転載元:彼女達との思い出

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彼女達との思い出【前編】【後編】【スピンオフ】

409: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/21(土) 08:15:58.32 ID:El+0XpZT0

短編

【優子との再会】


優子との再会編


思い出すだけでも胸糞悪い・・・
でもまあ、書くだけ書くか。


突然、優子からメールが来た。
優子は、大学時代から前の会社に入って1年くらいまで付き合っていた彼女だ。


僕が会社を辞めて、地元の会社に転職。数年経った頃の出来事だった。

優子「お久しぶりです。藤原さんって、○○という会社にいるんですか。」

僕はこのメールを無視した。
数日後、またメールが来た。

優子「このアドレス、生きてますか?実は、私の大学時代の友達が、先週、藤原さんと会話をしたらしいんです。○○という会社で。気になったのでメールをしました。」

僕は、少し気になり、返信した。

僕「ご無沙汰しています。確かに、僕は今、その会社にいます。でも、その友達には記憶がありません。友達って誰ですか?」

僕の職場には、基本的に若い人はいない。
また、基本、知り合いしか来ない会社だ。全く記憶がなかった。

優子「学生時代から知っている人ですよ?覚えてないんですか?」


こんな始まりだった。
結局、その時、誰かは教えてくれなかった。


数日後、会社での出来事。
先週から調子の悪かったPC数台。予測通り、先週から導入したソフトが原因だった。
事務機屋さんから派遣されたスタッフさんのおかげで、なんとか復旧し、問題は解決された。


スタッフ「その他、気になることはありますか?」
僕「いえ。もう特にないです。原因が分かって良かったです。助かりました。」

スタッフ「では、ここにサインを。」
僕「はい。これでやっと仕事が再開できます。」

スタッフさんは、少し間を開けて、こちらの様子を伺っている。

スタッフ「あの・・・私のこと、覚えていらっしゃいませんか?」
僕「え?さあ・・・・」

その時、優子のメールがフラッシュバックする。

僕「あ!あ・・えっと・・・先日、私の知り合いが、僕をこの会社で見たっていう人がいるってメールをくれたんですが、ひょっとしてあなたですか?」

確かに、そのスタッフさんは若い女性だ。
気にも留めていなかった。

確かに、先週も多少はお話ししたけれど・・・







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410: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/21(土) 08:16:50.74 ID:El+0XpZT0

スタッフ「そうです!私です。でも、覚えていらっしゃらないんですね・・・私、藤原さんと同じサークルにいた後輩なんですけど・・・」
僕「え?そうだったの?・・・ごめん、よく覚えてないなぁ。それで優子ちゃんのこと知ってたんだ。」
スタッフ「はい。当時、お二人はお付き合いしてらっしゃいましたよね?」
僕「うん。まあ、そうだね。」

スタッフ「確か県外に行っちゃったって聞いてたので、何かの間違いかなと思って、優子ちゃんに確認してみたんです。先週。そうしたら、聞いてみるねって。」
僕「そっかそっか。僕ね、数年前に転職して地元に帰ってきたんだ。彼女とは別れてるから特に伝えてなかったんだ。」


帰宅後、優子にメールを返した。

僕「優子ちゃんがが言ってた人、誰かわかったよ。記憶にはなかったけれど・・・相手もよく覚えていてくれたものだね。」
優子「そうでしたか。良かったです。その職場、私の今の職場からも近いんですよ。」

僕「そうなんだ。あ、じゃあ、今度ランチでも一緒に行く?近況くらい教えてよ。」
優子「いいですよ。私も当時のこと、すこしお話したいことがあったので。」



僕は知っていた。
優子は、僕との遠距離恋愛中に、妻帯者と不倫関係にあった。

それは優子の弟から聞いていたが、その後のことは、別の友人から聞いた。
彼女、相手を振り回し、とうとう、相手は離婚。
その後、会社にばれて、懲戒解雇された。相手はストーカー化。警察に処罰された。

とんでもない女だ。




411: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/21(土) 08:17:54.21 ID:El+0XpZT0

僕「久しぶり。元気そうで何よりです。」
優子「戻ってきてくれてたんだね。教えてくれてもよかったのに。」
僕「いろいろ燃え尽きてね。今はただのサラリーマンさ。」
優子「昔もサラリーマンでしょ。」

彼女は、当時のことを懐かしそうに話した。

優子「本当に、当時は申し訳ないことしたなぁ。あの頃、周りはみんな恋愛を成就して行って。私は遠距離で。」
僕「うん。それなりに納得してたと思ってたからなぁ。僕も。」

優子「そんな時だった。私の友達が、毎朝、毎晩、違う会社なのに、送り迎えしてくれた。」

お前の上司だろう。知ってるんだよ。こっちは。
だいたい、その送り迎えをしてもらってる時点でアウトだろ・・・

僕「そうだったんだ。身近にいる、君のことを考えてくれる人と、遠くにいて何もしない僕だったら、身近な方を取るよね。」
優子「うん。結婚の約束までしたのに。私はあなたを待てなかった。その人が運命の人だって信じた。」

僕は嫌味ということにした。

僕「じゃあ、今は幸せなんだね。その人と。」
優子「うん。でも・・・・」

白々しい。

僕「でも、何?」
優子「あなたは、こう言った。「5年待って。5年間は今の会社で頑張る。そして、帰ってくる。」って。本当に、あなたは、帰ってきた。」

恐ろしいくらいに自己満足な解釈だった。

僕「・・・なるほど。確かに、5年で帰ってきたな。地元に。・・・それで、何が言いたいの?」
優子「え?あなたから私に言うことがあるでしょう?」

マジかこいつ。頭の中腐ってるんじゃないか?本気で、僕が優子のことを忘れられずに帰ってきたと勘違いしてるのか?いや、まさか・・・

優子「勇気がないなら、私が助け船を出してあげる。私は、あなたにさんざん嫌な思いをされた。今でも当時のことを思うと、気分が悪くなる。」
僕「はぁ・・・うん。それで・・?」



優子「もしあなたが当時のことを悔やんでいて、今後私に尽くします。だから当時のことを水に流してくださいとお願いするなら。また付き合ってやらないこともないよ。あなたの努力次第だよ。」
僕「ええ・・・疑問点が大量にあるんだけれど・・」

優子「私を口説き直そうっていうなら、ハードル高いよ?それだけの勇気があなたにある?・・・あなたの本気を、私に見せて。」





412: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/21(土) 08:20:37.35 ID:El+0XpZT0

僕はこの時、初めて、優子を哀れに思った。
何が優子をこんなひねくれた、自己中心的な、自己都合主義の子にさせてしまったのか。


僕「あ・・・えっと・・んー、あっ。もうお昼の時間が終わるね。もう行こうか。」
優子「まったく・・相変わらずエスコートが下手だね。こういう時は、さりげなくあらかじめお会計を済ませておくものでしょ?」

ファミレスのランチセットで何言ってるんだろう。
僕「ああ、ま、ランチくらいならおごるからいいよ。じゃあね。」
優子「そういうところから試験はもう始まってるのよ?そんことで今後大丈夫?不安だなぁ。」

不安なのは優子の今後だよ・・

僕は、この日以来、メールを返してない。

一方的に来るメールの頻度もった。その1年後くらいに、知らない番号から電話があった。

僕「はい。藤原です。」
優子「お久しぶりです。優子です。」
僕「あ?え。はい。お久しぶりです。どうしましたか?」

優子「藤原さんって、健康になるお水に興味はないですか?」
僕「・・・まじか・・・」
優子「え?興味があるんですか?あるんでしたら、一度お話を・・・」
僕「ごめんね。今会社で仕事中だから。」
優子「私も仕事中ですよ?何言ってるんですか。ビジネスの話ですよ?」

僕はそのまま電話を切り、着信拒否した。
それ以来、僕の結婚式で顔を見るまで、一切の交流はなかった。


そして、結婚式後も一切の交流はない。



短編
【優子との再会編】

終了




413: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/21(土) 10:37:55.81 ID:HIb2haGz0

中々の女だな(苦笑い)




414: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/22(日) 17:38:58.75 ID:ozND6c3SO

まさかこんな風になってしまうなんて…





415: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/22(日) 20:35:06.05 ID:NgMX7i490

ご要望があったので、涼子との思い出をもう少し掘り下げようと思います。
SSの都合上、「無口で何を考えているのか読み取れない女性」という像を植え付けてしまいましたが、もちろんそれだけではないです。

そんな、彼女の性格をうかがい知れるようなエピソードを。

※書き溜めていませんので、進行が遅くてもご容赦




417: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/22(日) 22:06:55.33 ID:k7jqNmtd0

>>415
ありがとう!
楽しみww




418: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/23(月) 01:34:02.20 ID:+6bwensu0

僕「じゃあ、何だったら飼ってもいいんですか?」
管理会社「んー、・・・亀?」

僕は、携帯電話を切った。


話は社会人になって二年目、涼子と出会う前に遡る。
僕は優子と別れ、ほぼ仕事関係以外に趣味もなく、帰宅後にすることと言えばメールとネットくらいのものだった。

河村「こいつが、可愛いんだよ!」

河村さんは、自宅で飼っているウェルシュコーギーの魅力について熱く語る。

僕「でも動物飼うのって大変じゃないですか?」
河村「まあ、犬だと散歩もしなくちゃいけないし、一人暮らしでしかもマンションじゃあ難しいだろうな。だが、何かを飼うのは心を豊かにすると思うぞ。」
僕「僕には理解できない趣味ですね。」

言葉と裏腹に、僕は、ネットサーフィンでペットを検索する。

実家には猫がいる。いるというか、住み着いている。
人懐っこく、とてもかわいい。
賛否両論あるだろうが、下町である実家の地域には、いろいろな家に勝手に出入りする猫が数匹いた。
誰かが適当にえさをやり、どこかの家で適当に寝る。それが猫だった。

僕「ふむ・・猫は無理だな。この土地じゃあ家猫にするしかない。不憫だ。」

爬虫類・・・は、手入れが楽なようだけれど・・・何か違う。
熱帯魚には憧れるけれど、水の管理が大変そうだ。

ふと、とあるペットに目が留まる。

「ウサギ」

僕は、兎のペットというものに興味がわいた。
種類によっては、マンションでも問題なく飼えるレベルの大きさ・ニオイだという。

僕は数週間かけ、種類や飼育方法・実際飼育する際の初期投資や維持費などを計算した。
問題ない。飼育できる。

さらに、ホームセンターやブリーダーも検索。めぼしい個体も絞り込んでいた。
最終確認で、管理会社に兎の飼育許可を取ろうとした。

そして、拒否された。

僕「ペット不可の物件ではないですよね?」
管理会社「ええ。そうですが・・・基本的にはご遠慮願ってるんです。」

僕「それって矛盾してると思うのですが。ウサギですよ?ウサギというのは個体によってはマンションでも問題なく飼育できます。」
管理会社「そういわれましても。ウサギを飼育するという前例はありませんし・・・」


僕「じゃあ、何だったら飼ってもいいんですか?」
管理会社「んー、・・・亀?」


僕の兎飼育計画は挫折した。






419: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/23(月) 01:58:25.09 ID:+6bwensu0

正直、亀には申し訳ないけれど、亀を飼おうとは思わなかった。

においが少なく、しかも管理会社から文句の言われない小動物。
僕は、ハムスターを飼うことにした。

当時、ジャンガリアンハムスターという種類が爆発的な人気を博していた。
また、今ではもう馴染みもないであろうが、ML(メーリングリスト:一度にたくさんの人にメールを送受信するシステム)というものがあり、ハムスターを飼っている人達用のMLに登録し、広く意見を募った。

僕「初めてハムスターを飼います。よろしければ、初期投資としてどんなものが必要か教えてください。」


MLに登録している人達は基本的に主婦で、暇さえあれば様々なアドバイスを送ってくれた。

「ゲージの檻は縦じゃないとダメ。横だとハムが登ってしまい、落下した時に骨折することがある」
「インクのにおいが気にならなければ、新聞紙を細かく切って敷き詰めた方がいい。においが気になるなら木材チップなどがおすすめ」
「飼い始めは基本的に触っちゃいけない。迎え入れた数日は環境の変化に戸惑いエサも食べてくれない」
「におい対策としては、消臭効果のあるエサを食べさせる」

とても参考になった。

僕は、休みの日になると、MLで推薦されたショップに出歩いて、ハムスターを見て回った。
そして、パールホワイトの可愛さに惚れた。この子にしよう。

たかだか数百円?千円程度だったと思う。
安価に購入できた。

ゲージはそれほど大きくはなかったが、一匹で飼うには十分の広さだ。

床材には広葉樹のチップ。

エサは消臭効果のあるペレットを用意した。
実家でもゴールデンハムスターを飼っていたが、その頃の主食はヒマワリの種。
調べててみると、種は栄養価が高すぎてあまり上げてはいけないらしい。。
(ただ、種の殻をカリカリと割って食べる姿は愛らしかったので、たまにおやつとして挙げて記憶はある)

トイレを兼ねた砂場。
ハムは砂浴びが大好きらしい。砂の中にガサガサともぐりこむ。

隠れることができるような小屋。
エサを入れる容器。
それからヒーター。ハムにとって、低温は死に直結するらしい。

こうして、僕とハムとの共同生活が始まった。






420: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/23(月) 02:35:23.83 ID:+6bwensu0

やや消極的に買い始めたハムだったが、癒しの効果という意味では絶大なものがあった。

いきなり電気をつけるとびっくりしてしまうので、ゲージに布をかけてから電気をつける。
最初はおどおどしていたハムだったが、数日もすると落ち着きを取り戻し、カラカラと回し車をまわっていた。
ときおり、ゲージから出して、リビングに放ってやった。チョコチョコとリビングを走るハムは可愛かった。

ハムも、基本的に家にいない家主のおかげか、安心してゴロゴロしていたと思う。

朝、ハムのチェック。
深夜に帰宅。水・トイレ砂・床材の交換。ハムのチェックをしてPC立ち上げ。メールチェック。MLで報告。アドバイスを見る。
休日で特に予定のない日はハムをリビングに放して自分もゴロゴロする。たまにヒマワリの種をちらつかせ、ハムをおびき寄せる。
タカタカとこっちに寄ってきてカリカリと種を食べる。

淳「お前の休日の過ごし方が想像できない何やってるんだ?」
僕「んー、ドライブに行ったり、釣りをしたり、ボード行ったり、家でゴロゴロしたり。」
淳「お前の家、何にもないだろう。」
僕「だからゴロゴロできるんだろ。」

僕の家は基本的に何もない。
ハムにとって、危険な障害もなく、それも居心地が良かったのだと思う。

会社の人や地元の友達にはハムの話をしなかった。
どう考えても僕のイメージにはない。

だから、ハムの存在を知っている人は、誰もいなかった。

ハムの飼い方にもだんだん慣れて来た頃、とある女性と知り合った。

その女性は、物静かで、美人で、あまり表情のない人だった。
作中に出てきた女性。涼子だ。



僕「本当に近くに住んでるんだね。30分くらいで会えちゃうんだ。」
涼子「そうみたいですね。びっくりしました。」

涼子は、本当に美人だ。
その小さな口で、ポテトだけをつまんでいた。

僕「ポテトだけ食べるの?そっちのハンバーガーは残しちゃうの?」
涼子「うん。そんなにお腹が空かない人なんです。」
僕「さすが女子。ていうか、ハンバーガーもったいない・・」
涼子「ポテトだけ頼むのも、なんだか申し訳ないので。」


僕はその姿を見て、思わずにやけてしまった。

僕「そうやってポテトをかじるのが・・・なんかツボったw」
涼子「?え?どうしたんですか?」

僕「実はね、最近、ガラにもなくハムスターを飼い始めて・・・野菜のスティックをかじるハムスターと、ポテトをかじる涼子ちゃんがダブっちゃってw」
涼子「私、ハムスターほど小さくないですし、頬っぺたも膨らまないよ?・・・でも・・(カリカリカリカリ)確かにハムスターっぽいですね。」

僕「色も白いしね!僕の飼ってるハムスター真っ白なんだ。」
涼子「・・・・あの、」

僕「ん?どうしたの?」
涼子「もしよかったらなんですが・・・・見せてもらえませんか?」
僕「え・・?何を?」

涼子「ですから、その、ハムスターをです。」
僕「そりゃあ、いいけど・・・僕のうちに来る?今度。」
涼子「はい。興味が湧きました。」


僕「へぇ。いいよ。でも何もない部屋とはいえ、女性を部屋にあげるなら少し片付けしたいし来週とかでもいいかな?」
涼子「はい。来週末でしたら、時間が空きます。お部屋で少し滞在するのでしたら、手持無沙汰なのもあれですので、オススメの映画でも持参します。私、体を動かすことも嫌いではないですけれど、基本的にインドア派ですので。」


僕「映画、好きなんだね。」
涼子「はい。大学時代から、文学として興味があります。」
僕「エンターテイメント性は求めないんだね。」
涼子「どちらかというと、フランス映画のような作品が好きです。」

・・・

こうして、涼子は僕の部屋に来ることになった。





424: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/23(月) 13:27:18.51 ID:NbjXj4e50

涼子「おじゃまします。」
僕「どうぞ。多少の汚さは目を瞑ってね。」

涼子は翌週、本当にハムスターを見るためだけにやってきた。
マジマジとハムを見る彼女。

涼子「はい。似てますね、私と。」
僕「あれ。まだ気にしてたんだ。」
涼子「そういうわけではないです。」

僕「あ、急に近づいたり上から見下ろしたりすると怖がるから、なるべく低い目線で。ゆっくりと動いてね。」
涼子「分かりました。・・・かわいいですね。」

表情を変えずにそういう彼女。
この時は、社交辞令なのかなと感じた。
だから、手に乗せてみたいというとは思わなかった。

僕「んー、その前にこの洗剤で手をよく洗ってね。」
涼子「私も女性ですので、汚くはしていませんが・・・」
僕「あ、ごめんごめん、そうじゃないんだ。例えば手に香水の香りとかちょっとした匂いがついてると、ハムは差し出された手をエサと勘違いすることがあって。かみつかれちゃうかもだから。この洗剤で匂いを取っておいてほしいんだ。」
涼子「・・・なるほど!」

言われるがまま、ゴシゴシと手を洗う彼女。
いきなり手を出すと噛みつかれるかもしれないので、僕がまずハムを僕の手に乗せ、彼女の手へと歩かせた。

しげしげと眺める。
涼子「・・・軽いのに温かいですね。」

ハムは居心地が良かったのか、彼女の手にうずくまってじっとしていた。
僕「あら。涼子ちゃんの手が気に入ったのかな。」
涼子「類は友を呼ぶんでしょうか?こうすると愛着が湧くのも理解できます。」

彼女の表情は、和らいで見えた。

涼子「・・・檻の中で飼育するのは、少し可哀想でもありますね。」
僕「そうだね。ただ、この子にとってはゲージの中は、安全地帯でもあるよね。自然界だといつ狙われるのかはわからない。どっちが幸せなのかは不明だよ。」
涼子「それもそうですね。」
僕「ここにいれば、安全なエサが食べられる。それに、休みの日にはこうやってリビングを歩かせたりもする。なるべくストレスを感じさせないようにね。」
涼子「意外です。優しいんですね。」
僕「まあ、基本仕事しかしてないしほとんど家にいないから、せめてもの罪滅ぼしかなw」

彼女はそっと手を動かし、リビングにハムを解放した。
ハムはヨタヨタとリビングを闊歩し、クッションの隙間に潜り込んでいった。

涼子「あ、ゲージ?の中のエサ容器、ひっくり返ってますね。」
僕「そうなんだよねぇ。プラスチックのやつを適当に使ってるんだけど、すぐひっくり返すんだ。陶器でちょうどいいサイズのやつを探そうかなと思ってるんだけど、時間もないし、まあとりあえずこのまま様子を見ようかなと思ってる。」

彼女と少し雑談。
短編というフランス映画のビデオを持ってきていた。
ちょっと鑑賞。彼女は特に表情を変えることなく、ビデオを見ていた。とても綺麗だ。
ただ、美人だけれど・・・うーん。美人過ぎて恋愛対象にならないというか、客観的に見ている自分がいた。

僕は女性と一緒に笑ったり泣いたりはしゃいだり怒ったり。そういう付き合いをしてきた。
だから、静かな、(イメージ的には)背を伸ばした付き合いというものになれていなかった。

ただただ静かに流れる時間。
居心地がよかったが、窮屈な気もした。






425: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/23(月) 13:54:27.77 ID:NbjXj4e50

涼子「お忙しそうですが、少しだけお時間取れませんか?」

彼女から呼び出されたのは、それから10日ほど経ってからだった。
僕「あーっと、うん。ちょっと立て込んでるけれど、夕食くらいなら大丈夫だよ。」
涼子「ありがとうございます。」

僕「ふー。お疲れ様です。どうしたの?」
涼子「あ、お疲れ様です。お忙しそうですね。」

そういう彼女もスーツ姿だ。
それほど速くない夕食。
デートではないものの、女性との食事の場としてはあまり上品ではない定食屋さんで落ち合った。

僕「ごめんね、こんなところで。職場に戻らないといけないし・・・あ、無理に出てきたわけじゃないからね?こういう場所で申し訳ないって意味だからね?」
涼子「私はどこでもいいですよ?この定食屋さん、美味しそうですね。・・・私、久々にかつ丼が食べたいです。」
僕「いいね。僕はアジフライ定食。どんぶり物って食べたくなる気持ちわかるな。」
涼子「一人ではちょっと頼みづらいですし、そんなにたくさん食べられないんです。」

僕「女性ならではの悩みだね。あ、じゃあ、残った分食べるよ。もったいないから。」
涼子「え・・・はい。そうですね。もったいないですものね。先に取り分けますね。」
僕「僕で良ければ、付き合うからね。料理シェアしていろいろ食べよう。」
涼子「・・・美味しいものを食べるのって、大事ですね。」
僕「そういうこと。」


定食屋のいいところは、美味しいだけじゃなく、頼んだらすぐに出てくるところだ。

涼子「・・・もう食べちゃったんですか?」
僕「・・・あはは・・・ごめんね。いつの間にか、あっという間に食べる癖が付いちゃった・・・ペースに合わせるよう努力するよ。残りのかつ丼はゆっくり食べるよ。」
涼子「いいえ?私は気にしませんよ。藤原さんが気にしないんでしたら。男性の食事って、豪快ですね。」

僕「ああ・・・あ、で、要件ってなんだっけ?食事したかっただけ?まあそれだけでも気にかけてくれて嬉しいけれど。」

彼女は、箸を起き、横に置いてあったバッグから、小さな包みを取り出した。
紙で包装されている、手のひらにすっぽりと入る程度の大きさのものだった。

僕「それは?」
涼子「もしよかったら、使ってください。」
僕「開けても?」
涼子「どうぞ。」

彼女はそういうと、食事を再開した。
不思議に思いながら、包装紙を開ける。


中には、小さな陶器のお皿が入っていた。

僕「これは?」
涼子「あ、ハムスター用のエサ皿のつもりだったんですが。もし使えそうにないんでしたら違うのに使うか処分してください。」

僕「わお、ありがとう。わざわざ買ってきてくれたの?お家に余ってたのかな?」
涼子「えと・・・すみません、私、陶芸が趣味で。作ったんです。なので、要らなかったら捨ててください。」


彼女は、僕のハムのために、手ごろなサイズのエサ皿を作ってきてくれたのだった。




430: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 19:51:55.99 ID:83hCJrvX0

当時はまだ携帯電話もカラーになるとかならないとかそんな時代。
だから、コンパクトサイズのデジカメが全盛の時代だ。
それでも、フィルムを現像しなくてもいいというのは画期的だった。

僕も仕事の関係でデジカメを持っていた。
ゲージの中にエサ皿を入れ、ペレットを入れておく。
ハムは一目散に駆け寄り、ペレットを口に詰め込む。
それをデジカメで撮影し、パソコンに取り込んで涼子にメールを送っておいた。

基本的に涼子とのやり取りはメール。
それも、一日おき、数日ぶり、その程度のやり取りだ。

僕「いただいたお皿、手ごろなサイズみたいです。ありがとう」
涼子「それは良かったです。使ってやってください。」

感情の読めない内容のメールだった。

僕「お礼しなくちゃね。ランチでもご一緒に」
涼子「いいですね。行きたかったお店があります。」



僕がどうして本編でハムスターの話をしなかったのか。
それには理由がある。


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【閲覧注意下さい。グロテスクな表現が苦手な方は、読まないことをお勧めします】

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431: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 19:54:34.16 ID:83hCJrvX0

エサ皿をもらった翌週、金曜の夜だった。
金曜ということもあり、残業が長引く。
翌週月曜日の資料作りが少し残っていた。

1時を回り、デスクを片付ける。
誰もいないフロア。電気を切り、守衛さんに挨拶をして車に乗り込む。
2時まで営業しているカレー屋さんで夕食を取り、帰宅。

帰宅したのは深夜2時。
暗い中、シャワーを浴びる。
翌日は涼子とお昼ご飯を一緒に取る予定。お皿のお礼のつもりだった。そしてその後仕事に行くつもりだった。

ハムのチェック。
あれ?何か違和感。
明かりをつけて、確認する。

床に敷き詰めてあった木のチップが、赤くなっていた。

ゲージの中が、血だらけだったのだ。
ハムは、血だらけで、ぐったりとしていた。

僕「え・・・どういうことだ・・・」

どうしよう。どうしよう!
何が起こっているのかわからなかった。

ハムスターが死んでる。

そう思った。

ふらふらとした。ショックで倒れこむ。
気づくと、朝だった。





432: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 19:57:38.50 ID:83hCJrvX0

翌朝。ガサガサという音で我に返る。
ハムをもう一度見る。

ハムは生きていた。

血だらけで。
ヨタヨタと、ゲージ内を、歩いていた。

よく見ると、お尻が血だらけ。
そして、肛門から腸が飛び出していて、出血。お尻から腸を出したまま、血だらけで、ヨタヨタと歩いていた。
とても痛々しかった。

ハムはまだ、生きている!
助けなければいけない。

何としても。


自分が深夜まで仕事をしていたから。
そのまま朝まで寝てしまったから。
こんなことになってしまったんだ。
僕の、僕だけの責任で、小さな命が、絶たれようとしている。


MLで指示を仰ぐ。
すぐに大量の応援メールと、病院に連れて行けというメールが。
おすすめの獣医もたくさん紹介される。

朝7時。涼子にメールをする。

僕「ごめん。ハムが出血してて、すぐに獣医に連れて行かなくちゃいけなくなった。今日のランチキャンセルで。埋め合わせはします。」

すぐに返信があった。

涼子「獣医さんに心当たりはありますか。知人が獣医をしています。○○です。あてがないのでしたら、案内します。」


その獣医さんは、MLでおすすめされている所の一つだった。
僕は、涼子に案内をお願いした。8時には僕の家に車で来てくれた。


涼子「慌てていますと、事故に遭うかもしれませんから。」
僕「・・・あ、ああ。そうだね。ありがとう。女性に運転させるのは不本意なんだけれど・・・」
涼子「私は気にしませんよ?ずいぶん男女差別が激しいんですね。」

僕「女性をエスコートしたり、女性を守ろうとするのが差別だというのなら、差別でいいよ。・・・でも、今回は涼子ちゃんの言うとおりかもしれないね、お願いします。」
涼子「はい。了解いたしました。あ、アポは取っていませんので・・・」
僕「うん。ありがとう。番号もわかるし、自分で交渉するよ。」


僕は獣医さんに連絡を入れた。
症状を言う。

獣医「なるほどね。とにかく、連れてきてください。それからどうするか考えましょう。」

到着まで1時間。その1時間はとても長く感じられた。





433: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 20:00:48.34 ID:83hCJrvX0

獣医「ふむふむ。典型的なパターンですね。」
僕「どういう意味でしょうか。」
獣医「これは、ハムスターに寄生虫がいて、その寄生虫が原因の出血だと思います。」

なんでも、ハムには寄生虫がいることが多く、それによって内臓がダメージを受け、こうやって出血を伴う脱腸をすることがあるそうだ。

僕「僕のせいだ・・・僕がちゃんとしていれば。。。」
獣医「うーん。こればっかりはあなたのせいでもないと思いますけれど・・・ただ、知識があれば、最初から虫下しのようなものをあげるべきだったかもしれませんね。」

僕「現状、どうにもなりませんか。できるだけのことをしてやりたいんですが。」
獣医「飛び出した腸が、干からびてますよね。干からびる前なら、お尻の中に戻してやればまだチャンスはあるんですけどね。干からびちゃってるとその細胞が壊死してしまうので、お尻から戻してあげても厳しいと思います。ただ、可能性は0じゃないですが。」

僕「お願いします。やってください。」
獣医「下品で申し訳ないですが、お金かかりますよ?」
僕「そこは気にしません。いくらかかってもいいです。」

獣医さんは、ハムを預かってくれた。
僕は、涼子の車で会社近くまで送ってもらった。
帰りは適当に帰ろう。

僕「ありがとう。ランチごめんね。またの機会に。ちょっと仕事も残ってるし。せっかくの休日を無駄にしてしまって。」
涼子「いいえ。ハムちゃん、良くなるといいですね。」

ならないよ。
わかってる。気休めの言葉はいらない。

夜、獣医さんが電話をくれた。
折り返した。

獣医「お仕事中でしたか。大丈夫ですか」
僕「はい。どうなりましたか。」

獣医「一度、腸を戻してお尻の穴を塞ぎました。明日、ちょっと栄養剤と虫下しをあげてみます。」
僕「それから、どんな経過を辿るんでしょう。」
獣医「それから抜糸して、また腸が飛び出てきたらほぼ絶望的です。もう一回入れ直す手もありますが・・・」

僕「もし飛び出てきたら、もう一回入れ直してください。料金のことはいいです。取り急ぎ、明日も伺います。そこまでかかった費用と今後の費用の前金をお支払いします。」
獣医「わかりました。助かります。」

翌日、獣医さんのところへ向かった。
経過は絶望的だった。

獣医「やはり、飛び出てきました。難しいかもしれません。もう一度入れてみますが・・・」
僕「自己満足かもしれませんが、トライお願いします。」

獣医「わかりました。お預かりします。明日一日様子を見ます。火曜に引き取りしてほしいのですが大丈夫ですか。」
僕「・・・平日は基本的に22時くらいまでは仕事してますので・・・うーん。」
獣医「そうですか。まあ、どうするかは明日また考えましょうか。」





434: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 20:03:49.01 ID:83hCJrvX0


翌日。月曜日。涼子からメールがあった。
涼子「ハムちゃん、どうなりましたか。」

僕は経過を報告した。
涼子「それでしたら、私が一時的に預かりましょうか。職場の近くですから。22時くらいまででしたら藤原さんの家に届けます。」

僕は素直に甘えることにした。


夜。獣医さんに電話。

獣医「腸を入れ直して、お尻の穴を閉じて、今日抜糸したんですが、腸は出てこなかったです。いける可能性が少しだけあります。」
僕「本当ですか。」
獣医「これから、少しずつ栄養剤と虫下しを与えてください。食事は基本的にペレットで大丈夫です。お湯で柔らかくしたりしてあげてください。もし食べなくても、栄養剤と虫下しだけは毎日飲ませてあげてください。」
僕「はい。わかりました。」
獣医「ウンチが出たら、消化できてる証拠です。助かると思います。出なかったら、もうダメです。1週間で亡くなると思います。この1週間が勝負です。」

僕「明日、知人が引き取りに伺います。よろしくお願いします。」
獣医「そうでしたか。わかりました。」


翌日、仕事を終え、自宅で涼子を待つ。
自宅近くで引き渡してもらおうと思っていたが、薬のあげ方や治療費の立て替え清算などもあったので自宅にした。

僕「深夜にすみません。ありがとう。」
涼子「いえ。では、獣医さんに教えてもらった、薬のあげ方です。」

涼子はおもむろにハムを捕まえると、つかまえたままひっくり返し、あおむけ上にさせた。
そのまま、スポイトで薬を口元に突っ込み、器用に数滴分を口に入れた。ハムは舌をペロペロさせ、その薬をイヤがりながらも飲んだ。

涼子「こんな感じです。毎日お願いします。」
僕「鮮やか。」
涼子「いえ。」

清算も済ませ、涼子は帰って行った。

僕は敢えて言わなかった。

涼子の手、絆創膏が貼ってあった。
あれはきっと、ハムに噛まれた痕があったんだと思う。

涼子は、噛まれても怯むことなく、ハムに薬をあげる方法を僕に教えるために、練習したんだろう。


僕はこの日から、ハムとの闘病生活をスタートさせた。

ハムに朝から投薬。
スポイトで口に薬を流し込む。これがかなり大変だ。
涼子は簡単にやり遂げているように見えたが、まず捕まえるのに苦労する。ハムも何をされるのかわかるのだろうか、落ち着きなく隅の方へ逃げるのだ。
ハムは必死に抵抗する。噛まれることもある。

捕まえたら、ひっくり返して口にスポイトを入れる。ハムは死ぬほど抵抗する。
その小さな手で、スポイトを押し返してくるのだ。

こんな小さな命が、懸命に僕を拒絶する。
僕は、ハムにおびえられながら、投薬する。

ごめん。ごめんね。僕が悪いんだ。
せめて、看病だけは、させてくれ。

そんな毎日が3週間続いた。
そう、獣医さんからもらった3週間分の薬を使い切るまでの間、ハムは生き延びた。

僕は3週間、仕事とハムの看病に明け暮れた。
特に誰とも会おうとは思わなかった。






435: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 20:07:24.27 ID:83hCJrvX0


獣医「もうあれから3週間ですね。腸が壊死していれば、ここまで長生きすることはないと思います。」

検診を終え、獣医さんはそう言った。
僕は、少し肩の荷が下りた気がした。

僕「じゃあ、ハムは助かるんでしょうか?」
獣医「断定はできませんが、おそらく大丈夫でしょう。お薬はどうしますか?もう少し出しますか?」
僕「はい。お願いします。」

週末に獣医さんへ連れて行った。獣医さんは峠を越したと思っているようだった。
ただ、ハムはこの3週間、ほとんど何も食べていない。本当に大丈夫なんだろうか。不安だけが頭をよぎる。

実は、週明けから、沢村さんと出張に行かなくてはいけない。不安しかなかった。
二人だけの出張なら、まあ適当にごまかして、行かないという手もあったかもしれない。
しかし、出張先でお客さんに会わなくてはいけない。行くしかなかった。

大丈夫。きっと大丈夫。
一泊の出張じゃないか。
朝に様子を見て、翌日の夜に様子を見る。
いつもと1・2回分様子を見る回数が違うだけじゃないか。

僕は、エサと水を取り替えた。

月曜日。ハムの確認。いつものように、投薬する。
特にいつもと同じ。
出張の用意を済ませ、沢村さんの部屋に行く。

僕「(ピンポーン)沢村さん、用意できましたよ。お待たせです。」
沢村「お、そんな時間か。まだ用意できてないんだ。ちょっと待っててくれ。」
僕「はい。」

沢村「悪い悪い。待たせたな。」
僕「遅いですよ。早くいかないと電車に遅れちゃいますよ。」
沢村「しょうがないだろう。髭がうまく剃れなかったんだ。ああ、もう間に合わないかもしれないな。諦めよう」
僕「え?何言ってるんですか。お客さん待ってますよ?」
沢村「いや、そうじゃない。電車をあきらめよう。タクシーで空港まで行って飛行機で行くぞ。」

沢村「なんだお前。考え事か?」
僕「すみません。帰ったら確認したいことがありまして・・・」
沢村「・・・聞きたいんだが。」
僕「何でしょう。」
沢村「今悩むと、帰った時に確認することに何か影響するのか?」
僕「・・・しません。」

沢村「じゃあ、悩むことに意味はない。別のことに頭を働かせろ。」
僕「・・・そうですね。申し訳ないです。わかりました。」
沢村「じゃあ、今飛行機に乗っている間に、向こうについてからのプランを考える。この資料に目を通せ。」

そういって、沢村さんはカバンから資料を取り出す。

僕「・・・あの・・」
沢村「何だ?」
僕「これどう見ても風俗雑誌ですが。」
沢村「当たり前だろう。お前は現地に行って何をするつもりだ?」
僕「仕事です!」





436: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 20:09:23.18 ID:83hCJrvX0

沢村「さ、これでお前の言う仕事が終わったぞ。遊びに行くぞ。」
僕「はい・・・でもその・・そういう気にならないです。不安なことがあって。」
沢村「忘れろ忘れろ。飲みに行くぞ。」

この晩、沢村さんの意見に従った。遅くまで飲んだ。
僕は途中で帰った。
帰ってこない沢村さん。
僕は、その間、ハムのことを考えていた。大丈夫かな。
ちゃんと寝たかな。
・・・
ちゃんと、起きてくれるかな・・・

沢村さんはその夜、宿泊先に帰ってこなかった。

翌日、市場調査の再開。3か所目の展示会だ。
沢村さんは適当にぶらぶらと会場を歩き、展示ブースの資料をペラペラとめくり、興味なさそうにこっちを見た。

沢村「今日の場所は得るものがないな。もう帰るぞ。」
僕「はい。お疲れ様でした。」

まだ午前。これから帰れば夕方には自宅に戻れる。

沢村「帰りの電車内で報告書をまとめるか。時間がもったいない。」
僕「そうですね。あ、沢村さん昨日寝てないんじゃないですか。僕が書くので寝ててください。」
沢村「そうか。まあ連名になるんだし任せる。」

僕は報告書をまとめ上げた。

そして、帰宅。
17時。はやる気持ちを抑え、鍵を開けて中に入る。

祈るような気持ちで、リビングの扉を開ける。

ハムは、いた。

ハムは
冷たくなって動かなくなっていた。






437: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 20:12:50.18 ID:83hCJrvX0

僕「嘘だろ・・・」

うそだろ。うそだろ。

僕はそっと、ハムを手に乗せた。
眠っているかのようなハム。

僕はその日、深夜まで、あがいた。
温めても、マッサージしても、薬を飲ませようとしても、ペレットを顔の前に持ってきても、大好きだったヒマワリの種を持って行っても、何の反応もなかった。


ハムは、死んだのだ。
僕は、プランターの土の中に、ハムを入れた。

そして、後悔の念を抱いたまま、眠りについた。

翌朝、獣医さんに電話をした。

獣医「やはり、腸は壊死していたのかもしれませんね・・・残念です。」
僕「その場合、1週間ももたないのでは?」
獣医「いえ、おそらく、貴方の飼い方が良く、ハムにとって居心地いい環境だったんだと思います。寄生虫の対策だけあらかじめしていれば、長生きできたのかもしれませんね・・」


その週末、涼子と合った。以前、キャンセルしたランチの埋め合わせだ。

涼子「お疲れ様です。」
僕「お疲れ様です。何気に久しぶりになっちゃったね。」
涼子「そうですね。あ、何にしますか?このお店、タンドリーチキンのサンドがお勧めです。」
僕「ふー。そうだね。じゃあそれを。」

涼子「・・・何かありましたか?あまり美味しくないですか?」
僕「なぜ?」
涼子「いつもより美味しくなさそうな顔をしています。」

話すべきなんだろうか。
悩んだが、ハムのその後を話した。

涼子「そうだったんですね。しょうがないですね。藤原さんのせいではないですよ。じゃあお皿も無駄でしたね。」
僕「いやぁ、しょうがあるよ。僕は、ペットを飼っちゃあいけない人だったんだ。仕事のせいにして、ペットをないがしろにするような人間には。」
涼子「聞く限り、そうは思いませんけど?あ、亡骸ってどうしたんですか?」
僕「プランターに埋めてある。」
涼子「近くに河原があります。その木の下あたりに埋めてあげたらどうですか。土に帰してあげましょう。」

その午後、僕は涼子を連れて河原に向かった。





438: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 20:17:32.92 ID:83hCJrvX0

淡々と。
そう、淡々と、事務処理をするかのよう。
淡々と、優しく、僕のハムを労わってくれた。
僕は、最後は一人で土を掘り、ハムを弔った。

その間、涼子は僕の車で本を読んでいた。
今思えば、気を使ってくれたのだろう。

車に戻ってくると、本をたたみ、僕を見た。


涼子「これでお別れですか。」
僕「ああ。さようならだな。・・・さよう・・なら・・だ。」

僕「・・・ごめんなさい・・・ごめん・・ごめんね・・・ううっ・・僕が・・僕が・・」
涼子「・・・あの」
僕「あ・・あはは。ごめんね情けない泣けてきちゃった・・・w」


涼子「今日は飲みに行きましょうか。今日くらいなら、お付き合いしますよ。アルコールはあまり飲まない主義なんですが。」
僕「・・・お気遣いありがとう。大丈夫。そこまで気にかけてもらわなくても。今日はありがとう。」
涼子「・・・そうですか。じゃあ、帰りましょうか。夕食はどうしますか?」

僕「食欲ないや。今日はいらない。」
涼子「食べないと、夜寝れないですよ?」
僕「いや、そういうことじゃなくて。。。まあ、いいや。今日は帰るね。送っていくよ。」

涼子「そうですか。じゃあ、帰りましょう。」

涼子は、帰りの車中、特に何も話すことなく、本を読んでいた。
その沈黙が、僕を癒してくれた。



〜〜〜〜

僕「ねえ、ちょっと思い出したんだけど、付き合う前に僕がハムスター飼ってたのって覚えてる?もう15年以上前の話だから覚えてないかw」
涼子「覚えてるよ。竜也君、しょげてたwあの日、慰めようとしたんだけど、拒否されて凹んだものwああ、竜也君は私に興味がないんだって・・・w」

再会の日、僕は久々にハムの話をした。
何しろ、ハムを飼っているのを知っていたのは獣医さんと涼子だけだ。
覚えていてくれたんだ。

僕「あー、どこに埋めたんだっけなぁ・・きっともうわからないな。」
涼子「私も。もうわからないな。」

僕「翌年、命日?に、花を置いたんだ。あれ以来、行ってない。」
涼子「・・・・置いてあった。」
僕「え?」
涼子「私も行ったもの。でも、当たり前よね。ハムちゃんが亡くなったのは、埋めに行った数日前。私は、埋めに行った当日が命日だって思い込んでたなぁ。だから、枯れたお花が置いてあったんだ。懐かしいw」
僕「そうだったんだ・・・・・・ありがとう。あはは・・当時の涼子は、僕が表情を読み取れなかっただけで、やっぱり素敵な人だったんだなぁ。」

涼子「あの頃、もっと楽しそうに笑ってたら、もっと怒ってたら、もっと泣いてたら、別れなかった?」
僕「どうかな。たらればっていうのはない。でも、付き合い方は変わっただろうね。」

・・・

涼子「あー、すっきりした。これからはまたお仕事でお話しすることが・・・ああもうないかもだけれど、もしその時はよろしくね!」
僕「ああ。確かに契約で取り交わししたらもう会う機会なんて限られるな。ま、あったらよろしく!」


いい夜だ。
ありがとう、涼子。


実は、その時の皿は、まだ、手元にある。
何となく、捨てられなかった。今でも、ちょっとした物を入れるために重宝している。


涼子編、終わり。




439: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/25(水) 20:38:05.94 ID:8WaUAED/0

お疲れ様、ありがとう
でも申し訳ないな・・・思い出したくないものを思い出させてしまって・・・
軽い気持ちでリクエストしてごめんね




440: ◆71vVbFpf.c 2017/01/25(水) 20:56:58.64 ID:iM5mUapYO

いや、気分を害する人がいるかもと思っただけで。
よくよく考えればR指定だから気にしなくて良かったなぁ。

リクエストありがとうね。




441: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/25(水) 21:24:52.64 ID:oW8VOsWM0

>>440
ありがとう
家のハムスターは子供を食べたから同じと思ってた
でもそんな事があるんだね
勉強になったよ




442: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/26(木) 16:00:56.19 ID:JtwBSb8g0

市村「おい、スロ行くぞ。」
僕「いいですね。いつ行きますか?」
市村「これから。」
僕「は?金曜の午前中に何言ってるんですか。」
市村「固い事言うなよ。」



番外編SS

【とある週末の出来事】



市村さんは、(故人ですが当時)会社の上司で重役。そして本当に遊びが好きだ。
仕事そっちのけで遊びたがる、ちょっと困った人でもある。

僕「これから隣の県で仕事なんですけど。金造さんと。」

金造さんは風俗好きの業者さんだ。凄腕の営業マンだが気のいいオッサンである。
もちろん市村さんは金造さんのことをよく知っているし、よく一緒に遊びに行っているらしい。

すぐさま金造さんに電話を入れる市村さん。

市村「おい金造。これから竜也とスロ行くから。竜也の仕事なしな。え?ダメ?なんでだ?・・・・うん。うん・・・ああ、そうか。じゃあしょうがないな。」

ほっと胸をなでおろす。
僕「ね?僕仕事ですから。一人で行ってください。」

市村「やだね。お前と遊びに行きたい。」
僕「ガキですか・・僕は仕事しますから。」
市村「俺も一緒についていく。早く仕事を終わらせてやる。」

無茶苦茶な人だった。

客先「い、市村さんまでどうしたんですか?」
市村「ああ、早急に解決する必要が出ましたから。この場で決済します。技術的な話は金造君が詳しい。実現可能性は当社の藤原が詳しい。決裁権は俺が持ってる。なら、この組み合わせは最強でしょ?」
客先「まあ、ありがたいですが・・・」

打ち合わせはあっという間に終わった。

客先が提示した製品の図面をさっと斜めで確認。的確に問題点と解決案を提示する市村さん。
解決案に対して、金造さんが技術的なアドバイスやサイクルタイムの再計算、投資金額の概要を見積もる。
僕はそれに対して、工法の作りこみや手作り試作品の納期、正規型での試作品の納期、量産品の納期と生産能力の概算を出す。

客先「ふむふむ。だいたいわかりました。では、この案で進めたいと思います。・・・・市村さんがいると、早いですね。」
市村「では、図面のレビュー後、うちの藤原宛で書類を送ってください。」

僕「・・・はぁ・・・わかりました。じゃあこれからスロットですね・・」
市村「よし行こう。この界隈で探そう。」
金造「お供しますよ!じゃんじゃん稼ぎましょう!」

僕「いや、あの。。。3人が全員勝つなんて難しいですし、初めての場所は何かと怖いので」
市村「うるさいヤツだな。早く行くぞ。あ、あそこ。あそこに行こう。」

さっさと店を決め、駐車場に車を停める。
時刻はまだ14時。
僕は北斗を打つことにした。






443: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/26(木) 16:18:55.68 ID:JtwBSb8g0

僕「じゃあ、とりあえずこのあたりの島で様子見てみます。」
市村「なんでその台なんだよほぼ単発ばっかりじゃないか。設定低いかもだぞ。」
僕「勘ですかね。たまたま連荘しなかっただけで、ストックがたまってそうです」

(当時は4号機です)

市村さんと金造さんが物色中。僕はとりあえず1000円分をコインに変え、早速打つ。
2回転目で、中段チェリーを引いた。

次の回転で、演出が出る。
次の回転でステージ移行。
次の回転でまた演出。

僕「・・・入ったかも。」
金造「嘘でしょ・・・」
市村「いや、竜也が言うんだから入ったんだろうな。相変わらずの博才。」

そしていきなり4000枚を叩き出した。

僕「僕暇なんで帰ります。」
金造「ちょっと待ってくださいよ!まだ来たばっかりでしょ!」
市村「こっから先はまだまだ長いだろ!せめて夕方までは付き合え!いいな!業務命令だからな!」
僕「ええ・・・」

結局、夕方まで打った。二人ともまだまだ遊びたそうだったが、僕はもう飽きていた。
僕「もう帰りましょう。」
市村「いいや、帰さないからな!明日暇なんだろ?今日はこの件に泊まるぞ!経費だ経費。金造、お前も泊まっていけ。経費で落とすから!」
金造「やった!お供しますよ!」

僕「ええイヤです。」
市村「じゃあ、スロはここまで。晩飯は高級焼肉で食べ放題飲み放題。この県で、一番のホテルに泊めてやる。・・・それならどうだ?」
僕「さ!行きましょう!焼肉は待ってくれませんよ?」
金造「さすが!」

市村さんもかなり儲けた。
金造さんも大勝。
僕は2桁の勝ちで断トツトップ。いい週末だ。
さらに焼肉と高級ホテル。最高だ。

「「「乾杯!」」」

生は美味い。
肉が焼ける前に、3人ともおかわりをする。
次々に運ばれてくる肉。肉。肉。

僕はハラミが一番好きだ。
ひたすら食べた。

僕「もう無理!」
金造「僕も!」
市村「俺もだ!あー食った食った!ホテル戻るぞ!」





444: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/26(木) 16:45:14.95 ID:JtwBSb8g0

実際、ホテルは高級感があった。
それぞれダブルのベッドのあるエグゼクティブルーム。それを各階に1部屋ずつ。計3部屋も借りた。

僕「別に同じ部屋で良かったんですが。こんなの経費で落ちるんですか?」
市村「落とすんだよ。何のために金造を呼んだと思ってるんだ。」
金造「口裏合わせなら任せてください!」

僕「でも・・・なぜ3部屋・・」
市村「何言ってるんだ。女を呼ぶために決まってるだろ!」
僕「ですよねぇ・・・まあそれは自費でやります・・」
金造「そうですね!趣味も・・グヘヘ人それぞれですからねケヘヘ・・・」
市村「相変わらずエグい趣味してるな・・・」

市村さんは、いくつかおすすめのお店を紹介してくれた。
まあ軍資金はある。

僕はデリバリーを頼むことにした。
まあ、逝かないんだけれど。

その地区の、最高級のデリだった。
僕「出来れば、色白でスレンダーな子がいいです。」
ボーイ「お任せください。当店は全員スレンダーで色白なのが売りですから!お値段はしっかりいただきますが、極上の子だということは保証しますよ!」
僕「そりゃあそうだ。じゃあ、こっちがサービスしなくてもよくて、全身〇ップしてくれる子で、AFはNGで、パイ〇ンで、あんまりしゃべらなくてもいい子。」
ボーイ「了解いたしました。いい子がいます。指名料がかかりますがいいですか?」
僕「うん。お願いします。」

1時間後

ピンポーン

この瞬間が一番楽しい。
僕はスコープで確認せず、ドアを開ける。

そこには、とてもかわいい子がいた。佐野ひなこ ?似の嬢だった。

嬢「あ、こんばんは・・・入ってもいいですか?」
僕「うん。大丈夫だよ。その服似合ってるね。来てくれてありがとうね。」
嬢「うふふ。ありがとう。お時間は120分って聞いてます。それでいいですか?」
僕「それ以上はないんでしょ?じゃあ120分でいいよ。」
嬢「じゃあ、お電話させてくださいね。」

嬢「(お客様OKです。はい。)」

僕「ドキドキしちゃうな。こんな子で。」
嬢「ありがとう。そう言ってくれて嬉しい。シャワーいこっか。」





447: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/26(木) 23:43:29.01 ID:K3tluzGx0

まずは歯磨き。うがい。

嬢「脱がせてあげるー」
僕「自分の分は自分でたたむから。いいよー。あ、シャワー中はイチャイチャしてもいいの?」
嬢「うん。洗いっこする?あっ、私が洗うだけでいいのかな。」
僕「ごめんねそうなると思う。」

嬢「全然いいよ。」

そういいながら、僕と嬢は服を脱いでたたむ。
程よい肉付き。大き目なバスト。白い肌。パイ○ン。いいね。

さすがエグゼクティブルーム。シャワールームはガラス張り。
嬢「すごいねこのお部屋!シャワールーム丸見え!」
僕「一人で使うのもなんかもったいなくて。」

嬢が、僕の全身を軽く洗ってくれる。
時々、僕のアレを刺激する。
そのまま、優しくキスされる。

柔らかい、吸い付くキスだった。

さらにアレを刺激する。ヌルヌルとした感触がやってくる。
嬢はその泡だらけの手で、僕のアレを愛撫した。
そのあと、シャワーをかけて洗い流し、口で咥える。

僕「ひゃあっ。情けない声出たw」
嬢「んふふ・・・ちゅっ・・・」

優しいストロークで、僕のアレを刺激してくれた。
ソー○嬢のフェラより、ずっと気持ちよかった。
きっと、自分の泊まっているホテルだからという安心感があったからだろう。
どうも、あのお風呂・あのベッドは独特の緊張感があって、逝きづらくしている気がする。

嬢「じゃあ、体拭いて出よう。」
僕「うん。」

お互いにキスしながら、ベッドまで行く。

ベッドにタオルを敷き、僕はそこの上に寝ころんだ。






448: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/26(木) 23:54:26.67 ID:K3tluzGx0

嬢は、僕の全身を、隅から隅まで、丁寧に舐めていった。
一生懸命に。優しく。

僕「ん・・・気持ちいい。」
嬢「好きなんだね。こうやって・・・・丁寧にされるの・・」
僕「うん・・・上手いし。このイケナイことしてる感じが・・・んっ・・・好き・・・」
嬢「この部分も敏感なのかな・・・・えいっ」

嬢は躊躇うことなく、僕のア○ルを舐めはじめた。
くすぐったくて、気持ちよくて、興奮度が増す。

そこから舌は背中を通り、首筋を通り、僕の胸を通り、へそを通り、アレを咥える。
ジュルジュルという音を立て、しばらく愛撫された。






450: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/27(金) 10:45:55.68 ID:fC5TcB1Q0

おもむろに、嬢は液体を取り出した。
それを、僕のアレに塗り始める。

そう、ローションだ。
デリって、ローションも使うんだ。知らなかった。
そこでようやく、ベッドの上にタオルを敷いた意味が分かる。

僕のアレはローションでヌルヌルになった。

ローションまみれのアレを、手で優しくマッサージする。
嬢は後ろを向き、僕のアレを股で挟み、嬢のアソコもグリグリと刺激する形で小刻みに動き出した。
柔らかで複雑な刺激がアレを包む。

さらに僕のアレの先端を、嬢の指がチョン、チョンと刺激する。気持ち良かった。
嬢「んっ・・・んっ・・・痛くない?ちょっと処理が甘くてチクチクしたりしない?」
僕「・・・・大丈夫・・・・あ、それ気持ちいい・・・」

僕は嬢を四つん這いにし、背後から素股を楽しむ。
ヌチャヌチャといやらしい音が響く。

時折、クリ〇リスを強めに刺激する。
嬢「んんんんっ・・・やだ・・」

僕は背後から嬢の乳房を鷲掴みする。柔らかな胸だった。

嬢「・・・・挿れたいの?」
僕「・・・ううん。今日は飲み過ぎてるから中に入れると途中でダメになると思う・・・」

嬢「うふふ。そうなんだ・・・んっ・・んっ・・・このまま逝ける・・?」
僕「・・・気持ちいいから続けるけど、最後はお口でお願いできる?」
嬢「・・・はぁい。いいよ。」


ローションプレイで僕は逝けたことがない。
それはEDになる前もそうだし、ED中はもちろん、治療薬を飲んだ後でも逝けたことはない。
気持ちいいんだけれど、逝ける気がしない。

デリ嬢は、フェラや手よりアソコで逝ってほしいと考える子も多いようだ。
収入が増えるし、口や手を使わなくてもいいから楽なんだそうだ。
もちろん禁止行為だし、僕は中折れするだろうし関係ないんだけれど。

実際、ローションを付けての素股は気持ち良かった。
でも、やはり逝けない。
その子は可愛いし、テクニックもある。
EDになってから、ひょっとして、風俗で初めて逝けるかも、と思った。






451: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/27(金) 11:40:44.85 ID:fC5TcB1Q0

嬢は、暫く素股をした後、僕のアレを口に入れた。
その手は、僕の両玉を軽く刺激する。

最初はいろいろな手法でフェラをしてきた。
竿を横から舐めてみたり、固めに咥えたり、柔らかくしたり、舌を柔らかくしたり、固くしたり。
僕の反応を見て、どこが気持ちいいかを探っているようだった。

ストロークを大きめにする。
咥えたまま、僕のアレの先端をチロチロと攻めてきた。
その動きを絶えずする。

とても気持ち良かった。
電気が走るような、ピリピリとした刺激だった。

僕のアレが、かなりの硬さを維持しながら、来たるべき波を迎えようとしている。

嬢には申し訳なかったが、10分以上、そのまま続けてもらった。
根性凄いなぁ。気持ちいいなぁ。

僕「あっ・・・逝きそう・・・あああっ・・・・」

一生懸命に尽くしてくれた嬢。
僕は、EDになって初めて、風俗で逝った。テクニックの勝利だった。
嬢は、僕の液体を全部飲んでくれた。

嬢「うふふ。気持ち良かった?」
僕「うん。・・・ありがとう。気持ち良かった。あ、冷蔵庫の飲み物、適当に飲んでね。どうせ会社の経費だし。」
嬢「じゃあお水いただきますね。」

僕「シャワー浴びよう。あとは時間まで適当に話そうよ。」
嬢「いいの?まだ時間あるよ?」
僕「逝けただけで満足なんだ。」

僕の職場には、同年代の人がいない。
だから、若い子と話せるのはうれしかった。

僕たちはごろごろしながら、とりとめのない会話をした。

嬢「じゃあ、隣町から出張なのね。」
僕「うん。」
嬢「また出張があったら、指名宜しくね!」
僕「あるかな?でもあったら指名するよ!フェラすごく気持ち良かった。」
嬢「ちょっと顎疲れたけど!(笑)」

帰った後、ビールを飲む。
やっぱり、いい週末だな。






452: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/27(金) 12:26:04.71 ID:fC5TcB1Q0

僕「・・・おはようございます・・・」
市村「遅いぞ!さて行くぞ!下準備はしてある!」
金造「流石です!早速行きましょう!」

僕「・・・朝から〇ープとか、何考えてるんですか・・・」

翌朝。早朝からたたき起こされた。
せっかくだから思いっきり楽しみたいそうだ。
まあ、キライじゃないけど・・・

この都市で、超有名な風俗街。
チェックアウトもさっさと済ませ、タクシーで風俗街へ出かけた。

ところが、全然お店が開いていない。
僕「下準備適当すぎますよね・・・どこもやってないですよ。帰りましょう。」
市村「お前は諦めが早すぎる!営業してるところを探すぞ!」
僕「こんな早朝からやってるところなんてないですって・・・」

金造「あそこ!営業してますよ!」


こじんまりとした店。


格 安 人 妻 〇 ー プ    6 0 分  1 0 0 0 0 円




地雷臭しかしない。
僕「やめましょ」
市村「よし、ここにしよう!」
僕「ええ・・・」


ここでの体験は、ちょっとしたトラウマになる。

僕はこの日以来、高級店しか出向かなくなった。




453: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/28(土) 20:37:56.84 ID:/5VD5/x90

ボーイ「いらっしゃいませ!」
市村「3人だ。」
ボーイ「3名様ですね!申し訳ありません。ただいま2名出社しておりますので先に2名様のご案内でもよろしいですか?、少しだけお待ちいただければもう1名様もご案内できます!」

僕「じゃあ僕やめときます。お二人で楽しんでってください。じゃあ。」
市村「じゃあ、じゃねーよ!一緒に行こうぜ付き合い悪いな。」
金造「余り物には福があるって言いますから、僕が後で入りますよ!終わったら近くのスロット会館で落ち合いましょ!」

なんだかんだと引っ張る市村さん。
僕は根負けし、中に入った。

小さな部屋だった。
小さい風呂場。
ローションもない、石鹸だけが置いてある。
質素で簡素なベッド。申し訳程度にある、小さなマット。

はぁ。やだなぁ。

嬢「朝からいらっしゃい!お召し物、預かりますね!」

そう言って迎え入れてくれたのは、僕よりも1周りは年上に見える、ガラガラ声の女性だった。
この時点でもう帰りたかった。

でも、外では金造さんが待ってるし、市村さんの手前もある。
どうしよう。どうすればいいんだこの状況。

沢村「お前はマダムキラーだ」

沢村さんなら、この状況でも楽しめるんだろうか。きっと楽しめるんだろうなぁ。
以前、沢村さんから借りたビデオに、年配の女性が施設内で着替えをするのをひたすら盗撮しているというものがあった。

沢村「感想を聞かせてくれ」
僕「え最初しか見てませんよ気持ち悪かったんで」
沢村「分かってないなお前は。いいか?AV女優とか素人っていうやつは、それなりにスタイルがいいだろ?そうじゃないんだ。普段の、ぐひひ、弛んだ腹と・・うへへ・・スタイルの悪い・・・・おばちゃんが・・・無防備に・・げへへ・・・」
僕「すみません会議に行ってきます。」


僕「あ・・えっと・・今日、僕は付き合いできただけで・・」
本音だった。
早く帰りたい。

嬢は、既に察していた。すこし哀愁を漂わせた、朝から寂れたような、申し訳なさそうに、ガラガラ声を出す。

嬢「ごめんねぇ。おばさん相手で。精いっぱいやるからいらっしゃいな。」
僕「・・・そうですね。せっかく来たんですしね。不快な思いをさせてごめんなさい。」

実際、嬢は一生懸命に尽くしてくれた。
小さなお風呂で懸命に潜望鏡をし、石鹸でマットプレイをし、全身を丁寧に愛撫してくれた。
ベッドに誘われる。

体型は悪くない。華奢な、柔らかな、でも張りを感じない肌だった。
僕は罪悪感でいっぱいになった。




454: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/28(土) 20:38:34.35 ID:/5VD5/x90

泡の世界で生きている人はなかなか抜け出せないと聞く。
最近来たのか、抜け出せないのかは知らないが、この人にもいろいろな事情があるのだろう。

それでも、乗り気でない年下の男に、残念そうな顔をされながら奉仕するのも大変だなぁと思ったら、嬢の顔を直視できなくなった。
僕の体は正直で、勃つこともなかった。

嬢「柔らかいままでも、入れてもいいよ?」
僕「ううん。大丈夫。ありがとうね。・・・のど乾いたし、飲み物貰っていい?」
嬢「どうぞ。何にしますか?」
僕「コーラ。」


ああ。最悪な朝だ。
最悪。


僕にとって、風俗は、バカ騒ぎをしたり気持ちよくなったり、非日常の空間を金で買うだけの場所だ。
一人で気楽に飲みに出かけたりするのも同じだ。

非日常の空間に、現実を突き刺されたような気分だった。

僕は、逃げるようにその店を後にした。
指定場所のスロット会館へ行く。

程なくして、市村さんも来た。

市村「いやー、まいったね。ランク最低だった。」
僕「ですよねぇ・・・じゃあ、しなかったんですか?」
市村「え?したよ?それとこれは話が別だろ。」

はぁ・・・

金造さんがスロット会館に来たのは、それからたっぷり1時間以上経ってからだった。

金造「お待たせしました!なんかすごく待たされちゃって・・・ガラガラ声の華奢な嬢だったんですけど、良かったですよ!」

うわぁ・・・あのボーイめ・・・よりによって同じ嬢をまわしやがった・・・

金造「ひょっとして、同じ嬢に入ってたりしてwwwどんな子でした?嬢は前の客について教えてくれなかったんですよwwち○この大きさは教えてくれたんですけどww」

市村「こっちはふくよかだったから違うな。」
僕「僕も違いますよ・・・」

僕は、嘘をついた。


最悪な日は、続く。

この日、僕たち3人は全員負けて、言葉少なく帰って行った。




番外編SS

【とある週末の出来事】




おわり。





455: テスト ◆71vVbFpf.c 2017/01/28(土) 20:40:36.90 ID:/5VD5/x90

本編のSS書いてて、最近風俗に行ってないなぁと思い、急に思い出した出来事でした。


僕が出会った男性陣の思い出を書いていこうと思っていたのですが、R指定の思い出が特に思い浮かばなく特にここで書くまでもないかなと思い始めました。
なので、そろそろこのスレッドを閉じたいと思います。

名無しに戻ります。



機会があれば、別の形で全く違うものを書こうと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。





456: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします 2017/01/28(土) 21:20:38.33 ID:0iaf2kd90

お疲れ様でした
さみしくなるな
奥さんと仲良くな





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