【ニューダンガンロンパV3】ゴン太「ゴン太は紳士だからね!」
・ネタバレ注意
・着地点鮮明。途中経過不鮮明
・長くなるといいな
始まるってさ
ゴン太「でも仕方ないよね……いきなりこんなところに閉じ込められて、外に出たければコロシアイをしろなんて言われて……」
ゴン太「こういう時こそゴン太の出番だよ! みんなの元気がない時も紳士は頑張ってみんなを元気づけるんだ!」
☆
寄宿舎を出たら早速茶柱さんと夢野さんの二人と出会ったよ!
ゴン太「茶柱さんに夢野さん!」
夢野「んあっ!? ……って誰かと思えばゴン太ではないか。いきなり大声を出して驚かすでない」
茶柱「全くです! これだからデリカシーのない男死は嫌いなんですよ!」
ゴン太「ご、ごめんっ! 次からは小さな声で話しかけるからね!」
夢野「それで、お主は何か用なのか?」
茶柱「ふーん……実は転子達を尾行していたとかじゃないんですか?」
ゴン太「紳士はそんなことしないよ!!」
夢野「というより……尾行していたのだとしたらゴン太が前から来るわけなかろう」
茶柱「なら信じてあげます! 夢野さんに感謝してくださいよ!」
ゴン太「夢野さん、ありがとう!!」
夢野「んあー……なんでもいいわい、もう」
あれ、夢野さんが呆れたような顔をしてるよ? どうかしたのかな?
茶柱「ゴン太さんには不向きな頭の使う話ですよ」
ゴン太「へぇ……魔法講義かぁ」
夢野「興味があるならお主も来るがよい。少々部屋が手狭にはなるじゃろうが、ウチの魔法を信じる人間が増えるのであればそれくらいは我慢してやろう」
茶柱「何を言っているんですか夢野さん! 夢野さんの魔法を信じる人間ならここにいるじゃないですか!」
夢野「魔法を信じる人間が増えるのであれば、と言ったはずなんじゃが」
ゴン太「あはは……もし夢野さんと茶柱さんがいいって言ってくれるなら、是非行きたいな」
夢野「ウチはさっき言った通りじゃ」
茶柱「ぐぬぬ……夢野さんが言うなら仕方ないですね」
茶柱「ですが! 転子と夢野さんの間に割り込むと言うのならそれ相応の覚悟をしてください!」
茶柱「なのでとりあえずゴン太さんは夢野さんに感謝をすることです!」
ゴン太「夢野さん、重ね重ねありがとう!!」
夢野「……んあー」
今度はめんどくさそうにそうとしか言わなくなっちゃったよ……何かおかしなことをしちゃったかな?
☆
夢野「というわけで早速魔法講義を行うぞい」
茶柱「待ってましたー!」パチパチ
ゴン太「え、えっと。待ってましたー!」バンバン
夢野「うむ。とりあえずゴン太の拍手の音が凄まじい音を鳴らしているのはスルーとして」
茶柱「その程度の質問、お茶の子ですよー!」
まず茶柱さんが大きく胸を張って答えるよ。
茶柱「まずマジックというのは何か道具や下準備を必要とするものです! 一般的に知られているものを想像すればいいですね!」
茶柱「ですが夢野さんの行う魔法は違います! 道具も下準備も必要としない、まさに天地が生んだ奇跡!」
ゴン太「ええっ!? それって本当なら凄いよ夢野さん!!」
夢野「う、うむ……さすが茶柱じゃな。改めて問うまでもなかったか……」
あ、あれ? 夢野さんの顔が少し青ざめてるみたいだけど……。
夢野「いい質問じゃ。全てを言うなればキリがないので得意なものだけで言うと……」
夢野「人体脱出や透視に読心術じゃな」
茶柱「さすが夢野さん! 転子や愚かな男死には到底真似できません!」
ゴン太「確かに真似はできないと思うけど……」
それっていわゆるマジックの定番ってヤツなんじゃ?
茶柱「なんですか? ゴン太さんはまだ夢野さんの魔法を信じてないんですか?」
夢野「ふむ……ならば仕方あるまい。ウチの最強に得意な魔法を教えればゴン太とて信じるじゃろう」
夢野さんの最強に得意な魔法? それって――。
夢野「ズバリ! 水中脱出魔法じゃ!」
――やっぱりマジックの定番なんじゃ……?
夢野「じとーっ」
なんだか二人の視線が痛いよ……まるで有無を言わさないほどの眼力が感じられる……。
ゴン太「そ、そっか! さすが夢野さんだね、そんなのゴン太には真似できないよ!」
紳士には気遣いも必要だからね! だからゴン太がこう答えるのは決して間違いなんかじゃないんだよ!
……そうだよ、ね?
☆
ゴン太「ふぅ……結構時間が経っちゃったな」
一時間くらいで解放されたゴン太は寄宿舎を出て校舎に向かっているよ。
茶柱さんは引き続き夢野さんの魔法講座を受けていくらしいけど……本当に茶柱さんはああいう話が好きみたいだね。凄く目が輝いていたもん。
ゴン太「あっ! 真宮寺君!」
校舎の中に入ろうとしたら左から真宮寺君に話しかけられたよ。
ゴン太「これといって今は何もしていないかな……」
真宮寺「ということはさっきまでは何かをしていたってこと?」
ゴン太「夢野さんの魔法講義を茶柱さんと一緒に受けてたんだ!」
真宮寺「あァ……確かに夢野さんは魔法がどうとかいつも言い張ってるよネ」
ゴン太「言い張ってるんじゃなくって、本当にそうみたいなんだけど……」
真宮寺「……本当に言ってるんだとしたら僕はゴン太君のことが少し心配になるヨ。人を信じるというのは美徳になるかもしれないけど、少しは疑うってことも覚えた方がいいんじゃないかな」
そんな話をしながら校舎に入ると、今度は右から天海君がやって来るところに鉢合わせたよ。
真宮寺「天海君か……」
ゴン太「やぁ天海君!」
天海「はは、相変わらずゴン太くんは声が大きいっすね」
ゴン太「ごめん……夢野さんと茶柱さんの二人にも言われたんだよね……」
天海「そうだったんすか」
天海「じゃあ俺は部屋に戻るんで、そういうことで」
ゴン太「あ、うん……」
ゴン太と真宮寺君の二人にもあまり気を留めることなく天海君は寄宿舎に戻ろうとするけど……。
真宮寺「そういえば天海君に一つ聞きたいことがあったんだよネ」
その背中を真宮寺君が呼び止めたんだ。
真宮寺「最近いつも一人でいるみたいだけど……何をしてるんだい?」
真宮寺「誰かと一緒にいるわけでもなく、いつも一人で行動しているなんて……」
天海「別に真宮寺君には関係ないと思うんすけど」
真宮寺「僕らはこの学園に閉じ込められた同じ境遇の人間なんだヨ?」
真宮寺「何か気付いたことがあるのだとしたら、その情報は共有するべきじゃないかナ?」
天海「でも、裏を返せば俺らの中にこの状況を仕組んだ首謀者がいるかもしれないっすよね?」
ゴン太「え、えっと……首謀者がゴン太達の中にいるかもしれないって、どうして?」
天海「まあ、確証なんてないっすけど。言うなれば勘っすね」
天海「でも、それくらい許して欲しいっすね。俺は他の人と違って自分の才能すら思い出せないんすから」
天海「コロシアイを命じられた状況で、同じ学園に閉じ込められた十六人の高校生……」
天海「そんなに簡単に信じられないっすよ。自分すら信じられてないのに」
そうやって自嘲気味に笑う天海君の笑顔は悲しそうで……冷たかった。
ゴン太「でも……」
ゴン太「それでも、もしよかったら最後にはゴン太や他の人達のこと信じて欲しいよ」
天海「……今の俺の話聞いてました? 簡単に信じられないって言ったっすよね?」
ゴン太「そ、そうかもしれないけど! でも絶対に信じられないってわけじゃないんだよね?」
天海「まあ、そりゃ……」
ゴン太「どれだけの時間が必要になるかはわからないけど……最後に信じてくれるんなら、ゴン太はそれでいいよ」
天海「…………」
すると天海君は驚いたような顔を一瞬だけ見せたけど、すぐに校舎を出て行っちゃうよ。
真宮寺「ククク……大丈夫だヨ。ゴン太君の言葉は天海君に届いたはずだからネ」
真宮寺「その言葉を天海君がどう受け止めるかは……天海君次第だけどサ」
ゴン太「そうだよね……」
ゴン太「って、真宮寺君。何か楽しそうじゃない?」
真宮寺「意外にもいいものを見せてもらったからネ。さっきのゴン太君の言葉……いやいや、意外にも美しいものだったヨ」
ゴン太「そ、そっか。ありがとう……?」
真宮寺君の言葉はちょっと意味深だったけど、目元(口はマスクで隠れてるからね)を見る限りじゃ本当に楽しそうみたいだし……いい、のかな?
☆
東条「あら、獄原君」
ゴン太「東条さんに白銀さんに星君……?」
体育館に行くと言う真宮寺君と別れてゴン太一人で食堂に行くと、そこでは東条さんと白銀さんと星君の三人が鍋を囲んでいたよ。
ゴン太「何やってるの?」
白銀「見ての通り、鍋パーティーだよ。……パーティーと言うには少し地味かもしれないけどね」
星「俺はただ巻き込まれただけだがな」
ゴン太「へぇー、鍋かぁ。美味しそうだね」
白銀「よかったらゴン太君も食べる? この会の提案者は茶柱さんだから彼女に了解を得てからが筋だろうけど……まだ来てないみたいだからいいでしょ」
ゴン太「あ! 茶柱さんなら夢野さんの魔法講義を受けてたよ! ゴン太も途中までは一緒に聞いてたから知ってるんだ!」
星「魔法講義……? またよくわからんことをしているみたいだな」
東条「閉鎖された空間に閉じ込められたままでは気が滅入ってしまうものね」
白銀「まあ、そうだよね……」
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