タマミツネー」
タマミツネ「ほーい」
6: 名無しさん@おーぷん 2017/01/24(火)00:05:26 ID:1cD
結構あんのかよワロタ
5: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:04:50 ID:W5S
リオレウス「ライゼクスー」
ライゼクス「ハイ、いる!俺見参!」
リオレウス「良かったなー。最後ディノバルドー…は、今日も休みか」
ラギア「あいつまたサボりかよ」
ティガ「最近さーあいつサボり多くね?」
ライゼクス「うぜーよなー」
リオレウス「確かにここ最近休みが多いな」
ガラッ
ディノバルド「………」
リオレウス「おっとディノバルド。残念だが遅刻だぞ」
ディノ「……すいません」
リオレウス「どうしたんだ今朝は」
ディノ「……寝坊です」
リオレウス「……夜更かしすんなよー。よし、授業始めるかー」
7: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:05:46 ID:W5S
リオレウス「……あ、連絡事項。今日の五限と六限の体育は古龍科と合同だからなー」
ティガ「えっ合同?!」
ラギア「しかも古龍科!!!!」
ライゼクス「うっひょー!」
リオレウス「静かになー。あんまりはっちゃけるなよー。古龍だからなー」
ティガ「センセー今日の授業はずっと体育にしましょーよー」
リオレウス「それは無理だぞー。一限目はじめるぞー。教科書開けー」
ティガ「あっ教科書忘れた」
ラギア「俺も」
ライゼクス「俺も。ブラキ見せて」
リオレウス「先生は悲しいぞー」
ガムート「……あの、これ。私のやつ貸すよ。シェアして見たら?私、ミツネっちに見せてもらうし……」
ラギア「おー、ありがとなー」
ティガ「ラッキーだな」
ガムート「………//」
リオレウス「えーじゃあ昨日の続きなー。教科書56ページ『マンドラゴラの正しい洗い方』……」
8: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:07:21 ID:W5S
----同時刻、古龍科----
テオ・テスカトル「えっ、合同……ですか?」
シャガルマガラ「そうだ。メインモンス科とな」
ナナ・テスカトリ「嫌ね。とてもうるさそう。それに、バカばっかりって聞くけど?」
シャガル「……否定はできない。だが私の子供や、お前らと同じ古龍の奴もいるぞ」
ナナ「クシャル君、最近会ってないけど元気かしら」
テオ「そうだな、彼には会っておきたいな。そう思うだろう、キリン?」
キリン「……うん、そうね……」
キリン「(クシャル君……)」
キリン「(メインモンス科かぁ……嫌だな。気が乗らないけど…)」
キリン亜種「………」
オオナズチ「ボク楽しみだな」
ラオシャンロン「(……帰って寝たい……)」
シャガル「まあ仲良くやってくれ。向こうの方が人数が多いがな」
キリン「(尚更嫌だ……)」
シャガル「では授業を始めよう。教科書97ページ『伝説の教師』……」
9: 名無しさん@おーぷん 2017/01/24(火)00:07:56 ID:1cD
あれ、クシャル……
10: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:10:14 ID:W5S
---戻ってメインモンス科---
リオレウス「……で、マンドラゴラの効能は人間のハンターにとっては……」
ティガ「zzz....」
ラギア「…………」(ハナクソホジー)
ライゼクス「(ヒソヒソ)お前これ今週号じゃん…いつ買ったんだよ…今朝?」
ジンオウガ「(ヒソヒソ)近所に…発売日の前日に入荷する店があって…」
ブラキ「(ヒソヒソ)そこでいつも…買ってんだよ…」
ライゼクス「(ヒソヒソ)あっ!でもハン○ーハ○ター載ってない!」
11: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:11:01 ID:W5S
ティガ「zzz....」
ガムート「………」チラッ
ティガ「zzz....」
ガムート「……//」
ガムート「……(こそっ)ねぇミツネっち。ミツネっちって好きな人とかいる?」
ミツネ「……なんで急に?」
ガムート「なんとなく。ていうか、ミツネっちってその……男と女、どっちが恋愛対象なの?」
ミツネ「女の子に決まってるじゃん」
ガムート「どういう人がいいの?」
ミツネ「美しい人。……できれば竜がいいかなぁ…」
ガムート「そっかぁ。……あの……さ。そのーー、……ティガってさ、かっこいいと思う?」
12: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:12:18 ID:W5S
ミツネ「……ティガ君……?……ガムちゃんなに、ティガ君好きなの?」
ガムート「べっ!べつにそういうわけじゃないけど……」
ミツネ「ふーん。……あんまり思わないかなぁ。僕はラギア君のほうが、カッコいいと思うけどなぁ」
ガムート「そっかあ」
ティガ「zzz....」
13: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:17:25 ID:W5S
------昼休み、同じくメインモンス科------
ティガ「ふあぁ……あーよく寝た。メシかー」
ラギア「よく考えたらメシのあと体育か。体動くかなー」
ライゼクス「でも合同ってなにすんの?」
ティガ「サッカーじゃね?」
ラギア「えー俺バスケがいー」
ティガ「メシどーする?俺なんもない。金も」
ラギア&ライゼクス「同じく」
ティガ「……おっとあれはポポやん!」
ドドドド……
ティガ「よーよーポポやん。いーところに通ったじゃないの」
14: 名無しさん@おーぷん 2017/01/24(火)00:18:16 ID:1cD
ガムートはメスなの?吉田さおりなの?
15: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:18:35 ID:W5S
>>14
メスです。
16: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:19:07 ID:W5S
ポポ「!!」びくっ
ティガ「俺今日メシなくてさー。金もないんだよねー」
ポポ「……」ビクビクッ
ティガ「ここでオマエを食ってもいいんだけど…それはさすがにねー?校則違反だよねー?」
ポポ「……」ガタガタ
ティガ「だからさーちょっと……ちょっとでいいんだ、恵んでくれない?三人分!」
ポポ「……」ブルブル……
チャリン
ティガ「……うおーありがとうポポやん!マジで!また頼むな〜アッハッハッハッ」
ティガ「食堂行こうぜー」
ライゼクス「ういーっす、いつも悪いなーポポ」
ラギア「オマエのおかげでメシが食えるぜ」バシバシ
ティガ「ぎゃっはっは」
17: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:20:58 ID:W5S
------昼食後、学校・校庭------
ラギア「古龍科の担任のさー、シャガル先生って知ってる?」
ティガ「知ってる知ってる!綺麗だよなーめっちゃタイプ」
ラギア「あの人の子供って俺らのクラスにいるの知ってた?」
ライゼクス「えっ!誰?!もしやクシャル?」
ラギア「いや違う。ゴア・マガラ」
ティガ「えーあいつのー?!ゴマー?!」
ライゼクス「ゴマってなに考えてるかわかんねーしよーシャガル先生とちょっと似てるかも」
ティガ「……今更なんだけどゴマって男なの?女なの?」
ラギア「どっちでもないらしいぜ。男でもねーし女でもない」
ライゼクス「マジ?!えっじゃあシャガル先生も?!」
18: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:21:51 ID:W5S
ラギア「男でもねーし女でもない」
ティガ「ウッッソだろどう見ても女にしかみえねー!マジかよ」
ライゼクス「俺は男だと思ってたけどなぁ」
ティガ「……えーショック……でも……男じゃないなら……いやでも女でもないんじゃなぁ……」
ラギア「女だったとしてもティガじゃムリだよ!ぎゃはは」
ティガ「うっせーぞラギア」
ライゼクス「ははは……あっ」
ライゼクス「古龍科の連中が来たぜ」
ティガ「おお」
テオ「早いな、メインモンス科の奴らは…」
ナナ「そうね。もっと時間にルーズだと思ってたけど」
19: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:22:57 ID:W5S
オオナズチ「うわぁ〜みんなカッコいい〜」
キリン「…………」
キリン亜種「結構でかい奴もいるんだな……」
ラオシャンロン「(寝たい)」
ティガ「なーんかどいつもこいつもオカタイ感じ〜」
ライゼクス「あれ噂のナナちゃん?カッワイ〜」
ラギア「そうかぁ……?」
ラギア「……… …………っ!!」
キリン「(やっぱりうるさいなぁ)」
ラギア「……なぁライゼクス、あの子、誰だ?」
20: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:23:48 ID:W5S
ライゼクス「んん?……ああキリンだよ」
ラギア「キリン……」
ラギア「……(なんて美しいんだ!)……」
ラギア「……(青白い身体…透き通る青い角!さすが古龍…!)……」
ティガ「……ラギア?」
ラギア「………………………」
キリン「(クシャルくん、来てるな…)」
クシャル「…………!」
クシャル「…………………」ふいっ
キリン「(……目、逸らされちゃった……)」
21: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:29:19 ID:W5S
テオ「やあクシャルくん、久しぶりだね」
クシャル「……テオか」
ナナ「ねぇ、いつまでもメインモンス科になんていないで古龍科に編入してきたらいいのに」
オオナズチ「わぁ〜わぁ〜クシャルくんだぁ〜久しぶりだねっ久しぶりだねっ」
キリン亜種「元気だったかい」
ラオ「ちょっと錆びてきたなー」
テオ「君はサークルも辞めてしまったし、めっきり会う機会がなくなってしまったじゃないか」
22: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:30:24 ID:W5S
キリン「(クシャルくんが編入してきたら……)」
キリン「(…………どうしよう……)」
クシャル「……気持ちは嬉しいけどね。俺は古龍だけどメインモンスだし、あのクラスも結構居心地がいいんだ」
テオ「でも仲の良い奴なんていないだろう?」
クシャル「…………」
ナナ「どうしてサークルを辞めてしまったの?あまりにも突然過ぎたじゃない」
クシャル「…………」
キリン「(!……クシャルくんがこっちを見た)」
クシャル「……まぁ、気まぐれだよ」
テオ「なにかもっと理由g……」
ライゼクス「ねぇねぇーーお姉さん、ナナさんでしょ?初めて会うね!」ずいっ
ティガ「体も青くってさぁ〜〜すげーカワイイじゃん」
23: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:31:38 ID:W5S
テオ「……!おい、ナナから離れろ!!」
ナナ「……誰ですの、あなたたち」
ライゼクス「メインモンス科の〜〜ライゼクスで〜〜すっ」
ティガ「ティガレックスで〜〜す」
ラギア「…………」
ティガ「あれ?」
ライゼクス「おーいラギア?」
ラギア「……あ!ら、ラギアクルスと申します」
ティガ「ラギアクルスと『モウシマス』だぁ〜?」
ライゼクス「どうしたんだよお前!」
24: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:32:55 ID:W5S
キリン「(……この人、ずっと私を見てる……)」
ラギア「…………」
キリン「(……なんなの?)」
ラギア「…………あの、さ」
キリン「(……寄ってきた!嫌だ!)」
バリバリバリバリッ
ティガ「うわっひでぇ!雷撃!!」
ライゼクス「……でもラギアには効かないだろ?」
ラギア「………(この……甘い衝撃!!!)………」
ラギア「…………いや、よく効いたよ……」
ティガ&ライゼクス「ハァー?!」
25: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:34:34 ID:W5S
テオ「……意味がわからん。じゃあクシャルくん、今度食事でも」
ナナ「先生が来そうだから、またあとで」
オオナズチ「楽しみだねー!」
ガムート「………」
ガムート「(……ティガ、やっぱりナナさんに話しかけてる……)」
ガムート「(シャガル先生が来たら、きっと先生にも話しかけるわ)」
ガムート「(大体、馴れ馴れしいのよね、いろんな人に)」
ミツネ「……あたしだってティガとお話しがしたいのにぃ!古龍だからってずるいずるいー」
ガムート「うわっ、み、ミツネっち」
ミツネ「考えてること当たったー?」
ガムート「……よくわかるね」
ミツネ「ははは」
ミツネ「ガムちゃんも水臭いな。教えてくれればいいのに」
ガムート「ごめんね。……私、こんな見た目だから、恋してるなんてガラじゃないかなって……」
26: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:35:24 ID:W5S
ミツネ「なにそれ?見た目なんて関係ないでしょ」
ガムート「……うん。でもミツネっちは美しい人じゃなきゃダメなんでしょ?」
ミツネ「それは僕のタイプってだけ。恋するのに見た目がどうこうは関係ないよ。それにガムちゃん可愛いじゃない」
ガムート「ありがとう。……私、体が大きいから、それを気にしてるんだ」
ミツネ「でも君は最小銀冠サイズじゃないの」
ガムート「うん……」
ミツネ「ティガ君を好きなら、コンプレックスは克服しなきゃ」
ガムート「……ありがとう。ミツネっち優しいね」
ミツネ「普通だよ」
リオレウス「やーやー遅くなったね」
シャガル「全員いるようだな」
ミツネ「先生たち来たね」
27: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:36:12 ID:W5S
ティガ「ハイッセンセー!!体育なにするんですか!なにするんですか!!!!」ドドドドド……
リオレウス「はい、先生の周りをぐるぐる走らない」
シャガル「(うるさい)」
ライゼクス「俺サッカーとかバスケがいいんですけどー」
ラギア「…………」
リオレウス「そうだなー今日は……」
ラギア「…………」
ラギア「(………キリンちゃん………)」
ラギア「(どーしようマジ可愛い……なんだこの気持ちは……)」
ラギア「…………」チラッ
キリン「…………!」
キリン「(またあの人……)」
ラギア「…………」ペコッ……
キリン「(……?なんなの、あの人………体長すぎだし……こっち見てるし)」
ラギア「(……目が合っちゃったーー!)」
28: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:37:05 ID:W5S
------体育後、メインモンス科------
ティガ「あっつ!マジあっつ!まさかサッカーとバスケ両方やるとはなー」
ライゼクス「帰り湖寄ってかね?」
ティガ「それアリ!」
ラギア「……」
ティガ「なーラギア、お前なんでずっと黙ってんの?」
ライゼクス「ハラいてーのー?」
ラギア「……なぁティガ、お前、黒ディアブロスとまだ続いてんの?」
ティガ「ハァーー?!んだよ急に」
ティガ「とっくに別れてるっつーの」
ライゼクス「あーそうだったんだ」
ライゼクス「あんなにラブラブだったのに」
ティガ「なんなんだよ!」
ラギア「なんで別れたの?」
29: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:37:56 ID:W5S
ティガ「えーー?!……あいつ見た目は激カワだけど性格ちょー凶暴でさーすぐ怒るんだよね」
ライゼクス「いるいるそういう女」
ティガ「デートの時にさーちょっと遅刻したんだよ、30秒」
ティガ「そしたら『遅い!!』つって地面に潜ってさー」
ティガ「ちょー強力な突き上げ攻撃してきたんだよ」
ライゼクス「うっわ、キッツwwww」
ティガ「そんで俺、『あ、コイツとはもう終わりだな』って思ったね」
ラギア「……そうなんだ」
ラギア「ライゼクスは?桜リオレイアと、どうなの?」
ライゼクス「いやんもう超ラブラブ?」
ラギア「そうなんだ」
ティガ「なになにーお前、恋した系?」
ライゼクス「恋した系なのー?!」
ラギア「…………そーかもしれん」
ティガ「え…………」
ライゼクス「マジか…………?」
30: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:38:55 ID:W5S
------放課後、どこかの山------
ディノバルド「……すいません。無理です」
???「(バリッバリッ)あぁ?なにが無理だってんだァ?」
ディノバルド「俺にはできないです」
???「(ムグ……)できるできないは聞いてねェよ」
???「やれよ」
ディノバルド「……すいません。勘弁してください」
ディノバルド「先輩の好きなアプケロスとか、」
ディノバルド「いっぱい取ってくるんで……許してください」
???「(ガツガツ)許すかは置いといて今すぐ取ってこいな」
???「じゃねェと……わかってるよな?」
ディノバルド「…………はい」
31: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:41:20 ID:W5S
------同じく放課後、渓流------
ラギア「(ティガもライゼクスも恋愛経験があるのに)」
ラギア「(俺だけないんだな……)」
ラギア「(それにしてもキリンちゃん、可愛かった……)」
???「……い、…………いね、……ち」
???「………ら……に………ぶ?」
ラギア「(誰か来たな)」
ラギア「(学校の連中か?)」
ラギア「(ハンターじゃないだろうな……)」
???「……ハァ、ハァ……ミツネっち……きっつぅーー」
???「ねーホント、無理しないでよ……もうすぐ滝だよ!体冷やそうよ」
ラギア「あ」
ラギア「お前ら……!」
32: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:42:19 ID:W5S
???(ミツネ)「えっ?あっ!ラギア君だ、ガムちゃん、ラギア君だよ」
???(ガムート)「わっ!本当だ!ラギア君……!」
ラギア「ぐーぜんだな」
ミツネ「珍しいね、今日は渓流に来たんだ」
ラギア「ああ、なんとなくだけど……って、おい」
ラギア「なんでガムートがここにいるんだ?」
ガムート「ハァ、ハァ……あのね……ふー、ミツネっちの巣に泊まろうと思って」
ラギア「???なんでまた?お前、寒いところじゃねぇと無理だろ」
ガムート「うん……はー、ギリギリ渓流なら、いけると思ったんだけど……まだ密林とかよりマシなんだけど、結構あついよ」
ミツネ「僕も、やめたほうがいいって言ったんだけどね。どうしても来たいって」
ラギア「……ミツネの巣に泊まりにきたのか。……ってことは……」
ラギア「………」
ラギア「……あー、なんだそーいうこと」
ミツネ「え?」
ガムート「えっ?!えっ?!!!なに?!!えっ、違うよ?!!友達だもん!」
33: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:43:23 ID:W5S
ラギア「いーって、いーって。隠さんでも。俺も誰にも言わねーし。……ティガとライゼクス意外には」
ガムート「(ティガ?!)だ、ダメだよ!本当に違うの!!」
ミツネ「ラギア君。誤解だよ」
ラギア「……ふーん?」
ラギア「まぁ、そう言うなら信じるけど」
ラギア「でもフシギ。わざわざ渓流まで来たがる理由があんのか」
ガムート「うっ、うーん。それはーー……」
ミツネ「ガムちゃんが折り入って僕に相談したいことがあるんだって」
ラギア「ほーん?恋愛相談?」
ミツネ「まぁそんな感じ」
ガムート「みっ、ミツネっちーー……」
ラギア「なるほど」
ミツネ「僕は暇だからね。ガムちゃんの話を聞いてあげることくらいしかできないけど……」
ラギア「……いーねぇ。相談できる相手がいるってのは」
ミツネ「ティガ君とライゼクス君がいるじゃない」
34: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:44:12 ID:W5S
ガムート「(ティガ……)そ、そうだよ」
ラギア「……いーやダメだ。ぜってーあいつら、からかってくるし」
ミツネ「からかわれるようなことで悩んでるの?」
ラギア「(ぎくっ)」
ミツネ「まあ、概ね恋愛関係の悩みかと思うけど」
ラギア「……ミツネお前、すげぇな……」
ミツネ「当たりなんだ」
ガムート「ラギア君、好きな人がいるの?」
ラギア「……うん、まぁ……好きっていうか、なんていうか……」
ラギア「か、可愛いなって、気になるんだ」
ミツネ「……ふーん。その話、詳しく聞きたいかも」
ミツネ「ここじゃなんだから、洞窟に入ろう」
ミツネ「洞窟の中は結構涼しいから、ガムちゃんもきっと大丈夫」
ガムート「うん、ありがとう」
ラギア「(乗せられた……?)」
35: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:45:14 ID:W5S
------同じく放課後、森丘の湖------
ライゼクス「今日のラギアさー、様子変だったよな」
ティガ「思った!メッチャ変。あいつバスケ好きなくせにずっとボーッとしてるし」
ライゼクス「サッカーの時なんかずっとオウンゴールだぜ?」
ライゼクス「意味わかんねーよ」
ティガ「俺たちの恋愛の話聞いてみたりして、やっぱ好きな女でもできたのかな」
ライゼクス「にわかには信じらんねー」
ライゼクス「あいつ今までそんなんなかったし、バスケ命だったじゃん」
ティガ「もしそうなんだとしたら誰だろうなー」
ライゼクス「体育の時から変だから、ナナちゃんにでも惚れたのかな」
ティガ「シャガル先生かも!!」
ライゼクス「いやーー性別ないって知っててわざわざそれはねーべ」
ライゼクス「あとは……ああ、キリンとか」
ティガ「あー、あの小さいやつ?でも思いっきり雷落とされてたよな」
ティガ「雷落としてくる奴に惚れるとも思えねーし……」
ライゼクス「ガムートかも」
ティガ「ぶはっ、ねーよ!ないない!」
ライゼクス「ぎゃはは、そーだよなー」
ティガ「ラギアのことだからミツネって線もあるな」
ライゼクス「いやミツネ男だし」
ティガ「でも顔は女みたいだしさ〜」
ライゼクス「考えててもわからんなーー」
ティガ「ホントだなーー」
36: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:46:10 ID:W5S
------戻って渓流------
ラギア「……て、わけで、俺の心にもイナズマが走ったわけです」
ミツネ「へぇぇーー、一目惚れってわけね」
ガムート「そのキリンって子と私、友達だよ」
ラギア「えっ?!!!!」
ガムート「私、基本的には雪山にいるんだけど……キリンちゃんも、結構雪山に来るから、仲良くなったんだ」
ラギア「うっっっそ?!!!マジで?!!」
ガムート「うん。いい子だよ」
ラギア「な……仲取り持ってください」
ガムート「うん、いいけど……」
ミツネ「ガムちゃんもさ」
ミツネ「取り持ってもらったら?」
ガムート「……えっ?!」
ラギア「ん?なんかあんの?」
ミツネ「話したら?」
ガムート「……えーーーー……」
37: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:47:01 ID:W5S
ラギア「そーいや、ガムートがミツネに相談したかったことって、なんなんだ?」
ラギア「好きなやついんの?」
ガムート「…………うん…………」
ラギア「おーーー。誰?塔学校のやつ?」
ガムート「……うん」
ラギア「誰にも言わねーよ。……ティガとライゼクス意外には」
ガムート「(ティガ!!)じゃっ、じゃあダメっ!!」
ラギア「んーーーだよ。……ハッもしや」
ガムート「(ばれた……?)」
ラギア「俺?」
ガムート「いや違うかな」
ラギア「即答かよ」
ミツネ「ちゃんと話せば、ラギア君誰にも言わないと思うよ。ラギア君の弱みも握ってるしね」
ラギア「弱みってお前……」
ガムート「………うん、話すよ」
ミツネ「頑張って」
38: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:48:00 ID:W5S
ガムート「……あの、ね」
ラギア「うん」
ガムート「…………ティガ」ぼそっ
ラギア「……ん?……えっ、ティガ?!」
ガムート「…………//」コクッ
ラギア「おーーー…………わーー……ティガねぇ」
ガムート「………うん。……おかしいよね」
ラギア「いやおかしくねーよ。……にしても、全然仲良くねーじゃん」
ガムート「そうなんだよね〜……」
ラギア「友達の俺が言うのも何だけどさー、どこがいいの?あんなの」
ラギア「うるせーし顔もイカツイだろ?」
ガムート「……ティガは、雪山によく野良ポポを食べに来るんだけど」
ラギア「そうだな。あいつポポ好きだもんな」
ガムート「よく見かけてて、かっこいいなって思って」
ラギア「……そうかぁ……?」
ガムート「前にね、いつもみたいにポポを食べに来たときに」
ガムート「初級ハンターのパーティーと遭遇して、ライトボウガンで撃たれてて」
ラギア「なんか聞いたことあるかも」
ガムート「ずっと撃たれ続けてるのに、構わずにポポを食べてたんだよね」
ガムート「ハンターが初級の奴らだからって、構わずに……//」ボッ
39: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:49:12 ID:W5S
ラギア「……撃たれてるのに平然としてた姿に、惚れたってことか」
ガムート「…………うん……//」
ラギア「(どっちも変わった奴……)なるほど、ありがとうな、話してくれて」
ミツネ「僕もね、今日知ったんだ。ガムちゃん、教えてくれてありがとう」
ラギア「そうなのか。お前ら仲良いのに」
ガムート「恥ずかしくて……。私みたいな大きな身体で、ティガを好きとか」
ラギア「いや、体の大きさは関係ないと思うぜ?」
ガムート「……そう?」
ラギア「おお。慰めとかじゃなくて実際に、元カノとかあいつよりデカイ奴いたことあるし」
ガムート「やっぱり元カノいるんだ……」
ラギア「……あー、まーな。あいつ結構遊んでるからよー」
ミツネ「ちょっとチャラチャラしてるよね」
ガムート「今は付き合ってる人とかいるのかな……?」
ラギア「いや?いないはずだぜ。結構長く付き合ってた奴いたけど、そいつとは別れたって、たったさっき聞いたから」
ガムート「その、長く付き合ってた元カノさんって、誰だかわかる……?」
40: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:50:10 ID:W5S
ラギア「黒ディアブロス。飛竜亜種科の」
ミツネ「あー可愛い子ね」
ガムート「ミツネっち、知ってるの?」
ミツネ「まあね。可愛い竜さんはリサーチ済み」
ガムート「そ、そうなんだ。でも確かに、飛竜亜種科って派手で、女の子もギャルっぽいよね……」
ガムート「他にも……いるのかな?付き合ってた人」
ラギア「……大丈夫なのか?そんなに聞いて」
ミツネ「過去いろいろ探って、ショック受けない?」
ガムート「……受けるかも!でも、気になるし」
ガムート「ティガの好みの子を探って、それに近づけるようになる!」
ラギア「おー、それならまあ、いいのかな」
ラギア「えーと黒ディアブロスの前は月ナルガと付き合ってたかな」
ガムート「ナルガクルガ希少種さん?!ナルガ君のお姉さんの?」
ラギア「そうそう。ナルガああ見えてシスコンだから、大好きな姉ちゃんティガに取られていじけてたんだぜ」
ラギア「だからいまでもあの二人は仲が悪い」
ガムート「そういう関係があったのね」
41: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:54:14 ID:W5S
ミツネ「月ナルガさんも、美人だよね」
ラギア「あいつ面食いだからな。そう言えばシャガル先生を狙ってたっぽいな」
ガムート「やっぱりね。……ティガは女好きっぽく見えてたから、シャガル先生を気に入りそうとは思ってたけど……」
ラギア「まあ、シャガル先生に性別がないって知ってショック受けてたから、もう狙いはしねーだろうけどなー」
ガムート「…………そっかー」
ラギア「そんなしょげんなよ。方法はいくらでもあるはずだ」
ラギア「よし、そうだな……明日俺がティガに、ガムートのことをどう思っているのかそれとなく聞いてやるよ」
ガムート「ほんとっ?!そ、それとなくだよ?!わかんないように!!」
ラギア「だいーじょぶ、だいーじょぶ。まかせろ」
ガムート「じゃあ、明日はキリンちゃんと3人で一緒に帰ろう」
ラギア「マジっすか?!!!うわっ、どうしよう!!」
ガムート「ふふふ」
42: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:55:23 ID:W5S
ミツネ「二人とも、良かったね」
ミツネ「この際僕も話そう」
ガムート「え……何を?」
ミツネ「僕、実は一ヶ月前から彼女います」
ガムート「えーーーっ!!!!」
ラギア「んだよオイオイーーー、リア充かよ」
ガムート「ミツネっち、今日好きな人いるか聞いたじゃーん!!」
ミツネ「はは、ごめんごめん」
ラギア「で、誰なんだ?彼女は」
ミツネ「白ラギアさんだよ」
ラギア「うお、俺、イトコだぜ」
ミツネ「知ってる。ガムちゃんごめんね、話さなくて」
ガムート「もーー、ミツネっちこそ水臭いじゃーん」
ガムート「でも、知れてよかった!なんかもっと仲良くなれた気がするね」
ミツネ「ははは、そうだね」
ラギア「なんか楽しーなー、よし、今日は盛り上がろうぜ」
ガムート「そうしよー!」
43: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)00:56:06 ID:W5S
ミツネ「じゃあ僕はごはんにするお魚とかをとってくるよ」
ラギア&ガムート「よろしくー!!」
ミツネ「(ふー、なんか勢いで喋っちゃったけど)」
ミツネ「(まぁいいか……あの二人だし)」
矢文アイルー(黒)「タマミツネ様ー、タマミツネ様ニャー?」
ミツネ「おっと。矢文が来たのかい」
矢文アイルー(黒)「そうですニャー。孤島から、渓流のタマミツネ様に矢文ですニャ」
ミツネ「(孤島……)ありがとう。いつも悪いね」
矢文アイルー(黒)「とんでもないですニャー。それでは失礼しますニャー」
ミツネ「(孤島から矢文か……)」
ミツネ「(まあ誰からだか大体わかるけど)」
パサ
『ミッくん。
今夜会いたいな。
白ラギア』
ミツネ「(…………)」
ミツネ「(めんどくさ…………)」
グシャッ
45: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:32:39 ID:W5S
------翌日、学校・メインモンス科------
ラギア「おはよー」
ティガ「おー」
ライゼクス「おはよーさん」
ラギア「ティガ、あのさ」
ティガ「お?」
ラギア「お前、ガムートのことどう思う?」
ティガ「……は?ガムート?」
ラギア「うん。どう思う?」
ライゼクス「(コイツやっぱ昨日から変だ……)」
ティガ「どうって……え?どーいうこと?」
ラギア「えーと顔とかさ」
ティガ「顔……顔ねぇ」
ティガ「(コイツ……ガムート狙ってんのか?)」
ティガ「や、全然タイプじゃない」
ラギア「……そうか」
ティガ「でもよく見るとそんなにブスではない……と思うぜ?」
ティガ「ふつーの顔だよな?ライゼクス」
ライゼクス「あ、あー。うん、悪くはないんじゃね?」
ラギア「おー、そうかそうか」
ティガ「何なんだ?急に」
46: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:33:24 ID:W5S
ラギア「いや別に。……便所行くわ」
ティガ「……行っトイレー」
ティガ「(こそっ)なあ、変だぜ」
ライゼクス「(こそっ)ああ、変だな」
ティガ「やっぱり好きな女が出来たのは確定だな」
ライゼクス「しかもガムートっぽいな……」
ティガ「わけわかんねー趣味だな」
ライゼクス「まぁでも、応援してやろうぜ」
リオレウス「おーいチャイム鳴ったぞー」ガラッ
48: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:34:16 ID:W5S
------昼休み、学校・食堂------
ティガ「おっちゃん。俺生肉A定食ね」
クック「あいよ。えーと、デザートは生肉だよね」
ティガ「そーそー」
ライゼクス「俺最近すげーことに気付いてさー」
ティガ「なになに?」
ライゼクス「生肉は、焼いてもうまい!」
ティガ「は?!なにそれ!焼いた生肉?!」
ライゼクス「焼くと生肉って呼ばないらしいぜ」
ティガ「マジ?!なに?!」
ライゼクス「焼肉!!!」
ティガ「うっそ!それスゲーッ」
ラギア「………」きょろきょろ
ラギア「(キリンちゃん、いねぇかな)」
クック「お兄さん、どうするの?」
ラギア「(キリンちゃん……)」
クック「ちょっと、お兄さん」
ティガ「……おいラギア!」
49: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:35:08 ID:W5S
ラギア「(はっ)えっ?なに?」
クック「ゴハン。なににするの?生肉A定食?」
ラギア「あっ、うん。デザートも生肉で」
クック「あいよ〜」
ティガ「なーデザートくれよ」
ラギア「……いいよ」
キリン「やだ、お兄ちゃんたら……ふふふ」
紫キリン「それでその××を……」
オオナズチ「紫くんは面白いなぁ〜」
ラギア「(あっ!キリンちゃんだ!)」
50: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:36:01 ID:W5S
ラギア「…………」
ラギア「(カッワイ〜)」
ライゼクス「なに鼻の下伸ばしてん……あっ!」
ガムート「キリンちゃ〜ん」
キリン「あら、ガムちゃん」
ラギア「…………」デレデレ
ライゼクス「(ひそっ)ティガ、あれ見ろよ……ラギアの視線の先」
ティガ「(ひそっ)あん?……あっ、ガムート」
ライゼクス「あいつガムート見て鼻の下伸ばしてるぜ」
ティガ「きもっ」
ラギア「(今日、一緒に帰れるんだよな……緊張してきた)」
51: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:37:07 ID:W5S
ライゼクス「ティガ、焼肉食べる?」
ティガ「あー食ってみてーな。どんぐらいウマイか」
ライゼクス「よっしゃ」
ジジッ ジュウ…………
ティガ「おお、雷撃で……」
ライゼクス「あんまり焼きすぎないのがコツだぜ。ほらよ」
ティガ「あ、ホントだうめぇ」モグ
ライゼクス「だろ、結構あなどれねーよな」
ラギア「(キリンちゃんなに食べてんのかな……)」
ティガ「雷撃使えるのってべんりだよなー。俺なんにも使えねーもん」
ライゼクス「あーまぁ、便利っちゃ便利かな」
ライゼクス「暗いとことか」
ティガ「だろー?お前ら二人とも雷属性だもんなー。いいなー」
ラギア「(そういえばキリンちゃんも雷属性か……)」
ライゼクス「ティガだって雪ボール投げれるだろ」
ティガ「……ボール言うな。あれは雪山と氷海限定よ」
ラギア「(……雪山!)」
52: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:38:02 ID:W5S
ラギア「あのさティガ」
ティガ「あ?」
ラギア「雪山には、どのくらいの頻度で行ってるんだ」
ティガ「……あー、最近は氷海が多いから、雪山は4〜5日にいっぺん、かな」
ラギア「その……会ったことあんのか?(キリンちゃんと……)」
ティガ「(ガムートのことか?)会うっていうか、見かけるくらいだぜ」
ティガ「でもあいつ氷海にも来るけど……」
ラギア「えっ?!そうなの?!氷海にも?!」
ティガ「おお……見かけても俺は話さないけどな」
ラギア「はぁ〜〜俺も、寒いところに適応したかった」
ティガ「(コイツ……そんなにガムートのことが……)」
ライゼクス「(本気だな)」
53: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:38:49 ID:W5S
------放課後、メインモンス科------
ティガ「なーラギア、帰りに遺跡平原でケルビ狩りしない?」
ラギア「あーー俺パス、わりぃな、先約が……」
ライゼクス「なんだよ付き合いわりーよ」
ラギア「まじゴメン!今度埋め合わせするから!」
ティガ「しゃーねーなーー絶対だぞ!」
ラギア「おう、じゃな!」
ティガ「…………」
ライゼクス「…………」
ラギア「待たせたな〜行こうぜ!(キリンちゃんの迎えに!)」
ガムート「(キリンちゃんと帰るの)楽しみだね〜〜」
ティガ「あいつわかりやすいなぁ」
54: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:39:29 ID:W5S
ライゼクス「つーかあれってもはや付き合ってね?」
ティガ「ガムートと二人でどこ行くんだろうなぁ」
ライゼクス「さぁ……氷海で海水浴とか?」
ティガ「ラギア凍るだろ」
ライゼクス「なんでまたガムートなんだか」
ティガ「さぁなーーー」
55: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:40:32 ID:W5S
------同じく放課後、裏門前------
ミツネ「……………」
ミツネ「(遅いよ、いつも)」
白ラギア「あっ!ミッくーーん!」
ミツネ「!」
白ラギア「ごめん、遅れたー!待った?」
ミツネ「……いや、待ってないよ」
白ラギア「もー、ミッくん昨日の矢文無視したでしょ!」
ミツネ「あーごめんね。寝ててさ。朝起きたら頭の横に矢文が来てるの気付いたから……」
白ラギア「ホントなのー?」
ミツネ「ホントホント」
56: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:41:25 ID:W5S
白ラギア「今日は孤島のあたしの巣に来るでしょ?」
ミツネ「うん」
白ラギア「お兄ちゃんも来てるんだよ!」
ミツネ「え…………っ」
ミツネ「冥ラギアさんが……?」
白ラギア「そうだよ!いつもは来てもすぐ海底遺跡に帰っちゃうけど、今日は泊まってくって」
ミツネ「そ、そうなんだ」
ミツネ「僕も泊まろうかな」
白ラギア「ホントに?嬉しい!」ぎゅっ
ミツネ「はは……」
ミツネ「(冥ラギアさん……)」
57: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:42:31 ID:W5S
------同じく放課後、正門を出たところ------
キリン「あの、ガムちゃん」
ガムート「なーに?」
キリン「そちらの方が、昼休みに言ってた、ラギアさん?」
ラギア「(ドキッ!)は、はい」
ガムート「そうだよ〜同じクラスの!」
キリン「(確か昨日、私が雷を落とした人だわ……)」
キリン「(仕返しをしに来たのかしら)」
キリン「ラギアさん」
ラギア「(ドッキィーッ)はいっ!俺?!」
キリン「あの昨日……ゴメンなさい」
ラギア「へっ?!なにが?!」
キリン「私、いきなり雷を落としちゃって」
ラギア「や!!大丈夫!!俺には効かないから!!(でも恋の衝撃は効いたぜ!)」
キリン「そうなの……?雷が、効かない?」
ガムート「ラギア君は、キリンちゃんと同じ雷属性なんだよ」
ガムート「それを昨日知って、同じ属性だから仲良くなりたいんだって!」
ラギア「(ナイス、ガムート!)そ、そうなんだよ」
58: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:43:56 ID:W5S
キリン「そうだったの。……私、人見知りだから、ついつい落としちゃうのよね」
キリン「お兄ちゃん以外に雷属性のお友達っていなかったから、嬉しいな」
ラギア「(どっひゃー!!)俺も嬉しいっ!か、雷属性かっこいいよな」
キリン「うん……でも」
キリン「傷付けるくらいなら、こんな属性ないほうがいいかな」
ラギア「…………?」
キリン「それに、龍属性のほうがかっこいい」
ラギア「あーそれはわかる、俺のクラスにも龍属性持ってる奴いるけど、かっこいいもん」
ガムート「あ、クシャル君ね。彼かっこいいよね〜〜」
キリン「(クシャル君……)」
ラギア「あれ?同じ古龍で……知り合いだったりする?」
キリン「……うん、サークルが一緒だった」
ラギア「サークル!なんのサークル?」
キリン「『気候操り会』ってサークルなんだけど」
ガムート「すごいサークルだね……」
59: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:46:01 ID:W5S
キリン「古龍のみんなで集まって、どれだけ気候を操れるのかを研究するんだ」
キリン「とても楽しいの」
ガムート「私も入れるのかな〜?雪、降らせるかも」
ラギア「俺も!雷が……」
キリン「ごめんね、古龍限定なの……」
ガムート「ざんねん!」
ラギア「ど、どうしてもダメ……?」
キリン「……ごめんね」
ラギア「(こそっ)なぁガムート、俺嫌われてない?」
ガムート「(こそっ)そんなことないよ!キリンちゃんは人見知りなの」
キリン「ところで、帰る場所は雪山なんだけど、ラギアさんは大丈夫?」
ガムート「あっ……」
ラギア「…………」
ラギア「大丈夫、火山じゃなければ(あんまり行きたくないけど)」
60: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:47:13 ID:W5S
------同じく放課後、遺跡平原------
ティガ「ラギアいねーとイマイチつまんねーよな」
ライゼクス「わかるわー」
ティガ「ケルビ、狩るのは楽しいけどあんまうまくねーんだよな」
ライゼクス「そう?俺結構すきー」バリッ、バリッ
ティガ「やっぱりポポが一番」
ライゼクス「まぁ……ポポはうまいな」
ライゼクス「でもガーグァもうまいと思うぜ」
ティガ「ガーグァ焼いて焼肉にしない?」
ライゼクス「あーそれさ、ガーグァって鳥じゃん」
ティガ「?おお、鳥だけど」
ライゼクス「鳥の肉は、焼いても焼肉にはならない」
ティガ「へ!!なんで?」
ライゼクス「焼鳥になる!!!!」
ティガ「うっっわ!!!それ面白い!!!」
ティガ「帰ったら兄ちゃんに教えよう」
ライゼクス「黒ティガさん元気?」
ティガ「あー元気元気。うぜーくらい」
ライゼクス「一番上の姉ちゃんは?えーと、大ティガさん?」
ティガ「あいつそんなに帰って来ねーからあんま会わないけど」
ティガ「まーたぶん、元気」
61: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:48:19 ID:W5S
------夜、旧砂漠・ティガレックスの巣------
ティガ「黒兄(くろにい)ただいま〜〜〜」
黒ティガ「………zzz」すぴーすぴー
ティガ「んだよ、寝てんのか」
ティガ「カワイイ弟がただいまって言ってんのに」
ティガ「……起きて出迎えろやボケコラァァァ!!!」(バインドボイス大)
黒ティガ「……うっっっっ…………るせぇぇぇぇぇぇ!!クソガキてめぇぇぇ」(バインドボイス特大)
ティガ「なんで俺が帰る前に寝てんだよ!!!起きろよ!!!」
黒ティガ「ハァー?!なんで俺がテメェを待ってて起きてなきゃなんねーんだよ!!」
ドタドタドタ……(取っ組み合い)
ティガ「それが兄の務めってやつだろーーがっ!!!」
黒ティガ「ざっっけんな、テメェこそ俺より早く帰って俺を出迎えろや!!」
ティガ「意味不明!!!!しね!!」
黒ティガ「お前が死ね!!俺は長男だぞ!!!」
ドタドタドタ……
大ティガ「……うるっさいわねぇーーーなにやってんのよーーー!!!!」(バインドボイス超特大)
ティガ「!!!!」ビリビリビリ…
黒ティガ「!!!!」ビリビリビリ…
大ティガ「……はー。たまに帰ってくるとこれだから嫌だわ」
62: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:49:56 ID:W5S
ティガ「姉ちゃん!!なんだよ、帰ってきてたのか」
大ティガ「そーよ。矢文送ったじゃない」
ティガ「あ………」
大ティガ「まあ、見てないだろうとは思ったけど」
黒ティガ「姉ちゃんがせっかく帰って来てんだから、俺も早く帰ったんだよ」
ティガ「……そーだったのか」
大ティガ「アンタらいい加減に大人になりなさいよ」
黒ティガ「俺はもう大人だぜ」
ティガ「ハ!!!俺の方が大人だね」
黒ティガ「んだとぉ?!いつも先に……」
大ティガ「やーめーなーさいっ!」ギュウウウ
ティガ「いってててて、姉ちゃんごめん」
黒ティガ「耳ひねるのやめろよー!痛い!」
大ティガ「はー、ティガあんた、ご飯どうするの?」
ティガ「あーー、もう食ってきた」
大ティガ「あっそう。せっかく用意したのに」
黒ティガ「姉不幸なクソ弟だな、お前は」
ティガ「うそ!!食べます、食べます」
ティガ「アプケロスの肉にガレオスのキモが乗ってて」
ティガ「姉ちゃんのメシ、じつにうまい」
黒ティガ「ところでよー、姉ちゃん今何処に住んでんの?」
大ティガ「今は、水没林に住んでる」
大ティガ「でも、もうすぐ引っ越すことになった」
63: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:51:34 ID:W5S
ティガ「え?なんで?」もぐもぐ
大ティガ「……うん。今日はそのことで、話したいことがあったから帰ってきたの」
黒ティガ「なに?深刻な話?」
大ティガ「…………」
大ティガ「……私ね、結婚することになったの」
ティガ「?!」
黒ティガ「け……」
ティガ&黒ティガ「結婚ンンン?!!!!」
ティガ「ちょ、姉ちゃん!!結婚ってマジ?!」
黒ティガ「相手誰だよ相手」
ティガ「なんだよ子ども出来たのかーーー?!」
黒ティガ「それでどこに引っ越すんだよ!!!!」
大ティガ「ちょっと、ちょっと。一気に話さないでよ」
大ティガ「子どもなんてまだいないから」
ティガ「…………ほんとに結婚すんの?」
大ティガ「うん。やっぱ寂しい?」
ティガ「ばっ………寂しいわけねーし!調子のんなデブス!!」
黒ティガ「正直俺は寂しい」
ティガ「…………」
大ティガ「まぁ、アンタたちも大きいし、頃合いかなって」
64: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:52:20 ID:W5S
黒ティガ「寂しいけど、姉ちゃんの幸せを願うよ」
黒ティガ「お前もだろ?ティガ」
ティガ「……おーおーおめでとさん!!良かったな行き遅れなくて!!ババア!!!」
大ティガ「なんでアンタはいつも口が悪いのよー」
ティガ「てめーに似たの!!早く嫁行っておしとやかになりやがれ!ハゲ!」
黒ティガ「おいティガ、落ち着けよ」
ティガ「落ち着いてるし?!ちょーホッとしてるし!」
ティガ「ハッピーウェディングババア!」
大ティガ「……ほんとに祝ってんの?」
ティガ「祝ってるし!!わーーーきゃーーーオメデトーオメデトー」
ティガ「寝る!」ドスドス…
黒ティガ「…………」
大ティガ「…………」
大ティガ「……やっぱりまだ、早かったかなぁ」
黒ティガ「いや、いつ言ってもあいつはあの調子だよ」
黒ティガ「動揺したんだろうけど、素直だから、姉ちゃんを祝わないってことはねーよ」
大ティガ「うん。……心配だけど、アンタ頼むわね」
黒ティガ「おう、大丈夫だよ」
65: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:53:13 ID:W5S
------同時刻・同じく旧砂漠、遠くの岩場------
ズルッズルッズルッ
ディノバルド「……ヒュー、ヒューーッ」
ズルッズルッ
ディノバルド「…………」
ディノバルド「(くそっ、あの野郎)」
ディノバルド「ヒューッ」
ディノバルド「(殺してやる殺してやる……)」
ズッ、ズッ、ズッ
ドッ
ディノバルド「(体が……もう……)」
66: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:54:03 ID:W5S
ディノバルド「(ダメだ、休もう)」
ディノバルド「(…………)」
バサッ、バサッ
セルレギオス「あっれ〜?ディノ君。ふっふ、なーにやってんの〜?」
ディノバルド「……!セルレギオス……!」
セルレギオス「『センパイ』がさぁ〜、キミの様子、見てこいって言うから」
ディノバルド「テメェ……」
セルレギオス「サボりはダメだよ〜?」
ディノバルド「………うるせぇよ……」
セルレギオス「なに?うるさいって?うるさいって何?」
セルレギオス「僕の何処がうるさいの?」
ディノバルド「…………ッ!」
セルレギオス「アッハハハ」ヒョイッ
セルレギオス「僕空飛べるの知ってるでしょ?無駄だよ、そんな攻撃」
セルレギオス「早く戻りなよ、『センパイ』が待ってるよ」
ディノバルド「………」
67: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:54:53 ID:W5S
------同じく夜、孤島・ラギアクルス亜種の巣------
白ラギア「あっ、お兄ちゃん戻ってきた」
ミツネ「!」
白ラギア「お兄ちゃん、おかえりなさい〜〜どこ行ってたの?」
冥ラギア「ただいま。……あぁ、なんだ、ミツネ君来てたんだ」
冥ラギア「わるいね、いつもうちの白が世話になってるだろう」
ミツネ「いえ。……お久しぶりです」
冥ラギア「うん。また随分、カッコよくなったなぁ」
ミツネ「…………そんな、冥ラギアさんこそ、渋くなりましたね」
冥ラギア「はっはは、もうおじさんだからねぇ」
白ラギア「今日はミッくんも泊まるんだよ!」
冥ラギア「おお、賑やかになるねぇ」
白ラギア「ねー、どこ行ってたのーー」
冥ラギア「ちょっと用でね。旧砂漠に行ってたんだよ」
白ラギア「ふーーん」
冥ラギア「ミツネ君、酒を飲むかい」
ミツネ「……はいっ!いただきます」
ミツネ「(冥ラギアさん……)」
68: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:55:57 ID:W5S
------数時間後、同じくラギアクルス亜種の巣------
冥ラギア「ぐ〜……ぐ〜……zzz」
ミツネ「……………」
白ラギア「…………」
白ラギア「ミッくん……起きてる……?」
ミツネ「………………うん」
白ラギア「ねえ、ミッくん」
ミツネ「何?」
白ラギア「覚えてる……?初めて会った日のこと」
ミツネ「……うん、覚えてる」
白ラギア「もう、7年も経つんだね」
ミツネ「うん」
白ラギア「まだ、あたしもミッくんも小さくて……」
ミツネ「うん」
白ラギア「あの日……孤島に迷い込んだミッくんは、ロアルロドスの群れに襲われて、泣いてたよね」
ミツネ「……泣いてたっけ?」
白ラギア「泣いてたよ。それを、あたしとお兄ちゃんが見かけて」
ミツネ「……うん、助けてもらったよ。冥ラギアさんに」
白ラギア「幼いミッくん、すごい可愛かった」
ミツネ「……うん」
69: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:56:42 ID:W5S
白ラギア「そのあと、3人でごはん食べたよね」
ミツネ「そうだったね」
白ラギア「あたし……あの日からずっと、ミッくんが好きだったよ」
ミツネ「…………」
白ラギア「だから、数年ぶりに学校で再会できて、本当に嬉しかった」
白ラギア「たまにすれ違って、立ち話するくらいしかできなかったけど」
白ラギア「思い切って自分の気持ちを伝えて、良かったよ」
ミツネ「…………うん」
白ラギア「ずっとずっと、あたしはミッくんだけなの」
ミツネ「…………」
白ラギア「だからミッくん、あたしのこと捨てないでね…………」
ミツネ「…………」
ミツネ「……うん。ごめん、もう寝るから」
白ラギア「うん、おやすみなさい」
ミツネ「…………」
ミツネ「…………(思ったよりも、重い女)」
ミツネ「(だけど、僕の方がずっと、最低だな……)」
70: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:57:38 ID:W5S
------翌朝、ラギアクルス亜種の巣------
ミツネ「…………」むくっ
ミツネ「(まだ太陽が登りきってない)」
ミツネ「(もう少し眠れるかな……)」
冥ラギア「おや、早いね」
ミツネ「……!!起きてたんですか」
冥ラギア「僕は早起きだから」
ミツネ「……おはようございます」
冥ラギア「うん、おはよう」ニコッ
ミツネ「……(素敵だ……)」
ミツネ「あの……孤島にはいつまでいらっしゃるんですか?」
冥ラギア「うん。今日の昼間、君たちが学校に行ってるくらいの時間には出るよ」
ミツネ「そうなんですか……」
冥ラギア「ちょっと忙しくてね。海底遺跡から、持ち出さなきゃいけないものもあるし」
ミツネ「えっ?なんでですか?」
冥ラギア「ああ、話してなかったかな。引っ越すんだよ。海底遺跡を出るんだ」
71: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:58:17 ID:W5S
ミツネ「え……引っ越す?急にですか?」
冥ラギア「いやぁ、結構前から決まってたんだ」
冥ラギア「結婚……することになってね」
ミツネ「…………!」
ミツネ「え………………」
ミツネ「………………」
冥ラギア「はは、なんだい、そんなに意外だったかい?」
ミツネ「いや…………そんな………」
ミツネ「…………」ズキッ、ズキッ、ズキッ
ミツネ「(心臓が……)」
ミツネ「結婚…………」
冥ラギア「うん。待たせちゃったからね」
ミツネ「付き合ってる人が……いたんですね」
ミツネ「(そんなまさか……結婚だなんて)」
冥ラギア「そうだね。いるんだよ」
冥ラギア「もう三年くらいかな」
ミツネ「お…………」
ミツネ「おめでとうございます……」
冥ラギア「うん、ありがとう。白をよろしく頼むよ」
ミツネ「はい…………」
ミツネ「…………もう少し寝ます」
冥ラギア「そうかい。朝食の準備をしておくからね」
ミツネ「…………」
ミツネ「(そんな……結婚…………ずっと彼女が…………)」
ミツネ「(……くそっ)」
72: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)21:59:48 ID:W5S
------数時間後、学校・メインモンス科------
ラギア「っはよーーーー!!」
ライゼクス「おはよー」
ライゼクス「朝から元気だな」
ラギア「へへっ、まーな」
ラギア「あれ?ティガどした?」
ティガ「…………」
ラギア「おいハラいてーのか?食い過ぎ?」
ティガ「…………」
ラギア「肉の食い過ぎ?」
ティガ「…………」
ラギア「え、死んでない?」
ライゼクス「こう見えて死んでない」
ラギア「でも机に突っ伏したまま動かねーじゃん」
ラギア「寝てんの……?うわっ、目開いてるよ」
ライゼクス「バリバリ起きてるんだよなこいつ」
ラギア「え?なんなの?どーした?」
ラギア「うおい、ティガー?」
ティガ「…………」
ラギア「は?シカト?」
ライゼクス「こいつずっとシカトだぜー」
ライゼクス「珍しく俺より早く来てると思ったけど、なに言っても無反応」
73: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:00:28 ID:W5S
ラギア「やっぱり死んでんじゃね?目開けたまま」
ライゼクス「や、一回咳してたから死んでない」
ラギア「なんなんだ?」
ライゼクス「喋らねーティガとかつまんないわー」
ティガ「………」
ラギア「うわ?!目からよだれが出てる」
ラギア「きたねーな」
ライゼクス「いやそれ涙だから」
ライゼクス「って、泣いてんの?は?」
ティガ「………」
ライゼクス「マジだわ」
ラギア「ティガが泣くわけねーだろ」
ライゼクス「確かに。じゃあ、よだれか」
ライゼクス「サイッテーだな目からよだれ垂らすとか」
ラギア「なんの病気?」
ラギア「目からよだれ出る病気だから無反応なの?」
ライゼクス「ちょー怖いんですけどその病気」
ガラッ
ジンオウガ「今朝古代林寄ったらすごかったぜ……」
ブラキ「俺も聞いた!野良リモセトスの……」
ラギア「おはよう二人とも」
ジンオウガ「おはよっ」
ブラキ「ういーす」
74: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:01:21 ID:W5S
ライゼクス「なーお前らどう思う?」
ジンオウガ「え?なに急に」
ラギア「ティガがさーどうも病気みたいなんだよね」
ブラキ「えっ大丈夫なの?」
ライゼクス「容態は悪いぜ。目からよだれが出てるし、動かないんだ」
ジンオウガ「目からよだれ……?泣いてんじゃないの」
ラギア「ティガが泣くわけなくね?」
ブラキ「いやいや。ティガだって泣きたいときくらいあるでしょ」
ライゼクス「えっそーいうもん?」
ラギア「どう考えても『目からよだれ病』だろ」
ライゼクス「白ラギアちゃんに告ってフラれたときだって泣かなかったんだぜ」
ラギア「えっ告ったの?」
ライゼクス「前に。学校一の美女と名高いからな」
ラギア「抜かりねーな、コイツ。俺のイトコにまで」
ジンオウガ「よっぽど落ち込むことがあったんだよ」
ブラキ「ティガ?大丈夫か?」
ティガ「…………」
ブラキ「お前が落ち込むなんてらしくないぞ?わけを話せよ」
ティガ「………」
ラギア「ダメだこりゃ」
75: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:02:23 ID:W5S
ライゼクス「落ち込んでるんじゃなくて病気だからなに言っても無駄だろ」
ラギア「『目からよだれ病』について図書館で調べるしかないな」
ティガ「………ぇ」ボソッ
ジンオウガ「あれ、喋ったよ」
ラギア「おっ?!」
ティガ「……うるせぇよお前ら……俺のことはほっといてくれよ………」
ライゼクス「やっと喋った!ティガ!」
ティガ「ほっとけよ……」
ラギア「いいやほっとけねぇ。お前が病気で苦しんでるなら、俺らもその苦しみを分かち合いたい」
ライゼクス「そうだぞ。話してくれ。一体なんの病気なんだ」
ラギア「目からよだれが出るなんて、ただごとじゃねぇよ。不治の病じゃねーだろうな」
ティガ「だから病気じゃねーーよ!!」ガバッ
ジンオウガ「あ、起きた」
ブラキ「お前ら親友なんだから、メンタルケアしてやれよ〜」スタスタ…
ライゼクス「病気じゃないならなんで目からよだれ垂らしてんだよ!」
ティガ「よだれじゃねーーっつの!バカじゃねーの??!」
76: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:03:12 ID:W5S
ラギア「よだれじゃ、ないのか……?」
ティガ「目からよだれ垂らしてなにが楽しいんだよ!!クソバカめ!!」
ライゼクス「え、じゃあマジ泣き?」
ティガ「……うっせぇなぁ」
ラギア「ブラキも言ってたけどお前が泣くほどのことってなにがあったんだよ」
ライゼクス「あっ、尻尾切ら………れてないか」
ラギア「やっぱりハラが痛すぎて泣いてる?」
ティガ「だーーかーーらーーーそんなんじゃねーよ」
ティガ「俺だってセンチメンタルな気分になるんです!」
ライゼクス「せ、せんちめんたる」
ラギア「なぁ、なにがあったんだよ。話してくれよ」
ライゼクス「そうだぞ。友達だろうが」
ティガ「…………」
ティガ「……俺の姉ちゃん、結婚するんだ」
ラギア「あのデカイ姉ちゃんか」
77: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:04:08 ID:W5S
ライゼクス「おう、それで?」
ティガ「……それだけ」
ラギア「…………は?」
ライゼクス「……………それだけ?」
ティガ「おう」
ラギア「姉ちゃんが結婚するからセンチメンタルなの?」
ライゼクス「それで泣いてんの?」
ティガ「……わりーかよ」
ラギア「…………」
ライゼクス「………………ふ」
ラギア&ライゼクス「ぶあっはははははははははっはっはっはっはっはーーーーーーっ!!!!!」
ティガ「なっ……なに笑ってんだよ!!」
ラギア「くくく……なにそれ。姉ちゃんが結婚て!」
ライゼクス「お前シスコンかよーーー!!」
ティガ「テメェら殺す!」
78: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:05:00 ID:W5S
ラギア「はっはっはーーーっ」
ライゼクス「うっひゃひゃ」
ガムート「…………」
ガムート「(ティガたち楽しそう……)」
ガムート「(いいなぁ、私もあんな風にティガと仲良くしたいなぁ)」
ガムート「(いっそ男の子に生まれたかった……)」
ミツネ「…………」
ミツネ「おはよう………」カタン
ガムート「あ。ミツネっち、おはよう」
ミツネ「………はーっ」
ガムート「どしたの?元気ないね」
ミツネ「……うん。ちょっとね」
ライゼクス「はー、にしてもめでてーじゃん。いつ結婚するの?」
ティガ「……来月」
79: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:05:43 ID:W5S
ラギア「誰と結婚すんの?」
ティガ「……お前のイトコ」
ラギア「え?冥ちゃん?」
ティガ「……おう」
ライゼクス「ティガの姉ちゃん、ラギアのイトコと結婚すんの?!」
ティガ「おう」
ラギア「それ俺まだ聞いてねーな。つーか付き合ってたんだ」
ライゼクス「世間狭すぎだろ」
ティガ「はーーーー」
ティガ「俺、すげー動揺してる」
ラギア「なんで?」
ティガ「自分でもわかんね。姉ちゃんが幸せなのはいいけどよ……なんかこう、ついにきたか、って感じ?」
ライゼクス「ふーん」
80: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:06:30 ID:W5S
ティガ「俺もう姉ちゃんから自立した気になってたけど……まだまだ俺もガキだな」
ポン
ティガ「?……だれ?」
ミツネ「…………」
ラギア「ミツネじゃん」
ミツネ「君のお姉さんと結婚するの、誰って言った?」
ティガ「………?ラギアのイトコの、冥ラギアって奴だけど?」
ミツネ「ほんとに?」
ライゼクス「ミツネどうしたの?」
ガムート「(ミツネっち……)」
ガムート「(いきなりティガのところ行っちゃったけど)」
ガムート「(なに話してるの?)」
ガムート「(まさか、私の話じゃないよね?!)」
ティガ「ホントだよ。姉ちゃんから聞いたんだ」
ミツネ「……そっか」
ティガ「なに?急に」
81: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:07:24 ID:W5S
ミツネ「いや。……ごめん。ラギア君のイトコとは知り合いでさ」
ティガ「………へぇ」
ミツネ「急にごめん」すっ
ティガ「…………いいけど……」
ライゼクス「なんなんだ?あいつ」
ラギア「あー……なんだろな」
ミツネ「………」
ガムート「おかえり、ミツネっち……」
ミツネ「うん。ただいま」
ガムート「なに………話してたの?」
82: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:08:21 ID:W5S
ミツネ「…………うん」
ミツネ「はーーーっ」
ガムート「(どうしたのかな?心配だな……)」
ガラッ
白ラギア「…………」きょろきょろ
クラス一同「?!」ざわっ
ジンオウガ「白ラギアさんだ!」
ブラキ「マジだ!なんでここに?」
ミツネ「!!!」
ガムート「あ……ミツネっちの彼女さん」
ミツネ「……」
ガムート「あれ?ミツネっち、寝たふり?」
ラギア「(ミツネに用か?)」
ライゼクス「おぉ、ティガを振った女……」
ティガ「うっせー。あーマジかわいー」
白ラギア「あ、ねぇ、ラギア」
ラギア「あ?俺?」
83: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:09:13 ID:W5S
白ラギア「ちょっと来てもらえる?」
ラギア「??おー」
白ラギア「言うの遅くなっちゃったけど……今度お兄ちゃん結婚するの」
ラギア「あ、うん。さっきティガから聞いた」
白ラギア「そっか、ティガ君のお姉さんだもんね」
ラギア「おぉ」
白ラギア「それでさ、結婚式なんだけど……もちろんラギア、来るでしょ?」
ラギア「ああ、冥ちゃんの結婚式だもんな。行くよ」
白ラギア「わかった。じゃあ、詳しいことわかったら連絡するね」
ラギア「おお………」
白ラギア「…………」
ラギア「…………」
白ラギア「…………」
ラギア「え?用終わりだろ?」
白ラギア「……うっ、うん」
ラギア「……あー、ミツネか?」
白ラギア「!!」ボッ
84: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:10:09 ID:W5S
ラギア「お前ら付き合ってんだからよ。俺ダシにしないで普通に会いにこいよな」
白ラギア「そ!そんなんじゃないし。今朝一緒に来たし!」
ラギア「おーおー、お熱いことで。なのにもう会いたいのか?」
白ラギア「別にっ!!大丈夫!じゃあね!」
ラギア「じゃーなー」
ラギア「…………」
ラギア「ラブラブじゃん」
ラギア「おい、ミツネー」
ミツネ「……はーい」ボソッ
ラギア「なに、寝てんの?白ちゃん来たぞ」
ミツネ「あっ、そうなんだー。気づかなかった」
ラギア「お前らラブラブじゃん」
ミツネ「………」
ラギア「あ、ガムート。(ひそっ)ティガ落ち込んでるから慰めてやれよ」
ガムート「えっ……」
ラギア「じゃ」スタスタ
ライゼクス「おおお……」
ティガ「なに?」
85: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:10:56 ID:W5S
ライゼクス「見た?今、ラギアがガムートに耳打ちしたぜ」
ティガ「え、見てねーな。なに話したんだ?」
ライゼクス「……まぁ、大方『俺のイトコ結婚するから俺らもいっちょ結婚しようぜ!』とかじゃね?」
ティガ「うっひょっひょ、それはやべぇ!!イトコ結婚するからって………」
ティガ「て、あいつのイトコ俺の姉ちゃんと結婚するんだった…………」
ライゼクス「また落ち込んでるよ」
ガムート「(ミツネっち、白ラギアさんに気付かないふりした……)」
ガムート「ねぇ、白ラギアさんと喧嘩でもしたの?」
ミツネ「………」
ミツネ「……ふー。そんなんじゃない。そんなんじゃないんだよ……」
ガムート「じゃあどうしたの?ミツネっち、変だよ……」
ミツネ「……うん。ガムちゃんあのさ」
ガムート「うん?」
ミツネ「ガムちゃんはティガ君が好き。でも気持ちは伝わってない」
ガムート「え……うん」
86: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:11:46 ID:W5S
ミツネ「もし。もし、だよ。例え話ね。……ティガ君に気持ちを伝えても、上手く行きそうにないなって思ってて……」
ミツネ「そんな時に、ティガ君のお兄さんに告白されたら、どうする?」
ガムート「えっ……」
ミツネ「もちろん、好きなのはティガ君だけど、ティガ君のお兄さんと付き合ったら、ティガ君と仲良くなれるじゃない」
ガムート「…………」
ミツネ「もし結婚でもしちゃえば家族になれるし?」
ミツネ「上手くいけば乗り換えられるかも」
ガムート「…………やだよ!」
ミツネ「……」
ガムート「私が好きなのはティガだもん……いくら血がつながってるからって、ティガのお兄さんとは付き合えない。好きじゃないもん」
ガムート「それに……お兄さんにも失礼だよ。気持ちを踏みにじってる」
ガムート「だから、もし例えそんなことになっても、私は付き合わない」
ミツネ「………うん」
ミツネ「ガムちゃんなら、そうだよね」
ガムート「ミツネっち、どうしてそんなこと聞くの?」
ミツネ「…………」
87: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:12:32 ID:W5S
ガムート「なにがあるの?どうして白ラギアさんに気付かないふりしたの?」
ミツネ「…………」
ガムート「それに私……見ちゃったから!ミツネっちが、矢文を受け取ってすぐにぐしゃぐしゃにして捨てたのを」
ミツネ「……マジ?」
ガムート「あれ、白ラギアさんからでしょ?どうしてそんなことしたの」
ガムート「話してよ……友達でしょ?」
ミツネ「うん……」
ガムート「行こう、ミツネっち」ぐいっ
ミツネ「え、もう先生くる……」
ガムート「関係ない!ミツネっちが話してくれるまで、私、授業に出ないから!」
ミツネ「そんな……」
ドスドスドス………ガラッ ドスドス……
ラギア「………」
ティガ「でっけー足音だな」
ライゼクス「なんだ?どうしたんだ今日は」
ティガ「なんか緊迫してなかった?」
ライゼクス「シュラバかー?」
ティガ「ハッ!(ぼそ)ラギアとミツネが仲良くしてたことに嫉妬とか?」
ライゼクス「(ぼそ)だから、ミツネは男だから」
ティガ「(ぼそ)でもよーわかんねーじゃん……」
88: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:13:33 ID:W5S
------一限目、学校・屋上(塔の頂)------
ミツネ「ガムちゃん、ごめんね」
ガムート「謝らないで」
ミツネ「………」
ガムート「ミツネっちのこと大好きだよ。だからなんか隠されてると……寂しいよ」
ミツネ「……うん」
ガムート「そりゃ、私もティガのこと好きって言ってなかったけど……それは隠してたわけじゃないもん」
ガムート「ミツネっちは、なんか隠してる!」
ミツネ「(どちらも同じでは…?)……うん。隠してるね」
ガムート「話して欲しいよ……」
ミツネ「……話すよ」
ガムート「うん」
ミツネ「あの…………僕の彼女は白ラギアさんだけど」
ミツネ「僕、彼女のこと、好きじゃないんだ。べつに」
ガムート「…………」
ミツネ「……本当は他に好きな人がいるんだ」
ガムート「…………」
ミツネ「白ラギアさんのお兄さん……冥ラギアさん」
ガムート「……ラギアクルス希少種さんね」
ミツネ「うん。僕は昔からあの兄妹と知り合いなんだ」
ミツネ「小さい頃、僕の危ないところを助けてくれたんだ。……冥ラギアさんは大人で、素敵で……僕はすぐ好きになった」
ガムート「そっか……」
ミツネ「でも僕は男だ。男なのに、男性を好きになるなんて変だろ」
ガムート「私は、そうは思わないけど……」
89: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:14:42 ID:W5S
ミツネ「ガムちゃんがそう思わなくても、そんな人ばっかりじゃない」
ミツネ「気持ち悪いって言われるのが関の山だよ」
ガムート「………」
ミツネ「僕は、男性を率先して好きになるわけじゃない。女の人も好き」
ガムート「……うん?」
ミツネ「だから、白ラギアさんに告白されたときに色々考えたんだ」
ミツネ「女性だし、なにより冥ラギアさんの妹だし……自然と、冥ラギアさんとも親密になれるかもしれないし、もしなれなくても、白ラギアさんを好きになれるかもしれないって」
ミツネ「でも大半は、冥ラギアさんともっと自然に近づきたいっていう下心だよ」
ガムート「…………」
ミツネ「…………」
ガムート「……ミツネっち。最低だよ」
ミツネ「………うん」
ガムート「ただなんとなく付き合うってわけじゃなく、本当は本命の相手に近付くために利用したんだよね」
ミツネ「………そうだよ」
ガムート「それは、酷い仕打ちだよ。白ラギアさんが知ったら、きっと傷付く」
ミツネ「そうだよね」
ガムート「でも………ミツネっちも、冥ラギアさんを好きな気持ち、誰にも言えなかったんだね」
90: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:15:28 ID:W5S
ミツネ「……うん。ごめん」
ミツネ「僕も、ガムちゃんのことが大好きだよ。だからこそ、言えなかった。ガムちゃんに軽蔑されたくなかったんだ」
ミツネ「僕は、ガムちゃんしか友達がいない。ガムちゃんに嫌われたら、どうしたらいいのか……そう思うと、不安でさ」
ガムート「……私が、ミツネっちのこと嫌うわけないじゃん……」ポロポロ
ミツネ「……えっ、な、泣かなくても」
ガムート「ミツネっちのことなんて、絶対嫌いにならないもん!!!軽蔑だってしないし……わーーん!!」ブオオオオン
ミツネ「ガムちゃん……ガムちゃん!!」
ガムート「ブオオオオン!ブオオオオオオオオン!!」
ミツネ「ちょっ、泣かないで!!ガムちゃんたら!!お願い!!」
ガムート「ブオオオオオオオオオオン!!!!」
ミツネ「うわーっ!」ズルズルズル……
ガムート「………ぐすっ」
ミツネ「…………」
ガムート「ミツネっち、つらかったね」
ミツネ「…………」
ガムート「……これからどうしようか、ミツネっち」
ミツネ「……うん。……どうもしないかな?」
ミツネ「まさか僕の想いを冥ラギアさんに伝えるわけにもいかないしね」
ガムート「白ラギアさんは?」
ミツネ「……うん。ちゃんと考えないとね」
ガムート「……そっか」
ミツネ「ガムちゃん」
ミツネ「ありがとうね」
91: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:28:21 ID:W5S
------同時刻、地底火山------
ディノバルド「…………」
ディノバルド「(今日も、学校行けねぇな)」
セルレギオス「ふっ、ディノ君、考え事?」
ディノバルド「…………」
セルレギオス「あっ、シカト?」
ディノバルド「…………」
セルレギオス「なにシカトしてんの?」
ディノバルド「…………チッ」
セルレギオス「は?舌打ち?」
ディノバルド「……黙れよ……」
セルレギオス「なにそれ……僕とやる気?」
ディノバルド「…………」シュッ、シュッ……
セルレギオス「あーあー尻尾研いじゃってる。やる気なんだぁ」
ディノバルド「…………」グググ……
92: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:29:03 ID:W5S
セルレギオス「飛べない君が、飛べる僕とやる気なんだ」
セルレギオス「生意気じゃん……!」バサッ!
???「オイ」
セルレギオス「!!」
ディノバルド「………!」
???「サボんな」
セルレギオス「す……すいません、先輩……!」
???「早く行け」
セルレギオス「すいません…すいません!」
セルレギオス「僕のこと嫌いになりましたか?!」
セルレギオス「すいません先輩……やりますから!」
???「………」ドカッ
ディノバルド「セルレギオス……!」
セルレギオス「ぐ……ぅ……い、痛い……先輩……」
???「寄るんじゃねー」
ディノバルド「…………」
???「早く行け」
ディノバルド「…………ハイ」
93: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:29:52 ID:W5S
------昼休み、学校・食堂------
ラギア「あれっ、ティガ今日弁当?」
ティガ「おーーー」
ライゼクス「珍しくねーー?」
ティガ「姉ちゃんが作ってくれた」
ラギア「いいねーちゃんだよな」
ティガ「おーーー」
ライゼクス「まだヘコんでんの?」
ラギア「ぷぷぷ、シスコンティガちゃん」
ティガ「うっせーな!」
黒ティガ「…………」きょろ
黒ティガ「……(あ、いた)」
ティガ「いっただっき………」
黒ティガ「うぉい、クソ野郎」ボカッ
ティガ「痛った!は?!」
ライゼクス「あっ黒ティガさんじゃんー」
ラギア「お久しぶりっすね!」
黒ティガ「てめー弁当俺のと間違って持ってったろ!」
ティガ「ハァ?」
黒ティガ「いじけてテキトーに持ってきやがって」
ティガ「別にいいじゃねーか、どっちがどっちでもよ」
黒ティガ「バァーーッカ、こもってる愛情がちげーんだよ」
94: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:30:42 ID:W5S
ティガ「……ハイハイどーせ俺のには愛情こもってねぇですよ!」ずいっ
黒ティガ「てめーまだいじけてんの?いい加減にしろよ」
ライゼクス「黒ティガさん聞いてくださいよ」
ラギア「今朝コイツ、落ち込みすぎて全然しゃべんなかったんですよ」
黒ティガ「は、マジ?バカかよ」ボカッ
ティガ「いってーな、いちいち殴るんじゃねーよ」
黒ティガ「コイツさーシスコンすぎるんだよな」
黒ティガ「コイツの歴代彼女知ってる?」
ラギア&ライゼクス「あ、ハイ」
黒ティガ「みんな体でけー女ばっかだったろ。うち、一番上の姉がすげーでかいんだけど」
黒ティガ「その影響で、デカイ女を好むんだよな」
ラギア「あ、なるほど」
ライゼクス「そーいう理由があって、ねぇ……」
ティガ「あーあーうっせー!しょーもねぇことベラベラ喋るんじゃねーよバカ兄貴」
黒ティガ「バカはどっちだよクソ。今夜も姉ちゃんいるんだから早く帰ってきて謝れよ」
ティガ「わかったよ!いいからあっちいけ!」
95: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:31:42 ID:W5S
黒ティガ「じゃ、邪魔して悪かったなー」ドスドス
ラギア&ライゼクス「どーもっす」
ラギア「(なるほどティガはむしろデカイ女を好んでいたのか……)」
ラギア「………………」
ラギア「あのさぁ、今日みんなで食べね?」
ティガ「は?」
ライゼクス「え?」
ラギア「……あっ、ガムートーー!」
ティガ「!!!!!」
ライゼクス「??!!!」
ガムート「えっ、なに?」
ミツネ「珍しいね彼が呼ぶの」
ラギア「一緒に食おうぜーーー!!」
ティガ&ライゼクス&ガムート「えっ?!?!!!!」
ラギア「メシ、みんなで食おうぜーーーこっち来いよ!ミツネも!」
ミツネ「ティガ君もいるね」
ガムート「どっ、どどどどーしよう」
ミツネ「行こうよ」ガタッ
ガムート「きゃあああ」(小声)
96: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:32:37 ID:W5S
ティガ「(ひそっ)ついに俺らに紹介?ガムートとの関係」
ライゼクス「(ひそっ)なんか唐突すぎね?」
ミツネ「どうも〜」
ガムート「どっ、どどどどどどうも………」
ラギア「おう、座れよ。えーとティガの隣空いてんな、いいだろティガ?」
ティガ「……おー、別に……」
ガムート「(キャーそんなに気を使わないで……)」
ガムート「失礼します……」カタッ
ライゼクス「…………」
ラギア「………」にやにや
ティガ「……お前ラギアの隣じゃなくていーの?」
ガムート「……えっ!うん!べ、別に!!」
ティガ「へぇ(隣だと恥ずかしいのかな……)」
ライゼクス「……なんかさ〜このメンバーめっちゃ珍しいよね」
ラギア「はっは。たまにはいーじゃん、賑やかで」
ティガ「俺ガムートとあんま話したことないよな」
ガムート「そ、そうだね(キャー近い……)」
ティガ「雪山とか、氷海で良く見かけるぜ、俺」
ガムート「あっ、わ、私も……」
ラギア「(なんかいい感じ…?俺ナイスだな)」
97: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:33:33 ID:W5S
ライゼクス「今日ガムートとミツネどうしたの?珍しくサボってたじゃん、二人して」
ラギア「おお、レウス先生がびっくりしてた」
ガムート「あっ、えっとね……それは」
ミツネ「僕がお腹が痛くて、医務室に行ってたんだよ」
ガムート「う。うん、そうなの」
ティガ「へーー」
ライゼクス「(ちょっとカマかけてみるかな)」
ライゼクス「ガムートとミツネってさぁ、やっぱ付き合ってんの?」
ガムート「ぶっ」
ミツネ「げほっ」
ガムート「いやいや……」
ミツネ「付き合ってないよ」
ライゼクス「ふーん?他にいるの?」
ミツネ「うん」
ティガ&ライゼクス「!!!!」
ライゼクス「(やっぱりガムートとラギアが……)」
ミツネ「僕は白ラギアさんと付き合ってるよ」
ティガ「え、そうなの?」
ミツネ「うん」
ティガ「お前やるなぁ。白ラギアちゃん、すげー可愛いじゃん」
ライゼクス「なにティガ、ジェラスィー?」
ティガ「ちげーよ」
98: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:34:35 ID:W5S
ライゼクス「……で、ガムートは?」
ガムート「わ、私……はーー………」
ティガ「(ラギア……ラギアだろ!)」ドキドキ
ライゼクス「(ラギアラギアラギア!!!)」ドキドキ
ガムート「彼氏は、いないよ……」
ティガ&ライゼクス「!!!!!!」
ティガ「(何ィ?!)」
ライゼクス「(まだ付き合ってねーのか!)」
ラギア「恋する乙女だもんな」
ティガ&ライゼクス「!!!!!!」
ガムート「ちょっ、ちょ!!!ラギア君っ……」
ラギア「なんだよ、別にいいだろ。はは」
ライゼクス「はは、って……」
ティガ「……なるほど、じゃあガムートは好きな奴はいるんだな」にやにや
ガムート「………うん」
ティガ「どんな奴?」にやにや
ガムート「え…………」
ティガ「かっこいーの?」にやにや
ガムート「………うん」
ティガ「へー」にやにや
99: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:35:09 ID:W5S
ライゼクス「早く付き合えばいいのに〜」にやにや
ティガ「なーー!!」にやにや
ラギア「タイミングってのもあるしな」
ガムート「うん……」
ティガ&ライゼクス「…………」
ティガ「(ラギアは、ガムートの気持ちを知ってて……)」
ライゼクス「(ガムートと両想いのくせに、タイミングとか言って付き合ってねーのか……?)」
100: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:36:03 ID:W5S
------放課後、学校・メインモンス科------
ティガ「お前さ、どうかと思うよ。ラギア」
ラギア「はい?」
ライゼクス「うんうん。女の気持ちをまるでわかってねー」
ティガ「好きなんだろ?」
ラギア「えっ!(キリンちゃんのことがバレている?!)」
ライゼクス「好きなんだろ?」
ラギア「うっ………うん……」
ティガ「あいつも待ってるはずだぜ。お前の言葉を」
ライゼクス「そうだぞ。白々しいぜ、知らんぷりしてて」
ラギア「……いやいや知らんぷりって」
ライゼクス「知らんぷりしてるだろ!!あいつもお前を好きなはずだぜ!!!」
ティガ「そうだぞ!!それをなんだよ!!『恋する乙女だもんな』ってよ!!」
ラギア「……え?」
ライゼクス「『え』じゃねーよ『え』じゃ」
ティガ「なんなの?もてあそんでんのか?おぉ?!」
ラギア「いやいや待て待て、話がおかしい」
101: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:37:06 ID:W5S
ティガ「おかしくねーよ!おかしいのはラギアだろ!」
ラギア「おかしいって!!お前ら誰のこと言ってんの?!」
ライゼクス「ハァ?ばっくれんな!ガムートだろ!」
ティガ「ガムート以外いねーだろ!」
ラギア「…………はいぃ?!」
ラギア「……ガムートが、なんだって?」
ティガ「だーかーらー、お前はガムートに惚れてんだろ!」
ライゼクス「ガムートもお前と同じ気持ちなんだろうが!!」
ラギア「……なんでガムートだと思ったの?」
ティガ「ハァ?そんなん一目瞭然じゃねーか。俺らにガムートの話をしたりよ」
ライゼクス「ガムートと二人で帰ったりよ。分かりやすいんだっつーの」
ティガ&ライゼクス「隠すな!!!!」
ラギア「あの、ゴメン。俺隠してないぜ」
ティガ&ライゼクス「嘘こけ!!!!」
ラギア「俺ガムートとはマジでなんもねーよ」
ティガ&ライゼクス「あァ?!」
ラギア「…………ふーーっ」
ラギア「(なんかめんどくせぇことになってる……話すしかねーな)」
ラギア「……俺に好きな子がいるのはマジ」
ティガ&ライゼクス「おぉ!!」
102: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:38:09 ID:W5S
ラギア「その子とガムートが仲良くて、仲を取り持ってもらってるんだ」
ラギア「ガムートと二人では帰ってない。その子と三人で帰ったんだ」
ラギア「ホントだぜ」
ティガ&ライゼクス「……………」
ティガ「…………マジ?」
ラギア「マジです」
ライゼクス「なっんだよ。そーいうことかよ」
ティガ「あれ?でもなんでガムート呼んだりしたんだ?メシの時」
ラギア「あーそれは……」
ラギア「(ガムートがティガのこと好き……ってのは、言ったらまずいよなぁ)」
ラギア「まぁ、いーじゃん」
ライゼクス「ハーーなんだよ。すげー気にしてたんだぜ」
ティガ「まぁなんでガムートなんだろうなって言ってたんだけど、違ったか、さすがに」
ライゼクス「さすがにwwwwww」
ラギア「おいおいガムートはいいヤツだぞ」
ティガ「まぁ今日初めてマトモに話したけど、結構ふつーのヤツだったな」
ライゼクス「ちゃんと話せたよなー」
ラギア「そうだぞ」
103: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:38:58 ID:W5S
ティガ&ライゼクス「で!!」
ティガ「誰だよ、オマエが惚れてんのは」
ライゼクス「そーそーそれ本題」
ラギア「あーーーー…………」
ティガ「話せよな」
ラギア「(バカにされそうだからあんまり言いたくねーけど……)」
ラギア「キリンちゃんて子。古龍科の」
ライゼクス「えーー?!!古龍かよ」
ティガ「ちょっと高望みすぎねぇ!?」
ラギア「うっせーなー。いいだろ、好きなんだよ」
ティガ「つーかどういうヤツだったっけ」
ライゼクス「白くて小さくてさー……」
ティガ「見に行こうぜ。古龍科ならSHRなげーから、まだ残ってるかも」
ラギア「え、マジ?マジで行くの?」
ライゼクス「たりめーだろ。そうと決まったら急げ」
104: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:39:47 ID:W5S
------数分後、古龍科の教室の手前------
ライゼクス「おっ、シャガル先生が出てきたぜ」こそこそ
ティガ「おーーじゃあ、まだいるな。キリン」こそっ
ラギア「呼び捨てすんなよ、ちゃんを付けろちゃんを……」
ライゼクス「行けラギア。キリンちゃ〜んって」
ラギア「そこまでまだ仲良くなれてねぇよ……って」
ラギア「あ?あれ、クシャルか?教室の真ん前」
ティガ「あん?」ずいっ
ライゼクス「あ、マジだ。クシャルも古龍だから仲良いんじゃねー?」
クシャル「…………」
クシャル「キリンいる?」
ティガ&ラギア&ライゼクス「!!!!!!」
ティガ「あいつキリンに用事かよ!」
ラギア「ちゃんを付けろ!!」
ライゼクス「何の用だ?!」
105: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:40:43 ID:W5S
キリン「……………」そろり
ライゼクス「うおーキリンちゃん来た!」こそ
ラギア「うおおおカワイーッ」こそこそ
ティガ「ちっせーだろ。あんなちっさかったか」
ライゼクス「あれ?……角、青いんだな……」
キリン「……………」
クシャル「よう」
キリン「…………どうしたの?」
クシャル「…………うん」
クシャル「久しぶりだな」
キリン「…………」
クシャル「……まぁおとといも会ったけど」
キリン「…………」
クシャル「ちゃんと話すの、久しぶりだよな」
キリン「…………そう……だね」
クシャル「あのさ」
キリン「…………」
クシャル「………その、俺、今日は雪山に帰るんだが」
クシャル「お前は?」
キリン「……うん、私も雪山だけど……」
106: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:41:43 ID:W5S
クシャル「……そっか。…………一緒に帰ろうか」
キリン「!!!」
キリン「う……うん。カバン取ってくる……」パタパタ……
クシャル「…………」
クシャル「…………ふーーーっ」
ティガ「…………」
ラギア「…………」
ライゼクス「…………聞いてた?全部」
ティガ「聞いてた」
ラギア「…………」
ライゼクス「おいラギア!!ライバルじゃねーかよ!!」
ティガ「どーすんだよあいつら二人で帰るぞ!!」
ラギア「……やべぇ、なんかショック」
ライゼクス「なんかじゃねーよ!惚れた女が他の男と一緒に帰るんだぞ!!」
ティガ「お前も一緒に行け!!三人で帰れ!」
ラギア「いやそれはすごくおかしい」
ラギア「はーー仲良いんだなあの二人」
107: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:42:32 ID:W5S
ライゼクス「まーただの友達ってならいいけどよー」
ティガ「なんか怪しくない?ヨソヨソしいっていうか」
ライゼクス「それ。ふつー、仲良しってのは」
ライゼクス「『お待たせー?かえろー?』『うん?どこどこ寄ってこ?』ってなるもんだろ」
ティガ「それはテメーと桜レイアだけだ」
ラギア「……そっか……人を好きになるっていうのは、こういう気持ちにもならなきゃいけないんだな」
ライゼクス「ラギア君、ジェラシーを覚えるの巻〜」
ティガ「まぁチューして抱き合ってたわけでもねーんだから、そんな落ち込むなって」
ティガ「明日はお前が一緒に帰れよ。キリンと」
ラギア「……キリンちゃん、な」
桜リオレイア「あっクスクスこんなとこにいたのーー!!」ドスドスドス
ライゼクス「桜ちん?」
108: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:43:27 ID:W5S
桜レイア「教室にもいなくてさー、探しちゃったじゃん」
ライゼクス「ごめーん?アホに付き合ってたの?」
ティガ「おいおいアホってのは俺のことか?!」
ラギア「いや俺のことだろ……ふつーに……」
桜レイア「二人ともチョー久しぶり」
ティガ「ハイ久しぶり」
ラギア「俺はハジメマシテだぞ」
桜レイア「アハハ。きみ知ってるよ。ラギア君でしょ」
ラギア「こちらも噂はかねがね聞いてるよ……」
桜レイア「えっなにー?!クスクスったらあたしのどんな噂してんの?」
ライゼクス「んもう桜ちんがカワイすぎるって噂?」
桜レイア「きゃっもうヤダー!帰ろ?」
ライゼクス「うん帰ろ?原生林の滝寄ってこ?」
桜レイア「寄るー?」
ライゼクス「ってことで俺は帰るからな、むさ苦しいオスども」
ラギア「おう今すぐ帰れよ」
ティガ「お前のこと割と本気で死ねって思ってる」
ライゼクス「ヤダー?死なない?」
桜レイア「うふふふクスクスー?」
ライゼクス「桜ちん?」
ライゼクス「じゃーーなーーーー」バサッ、バサッ
ラギア「…………」
109: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:44:31 ID:W5S
ティガ「……あいつらちゃんと門から出てけよ!窓から飛ぶなっつの」
ラギア「おめー授業はロクに聞かないのに変なところだけ真面目だよな……」
ラギア「はー、俺もラブラブの彼女欲しい」
ティガ「おれもー」
ラギア「……お前いま狙ってるやつとかいねーの?」
ティガ「いねーな。可愛い子にはひとしきり声かけたってかんじー」
ラギア「ふーーん……」
ティガ「……ハッ!!あいつら!!」
ティガ「……あ〜〜もうクシャルもキリンもいなくなってる」
ティガ「あとつけようと思ったのに」
ラギア「いやいやしねぇよそんなこと。つーかティガは今日まっすぐ帰るんだろ」
ティガ「あーー……そうだ。ババアがいるからな!」
ラギア「ババアとか言ったらダメだろーが……世話んなってる姉ちゃんだろ」
ティガ「…………俺ほんとは姉ちゃんの結婚、めでてーと思ってるよ。ちゃんと」
ラギア「お?」
ティガ「だけどよ〜〜なんか素直になれねぇんだよ……姉ちゃんには、誰よりも幸せになって欲しいと思ってるのに」
110: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:45:09 ID:W5S
ラギア「(ティガがまた真面目なこと言ってる……)」
ラギア「いーんじゃね?姉ちゃんなんだから、ティガの気持ちくらいわかるべ」
ティガ「……そっかなー」
ラギア「平気だろ」
ティガ「……そーだな。今日は帰ってちゃんと祝うかーー」
ラギア「そーしろそーしろ。花でもプレゼントしろや。早く帰ろうぜ」
ティガ「おめーも落ち込むなよ。大したことじゃねーよ、キリンとクシャルが二人で帰ることくらい」
ラギア「ちゃんを付けような。……おう、ありがとな」
111: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:46:18 ID:W5S
------数十分後、原生林------
桜レイア「そういえばクスクスさぁー」
ライゼクス「なにー?」
桜レイア「なんで今日、古龍科の近くにいたの?」
ライゼクス「だから、アホに付き合ってたの〜」
桜レイア「なんの用で?古龍科なんて、近寄り難くない?」
桜レイア「超エリートだし?」
ライゼクス「ん〜〜〜〜……(話しちゃってもいいかな……)」
ライゼクス「ラギアいるだろ?あいつがなんか狙ってる子が古龍科でさ」
桜レイア「えーマジで?案外身の程知らずだね?」
ライゼクス「んーーやっぱそうなのかなーー」
桜レイア「で、誰なの?」
ライゼクス「キリンって子〜」
桜レイア「あっキリンちゃんなんだ。あたし話したことないけどさ、確かに可愛いよね」
ライゼクス「桜ちんのほうが百億倍カワイイ?」
桜レイア「ヤダー?知ってる?」
ライゼクス「でもうちのクラスのクシャルが先にいてさ」
ライゼクス「キリンちゃんと二人で帰ってったぜ」
ライゼクス「チョー怪しい感じで」
桜レイア「……あーー……うん、なるほど」
桜レイア「そりゃそうだね」
ライゼクス「え?なにか知ってる?」
桜レイア「知ってるよん」
112: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:47:13 ID:W5S
ライゼクス「なに?教えてよ〜」
桜レイア「キャハハハくすぐらないでよ!」
桜レイア「あの二人ってさ〜付き合ってたんだよ」
ライゼクス「…………へっ?」
桜レイア「元恋人ってこと〜」
ライゼクス「そうなの?えっ別れたってこと?」
桜レイア「そーいうこと〜」
ライゼクス「……いつ別れたのかな?ってか、いつ付き合ってた?」
桜レイア「一年くらい前かなぁ」
ライゼクス「ってか桜ちん、なんでそんなこと知ってんの?」
桜レイア「んーー飛竜亜種科では有名ーー」
桜レイア「飛竜亜種科はゴシップに強いーー」
ライゼクス「でも別れたなら、なんで一緒に帰るんだ?」
桜レイア「嫌い合って別れたわけじゃ、ないんじゃない?未練があるとか?」
ライゼクス「ふーーーーん…………」
ライゼクス「(こりゃ本格的に、クシャルがライバルかもな)」
ライゼクス「(ラギア……)」
113: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:48:48 ID:W5S
------約1時間後、旧砂漠・ティガレックスの巣------
ティガ「…………」
ティガ「…………」
ティガ「(ラギアに言われたように、花なんか摘んじまった……)」
ティガ「(俺のキャラじゃない!完全に!!)」
ティガ「…………」もんもん
黒ティガ「なにボーッと突っ立ってんだよ」ドカッ
ティガ「いってーな、黒兄」
ティガ「蹴んな!」
黒ティガ「おめーがボサッとしてっからだろ」
黒ティガ「まぁ、今日はちゃんと早く帰ったんだな。感心感心」
ティガ「…………そりゃあ……」
黒ティガ「あれ?ティガそれなに?」
ティガ「あっ…………」
黒ティガ「……星見の花じゃん!えっ何、摘んだの?」
ティガ「うっせーっ」
黒ティガ「えっえっ!姉ちゃんにプレゼント?」
ティガ「うるせっ!ラギアが摘めって言うから……俺のアイディアじゃねーよ!」
黒ティガ「ぷぷぷっ、テレちゃって」
黒ティガ「カワイーなお前。うはは」
114: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:49:26 ID:W5S
ティガ「てめーにだけはカワイイとか言われたくねーよ」
ティガ「つーか姉ちゃんは?」
黒ティガ「冥さんとどっか行ってるよ。夜だぜ帰ってくんの」
ティガ「んだよ。早く帰った意味ねーー」
黒ティガ「姉ちゃんのためにメシの下準備でもしとこうぜ」
黒ティガ「そうだな……ポポでも獲りに行くか」
ティガ「えーめんどくせぇーー!」
黒ティガ「いいから行くぞ」
ティガ「はーーーーーっ」
115: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:51:09 ID:W5S
------数分後、雪山の麓付近------
クシャル「…………」
キリン「…………」
キリン「……クシャル君」
クシャル「うん」
キリン「……急に一緒に帰ろうなんて、珍しい」
クシャル「………うん」
キリン「あれからまともに話したことないし」
キリン「もう、私のことなんて……嫌いなんだと思ってたよ」
クシャル「…………嫌わない」
キリン「…………」
クシャル「ずっと気にかけてたから」
キリン「…………ありがとう」
キリン「でも……こういうのは、この一度で終わりだね」
クシャル「えっ……」
キリン「私のこと、嫌っていいから」
クシャル「……なんで?」
キリン「……嫌って当然だから……」
クシャル「なに言ってんだ……!」
116: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:51:43 ID:W5S
キリン「もう……無理でしょう?」
クシャル「そんな…………」
キリン「じゃあ。久しぶりに話せて嬉しかった。クシャル君は、頂上だよね。私中腹だから、ここで」タッ
クシャル「おいっ………」
キリン「…………」タッタッタッタッタッ……
クシャル「…………」
クシャル「クソッ」
117: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:53:14 ID:W5S
------ほぼ同時刻、雪山の頂上付近------
ドカッ
ティガ「オラオラティガレックス様の参上だぜーー!!」
黒ティガ「自分らの運の無さを呪えやー!」
野良ポポの群れ「………!」
野良ポポの群れ「…………」ドッ、ドッ、ドッ……
ティガ「逃げんじゃ……ねぇーーーっ!」(バインドボイス大)
黒ティガ「ティガそっちから挟みこめ!」
ティガ「よっしゃ!」
黒ティガ「オラオラ轢くぜ倒れろーー!!」ドガガガガガッ
野良ポポの群れ「………!…………」ドサッ
ティガ「うおりゃーーー!」ガブガブッ
野良ポポの群れ「………………」
黒ティガ「…………フー、五頭か」
黒ティガ「何頭か逃げてったな」
ティガ「あーおいしーおいしーー」ガツガツッバリッ
黒ティガ「バカヤロー食ってんじゃねー。持って帰るぞ」
ティガ「えーでもおいしくてー」モグモグ
黒ティガ「…………うんやっぱウマイよなー」バリッバリッ
ティガ「なー」バクバク
黒ティガ「……って食うなよ!!」
118: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:53:57 ID:W5S
ティガ「黒兄も食ってるじゃん」
黒ティガ「ウマイからな!でもこれは姉ちゃんの分だ!」
黒ティガ「……つーか、さみぃ……俺雪山は嫌いだぜ」
ティガ「ケケケ、雑魚じゃん」
黒ティガ「オラ帰るぞ。咥えろ」
ティガ「へいへい」カプリ
シュバッ
ティガ「まおえんああもめるファー(あの辺から飛べるかー)」
黒ティガ「おー、あももいっふぁんもいよー(おー、あそこ一旦降りよー)」
ティガ「っふぁう、もえもふるーひほいれー(ったく、俺もふつーに飛びてー)」
119: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:54:39 ID:W5S
黒ティガ「ふぁっふうっへまふぁいよふぁー(滑空ってダサいよなー)」
ティガ「ファーッ(なーっ)」
ドサッ
ティガ「あー、咥えるの疲れるな」ペッ
黒ティガ「否めねー」ペッ
ティガ「………ん?」
キリン「××××××………」
クシャル「×××!×××××……!」
ティガ「(麓のほう……キリンとクシャル!!マジで一緒にいる)」
ティガ「(なんか……揉めてる……?こっからじゃ聞こえねーな)」
キリン「×××××……」タッ
クシャル「××!」
ティガ「(あれ……キリン行っちまった)」
ティガ「(クシャルがボッチだ……)」
120: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:55:18 ID:W5S
黒ティガ「なに見てんだよ、下りるぞ」カプリ
ティガ「ああハイハイ……」カプリ
ティガ「……ふおひい、ほいひへる?(黒兄、恋してる?)」
黒ティガ「ファアーー?(はぁーー?)」
121: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:56:00 ID:W5S
------数分後、雪山の中腹------
キリン「ハァ、ハァ、ハァ……」タッタッタッ
キリン「…………」
”寄越せよ”
”やだ、やめてよ……”
”来ないでよ!”
”うるせぇ!騒ぐんじゃねぇ!”
”キリン!”
”怖いよ……”
−−−−バチバチバチッ−−−−
”あ……ごめんなさい……”
”ごめんなさい……クシャル君……”
キリン「…………」タッタッ…
キリン「ハァ、ハァ……」
キリン「………」ポロっ
122: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:56:42 ID:W5S
キリン「うっ……うっ……」
キリン「…………」ぐすっ
ガムート「…………キリンちゃん?」
キリン「!」
キリン「ガムちゃん……」
ガムート「キリンちゃん!今日も、雪山なんだね」
キリン「…………うん」ぐいっ
ガムート「あれっ………泣いてるの?」
キリン「…………っ」
ガムート「………どうしたの?」
キリン「うっ……う……うわああああん!」
ガムート「キリンちゃん……!」
123: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:57:36 ID:W5S
------数分後------
ガムート「落ち着いた……?」
キリン「……うん。ごめんね、急に……」
ガムート「ううん。よかった、泣き止んで……」
キリン「ありがとう………」
ガムート「…………」
キリン「…………」
ガムート「…………」
キリン「…………あのね」
ガムート「うん?」
キリン「大好きな人が、いたの」
ガムート「うん」
キリン「すごくすごく好きだった。毎日一緒にいて……」
キリン「いっぱい、いろんな話をした。いろんなところに行った」
キリン「でもね、ある日傷付けちゃったんだ……」
ガムート「傷付けた……?」
キリン「うん。傷付けようと思って、傷付けちゃったわけじゃないんだ」
ガムート「うん…………」
キリン「でも、私が全部悪いのよ」
124: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/24(火)22:59:18 ID:W5S
------同時刻・塔学校、会議室------
リオレウス「本日、クラスの生徒であるジンオウガからの報告ですが……」
リオレウス「古代林にて、野良リモセトスの大量死骸を見かけたとのことです」
シャガル「野良?」
リオレウス「はい」
シャガル「……」
リオレウス「ハンターの仕業ではないようで、全て食べかけであったり、爪痕のようなものが残っていたようです」
一同「………」
リオレウス「ここ最近、こういった……野良モンスターの大量死骸の目撃情報が、あまりにも多すぎます」
リオレウス「……副教頭。どうお考えですか?」
リオレウス「………」
アマツマガツチ「………」
アマツ「……食べかけであったとしても、襲ったのがハンターではないとは限りませんね」
アマツ「ハンターが?ぎ取り目的に殺したのを、他の者が食べた……といったところでしょう」
リオレウス「……そうでしょうか?」
アマツ「ええ。お気になさらず……」
128: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:28:37 ID:Kbh
------翌日早朝・古代林------
ディノバルド「………センパイ」
???「あァ?」バリッ、バリッバリッ
ディノバルド「俺今日は、学校行かなきゃなんで……」
???「……ふっははは、お前まだあのクソ学校通ってんの?」バキッ
ディノバルド「…………」
???「辞めちまえ」
ディノバルド「…………や……」
???「早く連れてこいよ、てめーのクラスの連中」ムシャムシャ
ディノバルド「……すいません。できません」
???「……ほー……」パキッ、バリッ、ジュルッ……
129: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:29:41 ID:Kbh
------数時間後、学校・メインモンス科------
ティガ「あっクスクスおはよう」
ライゼクス「てめークスクスとか呼ぶな!」
ティガ「うふふふクスクスー?」
ライゼクス「やめろや。その呼び名は桜ちんだけ許されてるんだ」
ティガ「オアツイねえ、ライゼクスクス君」
ライゼクス「やめろっつの」
ティガ&ライゼクス「ところでさ……」
ティガ「あっ、なに?先言えよ」
ライゼクス「いやいやティガこそどーぞ」
ティガ「あーー…………キリンのことなんだけど」
ライゼクス「あっ、俺もキリンちゃんのこと」
ティガ&ライゼクス「…………」
ティガ「……俺昨日見たんだよ。雪山で。あの二人マジで一緒にいたわ」
ライゼクス「ほほぉ」
ティガ「でもなんか不穏な空気でよー。キリン、走って行っちまったんだぜ。クシャル置いて」
ライゼクス「わお。ケンカしてたの?」
ティガ「や、話してることは聞こえなかったけど……クシャルが、なんか引き止めてたっぽい?でも行っちまったけど……」
130: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:30:30 ID:Kbh
ライゼクス「……なるほど」
ティガ「で、そっちはなに?」
ライゼクス「……ああ。これ、桜ちんから聞いたんだけど……」
ティガ「なになに」
ライゼクス「(ひそっ)キリンとクシャル。あいつら前に付き合ってたらしい」
ティガ「な………!!」
ライゼクス「シーッ!声でけぇ!」
ティガ「ま…………」
ティガ「マジで………?」こそっ
ライゼクス「ああ。一年くらい前に別れたらしい」
ティガ「別れたのになんで……」
ライゼクス「桜ちんの考えだけど、嫌い合って別れたわけじゃないんじゃないか、って」
ティガ「えーー!だとしたらラギアの入る隙、ナシ?!」
ライゼクス「わからん……」
ティガ「やべーーもっと詳しい情報が知りてぇ……」
131: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:31:25 ID:Kbh
ライゼクス「…………ラギアの話だと、ガムート……って、キリンと仲良いはずじゃ?」
ティガ「……!ガムートなんか知ってっかな……?」
ライゼクス「……ラギアまだ来ないよな…………」
ティガ「ああ…………」
ライゼクス「………呼ぶか」
ティガ「……おい、ガムート!」
ガムート「?!」
ミツネ「おー直々にお呼びが」
ガムート「や……やっぱり私の名前呼んだよね?!」
ミツネ「うん。間違いなくね」
ガムート「なっ……なななななんで……?」
ミツネ「早く行きなよー」トンッ
ガムート「うっうん……」
ガムート「な…………なにっ?」
ティガ「おーガムート。座れよ」
ガムート「はい……」
132: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:32:59 ID:Kbh
ライゼクス「折り入ってお聞きしたいんだがー」
ティガ「お前、キリンと仲良いんだろ?」
ガムート「(顔、近い……)うん……まぁ……」
ティガ「あのさ……キリンとクシャルって、付き合ってたのか?」
ガムート「……わかんない……」
ライゼクス「……なんだ、そーか」
ガムート「うん、でも……多分、付き合ってたのかな」
ティガ「多分?」
ガムート「誰とは言ってなかったけど……話聞いてて、そうかなって思ったよ」
ライゼクス「その話、俺らにもできねぇかな?」
ティガ「ラギアのこともあるし……知っておきてぇんだ」
ガムート「(どうしよう……)」ドキドキ
ガムート「(話してもいいのかな……)」
ライゼクス「他の誰かに喋ったりとか、絶対しねーから。俺ら」
ガムート「うん……」
ガムート「……昨日、キリンちゃんと会ったんだけど、泣いててね」
ティガ「!」
ティガ「……泣いてたのか」
133: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:34:07 ID:Kbh
ガムート「そうなの……よくわかんないけど慰めてたら、話してくれて」
ガムート「大好きな人がいて、その人を自分のせいで傷付けてしまった、って」
ライゼクス「うーむなんだか意味深だけど抽象的な話だな」
ティガ「なんで傷付けてしまったか、ってのは?言ってた?」
ガムート「うん。……なんかね、キリンちゃん、前に他のモンスターに襲われたことがあったんだって」
ライゼクス「…………」
ティガ「…………」
ライゼクス「まぁ、俺らにとっても、ありえ無くはない話だよな」
ガムート「その襲ってきた人の名前は、やっぱり教えてくれなかったけど……」
ガムート「……キリンちゃんの、『角』を、食べたがってた、って……」
ティガ「角……?」
ライゼクス「…………『キリンの蒼角』か」
ガムート「…………」
ティガ「なに?それ」
ライゼクス「あのな。キリンちゃん、角が青い個体だぜ」
ティガ「……青いと、なんなの?」
ライゼクス「キリンの蒼角を、好んで食う奴がいる」
ティガ「俺、しらねーな……」
ガムート「…………」
134: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:35:16 ID:Kbh
ライゼクス「いや、知ってる。元々、ケチャワチャとかと同じクラスだった奴だ」
ティガ「鋏角牙獣科?あのクラスっていったらまさか……」
ティガ「……ラージャン、か?」
ガムート「…………」コクッ
ライゼクス「あいつ校則破って退学になって、禁足地に追放されたろ」
ティガ「ああ……学校の奴を食ってな」
ティガ「ちょうど一年くらい前だ……あの事件のときに、キリンも襲われたってことか」
ライゼクス「そーいうことになるな」
ティガ「……うーわ、ラージャンに襲われるのはちょっと……さすがにかわいそー」
ティガ「俺でもちょっとビビるかも」
ライゼクス「あいつケタ違いだもんな。古龍レベルじゃねーと、マトモに戦えねーよ」
ティガ「あれ?でもキリン、角はちゃんとあったよな?」
ガムート「……間一髪のところを、助けてくれたのが、その『大好きな人』なんだって」
ライゼクス「クシャルだろうな」
ティガ「……確かに古龍だし、ラージャンとも渡り合えるよな」
ライゼクス「属性も、辻褄が合う。クシャルは氷持ってるし、ラージャンは氷によえーだろ」
ティガ「なーーーーーる」
ティガ「でも、それっていい話じゃね?なんで別れたんだ」
135: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:36:56 ID:Kbh
ガムート「……キリンちゃん、その時パニック起こして大泣きしちゃったんだって」
ライゼクス「んーー、カワユイ女の子にありがち!」
ティガ「それをクシャルがギュッとしてやれば一件落着、めでてーめでてーー」
ガムート「『襲ってきた人』を追い払った『大好きな人』が血まみれになってるのを見て、すごく怖くなって」
ガムート「その人が宥めようとして抱き締めてきたのを、バチバチッ、とね」
ティガ「ナルホド、パニック起こして雷撃やっちまったんだな」
ライゼクス「キリンちゃん、古龍だし帯電してるとつよそー」
ティガ「……あっ、クシャル、雷ダメじゃん!」
ガムート「そうなんだよね……」
ライゼクス「うわ。ラージャンにやられて瀕死のクシャルに、追い打ちを……」
ティガ「ヒィー、それは悲劇」
ガムート「でもその『大好きな人』は、全然怒らなかったみたい」
ライゼクス「クシャル、寛大そうだもんな」
136: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:38:10 ID:Kbh
ガムート「だけどキリンちゃんはすっごく悩んじゃったみたい。大好きな人を傷付けちゃった、って」
ティガ「んなこと言ったって……しゃーねーだろ?クシャルは怒らなかったんだから、それでいーじゃん」
ガムート「ううん、気にするよ、きっと。大好きな人が、自分のせいで瀕死にまでされて、さらに自分で傷付けちゃったら」
ガムート「確かにね、キリンちゃん言ってたの。ラギア君と三人で帰ったときに、ラギア君が『雷かっこいいよね』って言ったら」
ガムート「傷付けるくらいなら、こんな力は無いほうがいい、って……」
ティガ「…………」
ティガ「よえー女だな、キリンってのは」
ガムート「!!」
ライゼクス「おい、ティガ……」
ティガ「キリンは、クシャルが好きだったんだろ?それじゃダメなわけ?」
ティガ「『アタシの力で傷付けちゃったから、もう一緒にいられない!別れる!』ってんで別れたんか?そのあと」
ガムート「……そうみたい……」
ティガ「なんだよそれ!クシャルの気持ち、踏みにじってるだろ?!」
ガムート「そんな言い方!」
ライゼクス「落ちつけよ二人とも……」
137: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:39:20 ID:Kbh
ティガ「なんのために命がけで助けたんだよ。キリンは、自分が傷付きたくねぇだけだろが!」
ガムート「違うよ、大好きな人のことなんて、傷付けたくないって思うのは普通じゃないの?!」
ティガ「じゃあもう傷付けないようにすれば済む話じゃねーか!なんで別れるって考えになるんだよ!!意味わかんねーよ」
ティガ「ラギアが深みにはまんねーうちに、目ェ覚まさせたほうがいいんじゃねーの」
ガムート「……!」
ティガ「そんなテキトーな女に、ラギアはもったいねーよ」
ライゼクス「ティガ!」
ガムート「…………っ」
バシッ
ティガ「痛って……」
ライゼクス「(ひー、鼻でビンタ……)だ……だいじょぶ……?」
ガムート「サイッテー!」
ティガ「ガムート……」
138: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:41:16 ID:Kbh
ガムート「なによ!キリンちゃんだって、いっぱい悩んだんだから!!なにも知らないで!!」
ティガ「……ごめん、ガムート……」
ライゼクス「あっ……ガムート泣いてんの……?」
ガムート「……泣いてない!」グスッ
ティガ「ガムート、お前……」
ティガ「そんな風に怒ることあるんだな……」
リオレウス「おーいチャイム鳴ったぞー」ガラッ
リオレウス「席つけお前らー」
ガムート「!」
ライゼクス「えっもうそんな時間?」
ティガ「ラギア来てねーじゃん……」
ガムート「………ゴメンね、私……戻るね」すんっ
ライゼクス「おー……」
139: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:42:01 ID:Kbh
リオレウス「出席とるけどーー……なんだよ、今日休み多いな?」
リオレウス「ぱっと見で……クシャルダオラと、ディノバルドとセルレギオス……ラギアクルスも休みかー?」
140: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:48:06 ID:Kbh
------約1時間後、孤島・ラギアクルスの巣------
ラギア「…………ぐおぉ……」
ラギア「………zzz……」
ラギア「…………」すぴーっ
矢文アイルー(アメショ)「ラギアクルス殿ーー」
ラギア「ぐー、ぐー……zzz」
矢文アイルー(アメショ)「ラギアクルス殿……」
矢文アイルー(アメショ)「…………」コチョコチョ
ラギア「……うひっ、うっひっはっはっはっひゃっ」
矢文アイルー(アメショ)「ラギアクルス殿、起きてくださいニャー」
ラギア「うぅん……zzz」
矢文アイルー(アメショ)「…………」コチョコチョ
ラギア「ひっひっひゃっ」
ラギア「……うーん?」パチッ
ラギア「…………?」
ラギア「……んナァーーーーーーッッ!!!!」ガバッ
矢文アイルー(アメショ)「起きたですニャー」
ラギア「うわ!!なに?!矢文?!」
矢文アイルー(アメショ)「ですニャー」
141: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:49:17 ID:Kbh
ラギア「つーか学校!!え?!いま何時?!」
矢文アイルー(アメショ)「その学校から矢文ですニャー」
ラギア「えっ?!ありがとう!」バッ
矢文アイルー(アメショ)「どうぞニャ」
パサッ
『学校をサボるとわ 男らしくない
ハゲボンバーラギアよ 早く来やがれ
天下のティガ様より』
ラギア「ハゲボンバーだと……?」
142: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:49:57 ID:Kbh
ラギア「……うわー寝すぎたよーー寝すぎたーー」
ラギア「(昨日寝付けなかったから……)」
矢文アイルー(アメショ)「…………」ニコニコ
ラギア「…………」
矢文アイルー(アメショ)「…………」ニコニコ
ラギア「……あの……ありがとう。もういいよ、読んだから」
矢文アイルー(アメショ)「お代がまだですニャ」ニコニコ
ラギア「えっ?」
矢文アイルー(アメショ)「着払いですニャ」ニコニコ
ラギア「……あの野郎ーーーーーっ!!」
143: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:50:55 ID:Kbh
------数分後、巣から学校への道中------
ラギア「クッソーティガの野郎」
ラギア「ふつー矢文は元払いだろが」ブツブツ
ラギア「金欠だっつの……」ブツブツ
ラギア「ん?」
野良ガーグァの死体「…………」
ラギア「あ!腹減った!朝飯まだだし!」
野良ガーグァの死体「…………」
ラギア「誰の食い掛けだ……?ほとんど残ってないけど」
ラギア「でもいーや!食お」バリッバリッ
ラギア「あールドロス食いてーけど狩ってるヒマないーー」モグモグ
ラギア「ごちそーさま!!!」
ラギア「(行かねば……もう二限も終わりかけだよなーチクショー)」
ラギア「ん?」
野良ガーグァの死体2「…………」
ラギア「(また食い掛けだ……)」
ラギア「(何だ?ハンターか?……でも食ってあるしなぁ)」
ラギア「…………!」
野良ガーグァの死体の群れ「…………」
ラギア「……死にすぎ…………」
ラギア「……3、4、5、6、7………12?!12頭も死んでやがる……」
ラギア「(何だ……?みんな、食われててほとんど残ってない)」
ラギア「(こんなことする奴……誰だ?!)」
ラギア「……………………」
144: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:52:35 ID:Kbh
------同時刻、学校・メインモンス科------
リオレウス「……『天は砕かれた、その怒りによって。地もまた等しく砕かれ、世界の全ては無へと返り……』」
リオレウス「……『その鼓動だけが、無に共鳴した』」
ティガ「………zzz」
ライゼクス「(ひそひそ)お前ー!ついに来週号なんて持ってきて……」
ジンオウガ「(ひそひそ)もっとすごい商人アイルーにコネができてさ……」
ブラキ「(ひそひそ)他では出回ってない、発売前の号を買えるんだぜ」
ライゼクス「(ひそひそ)すげぇよ……神だよ……」
ミツネ「(ひそひそ)それで言い合ってたの?」
ガムート「(ひそひそ)うん……鼻ビンタはやりすぎたかもだけど、ティガもひどいよ」
ミツネ「んー……キリンさんの気持ちもわかるけど、ティガ君の言ってることもわかるかなぁ……」
ガムート「……うーーーん……」
リオレウス「……『彼にとってその世界は、数多ある住処の一つに過ぎなかった』」
リオレウス「……『小さき者どもは問い、狂う。終わりの鐘が聞こえ……』」
ガラッ
ディノバルド「…………」
クラス一同「?!」
リオレウス「ディ……ディノバルド……!」
145: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:53:41 ID:Kbh
ディノバルド「(ヒュー)すいません……遅れ、ゲホッ、遅れました……(ヒューッ)」
リオレウス「どうしたんだその怪我!!」
ディノバルド「……いいんです……ゲホ、ゴッ」
ミツネ「どうしたの?彼……」
ガムート「わかんないけど……すごい、血が出てる」
ライゼクス「……なんかヤバそうじゃね?」
ジンオウガ「いたそーっ……」
リオレウス「良くない良くない!見ろ!お前の歩いた跡、血痕!」
ディノバルド「ゲホッ、あーー………」ヒュー……
リオレウス「襲われたのか?!いやそれどころじゃない!医務室!手当しろ!」
リオレウス「先生の奥さんいるから!な?!」
ディノバルド「……いいです、別に……ゴホッ」
リオレウス「もうすぐ三限だけど、二限で来たことにするから行ってこい!」
146: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:54:40 ID:Kbh
ミツネ「……行ったほうがいいよ」
ミツネ「レイア先生に、手当てしてもらったほうがいい」
ガムート「ミツネっち……(珍しい、大きい声出して)」
ライゼクス「……ミツネの言う通りだぞ!」
ディノバルド「…………」
リオレウス「なっ?」
ディノバルド「…………ハイ」
ガラッ
ズル、ズル…………
リオレウス「……大丈夫だろうか……?」
リオレウス「血痕もすごいな……」
ガムート「先生。私、拭きます」
リオレウス「おお、悪いな」
ガムート「………」ドスドス、ガラッ、ドスドス……
リオレウス「……あーもう二限終わるな。続きは三限で」
キーンコーン……
147: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:55:37 ID:Kbh
ガムート「………」ブオオオオ………
ガムート「…………」ブウウウウウン……
ガムート「(こんなもんかな……)」
ティガ「……拭いたっつーより、吹いてるな」
ガムート「!!」
ティガ「……コレ。俺の顔に刺さってた」
ガムート「……あ……鼻棘」
ティガ「捨てるのも悪いから、返すぜ」
ガムート「……ごめん、さっき…………」
ティガ「あーーー、いい、いい」
ティガ「謝んのは、俺のほうだ」ポリポリ
ガムート「え……」
ティガ「……悪かったよ。お前の友達のこと悪く言って」
ガムート「…………」ふるふる
ティガ「お前、友達思いだな」
ガムート「……ティガ……くん、こそ」
ティガ「じゃ……」トボトボ……
ガムート「…………//」ドキドキ
148: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:57:32 ID:Kbh
------同時刻、学校・医務室------
ディノバルド「いっ…………」
リオレイア「しみるわよ。……あらぁーこれは、縫った方がいいかしら……?」
ディノバルド「……いーです。勝手にくっつくんで……」
リオレイア「バカ言わないの。ハイ、縫うからね」
ディノバルド「いやいーですホント」
リオレイア「麻酔なんかしないわよ」プスッ
ディノバルド「……い……たいっす」
リオレイア「我慢!」ぬいぬい
ディノバルド「…………」
リオレイア「良く見るとあなた、古傷ばっかりねぇーーメインモンス科の三バカですら、ここまで傷はないわよ」ぬいぬい
ディノバルド「(ティガ達のことか……)はぁ……」
リオレイア「この傷も、噛みつかれたような痕だし……誰にやられたの?」
リオレイア「ハンターじゃないでしょう」
ディノバルド「…………」
リオレイア「(……この噛み痕、以前にも手当てしたことがあるわ)」
リオレイア「(まさか、また……?)」ぬいぬい
ディノバルド「…………ッ」
149: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)21:59:20 ID:Kbh
リオレイア「………………」ぬいぬい
リオレイア「ハイ、あとは薬塗って包帯巻くからね」
ディノバルド……………ありがとうございます……」
リオレイア「…………」ぬりぬり
ディノバルド「…………」
リオレイア「…………はい、終わり」
ディノバルド「…………」ペコッ
リオレイア「ほんとは少し寝ていってほしいくらいだけど」
ディノバルド「や……戻ります」
リオレイア「……そう」
ディノバルド「世話んなりました」ズル、ズル
リオレイア「いーえ」
ガラッ
リオレイア「……ディノ君」
ディノバルド「?」
リオレイア「……気をつけるのよ」
ディノバルド「…………」ペコッ
バンッ ズル、ズル、ズル……
リオレイア「…………」
リオレイア「…………ふーっ」
リオレイア「嫌な予感だわ」
150: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:01:52 ID:Kbh
------数分後、学校・メインモンス科------
リオレウス「……その『頭』は、全ての始まりだ。反対に『尾』は全ての終わりであって……」
ティガ「………zzz」
ドスドスドスドス…………
ガラッ!!
ラギア「遅刻しましたーーーーーっ!!」
ライゼクス「あ、ラギアだ」
ティガ「うぅ………ん?」むくっ
ティガ「あっテメークソラギア!おせーよ学校サボリマン!!」
リオレウス「あーやっと来たか」フーッ
リオレウス「大遅刻だぞ気をつけろよ」
ティガ「学校サボリマン!!!!」
ラギア「うるせーー居眠りマン!!!!」
リオレウス「早く席つけ」ドカッ
ラギア「痛っ!センセー蹴らないで!」
ライゼクス「アハハハ」
151: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:02:44 ID:Kbh
ティガ「俺様の愛の矢文が届いたな」
ラギア「死ね!着払いにしやがって」
ティガ「うっはは」
ガムート「…………」チラッ
ガムート「(ラギア君……)」
ガムート「(元気そうだけど……キリンちゃんのこと知ったら、ショック受けるよね……)」
ガムート「…………」
ラギア「…………?」チラッ
ガムート「あっ……」
ラギア「……(お、は、よ)……」パクパク
ミツネ「………」
ガムート「…………!」ペコッ
ミツネ「……口パクで『おはよう』なんて、彼ずいぶん爽やかじゃない?」
ガムート「そうだねー」
ミツネ「もうさー、ティガ君よりラギア君のほうがいいんじゃない?」
ガムート「な!!!!」
ミツネ「白ラギアさんと、ダブルデートしよう」
ガムート「やめてよ!!私やっぱりティガがいい……」(小声)
ミツネ「ははは。冗談冗談……」
152: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:04:05 ID:Kbh
------昼休み、食堂------
ミツネ「ガムちゃん、席ありがとう」
ガムート「いーのいーの。いつもミツネっちにとってもらってるし」
ミツネ「今日もさ、みんなで食べれたらよかったよね」
ガムート「うん、まぁ……」
ミツネ「でも昨日も今日もたくさん話せて良かったね!」
ガムート「うん!!ラッキー、私!!」
ラギア「…………ガムート、ミツネ!」
ガムート「え?」
ラギア「こっち来れば?」
ミツネ「おー更にラッキーだね」ガタッ
ガムート「えーもうほんと幸せ……」ガタッ
ガムート「どーも……」
ミツネ「すわりまーす」
ティガ「……あれ?お前らって肉食わないの?そう言えば」
ガムート「うん」
ミツネ「昨日もそうだったけど?」
ティガ「やー気付かなかった」
153: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:05:17 ID:Kbh
ライゼクス「ガムートは草食だし、ミツネは魚が好きだもんな」
ラギア「……そういやさー、今日、孤島がすごかったぜ」
ティガ「なに?」
ラギア「ガーグァの死体だらけでさ」
ライゼクス「ハンター出たんじゃね?」
ラギア「ハンターにしては変。全部食いかけだった」
ティガ「……つーことは、モンスターの仕業だよな」
ライゼクス「野良の奴らじゃねーの」
ラギア「……イヤーそれにしても、今まであんなんなってんのは見たことなかったぜ」
ミツネ「……それって…………」
セルレギオス「オイ!!ディノバルド!!!!」
生徒たち「?!」
ドスドスドス……
セルレギオス「ディノバルド、テメェ!!!!」
ディノバルド「…………」
生徒たち「キャーッ」
ライゼクス「あいつもスゲー怪我だぜ……」
ガムート「ディノ君よりひどい……」
154: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:07:39 ID:Kbh
セルレギオス「シカトすんじゃねー!クソ!!」
ディノバルド「……うるせェな、俺いまメシ食ってんだけど」
セルレギオス「…………!!」
バシッ!
パリン、カラカラ…………
ディノバルド「…………」
ティガ「……なに?ケンカじゃん」
ライゼクス「ディノバルドの皿割れてるー」
セルレギオス「てめーのせいだろ!!??」
セルレギオス「テメーのせいで俺こんなんなってんだけど!」
ポタポタ……
クック「ちょっとちょっと!なに暴れてるの」
クック「血もすごい……」
セルレギオス「うるせージジイ!!!」
バッシーーン
キャーーーーーー……
セルレギオス「ハァ、ハァ……」
ガムート「怖っ……どうしよう!!」
155: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:08:47 ID:Kbh
ディノバルド「……おじさん。大丈夫ですか」グイッ
クック「うう……なんだい、いきなり……」
セルレギオス「てめぇが働かねーから俺が被害被ったんだぜ?!」
セルレギオス「てめぇが!!『センパイ』は行くなって言ったのに逆らって学校に来やがって!!!」
セルレギオス「お陰で俺ァ!!!このザマだ!!!畜生!!!」
セルレギオス「俺に怒りの矛先向けられたんだぜ!!どうしてくれるんだよ!!」
ディノバルド「…………」
ミツネ「『センパイ』……?」
セルレギオス「なんか言えよコラアァァ!!!」
バルルルルッ…………
セルレギオス「殺してやる!!!!!」
ティガ「うおーあいつマジ戦闘モード」ガタッ
ライゼクス「ちょ、止めんべ」ガタ
ラギア「おー」ガタッ
アマツ「やめなさい!!!なにをしているのです!!!!」
156: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:09:42 ID:Kbh
ティガ「あ、副教頭だ」
アマツ「……あなたはメインモンス科のセルレギオスですね!食堂でこんなこと……」
セルレギオス「あ…………副教頭先生…………」
アマツ「来なさい。今すぐ」
セルレギオス「あっ……違うんです、先生……僕は……」
アマツ「言い訳は聞きませんよ」クルッ
セルレギオス「…………」トボトボ
ガムート「行っちゃった…………」
ティガ「アマツ先生に呼ばれちゃあ、処分だろなぁ」
ライゼクス「謹慎とかで済めばいいけどな」
ラギア「つーか、なんであいつらケンカしてんの?」
ラギア「関わりあったのか?」
ライゼクス「センパイがどうのって言ってたけど……」
ティガ「なんだろなぁ」
ミツネ「…………」
ガムート「そう言えばミツネっち、何か言いかけてた?」
ミツネ「……うーーーーん………」
159: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:27:40 ID:Kbh
------数十分後、校長室(古塔近くの砂丘)------
リオレウス「……セルレギオス!」バサッ、バサッ
アマツ「…………」
セルレギオス「レウス先生……」
アマツ「もうすぐ、ダレン校長が来ますので」
リオレウス「すみません……私の生徒が……」
アマツ「……問題なのは、生徒自身ですから」
ズズン……ズズン…………
グオオオオオオーーーーン
ザッパアーーーーーーン
アマツ「ダレン校長……」
リオレウス「………!」ペコリ
ダレン・モーラン「…………うーーーーーーーむ………」
ズズズズゥン…………
アマツ「お茶でございます」ズズッ
ダレン「うーーーーむ」
リオレウス「(いつ見てもデカすぎる湯呑みだ……)」
リオレウス「(ウチの生徒が2、3人入りそう)」
163: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:30:09 ID:Kbh
アマツ「こちら、メインモンス科のセルレギオスという生徒です」
ダレン「うーーーーむ」
セルレギオス「…………」
ダレン「んーーーーーーーーー」
ダレン「リオレウスぅーーーーー」
リオレウス「はっ!」
ダレン「先生のォーーーーーー…………」
リオレウス「はい!」
ダレン「クラスのォーーーーーーーー………」
リオレウス「はい……」
ダレン「生徒だぬ?」
リオレウス「……はい、その通りです」
アマツ「(ひそっ)レウス先生。いい加減慣れてくださいね」
リオレウス「す、すみません……」
アマツ「先ほど食堂にて、同クラスの生徒に遅いかかりました」
セルレギオス「…………」
アマツ「更に食堂のイャンクックさんのことも投げ飛ばしました」
アマツ「問題行動と見なされます」
ダレン「……うーーーーーーーむ……」
ダレン「困るよねぇーーーーーーーー…………」
アマツ「ご覧のとおりセルレギオスは肉食の大型モンスターです。遅いかかった生徒を捕食することも可能かと」
リオレウス「いやそんな……子供のケンカですよ!」
アマツ「……レウス先生」
リオレウス「……はい」
164: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:31:06 ID:Kbh
アマツ「先生も肉食ですね。お分かりのはずです」
リオレウス「…………」
アマツ「あなたも、学校外のモンスターとの戦闘くらい経験があるでしょう」
アマツ「我々にとっては、人間のハンターはもちろんのこと、同じモンスターの生態も、等しく脅威となります」
リオレウス「………はい」
アマツ「我々は、学校という一つの秩序の中に生き、共に暮らしてきました。……我々はもはや、理性なき怪物ではない」
アマツ「本能のままに赴くことは恥です。少なくとも学校での生活があるうちは、『同志』を尊重し、捕食行動を控える。これは、塔学校の設立された、1000年前から決まっていることですよ」
アマツ「……我々の師が……築き、貫いてきたことです」
ダレン「……つーーまぁ〜〜りぃ〜〜〜〜……」
リオレウス「はい」
ダレン「塔学校のぉーーーーー」
ダレン「んぬーーー………生徒・教師・職員はぁーーー……」
リオレウス「…………」
ダレン「いついかなる時でもォ〜〜〜〜」
ダレン「……ゲフンッ、ゲフンッ」
アマツ「校長!大丈夫ですか」
ダレン「………同学校の関係者を捕食してはらないんだぬ〜〜〜〜……」
ダレン「……どんなに強い子でも……生徒を食べるなんてぇ〜〜〜〜」
ダレン「…………ズズ……」
リオレウス「(ここでお茶飲むのか……)」
ダレン「……ぬぅ………ご法度なんだぬ………」
165: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:32:09 ID:Kbh
リオレウス「それは重々承知です。しかし……」
ダレン「簡単なことだよぬ……学校関係者を捕食しないなんてのはぁーーー……」
ダレン「…………でも大事だよォ〜〜〜〜………」
セルレギオス「待ってください!……僕はディノ君を食べてないです!!」
リオレウス「そうですよ!問題はそこで……」
セルレギオス「食べようとも思ってない!ただムカつくから、一発殴ってやろうって……聞いてくださいよ!ディノ君の奴……」
アマツ「お黙りなさい」
セルレギオス「…………でも!」
アマツ「あなたが生徒をどんな理由で襲ったのかなんて、どうでもよいのです」
アマツ「問題は、あなたが塔学校の生徒であること。襲った相手も、同校の生徒であること。そして、塔学校内で暴れたこと」
セルレギオス「…………」
アマツ「そしてあなたには、多かれ少なかれ、間違いなく殺意がありました」
セルレギオス「そんな……それは言葉のあやで……」
アマツ「……一年前と同じように、あなたは結局、怪物のままだった……」
リオレウス「!」
セルレギオス「!」ビクッ
166: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:33:20 ID:Kbh
アマツ「…………ダレン校長。いかがいたしますか」
ダレン「………うーーーーーーーむ………」
リオレウス「校長!…………」
ダレン「………問答、無用………」
アマツ「……」コクッ
ダレン「退学…………と………追放だぬ………」
リオレウス「そんな!」
セルレギオス「…………う」
セルレギオス「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だァァァァァァァ畜生ォォォォァァ」
リオレウス「校長!!どうかご慈悲を…………」
セルレギオス「あああああああ!!!嫌だああああ!!!先生ぇぇぇレウス先生えええええええええええええ」
ダレン「…………ふーーーーー」
リオレウス「…………」
アマツ「…………」
リオレウス「セルレギオス…………」
リオレウス「………すまない…………」
セルレギオス「せんせぇぇぇぇぇぇぇあああああああああ」
アマツ「…………」プシュッ
セルレギオス「ああ………」
シューーッ………
セルレギオス「…………」バタッ
リオレウス「……鎮静剤ですか」
167: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:34:28 ID:Kbh
アマツ「ええ」
アマツ「口輪もしなくては」
カチャカチャ………
ダレン「んぬーーー………心苦しいけどねぇ………」
ダレン「……うーーーーむ、四人目の……退学者かぁ〜〜〜……」
アマツ「…………」
リオレウス「……禁足地行きですか」
アマツ「いえ……禁足地は、あれから我々教師でも近づく事は危険ですので」
アマツ「古代林の、最奥ですかね……」
ダレン「………んーーーー……古代林も、どうかねぇ………」
アマツ「……ええ、『別件』もありますが……」
ダレン「ぬぅーーーまぁ……500年も、経ってるしねぇ……」
リオレウス「……500年?」
アマツ「あぁ、レウス先生はまだご存知ない?」
リオレウス「はぁ………」
アマツ「……お教えしましょう。古代林は……」
アマツ「……×××××××……」
リオレウス「………え……………」
リオレウス「……そんな……」
169: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:36:10 ID:Kbh
------数十分後、学校・メインモンス科------
ガラッ
ライゼクス「オイ、セルレギオス退学だって………!」
クラス一同「?!」ざわっ……
ディノバルド「…………!」
ティガ「……おいおいジョーダンだろ?やばくねーかーー?」
ガムート「そんな……セルレギオス君……」
ラギア「シャレんなんねーだろ」
ミツネ「まさか退学なんて…………」
ディノバルド「…………」
ライゼクス「だから、五限と六限、自習だってよ……」
ライゼクス「セルレギオスを護送するらしい」
ジンオウガ「護送って!犯罪者みたいに……」
ブラキ「一年前から、先生たちも敏感になっちまってる」
ブラキ「最悪の事態に備えての処罰ってとこか」
ナルガ「いくらなんでも過敏すぎねぇ?」
蒼レウス「ちょっとケンカしただけでござる」
ティガ「……蒼レウスの声、久々に聞くなぁ……」
ミツネ「蒼レウス君って、ござる系なの……?」
ラギア「護送って、禁足地までか」
ライゼクス「まぁ、多分そうだろうな……」
170: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:37:12 ID:Kbh
------数分後、学校・屋上(塔の頂)------
リオレイア「あなた!」バサッ
リオレウス「……レイア……」
リオレイア「まさかあなたのクラスから退学者が出るなんて……」
リオレウス「ああ……俺の教育が……」
リオレイア「……そんなことないわ」
セルレギオス「……………」スー……
リオレイア「……彼、眠ってるのね。口輪までされて、手足も鉄の板に固定されちゃって……」
リオレウス「うん。……そして酷いキズなんだ」
リオレイア「本当……ディノ君といい、どうしたのかしら」
リオレイア「せめて手当てをしてあげなくちゃ……」カチャカチャ
リオレイア「…………!」
リオレイア「(この噛み痕は……)」
リオレウス「……その噛み痕。わかるかい」
リオレイア「ええ……やっぱりそうなのかしら」
リオレウス「だとしたら、マズイぞ」
171: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:37:55 ID:Kbh
リオレイア「この噛み痕と同じ噛み痕、ディノ君にもあったの……」
リオレウス「何だって?!」
リオレイア「……恐ろしいわ」
リオレウス「その件に関しては……後ほど会議にかけるしかないな………」
ジャガル「……遅くなりました」バサッ
アマツ「護送は、わたくしとレウス先生、あとシャガル先生とレイア先生に手伝っていただきます」バサッ
リオレウス「ああ……(他の先生方、ほとんど飛べないもんな……)」
アマツ「檻に入れますから、どいてください」
リオレイア「…………」スッ
アマツ「…………」ガチャンッ
セルレギオス「スー……スー……」
アマツ「……さて。運びますよ」
ガチャリ………
バサッ
リオレイア「う……重いのね、四人で掴んでも」
アマツ「護送用の檻ですからね」
フワッ
バサッ……バサッ…………
172: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:39:52 ID:Kbh
------戻ってメインモンス科------
ガムート「………あっ」
ミツネ「?」
ガムート「窓から見える!!先生たちが、護送してる……」
ティガ「どこどこどこ!」ドドドドッ
ティガ「マジだ……」
ライゼクス「護送の風景、初めて見た」
ラギア「四人で檻の鎖を掴んでんだな……」
ミツネ「……方向違くない?」
ガムート「え?」
ミツネ「禁足地は、ここから真南だよ。先生たち、南西に向かってない?」
ティガ「あーー……そういや、そうだな」
ライゼクス「なんでだ?」
ラギア「こっから南西に真っ直ぐっつーと……旧大陸とか……あとは古代林だな」
ティガ「古代林に護送ーー?!」
ティガ「俺でも行けるじゃん!追放になんのか?」
173: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:40:38 ID:Kbh
ミツネ「いや、古代林に追放……ありえるね」
ライゼクス「どーゆーこと?」
ミツネ「古代林の、奥の奥のずっと奥に……行くんじゃない?」
ガムート「なにかあるの?私、古代林は行ったことなくて……」
ミツネ「……僕もない。詳しくは、わかんないけどね」
ラギア「……古代林っつーと……あれ?なんか聞いたことあるような……」
ティガ「思い出せ!ラギア!」
ラギア「……んー、忘れた!」
ディノバルド「……………」
174: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:41:40 ID:Kbh
------六限終盤、同じくメインモンス科------
ガラッ
リオレウス「……みんなちゃんと自習してたかー?」
クラス一同「!!」
リオレウス「……まあお前らがちゃんとするわけないか」フーッ
ティガ「先生!……セルレギオスは?」
リオレウス「ああ…………」
リオレウス「あーーちょっと早いけど、SHRにするぞ」
リオレウス「元の席戻れ」
クラス一同「…………」ガタッ……ガタガタ
リオレウス「……随分おとなしいなー」
リオレウス「……えーと。みんなもう知ってると思うが、このクラスから生徒が一人いなくなった」
リオレウス「セルレギオスだ」
クラス一同「…………」
リオレウス「昼休みに食堂にいた奴は見たと思う。セルレギオスの暴走が原因で、校長たちは彼に対して退学と追放の処分を下した」
ティガ「…………」
ラギア「…………追放って、どこに?」
リオレウス「…………」
リオレウス「……みんな覚えてるだろう、一年前」
175: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:43:18 ID:Kbh
リオレウス「このクラスではないが……塔学校の生徒が、セルレギオスと同じように罰せられ、退学と追放となった」
リオレウス「その生徒は天空山の一角である『禁足地』に追放された」
リオレウス「禁足地は……人間のハンターも近寄らない。我々も同じように、物理的に、そして倫理的にも近寄れないことは、みんな知ってるだろう」
リオレウス「その生徒も、我々塔学校によって、禁足地からは二度と出られないように処置された」
リオレウス「しかしセルレギオスが追放されたのは、禁足地ではない」
ガムート「…………」
ライゼクス「…………」
リオレウス「……詳しいことは言えないが、古代林だ」
ティガ「……!!」
ミツネ「……やっぱり……」
リオレウス「古代林は、俺も良く行く。このクラスのみんなも、古代林に行く生徒は多いだろう」
リオレウス「古代林の……奥の奥。普通に生きているだけでは辿り着けない場所だ」
176: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:44:14 ID:Kbh
リオレウス「……みんなに頼む。古代林は、危険だ」
リオレウス「特に深奥には、絶対に近付かないでくれ」
ティガ「……シェンガオレン先生の、昔の抜け殻があるあたり?」
リオレウス「いや実際にはもっと奥だ。しかしそのエリア付近にも出来るだけ近付かないでほしいんだ」
リオレウス「生徒の葬式など、出たくないからな……」
ガムート「…………!」
ミツネ「……何かを見たんですか?」
リオレウス「…………!」
ラギア「ミツネ…………」
リオレウス「…………いや」
リオレウス「とにかくお前らが近付かなければいい話だ」
リオレウス「セルレギオスの件は悲しい。……しかし、もう二度と会えないんだ」
ライゼクス「……追放された場所で、どー過ごすの?」
リオレウス「何もできない。今は鎮静剤によって眠っているだろうが、いずれ鎮静剤が切れたとしても、鉄の板に固定されたまま、身動き取れずに衰弱するだけだ」
ティガ「……むごい」
ラギア「……実質、死刑じゃん……」
リオレウス「そういうことだ。……みんな、気をつけてくれ。俺からはそれしか言えない」
クラス一同「…………」
リオレウス「じゃあ、真っ直ぐ家に帰れよ。古代林へは行くな。SHRは終わりだ」
スタスタ……
ガラッ
クラス一同「…………」
ティガ「…………胸糞悪い話だな」
ラギア「そうだな……」
177: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:46:59 ID:Kbh
------放課後、どこかの森------
ディノバルド「……(今日は1グラムも入れたが)……」
ディノバルド「………(上手くいくといい)………」
ドスン……
ディノバルド「!」
???「おォーーいっぱい持ってんなぁ」
???「…………」バリッ、バリッ
ディノバルド「……今日、セルレギオスが退学になりました」
???「へーー」ガツガツ
ディノバルド「古代林に行きましたよ」
???「いい場所じゃん」ムシャ、ムシャ
???「最奥のまた最奥だろ?」グチャグチャ
ディノバルド「……って、言ってました」
???「担任が?」ガツ
ディノバルド「はい」
???「連れてこい」
ディノバルド「……無理ですって……」
ディノバルド「ジョー先輩……」
???(イビルジョー)「…………」バリッバリッ
178: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:48:36 ID:Kbh
------同じく放課後、渓流・タマミツネの巣------
ティガ「行っちゃダメってことはさーー行っていいってこと?」
ライゼクス「いやいや。お前バカなの?」
ティガ「ダメって言われると行きたくなるんだよねー」
ラギア「…………」
ガムート「でも、ダメだよ……」
ティガ「えーー」
ミツネ「……どーでもいいけどさぁ」
ミツネ「なんでみんな僕の巣にいるの?」
ライゼクス「あ、お邪魔してまーす」
ミツネ「遅いよね、言うの」
ガムート「みんな、一人になりたくないんだよね……」
ティガ「…………」
ライゼクス「ティガ以外みんな一人暮らしだもんなぁ」
ティガ「俺は単純に黒兄とむさ苦しい空間にいたくないだけだしー?」
ミツネ「だからって、なんで僕の巣なの……」
ガムート「まぁまぁ、気候的にみんなが一番集まりやすいからね!」
179: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:49:58 ID:Kbh
ミツネ「なら森丘のライゼクス君の巣でも良かったんじゃない?」
ライゼクス「あっ俺はダメ!桜ちんの巣がすぐ近くだから」
ガムート「桜ちん?」
ライゼクス「俺の彼女!桜リオレイアちん。男どもならまだいいけど、ガムートまでいるとこ見られちまったら殺されちまう」
ガムート「あぁ……なら別に、私はいなくてもいいけど……」
ティガ「いやみんなで集まるのがいいんだってー」
ガムート「……ありがとう//」
ラギア「…………」
ライゼクス「……そんなにキリンちゃんと会えなかったことショックなの?ラギア」
ラギア「んーーー…………」
ミツネ「? なんで会えなかったの?」
ティガ「今日休みだったーー」
ガムート「キリンちゃんと一緒に帰ろうとしたの?」
ライゼクス「昨日、クシャルとキリンちゃんが一緒に帰ろうとしてるとこ見ちゃってさーー」
ティガ「それで、今日はラギアが一緒に帰ろうとしたんだけど、教室行ったら休みだって言われて」
180: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:51:21 ID:Kbh
ライゼクス「にしても、古龍科の奴らって冷たいよなぁ〜」
ティガ「そーそー!めっちゃぶっきらぼうに『キリンは休みですわよ』だってさーー!!」
ライゼクス「似てる!!!!ぶっははは」
ミツネ「誰に言われたの?」
ライゼクス「ナナ・テスカトリちゃん!」
ガムート「ああ。確かに言いそう」
ティガ「だろーー?wwww」
ラギア「…………」
ライゼクス「ラギアーーー?」
ティガ「そんなに気になるならさぁー、矢文でも送ってみろよ」
ラギア「……矢文?なんて?」
ライゼクス「『今日休みって聞いたぜ!大丈夫?』とかさ」
ラギア「えーーいきなり送っていいのかな」
ティガ「矢文はいきなり送るもんだろ!送れよ」
ラギア「……送ってみっかー……?」
ガムート「うん、送ってみなよ。きっと雪山にいるよ」
ガムート「昨日のこともあるし、私も心配……」
ラギア「え?昨日のことって?」
ティガ&ライゼクス「!!!!!」
ガムート「あっ……」
181: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:52:14 ID:Kbh
ティガ「(言うなよ……絶対言うなよ!)」
ライゼクス「(まだクシャルとキリンちゃんのことは隠したい!!)」
ガムート「あの……雪山がいつも以上にすごい吹雪だったから…………」
ラギア「えっマジか!じゃあ心配だな!送ろ!」
カリカリ……
『キリンちゃん
今日、学校休んだんだって?
大丈夫?
(返事は着払いでいいです)
ラギアクルス』
ライゼクス「……『着払いでいいです』……ウーー!健気だなぁ」
ラギアクルス「じょーしきだろ!」
ティガ「早く出してこいよーー」
ラギアクルス「おう」
182: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:53:10 ID:Kbh
ペタ、ペタ、ペタ……
ラギア「(渓流から矢文って、送ったことないんだよな……)」
ラギア「(とりあえずネコの巣はどこだ………)」
ラギア「(えーーっと狭そうなとこ……)」
ラギア「あ、あそこか?ネコの像もあるし」
ラギア「『やぶみ うけつけ』……ここだな」
ラギア「あのーーぅ……」
矢文アイルー(茶トラ)「はいニャー!」パタパタ
ラギア「あっ、矢文を送りたいんだけど」
矢文アイルー(茶トラ)「これはこれはラギアクルス様!元払いですニャ?それとも着払いニャ?」
ラギア「元払いで」
チャリン
矢文アイルー(茶トラ)「まいどー!どこのどなた様宛ですニャ?」
ラギア「雪山の、キリンさん宛に」
矢文アイルー(茶トラ)「はい承知ニャ!」
183: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:54:55 ID:Kbh
矢文アイルー(茶トラ)「シローーー!矢文ニャー!」
矢文アイルー(白)「はいニャ、はいニャ」パタパタ
矢文アイルー(茶トラ)「雪山のキリン様宛だニャ!」
矢文アイルー(白)「雪山宛は、ワタクシの担当なんですニャー」
ラギア「そうなんだね」
矢文アイルー(白)「……よっ、せーの……ニャアッ!!!」
シュピーーーーン…………
矢文アイルー(白)「完了だニャ。5分もしない内に雪山に届くニャー」
ラギア「ありがとう。俺はタマミツネの巣にいるから、もし返事が来たらよろしく頼む」
矢文アイルー(茶トラ)「承知ニャー!!」
ラギア「(返事、来るかなぁ……)」
ウォォォーーーーーーン……
ウォォォーーーーーーン……
ラギア「?!……ジンオウガの声だ!」
ドッドッドッ…………
ラギア「ジンオウガ!!!」
184: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:55:57 ID:Kbh
ウォォォーーーーーーン!!!
バチバチバチバチッ
ジンオウガ「…………」バチッ、バチッ
ハンター1「?!」
ラギア「聞こえてねぇか……俺も行く!!」
ドスッドスッドスッ
ハンター2「ラ……ラギアクルス?!」
ハンター3「また乱入かよ!!」
ラギア「…………」スゥゥゥゥーーーーッ
ゴガアァァァァァァァァァ!!!!
ハンター1「……クソッ、うるせぇ……!」ビリビリ
ジンオウガ「…………」ドガァン!ドガァン!!!
ハンター4「チッ……分が悪い!!帰ろう!!!!」
ハンター3「ここへ来てリタイアか……」
ラギア「出てけ出てけェーーーーー!!!」バチバチッ
ハンター1「さっきはイビルジョーの足跡があったってのに……!!」
ハンター2「二頭乱入なんて聞いたことがねェ!!逃げるぞ!!!」
ラギア「……?……なんつってるかわかんねーーよ!!」
ラギア「俺らにわかる言葉で話せやーーーーー!!!」
ググググッ…………
ガオオォォォォン…………
バチバチッ バチバチッ
ハンター4「雷球だ!!早く逃げよう!!」
パシャパシャパシャパシャ…………
185: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:56:48 ID:Kbh
ラギア「…………」
ラギア「………逃げてったな、クソ雑魚め」
ジンオウガ「…………」バチッ……バチッ……
ラギア「あの……大丈夫?」
ジンオウガ「…………」バチッ……ジジッ……
ラギア「…………」
ジンオウガ「…………久々に狙われちゃったーあ!」シュウウン
ラギア「大丈夫か?何も言わないからビックリしたよ……」
ジンオウガ「ごめん!超帯電状態だと、声とかに反応できなくなっちゃうのー」
ラギア「ケガないか?」
ジンオウガ「ちょっと大剣くらっちゃった!」
ラギア「……えー?!あっ、血ィ出てんぞ」
ジンオウガ「ほんとだー」
ラギア「お前の巣、こっからどんくらい?」
ジンオウガ「南に10分くらい走るとあるよ」
ラギア「(ミツネの巣のほうが近いな……)」
ラギア「いまクラスの奴らでミツネの巣に集まってんだけど、お前も来れば?」
ジンオウガ「そうなのー?!え、行っていいの?」
ラギア「おう。ミツネの巣なら、ちゃんと薬草とかあると思う」
ジンオウガ「じゃあ、お言葉に甘えようかな?」
186: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:58:08 ID:Kbh
------五分後、渓流・タマミツネの巣------
ラギア「たらいまーー」
ティガ「おう、おせーぞ!」
ライゼクス「ちゃんと送れたかー」
ミツネ「あれ、ジンオウガ君」
ガムート「会ったの?」
ジンオウガ「おおっ、ほんとにみんないる!」
ラギア「ハンターに狙われててさー」
ラギア「ケガしてっから。ミツネ、薬ある?」
ミツネ「あるよ」ゴソゴソ……
ジンオウガ「ごめんねー久々に狙われちゃってさ」
ジンオウガ「一発食らっちゃったのー」
ガムート「ひゃー……大丈夫?」
ジンオウガ「痛いけど、薬塗ればへいきー」
矢文アイルー(茶トラ)「ラギアクルス様ー!!」
ラギア「うお!!もう返事?!」
ティガ「早ぇー!!読め早く!」
矢文アイルー(茶トラ)「雪山のキリン様から、お返事ですニャー」
ラギア「あああああキリンちゃんからの返事……」
ラギア「あっ、料金」
矢文アイルー(茶トラ)「元払いですから、料金はいらないですニャー」
ラギア「えっ……着払いでいいって言ったのに」
ライゼクス「くーっ!いい子!!キリンちゃん」
187: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)22:59:28 ID:Kbh
ラギア「…………」ドキドキ
パサ
『ラギアさん
ありがとう。大丈夫だよ。
キリン』
ティガ「………これだけ?」
ライゼクス「スッゲーーー塩対応!!」
ガムート「…………」
ミツネ「(気の毒……)」ぬりぬり
ジンオウガ「……痛い!……しみるねーー」
ラギア「…………えーーーーー……」
ティガ「更に返事しろ!!!」
ライゼクス「おお!『明日、一緒に帰ろう!』って!」
ラギア「……俺、メンタル弱い……」
188: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:00:32 ID:Kbh
ティガ「だーー!!もう!!俺が書いたるわ!!」
ラギア「あっ、ちょ……」
『明日一緒にかえろーーーー
まじさみしかった〜〜チュッチュッ
?イケメンラギア?』
ライゼクス「ぎゃーーーっはっはっはっ」
ティガ「コレで行け!」
ラギア「…………」バチッ
ティガ「あ゛ヴっ」
ライゼクス「ぎゃーーはははは!!うわーーーっはっはっはっ!!」
ガムート「笑いすぎ………」
ミツネ「………ガムちゃんも、笑いこらえてない?」
ガムート「………っ……ふっ……」
189: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:01:34 ID:Kbh
ラギア「俺がそんなアホな文送るか!嫌われるっつの!!」
ラギア「しかも字が下手すぎて更にアホに思われる!!!!」
ティガ「あぁ?!俺様のゲージュツ的な美文字が下手だとぉ?!」
ラギア「…………」カリカリ
『ならよかった。(料金ごめん)
明日、一緒に帰らない?
(ホントに着払いでいーです)
ラギアクルス』
ティガ「……あーつまんねーー」
ライゼクス「純情か!」
ラギア「お前ら俺を応援してんのか?!それとも無惨にフラれてほしいのかよ!!」
ティガ「いやいや応援してる」
ライゼクス「上手くいけば万々歳だし、フラれてもちょっと面白い」
ティガ「どっちに転んでも俺らには面白いから」
ラギア「…………」バチッ
ティガ「あ゛ヴっ」
ガムート「二人とも……」
190: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:02:46 ID:Kbh
ラギア「……また、出してくるわ」
ライゼクス「ケントーを祈る!」
ラギア「ういーっす」ズルズルズル……
ティガ「あいつ走ってったな」
ライゼクス「あいつ走り方ヘンだよな」
ティガ「海竜種だから?」
ミツネ「僕も海竜種なんだけど」
ティガ「あっゴメン」
ジンオウガ「…………ラギアって、キリンさんと付き合ってんの?」
ライゼクス「まっさか。あいつの純粋な片思い」
ティガ「俺たちはあいつの応援隊」
ジンオウガ「へーーーーー」
ジンオウガ「そういえばキリンさんって、前にクシャルと付き合ってなかった?」
ティガ&ライゼクス「?!?!!!」
ミツネ&ガムート「!!!」
ジンオウガ「あれ?みんな知らない?」
ティガ「し………ってる。知ってるぜ」
ガムート「……」コクコク
191: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:03:52 ID:Kbh
ジンオウガ「だよねーー。俺も、双子の弟から聞いたんだけどね」
ティガ「獄オウガか」
ライゼクス「なんで獄オウガが知ってんの?」
ジンオウガ「獄ね、ナルガの弟の、緑ナルガと仲がいいんだけど」
ジンオウガ「その緑ナルガから聞いたんだって」
ティガ「緑ナルガって飛竜亜種科だよなー」
ガムート「(ひそっ)……獄オウガって?」
ミツネ「(ひそっ)ジンオウガ亜種君だよ。獣牙竜科の」
ライゼクス「……桜ちんが言ってた!『飛竜亜種科はゴシップに強い』って!」
192: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:04:43 ID:Kbh
ジンオウガ「うん、そうなんだってね。だから俺さー、クシャルに聞いちゃった」
ティガ「えっ!!!」
ライゼクス「何を?!」
ガムート「いつ?!!」
ミツネ「どのタイミングで?」
ジンオウガ「えっとー。二、三ヶ月くらい前かな?俺ときどきクシャルと話すんだよ」
ジンオウガ「あいつ寡黙だし、孤高な感じするけどー」
ジンオウガ「マンガ読んでるらしくて、その話とか結構してくれる!」
ティガ「意外な一面だな……」
ライゼクス「で、何を聞いたんだ?」
ジンオウガ「クシャルと二人でマンガ買いに行った時に、聞いたんだよね。『キリンさんと付き合ってたの?』って」
ミツネ「また唐突に聞いたんだね」
ガムート「そしたら……?」
ジンオウガ「『うん』って」
ティガ「うっっっわ!!マジ確定事項!!!」
ミツネ「わーーー……」
193: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:05:46 ID:Kbh
ジンオウガ「『フラれて随分経つ』とも言ってたなー」
ジンオウガ「だから、また聞いちゃった!!」
ティガ&ライゼクス&ガムート「何を!!!」
ジンオウガ「『まだ好きなのー?』って」
ティガ&ライゼクス&ガムート「!!!!!!!!!」
ジンオウガ「『うん』って言ってた!」
ティガ「……なんと!!!!」
ライゼクス「ラギア死んだな!」
ガムート「未練あったんだ……」
ミツネ「まあ予測できたよね」
194: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:06:33 ID:Kbh
ジンオウガ「それでねー、『でも彼女の心には傷がある。俺ではその傷を癒すことはできない』ってさ!なんかカッコいいよね〜」
ティガ「傷ねぇ…………」
ガムート「(例の件……のことだろうな)」
ジンオウガ「俺、クシャルはいいやつだと思う!顔も渋い感じのイケメンでさ」
ミツネ「んまぁ、確かにイケメンっていうか、男前だよね」
ライゼクス「ラギアとどっちがかっこいいと思う?女子の意見として!!」
ガムート「んーー……ラギア君は、今風の爽やかイケメンだよね。クシャル君は、ほんとに大人の男って感じで……系統が違うよ……」
ティガ「でもラギアは頭脳がザンネンだからな」
ライゼクス「お前にだけは言われたくないと思う」
195: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:14:38 ID:Kbh
------数十分後、渓流・ネコの巣を出たところ------
ペタ、ペタ、ペタ……
ラギア「(さて、帰り道はこっちの方か……)」
ラギア「…………」
ラギア「…………?!」
ペタッ
ハンター達の死体「…………」
ラギア「!!」
ラギア「(ハンターだ!!!)」
ハンター達の死体「…………」
ラギア「(四人パーティーだ……全滅してやがる)」
ラギア「(さっきジンオウガを狩ろうとしてた連中とは……違うみたいだ)」
ラギア「(装備からして、初級ってわけではなさそうだし……)」
ラギア「(不運だったな)」
ラギア「(それにしても……誰を狩りに来たんだ?そして……)」
ラギア「(……誰に返り討ちにされたんだ?)」
196: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:15:39 ID:Kbh
------同時刻、塔学校・会議室------
アマツ「先生方、全員集まりましたね」
アマツ「窓を開けましょう」
リオレウス「はい」ガラッ
ザァァァァァ…………
アマツ「校長!教頭!聞こえますか?」
ダレン・モーラン「……んーーーーーーー………」
ジエン・モーラン「……きーーーーーこーーー……」
ダレン「えーーーーー…………」
ジエン「まーーーーーーー」
ダレン「すーーーーー……」
リオレウス「(ダレン校長とジエン教頭……)」
アマツ「では本日の会議を始めます。各クラス、報告を」
リオレウス「メインモンス科担任のリオレウスです」ガタッ
一同「…………」
リオレウス「本日昼休みに食堂にて、生徒のセルレギオスが同クラスのディノバルドを襲った上で『殺してやる』と発言し、退学及び追放となりました」
一同「…………」
リオレウス「……以上です」カタン
197: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:16:46 ID:Kbh
シャガル「古龍科担任のシャガルマガラです」
シャガル「本日、例の抜きうちテストをしたところ、受けた全生徒が学校平均を遥かに上回る点数を獲得致しました。なお生徒のナナ・テスカトリは学校トップの点数であり、これで15回連続の学校トップのために表彰の対象となりました」
パチパチパチパチ……
グラビ「飛竜科担任のグラビモスです。生徒のモノブロスが本日未明に砂漠にてハンター二人の襲撃に遭い応戦し、ハンターは二人ともリタイアしたそうです」
198: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:17:41 ID:Kbh
黒グラビ「飛竜亜種科担任のグラビモス亜種です。本日は問題もなく……」
リオレウス「…………」
リオレウス「(セルレギオスにあった噛み痕は……)」
ハプル「魚海竜科担任のハプルボッカです……」
リオレウス「(やはりレイアも言っていたように……)」
宝纏「獣牙竜科担任の宝纏ウラガンキンです」
リオレウス「(もし、それが真実ならば……)」
シェン「両生甲殻科担任のシェンガオレンです」
リオレウス「(……本当に恐ろしいことになる……)」
紅兜「鋏角牙獣科担任の紅兜アオアシラです」
リオレウス「(しかし、なぜ噛み痕だけなのか……)」
青クック「鳥竜科担任のイャンクック亜種です」
リオレウス「(体の肉が無くなった様子はなかった)」
199: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:18:39 ID:Kbh
水ガララ「蛇竜甲虫科担任のガララアジャラ亜種です。本日、生徒のアルセルタスより『野良の草食モンスターの大量の死骸を、原生林にて見かけた』との報告を……」
リオレウス「(命からがら逃げてきたというのか……)」
リモセトス「雑魚科1組担任の……」
リオレウス「(果たして逃げられるものなのだろうか……)」
リオレウス「…………」
リオレウス「………………」
アマツ「……はい、それでは他に何か報告はございますか?」
一同「…………」
リオレウス「……はい、私から一つございます」
アマツ「はい、レウス先生どうぞ」
リオレウス「本日退学となったセルレギオスですが、彼の身体は大きな傷だらけであり、瀕死の状態でした」
リオレウス「また、同クラスの生徒であるディノバルドの身体にも、同様の傷が」
リオレウス「……ディノバルドを治療したリオレイア先生によると、二人とも同じモンスターに攻撃されたのではとのことです」
200: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:20:18 ID:Kbh
アマツ「……なるほど、それは野良のモンスターの可能性が高いのでしょうか?」
リオレウス「……はい。噛み痕の歯型からして……私にも見覚えがありました」
アマツ「…………」
リオレウス「……おそらく、高確率で『イビルジョー』による攻撃かと思われます」
一同「?!」ザワッ……
アマツ「……イビルジョーは一年前、ラージャンと共に退学及び追放となりましたが?」
リオレウス「はい、確かにそうです。……ですがあの噛み痕は、どう考えても……イビルジョーのものかと」
アマツ「…………」
ジエン「………ぬーーーーーーーーーん………」
ジエン「……イビルジョーもラージャンも……口輪をした上で鉄の板に強く……固定してあったはず……」
ダレン「……いかにも……自力で抜け出すことは、どうにしても……うーーーむ、不可能……だぬ……」
アマツ「その通りです。二人は食堂で揉めていたそうですから……喧嘩でもして、お互いの歯型がついたのでは?」
リオレウス「絶対に違います!」
アマツ「…………」
ダレン「…………」
ジエン「…………」
201: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:21:31 ID:Kbh
リオレウス「……一年前、確かに……イビルジョーによって捕食されかけた生徒にあった歯型と、同じものです」
アマツ「…………」
リオレウス「禁足地への追放は、護送檻に厳重に鍵をかけ、更に内部でも固定した上で行われたので……確かに自力では、イビルジョーやラージャンとて抜け出せないでしょう」
リオレウス「しかし何者かが故意に……意図的に彼らを解放したのならば……ディノバルドやセルレギオスを攻撃することも可能でしょう」
アマツ「……何者かが、『まず物理的に厳重に拘束され、さらに閉鎖された僻地へと送り込まれた彼ら』を解放したと?」
リオレウス「そう考えるのが……自然かと……」
アマツ「……レウス先生、あなたは……」
アマツ「『我々の処置が杜撰であった』と……そうおっしゃりたいのでしょうか?」
リオレウス「…………」
ざわ……ざわ……
202: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:22:41 ID:Kbh
シャガル「……アマツ副教頭。水を差すようですが……私も、その可能性はゼロではないかと」
アマツ「……シャガル先生」
シャガル「イビルジョーがもし解放されてしまったのなら、同時にラージャンの解放も考えられます」
シャガル「そして本日セルレギオスの護送先である古代林で確認されたことに関しても、合わせて重要事項とみて、今後の対策を話し合うべきでは?」
リオレウス「(古代林……)」ゾクッ
ざわ………
アカムトルム「古代林ではなにを確認したのです?」
アマツ「……アカム主任」
ウカムルバス「500年前の件との関係はあるんです?」
ウカムルバス「もしそうであれば、大問題じゃないです?」
アマツ「………………」
アマツ「……ウカム副主任の言う通りです」
一同「…………」
アマツ「……わかりました。すべて説明し、今後の対策を考えなくてはなりませんね」
203: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:33:06 ID:Kbh
------数分後、渓流・タマミツネの巣------
ライゼクス「おかえりラギア!!遅かったなまた」
ラギア「んーー、返事待ってた……」
ティガ「え!!来たの?返事!!!」
ラギア「…………すぐ来た」
パサッ
『不在ニャ』
ガムート「え?不在?」
ミツネ「ほんとだ、ラギア君が送った矢文も返されてる……」
ライゼクス「肉球のスタンプ付きだな……」
ティガ「最初は返事きて、またすぐ送ったのに今度は不在?」
ラギア「俺に返信した後に、どっか出かけたんだろ」
ガムート「んーーーー巣に帰ったのかな?」
ラギア「そう言えばキリンちゃんの巣って、どこ?」
ガムート「未知の樹海だよ。双子のお兄さんの紫キリンさんと二人暮らしで……シャガル先生とゴマ君の巣も近いって言ってたかな」
ティガ「未知の樹海に送り直してみるか?」
ラギア「いやもういーよ。明日、直接誘ってみるし……」
ライゼクス「んーードキドキが止まんねぇな!」バシバシ
204: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:35:08 ID:Kbh
ラギア「あっ、そう言えばよー」
ラギア「いま帰ってくる途中、全滅してるハンターのパーティー見かけたぜ」
ティガ「ざまぁ!」
ジンオウガ「俺に襲撃してきた奴らかな?」
ラギア「違ったみたいだぜ。すごかったよ、四人パーティー全員死んでんの」
ラギア「頭ない奴もいたし」
ライゼクス「おえー」
ラギア「今朝も、孤島で野良ガーグァの群れの死骸も見かけたし……なんか、変だよな」
ジンオウガ「あー俺も!昨日の朝、古代林で野良リモセトスの大量死骸見た」
ティガ「マジで?」
ラギア「みんな食い掛けでさー」
ライゼクス「俺らも遊びとかメシで狩ったりするけど、全部食べるしちゃんと片付けるもんなー」
ティガ「校則守んねー奴か、野良の大型モンスターがやったんじゃねーの?」
ラギア「……にしても、こんな頻繁に見かけるか?大量死骸なんて!!」
205: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:36:21 ID:Kbh
ガムート「怖いね……今日はディノ君もセルレギオス君も、もの凄いケガだったし……」
ミツネ「…………うーーーーん」
ミツネ「イビルジョーじゃない?」
一同「?!!」
ミツネ「そんなに食い散らかすようなことするのって、イビルジョーくらいじゃないかなぁ」
ティガ「いやいや、あいつは一年前に追放なったろ?」
ライゼクス「そーそー、ラージャンと二人してさー」
ジンオウガ「俺見ちゃったもん。あいつらがクラスメイト食ってるの」
ラギア「げぇーーっ!!キツすぎ!」
ミツネ「追放になっても、誰かが禁足地の扉とついでに檻を開ければ余裕じゃない?」
ガムート「…………」
ティガ「……誰がそんなことするんだよ」
ライゼクス「だってよ……メリットねぇだろ?」
ラギア「当然、禁足地に近付いたり、場所を探ることは校則で禁止されてるし……」
ガムート「そもそも、具体的な場所を知らなきゃ禁足地にはたどり着けないでしょ?」
ティガ「そうだぜ!まず、ハンターや野良の連中は知るはずがねぇ。俺らも、禁足地の場所はしらねぇ。天空山のどっかってだけ!」
ライゼクス「知ってて近付いたとしても、あんな食欲の権化みたいな連中、解放しようって思うか?!」
ジンオウガ「自分の命だって危ないし」
ラギア「更に校則破ったことがバレたらてめーも追放だぜ?」
ガムート「ほんとに……考えられない話だよ……」
206: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:37:35 ID:Kbh
ミツネ「まあそうなんだけど」
ミツネ「裏を返せば、場所を知りさえすれば簡単に解放できる。んで、バレなきゃいいんだもの」
一同「…………」
ミツネ「塔学校って、詰めが甘いんだよ」
ティガ「……えっ、ガバガバじゃん!!」
ライゼクス「塔学校ガバガバ!!ガバガバ学校!!」
ラギア「えーーーでも解放した瞬間に、そいつも食われねぇか?つーか、檻に拘束されて放置されるんだから、ジョーもラーもさすがに腹減って死ぬっしょ」
ミツネ「そこまでは、どうなのかわかんないけど……」
ミツネ「でも仮に、ホントに解放されたんだったら……ヤバくない?」
一同「…………」
208: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:38:58 ID:Kbh
ティガ「……怖っ。……帰ろうぜ?」
ライゼクス「そうだな……自分の巣で安心マッタリしたいな……」
ラギア「ティガ、ガムート送ってけよ」
ガムート「えっ?!!!」
ティガ「え?あーーーー……」
ミツネ「女性一人だしね。危ないよ」
ガムート「!!!!!」
ティガ「おーーそうだな。雪山でポポ食ってけるし……」
ラギア「じゃ、またな〜〜」ニヤニヤ
ジンオウガ「ミツネ薬ありがと〜」
ライゼクス「お邪魔しました〜」バサッ
ミツネ「じゃ、ガムちゃんまた明日」パチッ
ガムート「うん……(ミツネっちって、ウィンク上手い……)」
ティガ「ラギア明日は遅刻すんなよ!」
ティガ「じゃ……行くか」
ティガ「お前飛べねぇし……俺も歩くわ」
ガムート「あっ、ご、ごめんね」
ティガ「いや?たまにはいーっしょ」
ガムート「(キャーーーーーーーーーッ!!!)」ドキドキドキドキドキドキドキドキ
209: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:39:55 ID:Kbh
------夜、古代林・ディノバルドの巣------
ディノバルド「…………」
”今日気分ノラねーからお前帰っていいよ”
ディノバルド「………」
ディノバルド「(久々に、ゆっくり休めるな……)」
ディノバルド「(月があんなに丸く……)」
ディノバルド「……父上……もうすぐです」
210: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:41:30 ID:Kbh
------同じく夜、塔学校・職員室------
シャガル「………」
シャガル「…………」
ガラッ
アマツ「…………」フヨフヨ……
シャガル「……アマツ副教頭!」
アマツ「あ……シャガル先生。まだ残っていたのですね」
シャガル「はい……」
アマツ「早くお帰りになったほうがよろしいのでは?お子さんが、お待ちでしょう」
シャガル「いえそれは、問題ありませんが……」
シャガル「……アマツ副教頭。本当に、良いのでしょうか?」
アマツ「……何を?……と聞くのは、野暮ですね」
アマツ「もう、そう決定したのですから、良いのです」
シャガル「しかし生徒たちには、やはりその存在を……伝えたほうが良いのでは?」
アマツ「なりません。絶対に隠し通します」
シャガル「…………」
アマツ「汚点は隠さねば。塔学校の失敗など、絶対にあってはいけないことです」
シャガル「もし……隠しきれなかったら、どう対処するおつもりですか?」
アマツ「…………」
アマツ「その時は、塔学校が終わる時でしょう」
211: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:42:37 ID:Kbh
------同じく夜、旧砂漠・ティガレックスの巣------
ティガ「〜〜♪〜〜〜♪」
ティガ「……ランランランランババアババア……♪ランランランランクソババア〜〜♪」ボリボリ
ティガ「……ん〜〜デカイケツババア……♪クソババア……♪」ムシャムシャ
ティガ「メシだけウマい超絶ババア♪どうしてそんなに♪ムカつくの〜〜♪」じゅるじゅる
ティガ「……クソバ〜バ〜〜ア〜〜〜♪♪」(ファルセット)
《『ババアのうた』詩・曲/ティガレックス》
大ティガ「……バカじゃない?」
ティガ「!!!!!!」
ティガ「あれ……なに、また帰ってきたの?」
大ティガ「なーに?実家に帰ってきちゃ悪いっての?」
ティガ「いいえ断じてそんなことは」
大ティガ「てか、なにその歌。……まさか母さんの歌じゃないでしょうね……?」
ティガ「いや!!まさか!!(い……言えない!!)」
ティガ「(ガキの頃作った、姉ちゃんのテーマソングだなんて言えない!!!!)」
大ティガ「あ、そ。……あと、寝ながら食べないの!起きな!!」
ティガ「へいへい……」ムクリ
212: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:45:58 ID:Kbh
ティガ「黒兄まだ帰ってこないんだけど」
大ティガ「あー今日はデートじゃない?」
ティガ「は?!!なにあいつ女いんの?!!!」
大ティガ「なによ知らないのー?ベリオロス亜種ちゃん?」
ティガ「!!風ベリオちゃん……?」
ティガ「だーーーちくしょ!クソかわいいじゃん!!クールビューティじゃん!!!前に一回矢文送ったのに無視されたじゃーーーーん!!」ゴロゴロ……
大ティガ「性格も良いよー。私、同じクラスだったし」
ティガ「いやだいやだーー!!黒兄はいつでもブスと付き合ってて欲しいよーー!!!!」じたばた
ティガ「俺が彼女いないときは超絶ブスと付き合ってるか同じくフリーでいてほしいよーー!!」じたばた
ティガ「いつでも俺の下にいてほしいよーー!!」じたばたじたばた
大ティガ「…………」ゲシッ
ティガ「痛い!」
大ティガ「ホンット、バカなんだから!」
ティガ「うっせーー!!怪力ババア!!!!」
大ティガ「…………」ギチチ……(ヘッドロック)
ティガ「ごめんなさい!」
213: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:47:34 ID:Kbh
大ティガ「……はーーっ。ほんっとにね、お願いだからもう少し大人になってちょーだいよ」
ティガ「……へいへい」
大ティガ「明日学校行くからね」
ティガ「え?!!なんで?!授業参観?!!!」
大ティガ「そんなわけないでしょ。先生方に報告にいくのよ」
ティガ「へ?……なんの?」
大ティガ「結婚の」
ティガ「…………」
ティガ「あ、そ」ホジホジ
大ティガ「鼻をほじるな!」ペシッ
ティガ「いてーな!」
ティガ「あのな!!姉ちゃん俺のことバカバカ言うけどな!!頭とか叩きすぎてバカになっちゃったんじゃねーの?!!」
大ティガ「その発想がもうバカ!」
大ティガ「……今日ね、あんたに渡すものがあるのよ」
ティガ「……なに?」
214: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:48:33 ID:Kbh
大ティガ「はい」スッ
ティガ「…………」
ティガ「何これ……矢文?」
大ティガ「うん。むかーーーしの」
ティガ「……」
パサッ
『子供たちよ、利口にしているか。
父たちは極圏に向かう。明日には帰路に着く。
父より』
ティガ「……親父の……」
大ティガ「……うん。最後の矢文」
ティガ「そっか……」
ティガ「…………」
大ティガ「……父さんの形見みたいなものだからさ。あんたにあげる。持ってなさい」
ティガ「わかった」
ティガ「もう、何年経つ?」
大ティガ「……12年かな。父さんも母さんも極圏に行ってて」
ティガ「……そのまま、だよな」
大ティガ「あんた末っ子だからホントに可愛がられてたんだからね」
215: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:49:35 ID:Kbh
ティガ「……親父もお袋も、生きてたらさ」
ティガ「姉ちゃんの結婚……誰よりも喜んだよ」
大ティガ「ティガ…………」
ティガ「おめでとう。……マジで」
大ティガ「……うん。ありがとう」
ティガ「…………」
大ティガ「……あれ?あんた顔、何貼ってるの?」
ティガ「あっ……」
大ティガ「バンソーコー?」
ティガ「…………」
”今日、本当にごめんね……鼻棘まで刺しちゃって”
”いーよ別に……痛くねーし”
”コレ、貼ってね” ペタッ
ティガ「……………べつにー?」ゴロン
大ティガ「アンタ、笑ってる?」
ティガ「…………んーー」にんまり
220: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:34:02 ID:VGx
------翌朝、学校・メインモンス科------
ドスドスドス ガラッ
ラギア「俺is一番乗り!!!!」バンッ
ガムート「…………」
ミツネ「…………」
ラギア「あれ…………お前らもう来てんのか」
ミツネ「僕たちは真面目なんだよ」
ラギア「エライっすね。俺が一番かと思ったのに3位かよ……」
ガムート「珍しいね、なんでこんなに早いの?」
ラギア「俺、昨日寝坊したろ……?おととい寝付けなかったからなんだけど」
ラギア「だから今日は気合い入れて早起きした」
ラギア「メシもめっちゃ食った!!!!」
ミツネ「良かったね」
ガムート「明日は学校休みだしね」
ラギア「そーなんだよ!!……でさーちょっと相談なんだけど」
ガムート「うん?」
ラギア「俺今日さ……キリンちゃんと二人で帰ろうと思うんだけど」
ミツネ「そうだったねー」
ラギア「そんで、明日とか明後日とか学校休みだから、そのーーーー…………」
ガムート「?」
ラギア「で……デデででででデェトに誘おう……かなーーって思うんだよね……」
ミツネ「へぇーーーー思い切ったね」
ガムート「すごい行動力!」
221: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:35:15 ID:VGx
ラギア「まぁ、まだ思いつきなんだけども」
ラギア「でさ。……どこに行こうかなって……。どこがいいかな?」
ガムート「んーーーー……ごめん、私も男の子とデートなんてしたことないから……よくわかんないや」
ラギア「そっかーー俺も、もし上手くいけば初めてのデートだぜ……」
ラギア「ミツネは白ちゃんといつもどこ行ってんの?」
ミツネ「僕?僕は……基本的にはお互いの巣に行くのが多いけど……」
ラギア「いきなり巣はヤバイ!!いきなり巣はヤバイ!!!!」
ミツネ「ちょうど、何か面白いイベントとかやってればいいけどね」
ガムート「ヤマツカミ理事長の弾き語りライブとかは?今年も、そろそろ時期だよね?」
ラギア「いや……いいや……ジジイの歌声に興味ないし……」
ジンオウガ「じゃあラギアが歌ったら?」
ラギア「!!……ビビった……ジンオウガか」
ジンオウガ「おはよーっ」
ガムート&ミツネ「おはよう〜」
ラギア「俺が歌う?」
ジンオウガ「うん。ラギアが、キリンさんに歌を聴かせたら?」
ラギア「ええ…………」
223: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:36:56 ID:VGx
ミツネ「ラギア君、歌えるの?」
ガムート「聴いたことない〜」
ラギア「……や……上手くはねェけど……そんなに嫌いではないかな……?」
ジンオウガ「じゃあ、いいじゃん」
ラギア「でも伴奏がないとな……」
ジンオウガ「俺のコネで、楽器隊アイルーに頼んでやろうか?」
ガムート「わ!!楽しそう……」
ラギア「お前も歌う?」
ガムート「ええっ!!!!」
ミツネ「へーガムちゃんも歌うなら僕も行きたいなぁ」
ジンオウガ「俺も俺もーー」
ラギア「そーだな……みんなでライブフェスってのはどうだろうか」
ガムート「フェス……」
ミツネ「いいね。あ、でも、ラギア君はいいの?」
ミツネ「キリンさんと二人きりがいいんだよね?」
ラギア「まぁ、なれるならなりてーけど。でも、みんなで盛り上がったほうが楽しくねー?」
ジンオウガ「そーだよそーだよ。後で幾らでも呼び出せるじゃん?」
224: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:37:26 ID:VGx
ガムート「すごい!なんか楽しそうだよ!!」
ジンオウガ「ブラキも呼んでいい?」
ラギア「おー。なんならみんなの友達呼ぼうぜー」
ガラッ
ティガ「血圧良好な俺様さんじょーー」
ラギア「おいティガーー!!お前も歌えよ!!」
ティガ「なに?!歌う!!!!」
ミツネ「(ひそっ)良かったじゃん」
ガムート「(ひそっ)うん……どんな歌、歌うんだろう……」
226: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:39:06 ID:VGx
------昼休み・学校、食堂------
ラギア「えっとー俺とティガとライゼクスとー」
ラギア「ガムートとミツネとジンオウガとーブラキとー」
ラギア「ナルガと蒼レウスとゴマとー」
ラギア「桜ちゃんと白ちゃんとー」
ラギア「あと、キリンちゃん?」
ティガ「俺らのクラスほとんど来るじゃん」もぐもぐ
ジンオウガ「俺の弟とか、ナルガの弟とかも友達引き連れて来るらしいよ」
ライゼクス「つーか逆にうちのクラスだと誰が来ねぇの?」ムシャムシャ
ジンオウガ「一応ディノとクシャルにも声掛けたけどどっちも来れないってー」
一同「ふーん……(あとセルレギオスか……)」
ガムート「まだ、キリンちゃんは誘ってないよね?」
ミツネ「そうだよね。どうするの?彼女が来れなかったら」はぐはぐ
ティガ「うっ……」
ライゼクス「た、確かに……」
ラギア「痛いところ突きやがって……」
ガムート「だって、キリンちゃんのためにやるようなもんでしょ?」
ミツネ「元も子もないよ……」
227: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:40:00 ID:VGx
ラギア「一応、今日一緒に帰って……その時に、誘おうと思うんだけど」
ガムート「一緒に帰るってことも、まだ誘ってないんでしょ?」
ミツネ「そもそも一緒に帰ってくれなかったら、どうするのさ」
ティガ「……お前らラギアをイジメんなよ!!」
ライゼクス「そーだそーだ!ラギアは前向きに生きてるんだぞ!」
ラギア「……一緒に帰ってすらくれなかったら、どうしよう……」
ガムート&ミツネ「うん、ホントにどうするの?」
ラギア「…………」
ティガ「……まあ、キリンが来てくれなくてもフェスはやろうぜ?」
ジンオウガ「みんな誘っちゃったしねーー」
ラギア「うん……そうだな……今回ダメでも、またやればいいしな……」
ライゼクス「そうそう!楽しいぜ、定期開催!」
ティガ「つーかさ、イベントの名前決めねぇ?ただのライブフェスじゃ、つまんないっしょ」
ガムート「そうだねぇーー何がいいかなーー」
ミツネ「古塔祭りとか?」
ティガ「いやいやダサい」
ジンオウガ「うんダサい」
ミツネ「なにさーー」
228: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:41:20 ID:VGx
ライゼクス「主催者のラギアさん的には!!どんなんがいいですか!!」
ラギア「…………そーだなーーーー……」
ラギア「……」
ラギア「……幻獣祭とか?」
ガムート「幻獣……って……」
ジンオウガ「キリンさんの異名じゃない?」
ラギア「そーだよ」
ライゼクス「ヒューーーッ!!キリンちゃん大好きラギア君!!!!」
ティガ「それだったら『轟竜祭』のほうがカッコよくねー?」
ガムート「いいんじゃない?幻獣祭で!」
ティガ「シカトかよ」
229: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:42:17 ID:VGx
ミツネ「うん、確かに幻獣はキリンさんの異名だけど……意味そのままでもおかしくないしね」
ラギア「だろだろ!!」
ジンオウガ「幻獣祭かーーいいね!」
ブラキ「よう、遅くなったわ」
ガムート「ブラキ君!」
ティガ「おつかれーなにやってたの?」
ブラキ「俺今日、日直でさー!日誌書いてた」
ライゼクス「にしては、随分遅くね?」
ブラキ「なんか卒業生が今度結婚するってんで、挨拶に来ててよ」
ブラキ「それでちょっとレウス先生に待たされた」
ミツネ「……えっ?」
ティガ「あーーーそーいや、姉ちゃんが言ってたな、今日学校来るって」
ラギア「なんか俺も冥ちゃんから矢文きてたかもー」
ミツネ「本当に?」
ガムート「(ミツネっち……)」
ミツネ「…………」
230: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:43:06 ID:VGx
ガムート「(ひそひそっ)ミツネっち……行ったら……?」
ミツネ「…………うん」
ミツネ「ごめんなんかお腹痛い!お先!」ガタッ、バタバタ……
ラギア「?」
ティガ「おー大丈夫かー?」
ライゼクス「お大事にしろよー」
パタパタパタ……
ティガ「ミツネが走ってる……」
ライゼクス「あいつ走り方ヘンだよな」
ティガ「海竜種だから?」
ラギア「俺も海竜種なんだけど」
ティガ「あっゴメン」
ガムート「(ミツネっち……頑張って!)」
231: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:44:28 ID:VGx
------数秒後、学校・正門前------
バタバタバタ……
ミツネ「冥ラギアさん!!!!」
冥ラギア&大ティガ「?」くるっ
ミツネ「はーーっ……はーーっ……」
冥ラギア「なんだ!ミツネ君かぁ」
冥ラギア「どうしたの?」
ミツネ「はあっ、はぁ……(この人が、ティガ君のお姉さん……)」
大ティガ「?」ニコッ
ミツネ「…………(冥ラギアさんの、奥さんになる人……)」
冥ラギア「???」ニコニコ
ミツネ「(……でっっか!!めちゃめちゃデカイ!!!)」
大ティガ「えっと……冥の後輩?同じ海竜種みたいだし……」
冥ラギア「ああ、うん。でも、クラスは違ってたよ。彼はメインモンス科なんだよ」
大ティガ「ええっ!じゃあ、うちの下のバカ弟と同じクラス?」
ミツネ「あっ……タマミツネって言います」
大ティガ「ティガレックス希少種です〜」
冥ラギア「あとね、白の彼氏くんなんだよ」
大ティガ「やだ、そうなの!確かにお似合いかも〜」
ミツネ「あの……お二人とも…………ご結婚、おめでとうございます……」
大ティガ「うふふ、ありがとう」
冥ラギア「結婚式にも、是非来て欲しいな!来月なんだ」
ミツネ「はい…………是非…………」
232: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:45:43 ID:VGx
大ティガ「ふふ………じゃあ冥、そろそろ行きましょうか」
冥ラギア「そうだね。僕はこれからちょっと忙しいから……ミツネ君、次に会うのは式の当日かな」
ミツネ「…………はい……」
冥ラギア「じゃあ……」
ミツネ「…………あのっ!」
冥ラギア&大ティガ「?」
ミツネ「……冥ラギアさん……あの時は、ありがとうございました」
冥ラギア「あの時?」
ミツネ「子供の頃とか……それからも、いろいろお世話になりました」
冥ラギア「ああ……いいんだよ。これからも僕のこと、兄だと思って頼ってよ!」
ミツネ「最初に会ったときから冥ラギアさんは憧れで………」
ミツネ「…………僕、冥ラギアさんが好きです!!!」
大ティガ「……」
冥ラギア「…………」
冥ラギア「うん、僕もミツネ君が好きだよ!」
ミツネ「…………」
冥ラギア「弟みたいに思ってるよ!本当に、僕は君の兄になるかもしれないんだし……これからもほんと、よろしくたのむよ!」スッ
ミツネ「あ……(握手……)」
ギュッ
ミツネ「…………」
233: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:46:34 ID:VGx
大ティガ「私も……ティガと仲良くしてあげてね」ギュッ
ミツネ「…………はい……」
冥ラギア&大ティガ「…………」ニコニコ
ミツネ「…………それじゃっ」ペコッ
くるっ パタパタパタ……
大ティガ「冥ったら、慕われてるのねー」
冥ラギア「そうだね……彼はちょっと特別だよ」
冥ラギア「本当の、弟だ」
大ティガ「うん、そんな感じだね」
冥ラギア「彼になら、大事な白を任せられるんだ……」
ミツネ「…………!」
ミツネ「…………」
ミツネ「(冥ラギアさん………)」
ミツネ「…………」
パタパタ……
234: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:47:59 ID:VGx
------同時刻・古代林、深奥------
セルレギオス「…………」
セルレギオス「…………」パチッ
セルレギオス「ん……」
セルレギオス「(……ここは……?俺……)」
ガチャンッ
セルレギオス「!!!!」
ガチャンッ、ガチャンッ
セルレギオス「(畜生、拘束されてる……)」
セルレギオス「(あの教師ども、ホントに俺を退学に……)」
セルレギオス「……ン…ンーーーー!!ンーーーーーーーッッ」
セルレギオス「(ご丁寧に口輪まで……)」
セルレギオス「(畜生!!!!)」
ガチャガチャッ ガチャンッ
セルレギオス「んーーーー!!んーーーーーー!!」
セルレギオス「(俺死ぬかも……やべぇ……)」
セルレギオス「…………」
セルレギオス「……(つーかここ……どこだ?)」
シン………
セルレギオス「(禁足地……?いや……天空山の一角にしては高度が低そうだ……)」
セルレギオス「うっ……うっ………」
ガチャガチャッ……
セルレギオス「(アマツマガツチ……あのクソアマめ)」
235: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:49:19 ID:VGx
セルレギオス「(無能教師どもが!!!!……雑魚のクセに……!!!!)」
セルレギオス「(俺をどこに追放しやがった!!)」
ガチャンッ……
セルレギオス「(畜生腹が減った……)」
セルレギオス「(誰か助けにこねぇかな……)」
セルレギオス「…………」
セルレギオス「うっ……うう………」ポロポロッ
セルレギオス「(来るわけねぇよな……)」ポロポロ
ズズズッ…………
ズズゥゥゥ……………ボコボコッ
セルレギオス「?!」
セルレギオス「(何の音だ?!)」
ズズズッ………オオオオオオ…………
セルレギオス「…………」ガタガタ……
セルレギオス「(なん……だ……あれ………)」
ズルズルッ…… ズルズルッ…………
セルレギオス「(化け物だ……!!!!)」
236: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:50:43 ID:VGx
セルレギオス「ン……ンーー!!!ンーーンーーンーー!!!」ガチャンッガチャンッ
ズルズルズルッ ズルズルズルズルズルズルッ
バキャッッッッ
セルレギオス「!!」
セルレギオス「(檻を壊した……)」
???「…………」
セルレギオス「(何だよこいつ……)」ガタガタガタ……
セルレギオス「…………!」
セルレギオス「(もしかして………?!)」
???「…………」
するっ
セルレギオス「あ………口輪……」
???「……ホホホ……」
セルレギオス「えっと……ありがとう……」
???「ホホホ……ホホホホ……」
セルレギオス「ははは……あの……ひょっとしたらあんたは……」
???「ホホホ……」
セルレギオス「……えっと……」ビクビク……
???「…………貴様……」
セルレギオス「?」
237: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:53:22 ID:VGx
???「うむ……ホホホ……久しぶり……久しぶり……」
セルレギオス「久しぶり……?」
???「怖いか……怖いか……」
セルレギオス「…………」
???「…………」
……ザジャアアアアアアアアアアアッッッ
セルレギオス「!!」ビリビリ……
セルレギオス「なん……(咆哮……聞いたこともねぇ……)」
???「ふふふ……ホホホホ貴様……」
???「……我の血肉となれ……」ズアッ
セルレギオス「?! えっ、あっ!!」ガシャンッ
セルレギオス「(なんだよこの粘液……)」
セルレギオス「は、離せ…………」
238: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:54:01 ID:VGx
???「………」ガパア………
セルレギオス「やめっ、あ゛っ!!」
セルレギオス「ぎゃぁぁぁああああああ゛あ゛ッッッ!!」バキッ……バキッ
セルレギオス「い゛ッ、痛ああ゛あ゛ッッッああああああッッッ」バリッ……バリッ………
セルレギオス「たっ……」
バクン…………
???「…………」バキッ…
???「……」ゴクン……
???「……ホホ………美味………美味……」
ズルズルズル………
ゴポッ ブクブク……
シン…………
239: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:55:15 ID:VGx
------五限・学校、メインモンス科------
ミツネ「…………」
ガムート「…………」
ミツネ「…………はあぁぁぁぁぁぁーーーっ」
ガムート「ミツネっち……」
ミツネ「……なーーんかさーーー……」
ミツネ「……僕、本当に好きだったよ、あの人のこと……」
ガムート「うん……そうなんだね」
ミツネ「はあーー……カッコいい人だよ、やっぱ」
ガムート「お話できたんだね?」
ミツネ「まあね。隣に婚約者もいたけど……」
ガムート「(ティガのお姉さん……)」
ミツネ「でっかいわ、かなり」
ガムート「そっかぁ……」
ミツネ「でも、いい人だったよ……ティガ君のお姉さん……」
ガムート「…………」チラッ
ティガ「…………zzz」
ミツネ「……好きって、言っちゃった……」
ガムート「えっ!!!」
リオレウス「ガムートおしゃべりしてんなよ〜」
ガムート「ご、ごめんなさい」
240: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:56:15 ID:VGx
ガムート「……気持ちは伝えないって、言ってなかった?」
ミツネ「そのつもりだったけど……どうしても、言いたくなっちゃって」
ミツネ「……はぁーーーーーーーーっ」
リオレウス「タマミツネどんよりしてんなよ〜」
ミツネ「……ほーい……」
ガムート「それで、何だって……?」
ミツネ「…………」
ミツネ「冥ラギアさんも、僕のことが好きってさ」
ガムート「ええ……?えっ?え?」
ミツネ「……そもそも僕の『好き』をね、恋愛の意味で捉えてなかったよ」
ガムート「ああ……」
ミツネ「弟みたいで、好きだって。いずれ本当の兄弟になるかもしれないし、これからもよろしく……ってさ」
ガムート「そっかあ……でも、良かったんじゃないかなー?」
ミツネ「ま、ね。わりとスッキリしたけどさ」
ミツネ「ふくざつーーーー」
ガムート「……お疲れ様、ミツネっち」
ミツネ「ありがとー。……んでさ、校舎に戻るときに聞こえたんだよね」
ミツネ「冥ラギアさんと、大ティガさんの話してることが」
ガムート「なんて?」
241: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:57:29 ID:VGx
ミツネ「……僕は、本当の弟みたいで特別だ、って」
ミツネ「僕になら、大事な白ラギアさんを任せられるんだ……って」
ガムート「そうなんだ……」
ミツネ「あーあ……荷が重いよー」
ガムート「…………」
ミツネ「白ラギアさんとも……すぐ別れるわけにもいかないし」
ガムート「うん……」
ミツネ「……っつーか……もはや冥ラギアさんに大事にされてる白ラギアさんが羨ましい……」
ガムート「まあ彼女は妹さんだからね……仕方ないよ」
ミツネ「……白ラギアさん、性格悪くないし、顔も可愛いし……友達としては好きなんだけどね」
ミツネ「これからちゃんと恋人として好きになれるように努力するよ……」
ガムート「そっかー」
ガムート「ラギア君……には、ドキドキしないもんねぇ?同じような顔だけど……」
ミツネ「やだよ……あの人すごいバカじゃん……」
ガムート「ミツネっちったら……」
242: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:58:27 ID:VGx
ミツネ「顔は確かにほとんど同じだけど、冥ラギアさんのほうが大人っぽくてかっこいいもの」
ミツネ「冥ラギアさんはちょっとすっとぼけてるけどさ」
ミツネ「首席で卒業しているだけあって……頭いいよ、やっぱり」
ガムート「ラギア君もいい人だけどね」
ミツネ「それはわかる……でも僕、バカはいやだ……ラギア君は成績も悪いし……」
ミツネ「ほんとにいい人だけどさ」
ガムート「うん、成績はいつもクラスで下から二番目だよね」
ミツネ「そうだよ……まあ、万年最下位は……」
ガムート「……ティガなんだけどね……」
ミツネ&ガムート「…………」じーっ
ティガ「……zzz……はがっ!…が…zzzz……」
ミツネ「……ライゼクス君は、クラスではそんなに成績悪くないのにね」
ガムート「いつも真ん中くらいだもんね。何気に、学級委員だし」
ミツネ「やっぱこのクラスで一番頭がいいのは、クシャル君か……」
ガムート「時々ゴマ君が抜くときあるけど、基本的にはクシャル君だよね」
ミツネ「さすが古龍っすよホント……」
243: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:00:15 ID:VGx
------放課後、学校・古龍科教室の前------
ラギア「…………」ドキドキッ
ラギア「…………」ドキッ
ラギア「(うおお……早く終われSHR……)」
ラギア「(キリンちゃん……キリンちゃんキリンちゃん……)」
シャガル「…………」ガラッ
ラギア「!!(終わった!!!!)」
ラギア「さっ、さようならー……」
シャガル「……ハイさよーなら」スタスタ…
ラギア「…………」チラッ
ラギア「(キリンちゃん……いたーー!!いたキリンちゃん!!)」
ラギア「(可愛すぎ……)」
ラギア「うへへ……」デレデレ
オオナズチ「あの……何かご用ー?」
ラギア「ハッ!」
ラギア「えと……き、キリンちゃん…いるかなーって」
オオナズチ「あーキリンちゃんねー!呼ぶねっ」
244: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:01:18 ID:VGx
ラギア「サンキュ……」
ラギア「…………」
オオナズチ「……×××?×××××……」
キリン「××?××××?」
オオナズチ「××〜〜」
キリン「×××………」
キリン「…………」そろっ…
ラギア「あッ、キリンちゃん……」
キリン「うん……ラギアさん」
ラギア「あのっ……きき今日、一緒に帰らないっ?!」
キリン「えっ……」
ラギア「あのっ……一緒に帰らないっ?!」
キリン「…………」
ラギア「(やべ俺ーー!!同じこと2回言っちゃったよ!!アホか!!)」
245: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:02:26 ID:VGx
キリン「えっと……ガムちゃんも、一緒……?」
ラギア「えッ?!(ガムートいないとまだダメ?!)」
ラギア「……アッハハ!ガムート!ガムートね!えーーっとガムートは今日は氷海に帰るとかで……えーと……」ゴニョゴニョ……
キリン「え?」
ラギア「が、ガムートはいません!!ガムートはいないよ!!」
キリン「そうなんだ…………」
ラギア「だっ、ダメ……かな?」
キリン「……私今日、沼地に行くんだけど……それでもいい……?」
ラギア「えっ!わっ!全然!全然へいき!!むしろ行きたい俺!俺沼地行きたい!!!!」
キリン「……ふふっ……」
ラギア「ハハハ……(笑ってる!!!!)」
キリン「カバンとってくるね」パタパタ……
ラギア「うん!!」
ラギア「(うおっひゃひゅっああっあああああ+%#=>^\$―→:ーーーーー!!!)」
ラギア「(やった!やった!一緒に帰れるうううううう)」ニヤニヤニヤニヤ
キリン「おまたせ……行こっか」
ラギア「うん……!」
247: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:03:56 ID:VGx
------数分後、学校・正門前------
ティガ「今日やっぱ泊まっていー?」
ライゼクス「えー今日はカンベン。夜中、桜ちんと星を見に行くんスよね」
ティガ「ハー?!ったくこれだからリア充は……」
ドドドド……
ラギア「ティガ〜!ライゼクス〜!!!」
ティガ「あっ、ラギアだ」
ライゼクス「マジだ」
ドドドドド……
ラギア「俺ーー!bgっておいうfdw!!でさ!!っhdsくdswちゅおふぇwd〜〜ッ!!!」
ティガ「わーなにー?」
ライゼクス「なに言ってんのお前……」
ラギア「だから!っhfでっtyxdうぃyfxぺっf〜〜〜!!」
ティガ「早口すぎてなに言ってるかわかんねーよ……」
ライゼクス「なになに?なに興奮してんの」
248: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:04:40 ID:VGx
ラギア「キリンちゃんbっふhdsりゅいおyっr!!!!」
ティガ「キリン……?」チラッ
キリン「…………」
ティガ「あーキリン……」
ラギア「じゃっ!行こキリンちゃん!!!!」ドスドス
ライゼクス「…………」
ティガ「…………」
ライゼクス「なんだってんだ……?キリンちゃんと、一緒に帰れたってこと?」
ティガ「メチャメチャ興奮してたな」
ライゼクス「……ふっ、可愛いなあいつ」
ティガ「良かった良かった。まず一歩踏み出せたなww」
ライゼクス「幻獣祭にも来てくれるといいけどな〜」
ティガ「なーそれさ、絶対『轟竜祭』のほうがかっこいいと思うんだけど」
ライゼクス「それにしても……上手くいくといいな」
ティガ「シカトかよ!」
249: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:06:54 ID:VGx
------約1時間後、沼地付近------
ラギア「……でさ〜さっきいたアイツ、ティガって言うんだけどめっちゃバカでさ〜!」
ラギア「授業中ずっと寝てばっかで、しょっちゅう先生に頭叩かれてんの!」
キリン「うふふ……」
ラギア「そんでこの間は、寝てるのバレないようにってまぶたに目のイラストを……」
キリン「あははっ」
ラギア「授業中いかに上手く居眠りするか!これ課題ね!俺らの!」
キリン「ふふ、そうなんだ」
ラギア「(なんかキリンちゃん楽しそうじゃね?!)」
キリン「ふふふっ……ラギアさん面白い」
ラギア「ま、マジで?!俺面白い?!」
キリン「うん、面白い……」くすくす
ラギア「(ヤッベーー笑顔のキリンちゃんバリかわ!!オニかわ!!)」
キリン「あの……昨日は、矢文ありがとう」
ラギア「ううん!!てかごめん、料金!」
キリン「いいの。いくらでもないしね。嬉しかった」
ラギア「マジすかーーーー!!!!」
キリン「うん」にこっ
ラギア「…………//」ドキドキ
ラギア「あのさ……キリンちゃんって、明日は何してる?」
キリン「特になにも予定ないけど……」
ラギア「(うおおおおお!!)あのさっ……クラスの奴らでライブフェスやるんだけど、良かったら来ない……?」
251: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:08:08 ID:VGx
キリン「ライブフェス?」
ラギア「うん!みんなで歌ったり騒ぐんだ!友達のコネで楽器隊アイルー呼んで……」
ラギア「あとコックアイルーも呼んで、うまいメシとかも出すんだぜ!!」
キリン「へえ……」
ラギア「こ、来ない?別に無理に歌わなくていいからさ!聴くだけでも!!」
キリン「誰がいるの?」
ラギア「俺らのクラスの奴らはほとんど来る!あとはそいつらの彼女とか……」
キリン「……ガムちゃんも、来る?」
ラギア「来る来る!!もちろん!!!!」
キリン「(クシャル君も来るのかな……)」
ラギア「キリンちゃんの友達呼んでもいいし……」
キリン「行こうかな」
ラギア「!!!!!」
ラギア「ほっ、ホント……?ホントに来てくれる……?」
キリン「うん。あ、ナズっちも呼んでいい?」
ラギア「ナズっち……?ああ、オオナズチ?」
キリン「うん」
ラギア「勿論勿論!」
キリン「場所はどこ?あと、時間は……?」
ラギア「えっと!遺跡平原!来れるよね?!時間は、日没直後から!!」
キリン「うん、行ける」
ラギア「や……やったーー!!やったーーーー!!」
キリン「ふふふっ、楽しみにしてる」
ラギア「よしっ、よし!!じゃあ、俺明日に備えてやっぱり早く寝ようかな……もう沼地だしね!また明日ッ!」
252: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:09:04 ID:VGx
キリン「うん、ありがとう。明日ね」ニコッ
ラギア「〜〜〜〜〜っ//」
キリン「じゃあね」タッタッタッ……
ラギア「うん!」ぶんぶん(手)
ラギア「……………」
ラギア「…………おおお……うおおおお……」
ラギア「うおおおおお俺の時代来たあーーーーっ!!!」
ラギア「ヤベー俺!!俺サイコー!!!!俺オブザイヤー!スーパーハッピー!!スーパーハッピードラゴーーーーーーンッッッ!!!」
ラギア「〜♪〜〜♪〜〜〜〜〜〜♪」バシャバシャ……
ラギア「(あっ、ネコの巣だ)」
ラギア「……ティガとライゼクスに矢文送るか!」
ラギア「コンチワ!!矢文一通!!」
矢文アイルー(サバトラ)「はいラッシャーーイっ」
ラギア「………」カリカリ…
253: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:09:42 ID:VGx
ラギア「コレ!えーっと森丘のライゼクスに!」
ラギア「(そういやティガもライゼクスの巣に行ってるはずだ)」
矢文アイルー(サバトラ)「お代どうするニャー?!」
ラギア「着払いで!!」
矢文アイルー(サバトラ)「はい承知ニャーー!ムラサキーー矢文送るニャーーッ」
矢文アイルー(紫)「承知ーーッ」
シュピーーーン……
ラギア「頼んだよー!!」
矢文アイルー(サバトラ)「あざぁーーーーっすニャーーー!!」
254: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:10:37 ID:VGx
------約五分後、森丘・ライゼクスの巣------
ライゼクス「ラギアのやつ上手くいってるかな?」
ティガ「どーだろな?矢文送りてぇけど……」
ライゼクス「どこいるかわかんねーもんな」
矢文アイルー(灰)「ライゼクス様矢文ニャー!」ピョコピョコ
ライゼクス「うおっタイムリー、誰から?」
矢文アイルー(灰)「沼地のラギアクルス様からニャ!」
ティガ「ヘェー沼地に行ったんだ」
ライゼクス「どれどれ」パサッ
ライゼクス「…………?」
ティガ「うわっ、なんじゃこりゃ」ずいっ
ライゼクス「お………ン……ま……ハ……よ…………?」
ティガ「ま……お……ジ……う……て……?」
ライゼクス「読めねーよなんだこれ」
ティガ「すっげー走り書きwwww」
ライゼクス「マジでなんなんだ?」
矢文アイルー(灰)「ライゼクス様!着払いニャ!」
ライゼクス「は?……ヤロー舐めやがって」チャリン
矢文アイルー(灰)「まいどっ!」
ライゼクス「……『お』れもう絶望して『ン』だ……『ま』っすぐ帰ればこんな『ハ』プニングには会わなかった……さ『よ』うなら」
ライゼクス「とかか?」
ティガ「い『ま』まで『お』れの友だちでいてくれてマ『ジ』ありがと『う』……『て』ぃが様かっこいい」
ティガ「かな?」
ライゼクス「やべーあいつすごいフラれ方したのかな」
ティガ「体が長いし青くてイヤ!トゲもイヤ!バカ!って言われたとかかな」
255: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:11:29 ID:VGx
------夜、天空山・崖の近く------
ディノバルド「…………」
イビルジョー「おいディノぉー、おっせーぞ」バリバリ……ドスドス
ディノバルド「すいません」ダダッ
イビルジョー「……おーい来たぞー」
???「………おーー……ジョーか……ディノも……」ズシ…ズシ
イビルジョー「ったくセルレギオスが追放されやがったからメシの調達がすくねーっつの」バリボリッ
イビルジョー「なァ、ラー?」
???(ラージャン)「……全く……不便だぜ……」
ラージャン「腹が減って腹が減って……!!」
ディノバルド「……とってきますから」スッ
タッタッタッ……
ラージャン「クククッ……」
イビルジョー「……ヒヒヒ……」
ラージャン「ハッハッハッハッハッ!!!」
イビルジョー「ヒーーーッヒッヒッヒッ!!!」
ディノバルド「………」タッタッ……
ディノバルド「(……父上………)」タッタッタッ……
256: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:13:27 ID:VGx
------翌日夕方(日没前)、遺跡平原・川沿い------
ラギア「オーーッス!!みんないるなー!!」
ティガ「あ、ラギア来たじゃん!!」
ライゼクス「おーーよかった!!大丈夫かー??」
ジンオウガ「おっすー!!」
楽器隊アイルー達「ニャーーーッ」
獄オウガ「おい緑見ろよ!ラギアパイセンだぞ!」
緑ナルガ「うお!でけー!かっけーっ」
ラギア「いやーみんなありがとー」
ライゼクス「つーかお前なんだよ昨日の矢文!!」
ティガ「ちょー意味深だったんだけどwww」
ラギア「え?キリンちゃんが来れるって話?」
ティガ「!!!キリン来れんのーー?!」
ライゼクス「お前ー!!やったじゃん!!」バンバン
ラギア「いやだってそう書いてあったろ?」
ライゼクス「や、読めなかった」
ティガ「部分部分しか読み取れなくてさー」
ライゼクス「遺書かとも思ったわ」
ティガ「ダイイングメッセージとかなー!!ぎゃはは」
ラギア「バッカ言うなよ。俺まだダイしねーっつの」
ラギア「あと200年生きる!!!!」
ティガ&ライゼクス「おォーーーーッ」
257: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:15:14 ID:VGx
ラギア「つーかなんで読めなかったんだ?」
ライゼクス「字が汚すぎて」
ティガ「興奮しすぎて手がバグッたか」
ラギア「『お』まえら驚け!キリ『ン』ちゃん明日来てくれるってー!!う『ま』いこと行ったぜ!『ハ』リきろうぜ!!ち『ょ』ー楽しみ!、『ま』じ気合い入れて『お』れたち楽しもう『ジ』ャン!!ありがと『う』な!『て』んかいちのラギアより」
ラギア「って書いたけど?」
ライゼクス「そんな長文だったとは」
ティガ「なんだよ、『て』ぃが様かっこいい、じゃねーのかよ」
ライゼクス「『て』゛んりゅうライゼクス超イケメン、とかな」
ラギア「アホかお前らなんか1ミリもかっこよくねーよww」
ティガ「てめーww」
ライゼクス「ぎゃーっはっはっ」
ガムート「みんなーっ!!」
ミツネ「おつかれー」
ジンオウガ「あっ二人ともおつかれーーっ」
ティガ&ライゼクス&ラギア「おーーーっ」
258: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:17:18 ID:VGx
ミツネ「うわ、ステージでかい!」
ジンオウガ「アイルー達がみんなやってくれたんだよー」
ガムート「すごいね!ありがとう!」
楽器隊アイルー達「ニャーーーッ」
ミツネ「なんかもう手伝うことないね?」
ガムート「ね!すごいライブっぽい……」
ティガ「いーや、まだできてねェ部分がある!」
ライゼクス「ジャジャーン!!横断幕!!」
ラギア「おおー!」
ジンオウガ「ラギアが書いてよ、『幻獣祭』って!」
ラギア「えっ、いいのか……?」
ティガ「おうよ!元々はお前がキッカケだしな!」
ライゼクス「ラブいキリンちゃんの別名書いちゃってください!」
ガムート「そうだねー!」
ミツネ「でっかく書いてよ」
ラギア「お、おう……」
ジンオウガ「はい、ペンキ!青にしたよ!」
ラギア「……よっしゃ!書くかー」
一同「いえーーい!!」ワクワク
ラギア「…………」ポタッ
ラギア「…………」ペシャッ
ラギア「…………」スリッ
一同「…………」
ラギア「どーだぁ!」
259: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:18:22 ID:VGx
ティガ「下手www字がwww」
ライゼクス「『獣』がグチャグチャじゃんwww」
ラギア「うっせーっ」
ジンオウガ「でもすごい!インパクトがある」
ガムート「うんうん、キリンちゃん喜ぶといいねー!」
ミツネ「みんなそろそろ来るんじゃない?」
桜レイア「クースークースーー!!?」バサッ、バサッ
白ラギア「ミッくんーーーー!!」ザパア
ライゼクス「さっくらちん?」
桜レイア「お花持ってきたー!!」
ミツネ「白ラギアさん。川から来たんだね」
白ラギア「うん海から上って来ちゃったー!」ザパザパ
ラギア「白ちゃん今日はありがとー!」
白ラギア「あーラギア!今日楽しみにしてたよー」
ティガ「あいつマジで白ラギアちゃんと付き合ってんのか……」
ガムート「うん……みんなすごいね」
ティガ「…………」
ガムート「…………//」
ブラキ「うーっす来たぜー」ドッパアッ
ジンオウガ「ブラキー!お前地面から来たのかよっ」
ブラキ「おう、ダリいから掘ってきた」
260: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:19:29 ID:VGx
ナルガ「ここかーアホの集まりは」ドシュンッ
蒼レウス「他のクラスの者もいるでござるな」バサッ、バサッ
ゴマ「…………」バサッ
ティガ「ナルガボケ!!なんで来たんだよ!!!」
ナルガ「あぁ?!ボケはどっちだ女好きめ!!」
ティガ&ナルガ「ぬぬぬぬぅ〜〜……」ギロリッ
蒼レウス「まあまあご両人、こういう時くらいはやめるでごさるよ〜〜」
桜レイア「なーにー?!蒼まで来たわけー?!」
蒼レウス「拙者のセリフでござる。なぜ桜がいるでござるか!!!」
ライゼクス「俺のカノジョだから呼んだの〜」ずいっ
蒼レウス「なんと!!!!」
桜レイア「ふっふーん」
蒼レウス「ライゼクス氏それは悪趣味でござる……こんなワガママ女などと……!」
ガムート「ふふふ……」
ミツネ「桜レイアさんと蒼レウス君は双子の兄妹なんだよね」ペタペタ
ガムート「あれっミツネっち、白ラギアさんの隣にいなくていいの?」
ミツネ「うん……ちょっと暑苦しくてね」
ジンオウガ「えーどうして?!白ラギアさんは涼しいでしょ?!川から来たんだし」
ミツネ「ジンオウガ君、そういう話じゃないんだよ」
261: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:20:22 ID:VGx
ゴマ「…………」
ティガ「よ、ようゴマ。来てくれたんだな」
ゴマ「……ええ……お誘い頂いて…………感謝いたします……小生などを……」
ティガ「いや、いいんだぜ。来てくれよ、同じクラスなんだし……」
ゴマ「……ええ……嬉しいです……」
ティガ「は、はは……(絡みづらーー!!)」
蒼レウス「ゴマ氏ー、今日は特にウイルスに気をつけるでござるよ!」
ティガ「えっウイルス?!」ズザッ(後ずさり)
蒼レウス「ゴマ氏は超厄介なウイルス持ちでござる。感染すると狂うでござるよ」
ゴマ「…………ええ……そうなんですよ……我を忘れるとどうしても…………ふふふ、黒いウイルスが……」
ティガ「ええー……(ジンオウガなんでコイツ呼んだんだよ!)」
蒼レウス「でも心配ないでござるよーメチャメチャ怒らせなければ!」
ゴマ「………ええ………大丈夫…………」
ティガ「……へー……(怖い…)」
262: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:21:33 ID:VGx
ラギア「…………」きょろきょろ
ラギア「(もう、日が沈むってのに……キリンちゃん、まだかな……)」そわそわ
ラギア「…………」
ラギア「…………」
ラギア「……………!」
キリン「……あっ、ラギアさん……」
オオナズチ「わあっいっぱいいるねー!」
ラギア「キリンちゃあああああああああああん!!!」ズドドド……
ラギア「キリンちゃん!!ほんっとに来てくれたんだね!オオナズチも!!ありがとう本当にありがとう!!」
キリン「うふふ、私たち最後だった?」
オオナズチ「ボクこそ嬉しいな!みんなと仲良くなれるかなー?」
ラギア「なれるさ!さあこっちこっち!」
ラギア「〜〜♪〜〜〜♪……」ペタペタ……
ガムート「! キリンちゃんだ!」
ミツネ「来てくれたんだね」
ジンオウガ「ラギア大喜びだなー」
263: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:22:30 ID:VGx
ジンオウガ「さて……おっ、もう日没だな」
ダダッ、スタッ
ジンオウガ「さァーーみなさん!本日はありがとーございますっ!司会のジンオウガでーす!!」
パチパチパチパチ……
ジンオウガ「本日協力してくれる楽器隊アイルー達ー!!」
楽器隊アイルー達「ニャーーーッ!よろしくニャーー!!」
ジンオウガ「そして全食事の提供をしてくれるコックアイルー達ーー!!」
コックアイルー達「イエーーイニャー!ウマイメシ作るニャーー!!」
ジンオウガ「そしてーー今回の主催者!!ミスターラギアクルス〜〜〜〜!!!!!」
ワーーーーッ……
ラギア「どーもッす!どーもッす!」
ジンオウガ「宵は来たれり!これより第1回幻獣祭!開催しまァーーーーす!!!」
ワーー……ワーー……
キリン「幻獣祭……?」
キリン「(……そういえば、クシャル君いないな……)」
ティガ「トップバッター俺!!歌うぜーー!!」
ガムート「!」
ミツネ「おーすごいね」
ガムート「きゃー……」ドキドキ
264: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:24:39 ID:VGx
ティガ「えー今度、俺の姉ちゃんケッコンしまーーす!!」
パチパチパチパチ……
ティガ「ガキの頃両親が死んで、そっから一人で俺と兄貴を育ててくれた姉ちゃん!」
ティガ「そんな姉ちゃんに捧げます!!」
オーーーッ………
ティガ「……………」スゥーーーッ
ティガ「『クソババアのうた』!!!!ワンッツースリーッ!」
ドッ ハハハ……
ラギア「なんつー恩知らずな奴だ」
ライゼクス「早めに来て楽器隊アイルーとなんかやってると思ったらこれの打ち合わせだったのかよww」
桜レイア「キャハハっ、ティガ君バカ過ぎ!!」
ティガ「クソババアックソババアックソババアーー!!ババアライフ〜〜〜朝が早いーーーーッ!!」
ミツネ「ねえ、あんなティガ君を見ても本当に好きなの?いつもよりバカに見えない?」
ガムート「えっ……うん……歌は酷いと思うけど、かわいいと思っちゃう」
ミツネ「へーー……(もしかしたらガムちゃんは……変なのかもしれない……)」
白ラギア「ミッくんーー魚串持ってきたよ!食べよ」
ミツネ「ああ……ありがとう」はぐはぐ
265: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:26:00 ID:VGx
白ラギア「ハイ、ガムさんも!サラダバーあるから取ってきちゃった!」
ガムート「えっ、ありがとう……私のこと知ってるんだね」
白ラギア「知ってるよ!ミッくんからいつも聞いてまーす」
ミツネ「僕の唯一のお友達だからね」はぐはぐ
ガムート「ラギア君とかも友達でしょ?」しゃくしゃく
ミツネ「ああ……うん……そうなのかな……」
白ラギア「ラギアと友達になってやってよー!勉強教えてあげて!」
ミツネ「僕よりガムちゃんのほうが頭いいよ」
白ラギア「そーなの?!すごい!」
ガムート「ううん、ミツネっちと変わらないよ。僅差ってかんじで」
ティガ「〜♪〜〜♪……エンジョイビッグババアッ!」ジャン!
ワーーーー…… ピーピー……
ティガ「ハァ、ハァ……セーーンキュ、セェーーンキューー」
ラギア「めっちゃメタルな曲だったな」
ライゼクス「ハイハイ次俺行くー!」ドスドス
桜レイア「キャ〜クスクス宇宙一カッコイイー!」
ライゼクス「モンスターはみんな知ってるぜ!超名曲『ファッキンハンター』行くぜベイベ!!」
チャッ、チャッ、チャッ、タタン!
〜♪〜〜〜〜♪〜〜♪…………
266: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:27:00 ID:VGx
キリン「初っ端から盛り上がってるね」
オオナズチ「そうだねぇ〜〜メインモンス科、楽しいね」
ラギア「キリンちゃん!」パタパタ……
キリン「ラギアさん……」
ラギア「楽しんでる?」
キリン「うん、みんなすごいね」
オオナズチ「ボクもそのうち歌いたいなぁ〜」
ラギア「おー歌ってくれよ!マジなんでもいいからさ」
キリン「あの……幻獣祭、って?」
ラギア「あ……」ドキッ
ラギア「えっと……俺が付けたんだ。きっ、キリンちゃんの別名だけど……」
オオナズチ「なんで〜?」
ラギア「えーと……キリンちゃんと、もっと仲良くなりたくて……さ……」
キリン「…………」
ラギア「ひ、引いた……?」
キリン「……ううん、嬉しい!」
ラギア「よ、よかったー!!」
キリン「あの……今日クシャル君は……?」
ラギア「えっ!ああ……誘ったけど、来れねぇって……」
キリン「そっか……」
ラギア「(……キリンちゃん……もしかして……)」
キリン「……食べ物とか、いっぱいあるね!取ってくるねっ」
オオナズチ「ボクも行くぅ〜〜」パタパタ……
ラギア「うん…………」
ラギア「………………」
267: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:28:14 ID:VGx
------約二時間後、同じく遺跡平原・川沿い------
ワイワイ……ガヤガヤ……ワイワイ……
ブラキ「……へー、蒼レウスってレウス先生とはイトコなんだ?」
蒼レウス「そうでござる〜」
ナルガ「俺も最初はさー、親子だと思ってたぜ」
蒼レウス「拙者と桜の父と母は、銀レウスと金レイアでござる」
蒼レウス「レウス先生の父と母は、黒炎王と紫毒姫で」
蒼レウス「銀レウスと黒炎王が、兄弟ということでござるよ〜」
ゴマ「……フフフ……」
ガヤガヤ……ワイワイ…………
ジンオウガ「みんなけっこー楽しんでるな」
ティガ「俺ちょっと休憩〜歌いすぎた……」
ライゼクス「ババアだのカスだのロクでもねぇやつ歌いすぎな」
桜レイア「キャハハ!ホントホント〜」
268: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:29:03 ID:VGx
ナルガ「よっ、ゴマ大王〜〜!!」
蒼レウス「歴史に残る勇姿でござるよ〜〜!!」
ブラキ「いけいけー!!」
ガムート「えっ、ゴマ君も歌うの……?」
ミツネ「ビックリだよ僕」
白ラギア「あの人、目がないのにちゃんと歩いてる!!」
ゴマ「…………あの本日………小生……歌います……」
ナルガ「聞こえねぇよー!!」
蒼レウス「大声!!ゴマ氏、大声でござる!!」
オオナズチ「ゴマさんかっこいぃ〜!!」
ゴマ「……歌います!!!!小生の本気、しかと見やがれ!!!」
ゴマ「『夕暮れの霊』!!!!」
ジャジャン、ジャジャン……
ゴマ「♪真紅の闇に生まれし堕ちた天使……♪」
269: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:29:56 ID:VGx
ティガ「うおーめっちゃビックリした」ヌッ
ガムート「!!……ティガ、君」
ティガ「あいつも歌うなんて意外だよなー」
ミツネ「……」
ミツネ「(ひそっ)白ラギアさん、あっちで二人になろうか」
白ラギア「え?」
ガムート「ティガ君……ライゼクス君たちは?」
ティガ「あー、ライゼクスは桜とイチャついてるし、ラギアはキリンのとこ行ってるし……」
ティガ「だから、ガムートんとこ来た」
ガムート「えーーーっ(だからってなんで?!どうして?!)」ドキドキドキドキドキドキ……
ティガ「そういやさ、お前、好きな男呼んでねーの?」
ガムート「!!」ドキッ
ガムート「うん……」ドキドキ
ティガ「へーもったいねーな」
ガムート「そうかな……」
ティガ「やー俺はてっきり、お前とラギアが付き合ってるんだと思ってたんだけど」
ガムート「えっ?!なんで???!!」
ティガ「なんかラギアがいきなりお前のことどう思うかとか聞いてきたりしてさ」
ガムート「あーー……(あの話か……)」
ガムート「(てかなんで直球で聞いてるの!!私、さりげなく聞いてって言ったよね?!)」
ティガ「でも、違ったんだなー」
ガムート「全然違う!!」
270: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:30:56 ID:VGx
ティガ「好きな男ってのもラギアだと思ってたけど」
ティガ「それもちげーの?」
ガムート「違う!!断じて、違う!!!!」
ティガ「(すげぇ剣幕……)へーじゃあさ……誰なの?」
ガムート「…………」
ティガ「…………」
ガムート「……言えない……」
ティガ「……ふーん」
ティガ「かっこいー奴なんだろ?なんかあったら相談しろよな」ニヤニヤ
ガムート「……うん……」
ガムート「(言えないよ……言えるわけないし……)」ドキドキ
ガムート「(でも……やっぱりティガってかっこいい……)」ドキドキ
ガムート「(好きだなぁ……)」ドキドキ
ラギア「(ガムートとティガ……上手くいってるな!よしよし)」
キリン「………これ美味しい、なに?」はぐはぐ
ラギア「ああ、モスの腸詰め……だったかな?」
キリン「すごい!初めて食べたけど、美味しいのね」
ラギア「ハマりそーだろ?」
キリン「うん」はぐはぐ
271: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:31:51 ID:VGx
ジンオウガ「おいラギアー!!お前そろそろ歌えよ!!」
蒼レウス「そうでござる〜」
獄オウガ「ラギアパイセン〜〜!!」
ラギア「あっ……」
キリン「ラギアさん、歌うんだね」
ラギア「うん……あの……聴いてて!!一番前で!!」
キリン「一番前で?」
ラギア「うん!オオナズチとか……俺らのクラスの奴らも、前の方にいるからさ」
キリン「わかった」
ラギア「…………//」
ティガ「! うぇーーーいラギアーーー!!!」
ガムート「あっ、ラギア君……」
桜レイア「あの子歌えるのー?」
ライゼクス「やーなんか俺まで緊張する!」
272: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:32:24 ID:VGx
ラギア「…………」
わーわーーーー……ラギアーーー……
ラギア「(キリンちゃん……)」
ラギア「(俺、歌うぜ!!)」
ラギア「待たせたなー歌うぜー!!……『笑顔の君へ』!!」
ピーピー!ワーーワーーーーー……
ラギア「♪〜〜♪♪〜〜〜太陽の〜〜光の〜〜……♪♪」
キリン「……………」
キリン「(ラギアさん……って、いい人だな……)」
ワーーーーーー…………ワーーーーー…………
273: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:33:06 ID:VGx
------約3分後------
ラギア「あざーす!!あざーーーっすみんな大好きーー!!ハァ、ハァ……」
わあああああ………
ティガ「ラギア下手だぞーー!!でもカンドーしたーーっ!!」
ライゼクス「ラギア最高ーーー!!」
ラギア「うっせーありがとーー!!!」
ナルガ「次俺歌うー!!」
キリン「(ラギアさん……)」
ラギア「キリンちゃん!」
キリン「ラギアさん、素敵だったよ」
ラギア「えっマジ?!//」ボッ
キリン「うん」
ラギア「ハァ……けっこー疲れるのな」
キリン「何か飲む?」
ラギア「うん……あのさ」
キリン「?」
ラギア「ちょっと抜けない?」
274: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:34:23 ID:VGx
------数分後、遺跡平原・川の少し上流------
ラギア「…………」ズズズッ
ラギア「あーーうめぇ!オレンジジュース!!!」ぷはー
キリン「ふふっ……」
ラギア「キリンちゃん……今日、楽しい?」
キリン「うん、すごく楽しい」
キリン「お料理も美味しくて……なにより、メインモンス科の人たちって、みんな楽しくていい人ね」
ラギア「古龍科の奴らは、こんな風に騒がねーの?」
キリン「ありえない!みんな頭良くって、真面目だから」
ラギア「ふーーん……」
キリン「いいな……メインモンス科」
ラギア「うん、みんなバカばっかだけど、楽しいよ」
ラギア「まあ、バカじゃない奴もいるけどさ」
キリン「それって……」
ラギア「クシャルとかさ」
キリン「…………」
ラギア「…………」
キリン「………そっか……」
ラギア「………あのさ、キリンちゃん」
キリン「うん」
ラギア「クシャルと……前になんかあった?」
キリン「!!」
キリン「…………どうして?」
ラギア「……うん。一緒に帰るところ見かけたし……」
275: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:35:22 ID:VGx
キリン「…………」
キリン「……付き合ってたの」
ラギア「!!……………」ドクン………
ラギア「そうなんだ」
キリン「うん………嫌いになって別れたわけじゃないんだけどね」
ラギア「…………うん」ドク……ドク……
キリン「あのね、クシャル君は私の命の恩人なの」
ラギア「…………」ドク……ドク……
キリン「私を殺そうとした人から、命がけで助けてくれたの」
ラギア「…………」ドク…ドク…
キリン「でも私、ダメね。パニック起こしちゃって」
キリン「クシャル君に雷落としちゃって」
ラギア「………」
キリン「そこから、もうダメ。私は、生まれもった能力のせいで、好きな人を傷付けちゃったから……」
”ごめんね、もう付き合えない”
キリン「…………」
276: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:36:24 ID:VGx
ラギア「……クシャルのこと、今でも好き?」
キリン「…………わかんない……」
ラギア「そっか…………」
キリン「…………」
ラギア「…………」
フワ……フワ………
キリン「!……なに?光っててキレイ……」
ラギア「わ……(これ……ジンオウガの雷光虫か……?)」
キリン「すごい……こんなにたくさん」
ラギア「…………」チラッ
ジンオウガ「……(シーーッ……)……」こそっ
ラギア「(やっぱそうか……)」
ラギア「……すごいな!やっぱ夜に見ると綺麗だな」
キリン「うん!ロマンチック……」
ラギア「触ると痺れるヤツだけど、まあ俺らには効かないよな」
バチバチッ、バチッ
キリン「ふふっ、くすぐったい」
ラギア「……(キリンちゃん、俺……)」
キリン「数えきれない!1、2、3……」
ラギア「……1000は飛んでるっしょ」
277: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:38:00 ID:VGx
キリン「こんなにいっぱい、見たことない」
キリン「本当に、綺麗……」
ラギア「……あっ、そんなに水辺に近付いたら……」
キリン「えっ?………あ」ズルッ
ラギア「キリンちゃん……!」
バッシャーーーーーン
キリン「…………」
ラギア「…………ふー、危ないよ」プカプカ
キリン「……ごめんなさい私!!はしゃいじゃって……」
ラギア「はは、いいよ。でもズブ濡れだね」プカプカ
キリン「しかも私泳げなくて……」プカプカ
ラギア「……うん。大丈夫、俺が泳げるから」
キリン「ありがとう……ッ?!」ドキッ
ラギア「!!!」ドキッ
キリン「………!」パッ
ラギア「………」パッ
キリン「(びっくりした……顔が近かった……)」
ラギア「(やべっ!めっちゃ近い!でも可愛い……)」
278: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:39:02 ID:VGx
キリン「………」プカプカ
ラギア「…………」プカプカ
ギュッ
キリン「!」
ラギア「……あのさ、キリンちゃん……」ドキッドキッ
キリン「…………」ドキドキ……
ラギア「俺……キリンちゃんのこと、好き……だよ……」ドキドキ
キリン「え…………」ドキッ!
ラギア「俺バカだけど……キリンちゃんのこと、大事にするし、だから俺のこと……好きになってほしいと思ってる」
キリン「………」ドキン、ドキン……
ラギア「キリンちゃん、俺のこと……好きになってよ」ドキッドキッ
キリン「(…………ラギアさん………)」ドキッ、ドキッ
279: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:39:56 ID:VGx
------同時刻・遺跡平原、ラギア達の上空------
ギシコン、バサッ……
ギシコン、バサッ……
クシャル「…………」
ギシコン……ギシコン……
ラギア「××××××……××××………」
キリン「×××………」
ギシコン……
クシャル「………ふーん………」
バサッ、ギシコン……
ギッ、ギ………
バサッ バサッ バサッ………
280: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:46:23 ID:VGx
------翌日早朝、遺跡平原・川沿い------
一同「………zzz……」
ティガ「……ぐおああ………がふっ!……zzz……」
ライゼクス「ん〜……zzz……桜ちん………」
桜レイア「クスクス……すー……すー……zzz」
ガムート「……zzz」
ミツネ「うぅ……苦しいよ……zzz……重い……」
白ラギア「ミッくん……zzz…ミッくん……」ギュウウウ…
ラギア「………zzzz………zzz……」すぴーっ
キリン「………」むくり
キリン「…………」
オオナズチ「……zzz……」
キリン「…………」チラッ
ラギア「…………zzz……」
キリン「(帰ろう……かな……)」
キリン「(……ラギアさん………)」
ラギア「………ん?」パチッ
キリン「!………」
ラギア「………あれ、キリンちゃん……」むくっ
ラギア「……あーみんな帰ってねーな……寝てるよ……」
281: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:46:58 ID:VGx
キリン「おはよう……」
ラギア「うん………」
キリン「私、帰ろうかなって……」
ラギア「………あーーーー………」
ラギア「……えっ?!帰るの?!」
キリン「うん、ありがとう、楽しかった」
ラギア「……送るよ?巣まで……」
キリン「ううん、大丈夫」
キリン「ごめんね、後片付けとか……」
ラギア「いやそれはいいんだけど……えっ本当に帰る?」
ラギア「朝メシは?」
キリン「大丈夫。みんなにごめんねって言っておいて」
ラギア「……うん……わかった、気をつけて」
キリン「ありがとう。またね」タッ
タッ、タッ、タッ………
ラギア「…………」
282: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:47:41 ID:VGx
------同時刻、天空山・崖の近く------
ラージャン「……そろそろ時だろうか?」ガツッ、ガツッ
イビルジョー「あーもういけそうだな」バリッ、バリッ
ラージャン「もう飽きてきたぜ、俺は……」
ラージャン「パシリにメシの調達させるのは」ガツ、ガツ
イビルジョー「……じゃあマジで……行く?」
ラージャン「そうだな……」
イビルジョー「ヒヒヒッ……俺らにしては待ってた方だぜ」
イビルジョー「一年も……!」
ラージャン「ククク、違いない……」
イビルジョー「ゆくゆくは、『大先輩』と共に……な……」
ラージャン「クククッ……ククッ……」
イビルジョー「ヒヒヒヒヒッヒッヒッヒッヒッ!!!」
283: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:49:22 ID:VGx
------夕方、孤島・ラギアクルスの巣------
ラギア「ふあ〜〜〜〜…………」ムクッ
ラギア「…………やべ……日が沈みかけてる」
ラギア「(キリンちゃんが帰ったあと……俺あのまま、また昼まで寝て……)」
ラギア「(残ってた奴らでメシ食って解散して……帰ってきて……)」
ラギア「(また今まで寝てたんだよな)」
ラギア「あ〜〜〜ダリ〜〜〜〜………」
ラギア「(一晩中バカ騒ぎしたもんな……)」
ラギア「ってか……」
ラギア「………あ!!わーーーーっ!!!俺キリンちゃんに告白しちゃったんだァーーーーーっ!!!!」
ラギア「ヤバイヤバイヤバイヤバイ………」ドキドキドキドキ……
ラギア「っっっっあ!!!俺のアホ!!!クソ!!!バカ!!!まだはえーっつの!!はえーーーーーーよーーーーー」
ラギア「俺のバカ!!!」
ラギア「…………………」
284: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:50:14 ID:VGx
ラギア「(キリンちゃん………何て言ってたっけ……)」
ラギア「………なんかあんま思い出したくない!思い出したくない!!昨日の俺のバカ!!!畜生、時間もどれっ!!」
ラギア「あーーあーーーあーーーー……」ドキドキ……
ラギア「(でも朝の態度普通だったし……)」
ラギア「(俺嫌われてない?!嫌われてないよな?!)」
ラギア「……どーしよ……ん?」
ギシコン……バサッ
ギシコン……ギシコン……バサッ
バサッ、バサッ……
クシャル「…………」
ラギア「クシャル……」
ラギア「……(……キリンちゃんのモトカレ!!)」
クシャル「…………」ギシコン、ギシッ
ドスン
クシャル「…………」
285: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:50:58 ID:VGx
ラギア「…………なに、何の用?」
クシャル「…………お前、キリンにチョッカイ出しているのか」
ラギア「……は?」
クシャル「キリンに、チョッカイを出しているのかと聞いた」
ラギア「……チョッカイ?」
クシャル「そうだ」
ラギア「……チョッカイ、ってのは言い方悪くね?」
クシャル「…………」
ラギア「好きだけど?キリンちゃんが」
クシャル「…………そうか」
ラギア「お前、付き合ってたんだろ?」
クシャル「…………」
ラギア「なに?お前も、キリンちゃんがまだ好きなわけ?」
クシャル「そうだ」
ラギア「……へぇーーー……」
ラギア「……えっなに、『俺のキリンちゃんに手を出すな』とか言いにきたわけ?」
クシャル「そんなことは言わない」
ラギア「じゃあなに?」
クシャル「お前に、キリンの心の傷を癒せるのかを聞きに来た」
ラギア「……どうもご丁寧に」
286: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:51:53 ID:VGx
クシャル「キリンが心に傷を負っていることは、当然知っているはずだよな?」
ラギア「……殺されかけたっつーことしか、聞いてねぇけど?」
クシャル「殺されかけた、とは少し違う。食われかけたんだ」
ラギア「!」
クシャル「しかもラージャン、にだ」
ラギア「ラージャン……あの大食いヤローにか」
クシャル「そうだ」
ラギア「お前、命がけで助けたんだろう」
クシャル「そうだ」
ラギア「……で、フラれたわけ」
クシャル「…………」ビュッ
ズガッ
ラギア「………」
ラギア「(ヒィーー俺の顔スレスレに……氷の塊が飛んできた……)」
クシャル「命をもってかばった俺にすら、彼女の心の傷は癒せなかった……」
クシャル「……俺にすらできないことが、お前にできると思うのか?」
287: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:53:05 ID:VGx
ラギア「……ほーー」ブチッ
ラギア「お前結構ムカつくな。俺にはキリンちゃんの傷を癒せないだと……?」
クシャル「なにもおかしいことは言っていない」
クシャル「ラージャンは、きっとまたやってくる」
ラギア「……は………?……とっくに、追放されてるけど?」
クシャル「……追放ごときが、奴の力を制止できるとは思えない」
クシャル「またラージャンがやってきたとき、お前にキリンを守れるのか?」
ラギア「…………言われなくても守りますけど?」
クシャル「………フッ」
ラギア「は?笑った?今」
クシャル「………失礼。言い方を変えようか」
クシャル「曲がりなりにも古龍であるキリンが、お前に助けを求めるのだろうか?」
ラギア「曲がりなりにもって……」
クシャル「俺と並んで、自分が選ばれる自信と価値があると、思っているのか?」
ラギア「…………たかが大型モンスターに過ぎねェ俺が、キリンちゃんとは釣りあわねぇってことか?」
クシャル「…………」
ラギア「だから手を引け、とでも言いてェのか……?」
クシャル「……まぁ……解釈の仕方は、それぞれだ」
ラギア「……てめぇ……陰湿な性格してやがるな」
クシャル「お前こそ、物言いが失礼だ」
ラギア「どっちがだよ!!!!」バチバチッ……
288: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:54:33-