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穂乃果 絵里
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1: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 22:51:31.38 ID:7NXZBaRt.net
【昨年・秋】

絵里(おばあさまの母校でもある、国立音ノ木坂学院…昔に比べて生徒数は激減して、今年の一年生は2クラスしかない)

絵里(…生徒会長になったけど、他になる人がいないだけ…これといってやりたいことも見つからない)

絵里(室内プールがあったり、設備は充実してる…私も何か部活動でもやっていればよかったかしら)

「…えり…さん、背も高くて素敵だよねー♪」

絵里「…?」

「私は存じ上げませんが…中学生なのですか?」

絵里(…水泳部と弓道部の一年生が何か話しているみたい)

「うん。私たちより一つ年下だね。でも東京出身だし、2020年のオリンピックではメダル取れるって期待されてるすごい選手なんだよー!」

「そうなんですか…池江璃花子選手。覚えておきましょう」

絵里(…私には関係ない話ね)スタスタ

【冬】

「ことりちゃーん!見て見て、すごいよー!」

絵里(あの一年生…確か水泳部の子だったかしら)

「いっぱい積もったね」

「かまくら作れそうだよね!」

「そんなことしていたら遅刻しますよ」

絵里(いつも元気ね…)クス

絵里(弓道部の子と理事長の娘の南さんと三人、仲良しらしい。よく三人一緒にいるのを見かける)

絵里(三人とも…何というか、声にインパクトがある。だから彼女たちの声が聞こえると、思わずそちらを見てしまう)

絵里(でも…私とは学年も違うし、これといって関わることもないと思っていた)

【春】

理事長「廃校」

絵里(…そういう噂は前からあった。でも具体的に何か対策があるはずもなく…)

絵里「ちょっといい?」

穂乃果(わ。金髪だぁ…)

海未「生徒会長ですよ」ヒソヒソ

穂乃果(キレイな人だなぁ…)

穂乃果「本当に学校、なくなっちゃうんですか…?」

絵里(あの子…いつも元気いっぱいでキラキラしてた…彼女のこんな不安そうな顔を見ることになるなんて)

2: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 22:56:08.17 ID:7NXZBaRt.net
絵里「…あなたたちが気にすることじゃないわ」

絵里(あの子たちのためにも、何とかしなくちゃ…)

理事長「何か良い方法があるのですか?」

絵里(このまま何もできないなら…私が生徒会長になった意味もない)

絵里(…私は、どうすれば…)

穂乃果「アイドル部設立の申請書です」

絵里「…今の部活動はどうするの?」

海未「それは…なんとか両立できればと考えていますが」

絵里「思いつきで行動したところで、状況は変えられないわ」

絵里(規定の人数に不足ということで却下したけれど…問題はそこじゃない)

『すごい選手なんだよー!』

絵里(あの子たちの高校生活を台無しにしたくない…こんな、大人の事情なんかで…私が無力なせいで…)

【後日】

穂乃果「ライブです!」

絵里「新入生歓迎会は遊びではないのよ」

絵里(ほかの二人はまだ戸惑っているようだけど、水泳部…高坂さんはスクールアイドルをやらないと気が済まないみたいね)

絵里「高坂さん」

穂乃果「あ、生徒会長さん…」

絵里「この間も気になったんだけど…ケガをしているの?」

穂乃果「えっ。…いや、これはその…ちょっと練習してて」

絵里(…転んであちこちすりむいた感じね)

絵里「こんなことを続けていたら水泳ができなくなるわ。アイドルの真似事なんてやめなさい」

穂乃果(…心配してくれてる?…優しいところもあるのかな)

穂乃果「だ、大丈夫です。そのうち上手くなって転ばなくなりますから!」

絵里(…私が何もできずに無駄な時間を費やしている間にも、高坂さんの擦り傷が増えていく…)

絵里(スクールアイドルなんて…うまくいくとは思えない。あの子がもっと傷つくのは──)

絵里「…」イライラ

希「エリち?…最近どうしたん?」

絵里「…何が?」

希「廃校の件で焦るのはわかるけど…エリちは何か、ほかのことでイライラしてない?」

3: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:00:18.70 ID:7NXZBaRt.net
絵里「そんなこと…私は別に」

希「一緒にいると、わかるんよ。解決できる問題やったら、先にそっちを何とかしたらいいんやない?…ウチでよければ話くらい聞くよ」

絵里「希…そうね。ありがとう」

絵里(黙って見ていても、何も変えられない…それなら)

【屋上】

絵里「…本当にそう思っているから、簡単に考えてほしくないの」

穂乃果(わからなくはないけど…どうしてそんなにスクールアイドルを否定するのかな)

絵里「高坂さん。…ちょっと来て」

穂乃果「えっ。…私だけ?」

絵里「いいから」

穂乃果「は、はい」

バタン

海未「行ってしまいましたね…これ以上何を言うつもりなんでしょう?」

ことり「さあ…?」

【生徒会室】

絵里「…高坂さん」

穂乃果(副会長さんはいない…はっ!?…もしや)

『あと二人やね』
『とやかく言う権利はないはずや』

穂乃果(私に味方してくれる人がいない状況で、あらためて私たちの活動を妨害するつもり!?)

絵里「高坂さん。…聞こえてる?」

穂乃果「私は諦めませんから!」

絵里「…スクールアイドルのことはとりあえず置いといて。大事な話があるの」

穂乃果「はあ。…何ですか?」

絵里「私と…付き合ってもらおうと思って」

穂乃果「だから来ましたけど…」

絵里「そうじゃなくて…高坂さんが私の彼女になるってこと」

穂乃果「カノジョ?」

絵里「ええ」

穂乃果「えーと…私が生徒会長さんの…って、えええぇぇぇえ!?」

5: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:02:13.20 ID:7NXZBaRt.net
絵里「…あまり大きな声を出さないで頂戴」

穂乃果「そ、そう言われても…なんで急に、そんな話に…」

絵里「心配なのよ。…あなたのことが気になって…廃校問題も何とかしなきゃいけないのに、何も思いつかないわ」

穂乃果「そ、そんな理由で!?」

絵里「もちろんそれだけじゃないのよ。…去年から時々見かけて、可愛いなって思ってたし…」

穂乃果「えっ。…そうなんですか?///」

絵里「そうよ。だから私と付き合って」

穂乃果「いや、でもそんな急に言われても…今までほとんど接点もなかったのに」

絵里「仕方ないでしょう。今は嫌でも関わるんだし、これからはそういう機会も増えるわよ」

穂乃果「でも生徒会長さん、スクールアイドルに否定的だし…正直あんまり私たちのこと良く思ってないですよね?」

絵里「スクールアイドルの件はそうだけど、あなたのことが嫌いってわけじゃないのよ。むしろ好きだから、あなたのことで頭がいっぱいで困っているの」

穂乃果「そんなこと言われても…私だって困りますよ。私がやりたいこと認めてくれないのに…」

絵里「そうね…身勝手な言い分だって自覚はあるけど。…高坂さん、私と付き合うのは嫌?」

穂乃果「イヤってわけじゃ…生徒会長さん美人だし、優しいところもあるみたいだし、廃校を何とかしようと考えてくれてて…素敵な人だなって思うけど」

絵里「ありがとう。高坂さんも素敵よ」ギュ

穂乃果「ちょ、ちょっと待ってください。まだ彼女になるとは…それに私なんかじゃ釣り合わないですよ。生徒会長さんには…」

絵里「そんなことないわ。あなたがそばにいて、こうやっていつでも抱きしめられたら…元気をもらえると思うの。それから困難に立ち向かう勇気も…私には、あなたが必要なのよ」

穂乃果「生徒会長…さん」

絵里「大切にするわ。何があっても…」

穂乃果(こんな素敵なひとに、抱きしめられて…耳元で囁かれたら…///)

穂乃果「…よろしく、お願いします///」

絵里「こちらこそ。…穂乃果って呼んでもいい?」

穂乃果「はい…えっと、生徒会長さんは…」

絵里「絢瀬絵里よ。穂乃果も私のこと、名前で呼んでくれるかしら?」ニコ

10: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:09:34.85 ID:7NXZBaRt.net
キーンコーンカーン…

穂乃果(まだドキドキが収まらないよ…私、ホントに絵里さんの彼女になったんだよね)

『好きだから、あなたのことで頭がいっぱいで』
『穂乃果って呼んでもいい?』

穂乃果(…えへへ///)

フミコ「穂乃果ちゃん。…なんか嬉しそうだね?」

ミカ「スクールアイドル、順調なんだ?」

穂乃果「えっ。…いやぁ、そうでもないんだけど…エヘヘ」

ヒフミ「?」

【放課後】

絵里「穂乃果」ニコ

穂乃果「あっ、絵里さん」

絵里「一緒に帰りましょう」

穂乃果「あ…ごめんなさい。今日はダメです」

絵里「…スクールアイドルの練習?」

穂乃果「それはまだ…でも、ことりちゃんと海未ちゃんといろいろ話し合う予定だから」

絵里「どうしてそこまでスクールアイドルに拘るの?…廃校問題は私たちが何とかするから、穂乃果がそんなことする必要はないのよ」

穂乃果「何とかって…でも理事長は認めてくれてないんですよね?生徒会の活動…」

絵里「それは…だからって穂乃果がしなきゃいけないことじゃないでしょう?」ギュ

穂乃果「わ。…え、絵里さん…ダメですよ。こんなところで///」

絵里「好きよ。穂乃果…いつもそばに居たいの。わかるでしょう?」

穂乃果「私だって、一緒にいたいです…好きだもん///」ギュー

真姫(ヴェぇ…あ、あの二人…そんな関係だったの!?)

【夜】

『どういうこと?…帰りはダメっていうから、朝だけでも一緒に登校しようと思ったのに…』

穂乃果「海未ちゃんの提案で早朝に練習することになったんです。だから…」

『じゃあ、明日は一緒に帰れる?』

穂乃果「放課後も練習です。…ごめんなさい」

『そう…穂乃果は私よりスクールアイドルが大事なのね』

穂乃果「違います。廃校を防ぐためだから…音ノ木坂は絵里さんと私が出会った大切な場所だもん」

『それはそうだけど…そんなことで廃校を止められるの?…今まで何の経験もないのに』

11: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:13:14.63 ID:7NXZBaRt.net
穂乃果「まだ、どうなるかわかりません…でも、できるだけやってみたいんです」

『…』ハァ

穂乃果「あ、あのっ…お昼」

『…え?』

穂乃果「お昼、明日から私と一緒に食べてくれませんか?…少しでも絵里さんと会いたいから…」

『穂乃果…わかったわ。…何なら穂乃果のお弁当、私が作りましょうか?』

穂乃果「えっ。…絵里さんの手料理!?」

『ええ。大した物ではないけれど…これでも料理は慣れてるのよ』

穂乃果「食べてみたいです!…いいんですか?」

『もちろんよ。じゃあ作ってあげる…それと、穂乃果?』

穂乃果「はい?」

『二人きりのときは敬語じゃなくていいわよ。…恋人なんだから』

穂乃果「絵里さん…そうだよね///」

『ふふ。…じゃあ、おやすみ穂乃果。…あんまり無理しないでよ?』

穂乃果「はい。気をつけて頑張ります!」

『…また敬語になってる』クス

穂乃果「あ、あれっ…えへへ。お弁当、楽しみにしてるからね!…おやすみなさい。絵里さん♪」

チュン(・8・)チュン

海未「二人とも遅いですよ!そんなことでは練習になりません」

穂乃果「ひ、他人事だと思って…」ドタバタ

ことり「もう走れないよ~」フラフラ

絵里「…」ジーッ

海未「!?…な、何か背筋に寒気が…?」

絵里(私の穂乃果にケガでもさせたら許さないわよ…)

穂乃果「あっ…絵里さん!」

ことうみ「!?」

海未(な、なぜ生徒会長が私たちの練習場所まで…)

ことり(また何か言いに来たのかなぁ?)

絵里「穂乃果。…大丈夫?」

穂乃果「はい。でもどうして絵里さんがここに…?」

12: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:16:19.24 ID:7NXZBaRt.net
絵里「気になったから、念のため見に来たの…はい、これ。お弁当」

穂乃果「わー!ありがとうございます♪」

絵里「その前にタオルね…ちょっとそのまま、じっとしてて」

穂乃果「自分で拭けますよ」

絵里「いいから」ゴシゴシ

穂乃果「わぷっ…えへへ。ちょっと恥ずかしいです」

絵里「…汗くさいわね」

穂乃果「えぇ!?…やっぱり?」

絵里「冗談よ」クス

ことり(な、なんだか…)

海未(いつの間に仲良くなったんでしょうか…?)

キーンコーンカーン…

絵里「ごめんなさいね。急に押しかけたりして…」

穂乃果「ううん。一緒に登校できて嬉しかったです♪」ギュ

絵里「私も…じゃあ、またお昼にね」

穂乃果「はい。…えっと、このまま教室まで一緒に行くんですか?」

絵里「穂乃果が離してくれないから…」

穂乃果「あ、そっか…えへへ///」

海未(こ、これは…もしかして)

ことり(恋人同士って感じだよね!?)

【昼・中庭】

穂乃果「わあ、これおいしい!…なんていう料理?」

絵里「それはдраники」

穂乃果「どらにき?…どら焼きみたいな感じ?」

絵里「ドラーニキ。ロシアの料理よ。ジャガイモを使った、甘くないパンケーキって感じかしら」

穂乃果「へー。ジャガイモ…もちもちしてて不思議な食感だね♪」

絵里「そうね。気に入ってくれたみたいでよかったわ♪」

穂乃果「私、パンとかケーキとか大好き♪」

絵里「ロシア料理にはそういうのたくさんあるわよ」

穂乃果「そうなんだ?…明日のお弁当も楽しみだなぁ♪」

13: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:22:53.77 ID:7NXZBaRt.net
絵里「穂乃果ったら…もう明日のお弁当作ってもらう気でいるの?」クス

穂乃果「あ…ダメだよね?…さすがに」

絵里「作ってあげるのはいいけど、私だって穂乃果の手料理を食べたいわよ」

穂乃果「私、和菓子なら得意だけど…お弁当はあんまり作ったことないよ?」

絵里「スクールアイドルなんてやめちゃって、うちにお嫁に来なさいよ。料理も教えてあげるわ」

穂乃果「そ、そんなのダメだよ!」

絵里「あら、どうして?…私とじゃ不満?」

穂乃果「絵里さんのお嫁さんにはなりたいよ///…でもスクールアイドルやめるのはダメ。私がやるって言い出したんだから…」

絵里「引っ込みつかなくなって意地張ってるだけなら、潔く辞めたほうが周りにかかる迷惑も少なくて済むわ。もちろん穂乃果のためにもね」

穂乃果「そんなんじゃないもん!もう、この話は終わり!」パク

穂乃果「あ、これも美味しい♪」モグモグ

絵里「それは鶏肉のкотлетаね。チーズと野菜を入れてみたの」

穂乃果「鶏の…ことり?」

『ホノカチャン(^8^)ちゅんちゅん♪』

絵里「カトリェータ。カツレツのロシア語形よ。日本のカツとは少し違うんだけどね」

穂乃果「へー!絵里さんてお料理上手だね♪…ロシア料理が得意なの?」

絵里「祖母がロシア人なの。ロシア料理もいろいろ教わったのよ」

穂乃果「そっか。絵里さん金髪だし、肌も白くてキレイだよね♪」

絵里「そうかしら?…でも瞳の色は穂乃果とあまり変わらないわよね?」

穂乃果「えっ。…言われてみれば、似てるかも…」

絵里「青い瞳って日本では珍しいじゃない?…穂乃果も私みたいにクォーターかハーフだったりするの?」

穂乃果「考えたことなかったけど…どうして私の瞳も青いんだろう…私、外国人なのかなぁ!?」

絵里「顔立ちは日本人っぽいし…おじい様か、おばあ様が外国人なんじゃない?」

穂乃果「うーん…あ、そうだ。二人で写真撮ろうよ♪」

絵里「いいけど…急にどうしたの?」

穂乃果「いいから、いいから♪」

絵里「じゃあ…これくらい、くっついたほうがいいかしら?」ギュー

穂乃果「絵里さん…うん。えへへ///」

穂乃果「はい、ピロシキ♪」チュ

穂乃果「!」パシャ

15: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:24:30.63 ID:7NXZBaRt.net
穂乃果「え、絵里さーん///」カァァ

絵里「あら、ごめんなさい。ごはん粒がついてたの♪」

穂乃果「…今日のお弁当、ごはんじゃなかったよね?」

絵里「そうだったかしら?…うふふ♪」

穂乃果「もー。目を瞑っちゃったらダメだよ。撮り直し」

絵里「じゃあ、今度は目を開けたままキスするわね」

穂乃果「ダメー!」パシャ

穂乃果「ほら、絵里さんとおそろい♪」

絵里「瞳の色のこと?」

穂乃果「うん。嬉しいなぁ♪」

絵里「まあ、穂乃果が喜んでくれるのはいいけど…」

穂乃果「だって、絵里さんとは何もかも違いすぎて…学年が違うから学校でも一緒にいられる時間は短いし、考え方も趣味も合わないし…恋人になっても、うまくいくのか少し不安だったから」

絵里「穂乃果…でも、廃校を何とかするよりずっと簡単でしょう?」

穂乃果「そうかもしれないけど…でも、少しでも絵里さんと似てるところがあるのは嬉しいよ。瞳の色と、音ノ木坂が大好きで廃校を防ぎたいと思ってることかな♪」

絵里「そうね。もちろん音ノ木坂だけじゃなく、穂乃果のことも大好きよ♪」

穂乃果「私も…絵里さんが大好き♪」ギュー

絵里「やっぱりキスしちゃってもいい?」

穂乃果「ここ、周りに人いるし…恥ずかしいよ///」

絵里「じゃあ、そこの大きな木の陰で♪」

穂乃果「…うん///」

チュゥー

希(エリち…高坂さんをスクールアイドルにしたくないのは、そういう理由やったんやね)

にこ(…っていうか、なんで私まで隠れて見てんのよ…全く関係ないんだけど///)ドキドキ

【放課後】

真姫「…答えが変わることはないと思いますけど」

『西木野さんの歌声、大好きなんだ♪』

真姫(歌とピアノ…か)

『好きよ。穂乃果…』

真姫(私の音楽は、もう終わったようなもの…だけど完全に捨ててしまったら、好きって言ってもらえるものは何もなくなる)

真姫(…ヴェ、別に私は高坂先輩のことなんて…こんなの、カッコ悪すぎるじゃない!)

18: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:38:31.05 ID:7NXZBaRt.net
シアーワセ ネガーッテルト イイナガラヤミヘ ラブレスワー♪

穂乃果「この歌詞、なんか暗くない?…私たちのファーストライブの曲なのに…」

海未「誰のせいだと思ってるんですか…」

穂乃果「え?…な、何の話?」

ことり「でも、これでやっと歌とダンスの練習もできるね♪」

海未「そうですね。頑張りましょう」

【職員室】

教師「幾ら部活のためとはいえ、授業中に堂々と寝すぎだろ…ずっとこんな調子じゃ廃校云々の前に高坂の進級すら危うくなるんじゃないか?」

穂乃果「うぐっ…そ、それは困る…かも」

教師「かもじゃなくて、ちゃんと勉強もしておかないと後で本当に困ることになるぞ。まったく…」

穂乃果(でも練習やめるわけにはいかないし…ライブまでは頑張らなくちゃ)

絵里「へえ…興味深い話ね?」

穂乃果「!…絵里さん…」

絵里「やっぱり無理があるのよ。水泳部どころか学業との両立もできないじゃない」

穂乃果「い、今は慣れてないから結果的にそうなってるだけで、そのうち…」

絵里「講堂の使用を許可したのは生徒会よ。ライブの予定もまだ取り消せるわ」

穂乃果「ダメっ!ライブは絶対やるの!曲だってできたし、みんないろいろ協力してくれてる…私だけの問題じゃないんだから!」

絵里「…困った子ね」ハァ

穂乃果「絵里さんは相変わらずスクールアイドルには反対なんだ…」

絵里「当たり前でしょう。今のところあなたにとってマイナスの結果ばかりじゃない。これで生徒が集まらなかったら…」

穂乃果「そんなの、やってみなければわからないよ!」

絵里(穂乃果も普段は素直なのに…いえ、私が廃校を阻止できる方法を思いつかないからいけないのね…)

【五月】

生徒会A「えっ」
生徒会B「ライブの」
生徒会C「手伝い?」

希「うん。宣伝とか、できるだけ協力してあげてほしいんよ」

『…私は手伝えないから』

『エリちもホンマは力を貸してあげたいんやね』

『当たり前でしょう。穂乃果は私の彼女なんだから…でも、学校では私は生徒会長だし』

19: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:44:48.48 ID:7NXZBaRt.net
【新入生歓迎会当日・放課後】

フミコ「ごめん…頑張ったんだけど…」

絵里「…」

穂乃果(絵里さんが最前列の真ん中に座ってる…)

ことり(すっごい見てる…穂乃果ちゃんを)

海未「(客席には生徒会長しか居ませんが)…どうします?」

穂乃果「絵里さん…見ててくれますか?」

絵里「ええ。…そのために来たのよ」

穂乃果「じゃあ…」
絵里「衣装」

穂乃果「え?」

絵里「…似合ってるわ」

穂乃果「…ありがとう」

ことうみ「…」コク

\♪ミツーメーテヨ ミツーメーナイーデ/

花陽「ああっ…もう始まっちゃってる…」

にこりん「…」

\ラブレスワー♪/

絵里「どうするつもり?」

穂乃果「ここを満員にしてみせます!」

【外】

穂乃果「待って!絵里さん」タタタ

絵里「穂乃果…」

穂乃果「今日くらい一緒に帰ってくれてもいいでしょ?」

絵里「私は今もスクールアイドルには反対よ。…だから慰めてあげるつもりはないわ」

穂乃果「…もちろん認めてくれたら嬉しいけど…でもライブの結果に関係なく、いつだって抱きしめてほしいんだもん」

絵里「私だって、いつでも穂乃果のそばにいたいわよ…だからスクールアイドルには反対なの」

ほのえり「…」

穂乃果「えいっ」ギュー

絵里「…帰りましょ」ナデナデ

穂乃果「うん♪」

22: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/13(土) 23:51:04.93 ID:7NXZBaRt.net
絵里「もう諦めなさい」

穂乃果「やだもーん。あと二人部員増やして、ちゃんとした部活にするんだから」

絵里「五人になっても認めないって言ったでしょ」

穂乃果「そんなのずるいよ。ショッケンランヨーじゃん!」

絵里(意味わかってるのかしら…)

穂乃果「どうしてスクールアイドルはダメなの?」

絵里「穂乃果は可愛いし、続けていればそのうち人気も出ると思うけど…でも、年上や男の人に人気があっても意味がないわ。廃校を阻止するなら女子中学生に支持されないと」

穂乃果「私じゃ年下の女の子にはモテないってこと?」

絵里「そんなことないけど…でも」

穂乃果「なに?」

絵里「…生徒会長じゃなくて、私個人として言うけど」

穂乃果「うん?」

絵里「みんなのアイドルじゃなくて、私だけの穂乃果でいてほしいし」ボソ

穂乃果「絵里さん…って、まさかそれが理由なの!?」

絵里「別にそれだけってわけじゃないわよ。今まで言ったことも本当にそう思ってるし…」

穂乃果「私のこと、独り占めしたいだけなんだ?」

絵里「だけじゃないってば…」

穂乃果「絵里さーん♪」ギュー

絵里「こ、こらっ。外ではあんまりくっつかないの」

穂乃果「いつもは絵里さんからくっついてくるくせにー」

絵里「そんなことあったかしら?」

穂乃果「あったよー」

イチャイチャ

【後日】

\ラブレスワー♪/

絵里(…やっぱり穂乃果が一番可愛いわね)デレデレ

亜里沙「お姉ちゃん」

絵里「な、なに?」

亜里沙「この動画、お姉ちゃんが撮ったの?」

絵里「私じゃないわよ(…頼んだのは私だけど)」

26: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:08:23.30 ID:CkifKIyU.net
【六月】

絵里(先月、作曲を担当した西木野さんを含め一年生三人が加わってμ'sは六人になった)

絵里(人数が増えても相変わらずバラバラに早朝練習も続けてるみたい。私は今日も穂乃果にお弁当を渡して、ついでに一緒に登校しようと思ったんだけど…)

にこ「…」サッ

絵里(なんだか、あからさまに怪しい人がいるわね…ストーカーか何か?)

絵里「穂乃果に何の用?」

にこ「!」

絵里(子供?…いや、どこかで見たような…)

にこ「…別に、あんたでもいいわ」

絵里「え?」

にこ「高坂穂乃果と別れなさい!」

絵里「何の話?」

にこ「とぼけても無駄よ。学校で…き、き、キスしてるとこ見たんだから!」

絵里「あなたには関係ないでしょう?」

にこ「アイドルにとってスキャンダルは致命傷よ。人気が出ないのはあんたのせいなの。…あんた、生徒会長のくせに音ノ木坂を廃校にしたいわけ?」

絵里「私のせい…?」

にこ「わかったら、とっとと別れることね。…フン」

ダッ

絵里(…関係ないわよ。もし噂が広まってるなら、今更別れたって…)

穂乃果「あっ、絵里さん!おはよー♪」タタタ

絵里「穂乃果」ニコ

絵里(穂乃果には…言わないほうがいいわよね。私は別れる気なんてないし)

絵里「ねえ、穂乃果」

穂乃果「なに?」

絵里「梅雨入りしたら、練習できない日も増えるわよね?」

穂乃果「あ…そうだね。…どうしよう」

絵里「いい機会だから、勉強しなさい」

穂乃果「え?…勉強?」

絵里「そうよ。いつも練習で疲れて授業中は寝てばかり…成績もひどいことになってるんじゃない?」

穂乃果「そ、そんな…ことは」ヒヤアセ

29: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:13:25.12 ID:CkifKIyU.net
ことり「特に数学は…学年最下位くらいかも」

絵里「そんなにひどいの?」

ことり「はい。穂乃果ちゃん、昔から算数も苦手で…起きてても数学はほとんど理解してないと思います」

穂乃果「もー!絵里さんにそんなこと言わないでよ!」プクー

絵里「自業自得でしょ。仕方ないわね…私が教えてあげるから、せめて授業についていけるように勉強しましょう」

穂乃果「そんなことしてる場合じゃ…」

絵里「ダメよ。ちゃんとした部活動として認めてほしいなら、最低限赤点を取らないようにして」

穂乃果「うぅ…」

ことり「ふふふ。今回は生徒会長さんの言う通りにしたほうがいいと思うよ。頑張って、穂乃果ちゃん♪」

【放課後】

穂乃果「やっぱり確率だよ!よかったぁー♪」

「ダメよ!」

ことほのうみまきりんぱな「えっ」

穂乃果「絵里さん!」

絵里「この様子では、また降りだすのも時間の問題よ。それに床がこんな状態で、練習なんて許可できないわ」

凛「わざわざ邪魔しに来たんですかー?」

海未「凛!」

絵里「…穂乃果のことだから、雨が降っても練習を強行するんじゃないかと思って…念のため見に来たのよ。そしたら、案の定」

穂乃果「まだ何もしてないのに…」

真姫「ずいぶん過保護なんですね」カミノケクルクル

絵里「私は常識的に考えて、生徒の問題行動を未然に防ごうとしただけ。今日は諦めて帰りなさい」

穂乃果「問題って…」

ことり「心配して来てくれたんだよ」ヒソヒソ

海未「穂乃果のこと、よく見てるんですね」クス

絵里「何か言った?」

ことうみまきりんぱな「いいえ」

穂乃果「絵里さん…えっと、一緒に帰ってくれる?」

絵里「そちらの用事はいいの?」

海未「まだライブの予定もありませんし、練習できなければ始まりませんから…」

絵里「そう。…じゃあ」

31: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:16:34.09 ID:CkifKIyU.net
穂乃果「えへへ。みんな、お疲れさま♪」ギュ

花陽「いいなぁ…」

凛「かよちん?」

真姫「私たちも帰りましょ」

ザァァァ…

穂乃果「降水確率60%だって言ってたのに…」

絵里「降る確率のほうが高いし、一日として見ればどこかで必ず降るといってもいい数字でしょう。…まさか本当に算数ができないの?」

穂乃果「できないんじゃなくて苦手なだけだもん!」プクー

絵里「傘は?」

穂乃果「持ってないよ」

絵里「予備の折り畳み傘くらいいつも持ってなさい。…今日は私が送ってあげるけど」

穂乃果「それって相合い傘!?」

絵里「…嫌ならやめておく?」

穂乃果「ううん!嬉しい♪」

絵里「そ。…濡れないように、なるべくくっついて」

穂乃果「はーい。…えへへ♪」ギュー

絵里「…///」

絵里「あ、そうだ…穂乃果。疲れてる?」

穂乃果「ううん。今日は練習する気満々だったし」

絵里「そう。じゃあ時間もあることだし…穂乃果の家にお邪魔してもいい?」

穂乃果「え。…うん。いいよ♪」

穂乃果(絵里さんからそんなこと言ってくれるなんて…)ドキドキ

【高坂家】

穂乃果「えぇー!?勉強?」

絵里「そうよ。数学だけでも何とかしないと」

穂乃果「そんなの聞いてないよ!」

絵里「今朝言ったじゃない。雨の日とか練習がないときに私が教えるって」

穂乃果「それは…そんなこともあったような」

絵里「じゃあ問題ないわよね。…解いてもらう問題なら山ほどあるけど♪」ドサ

穂乃果「うまいこと言っても嬉しくないよー!」

33: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:20:05.30 ID:CkifKIyU.net
絵里「あら、私は嬉しいわよ。穂乃果と二人きりで過ごす時間ができて」

穂乃果「それはそうだけど…」

絵里「じゃあ始めましょうか。μ's」

穂乃果「ミュージック・スタート…」トホホ

【翌日】

『ちゃんとした部活動として認めてほしいなら──』

穂乃果(絵里さんに言われて思い出した…もう六人いるんだから申請すればいいんだよ)

穂乃果「…アイドル研究部?」

絵里「そう。似たような内容の部活動を幾つも増やすのは好ましくないから」

穂乃果「なんで今頃言うの!絵里さんの意地悪!」プンプン

ことり「穂乃果ちゃん」

海未「生徒会室ですよ」

希「まあ、エリちの言うことも一理あるやん?…とりあえず一度は向こうと話し合ったほうがいいんやない?」

穂乃果「向こう…?」

絵里「そうね。…行きましょう」

【アイドル研究部・部室】

にこ「…なんであんたまで来るのよ」

絵里「アイドル研究部があるから、μ'sの部活動申請を却下したのよ。生徒会としても現状を把握しておく必要があるから」

にこ「フン…自分の彼女のために邪魔な部を潰そうってわけ?」

絵里「そんなこと言ってないでしょう。私はスクールアイドルの活動に手を貸すつもりはないし」

にこ「だったら話す必要なんてないわよ。私は辞めないし部室を貸す気もないから」

海未「そこを何とか…私たちは練習できる場所が欲しいだけで」

ことり「んー?」

穂乃果「どうしたの?ことりちゃん」

ことり「どこかで見たような…?」

穂乃果「アイドル研究部さんのこと?」

にこ「…にこよ」

絵里「そういえば、ファーストライブも見に来てたわよね」

にこ「うるさいわね。…せっかく応援してやろうかと思ってたのに、アイドルの資格がない奴がセンターなんて…アイドルへの冒涜!恥よ!」

穂乃果「資格がないってどういう…」

35: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:25:07.98 ID:CkifKIyU.net
にこ「わからない?…なんで講堂がガラガラだったか。あんたが足を引っ張ってんのよ」

絵里「その話は今は関係ないでしょう。アイドル研究部は現在、まともに活動しているようには見えないけど?」

穂乃果「ちょ、ちょっと待って。…にこさん。どういうことですか?…私の人気がないから?」

にこ「アイドルに恋愛は御法度よ!人前で堂々といちゃついてるような奴にアイドルを名乗る資格はないって言ってんのよ!」

絵里「勝手にコソコソ覗き見ておいて随分な言い草ね」

凛「あー。わかった!嫉妬してるんだぁ♪」

にこ「はぁ!?」

花陽「えーと…にこ先輩も生徒会長さんが好きってこと?」

穂乃果「え!?」

にこ「んなわけないでしょ!」

真姫「穂乃果先輩が好きなんじゃない?」

にこ「勝手に話を進めてんじゃないわよ!とにかく、あんたたちに協力する気はないから。とっとと出てって!」

バタン

ことり「…追い出されちゃったね」

海未「普段なら黙って引き下がる穂乃果ではないのですけど…」

穂乃果「私のせいで人気がないのかな…」

絵里「関係ないわよ。気にすることないわ。私は穂乃果と別れたりしないからね?」

穂乃果「うん。別れる気は全然ないからそれはいいんだけど…私、μ's辞めたほうがいいのかなって」

絵里「そうね。穂乃果がスクールアイドル辞めるのは賛成よ。毎日一緒に帰れるし♪」

穂乃果「絵里さん…もう///」

イチャイチャ

真姫「…にこ先輩が正しいような気がしてきたわ」

花陽「ま、真姫ちゃん…」

希「ふふ…盛り上がってきたみたいやね」

絵里「希!…他人事だと思って茶化さないでよ」

希「まあまあ…高坂さんにも教えてあげようかと思って」

穂乃果(にこ先輩も一年生のときスクールアイドルやってたんだって)

穂乃果「あ…じゃあ、こんなのはどうかなぁ?」

38: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:32:30.97 ID:CkifKIyU.net
【翌日】

にこ「はぁ!?…辞めるってどういうことよ!?」

海未「μ'sの人気が出ない原因は穂乃果だと言ってたじゃないですか」

凛「だから穂乃果先輩の代わりに、にこ先輩がμ'sに入ってくれたら人気出るんじゃないかと思って」

にこ「なに言ってんのよ!穂乃果ちゃんが辞めたら意味ないでしょ!?嫌がらせしてでもあいつと別れさせようと思ったのに!」

ことり「穂乃果…ちゃん?」

花陽「穂乃果先輩のファン…なんですか?」

にこ「そーよ!辞めさせたりしたら許さないから!」

穂乃果(というわけで…)

にこ「穂乃果ちゃんと私のデュエット曲を作りなさいよ」

真姫「…気が向いたら」

にこ「衣装も穂乃果ちゃんとお揃いにしてよね!」

ことり「…たぶん、みんな似た感じの衣装になると思いますけど…」

にこ「さっさと別れちゃいなさい」ケッ

絵里「大きなお世話よ」

穂乃果「アハハ…まあ、これからよろしく…」

にこ「アイドルのことなら何でも教えてあげるわ!手取り足取り…し・り・と・り♪」

絵里「ちょっと…変なことは教えないでよ?」

穂乃果「変なこと?」

絵里「穂乃果は知らなくていいの」

穂乃果「っていうか、絵里さんもμ'sに入ってくれればいいのに」

絵里「ダメよ。スクールアイドルで廃校を阻止できるとは思えないし…私は別の方法を考えるわ」

にこ「フン…あんたに何ができるっていうのよ」

穂乃果(…そしたら、絵里さんといつも一緒にいられると思うんだけどなぁ)

【後日】

ことり「こっそり撮るのドキドキしちゃった♪」

穂乃果「ひどいよー!」

絵里「そうよ。盗撮なんて良くないわ。これは私が没収」

希「エリち…」ジトー

絵里「わ、私は普段、授業中の穂乃果を見られないから…真面目にやっているかどうかチェックする義務があるの」

39: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:34:45.90 ID:CkifKIyU.net
海未「どうかも何も、見てのとおり完全に熟睡してましたけど…」

穂乃果「うぅ…絵里さんには見られたくなかったのに」

絵里「だったら授業は真面目に受けなきゃダメよ。穂乃果」

穂乃果「でも最近、絵里さんが教えてくれて勉強はしてるよ」

希「本当に勉強だけなん?」ニヤニヤ

絵里「とにかく、ふざけてないで部活動の様子をちゃんと撮ってくれないと困るわ。練習は真面目にやってるんでしょ?」

花陽「は、はい。…私は先輩たちについていくのが精一杯ですけど…」

穂乃果「せっかくだから絵里さんも一緒にやろうよ♪」

絵里「私はいいわよ…練習しても成果を発揮する機会がないし」

穂乃果「じゃあ、いっそμ'sに」
絵里「入りません」

希「エリちも頑固やね」

絵里「恋人だからって部活まで一緒じゃなくてもいいでしょう。練習に身が入らなくなるわよ」

穂乃果「心配してくれるの?」

絵里「スクールアイドルはどうでもいいけど、私のせいで穂乃果が周りに迷惑をかけるのは良くないから」

穂乃果(前よりはμ'sのことも理解してくれてると思うけど、興味はなさそう…かなぁ)

穂乃果「え?…うちに取材?」

希「うん。普段の穂乃果ちゃんの様子っていうか…」

穂乃果「今日、絵里さんが来て勉強教えてくれる日なんですけど…それでもよければ」

『もう…穂乃果ったら』
『えへへ。絵里さーん♪』
イチャイチャ

希「あー。うん…遠慮しとくわ」

凛「バカップルにゃ」

穂乃果「な、なんで?」

\マーダマダマダマダコレカラ♪/

絵里「新曲もいいわね。やっぱり穂乃果が一番可愛い♪」

穂乃果「そうかなぁ?…えへへ。これなら廃校も阻止」
絵里「無理ね」

穂乃果「えぇ!?…そんなぁ」シュン

絵里「…まあ、前よりは上達してるみたいだけど」

穂乃果「そうでしょ。みんな頑張ったんだから!」

40: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:38:01.36 ID:CkifKIyU.net
絵里(もしかしたら…とは思うけど。私は…)

花陽「ラブライブです!」

理事長「学業が疎かになってはいけません」

絵里「…だから言ったでしょう。授業も真面目に受けないと」

穂乃果「で、でも勉強はしてるし…大丈夫だよ。…たぶん」

絵里(とりあえず穂乃果の勉強は引き続き私が手伝うことにしたわ)

絵里「それにしても…もう全国大会を目指す段階なのね」

穂乃果「順位は、まだまだ圏外だけど…新曲のPVが好評で、順調に人気が上がってきてるんだー♪」

絵里(今更やめろとは言いにくい状況ね。メンバーとの関係も良好みたいだし…)

穂乃果「絵里さんは何か部活やってたことないの?」

絵里「私?…部活動はないわね。生徒会以外は…習い事の経験ならあるけど」

穂乃果「スイミングとか、剣道とか?」

絵里「いや、それは穂乃果でしょ。私はバレエを少しね」

穂乃果「へー!じゃあオリンピック目指したり」

絵里「バレーボールじゃなくて踊るほうのバレエ」

穂乃果「そうなんだ?…ヌスクナッカーとか、シュヴァンネンタイヒとかいう」

絵里「なんでドイツ語なの?…まあ、有名なのはそのあたりよね」

穂乃果「ちょっと踊ってみせてよ♪」

絵里「ライブに来なかった誰かみたいなこと言わないでよ…ブランクも長いし、昔ほど踊れないわ」

穂乃果「見たい見たい!ビデオとか残ってないの?」

絵里「ノーコメント」

穂乃果「えぇー!?…亜里沙ちゃんに訊いてみようかな」ボソ

絵里「やめてよ…どうしてそんなの見たがるの」

穂乃果「だって私たちのPV見てくれて、可愛いって言ってくれて嬉しかったし…私も可愛い絵里さんを見たいな♪」

絵里「…私のは別に可愛くはないわよ?…人に教えたり勝手に見せたりしないでね」

穂乃果「あるの!?」

絵里「…あるけど」

\♪ミツーメーテヨ ミツーメーナイーデ/

絵里「あ、これ違う」ソットジ

穂乃果「今の…私たちのファーストライブ」

41: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:44:09.31 ID:CkifKIyU.net
絵里「あ。…い、いや…これは、その…」

穂乃果「もしかして…あの動画、絵里さんがアップしたの…?」

絵里「べ、別にあなたたちのためじゃないのよ。…ただ、あなたたちのダンスや歌が」
穂乃果「ありがとー!」ギュー

絵里「ちょ、ちょっと穂乃果…」

穂乃果「えへへ。やっぱりずっと応援してくれてるんだね。大好き♪」

絵里(違うとも言い出せなくなっちゃったけど…まあいいか///)

穂乃果「ねえ、バレエの経験ってスクールアイドルにも役に立ったりしないかなぁ?」

絵里「私はやらないわよ。アイドルなんて…」

穂乃果「そうじゃなくて。基礎トレーニングやダンスの練習とかあるでしょ。絵里さんはどんな練習してたの?」

絵里「私は…って、それより今は勉強でしょ。赤点だけは絶対に回避しないと」

穂乃果「うぐっ…そ、そうだね…」

絵里(早めに勉強を始めておいてよかった。テストには間に合いそうね)

穂乃果(テストが終わって無事に赤点回避したら、絵里さんの昔の写真や映像とかいろいろ見せてくれるんだって。楽しみだなぁ♪)

【後日】

理事長「廃校」

穂乃果「うそ!?」

絵里「オープンキャンパスは二週間後の日曜日」

穂乃果「ラブライブに出場できれば…と思ったのに」

絵里「残念ながら間に合わないわね。…やっぱりスクールアイドルじゃ…」

穂乃果「そんなことない!…そうだ、ライブやろうよ!」

絵里「私も生徒会で何かできないか考えてみるわ。…理事長!」

理事長「…止めても聞きそうにないわね」

絵里「穂乃果!」ギュ

穂乃果「は、はい?」

絵里「あなたたちのライブにもできる限り協力するわ。絶対にオープンキャンパスを成功させましょう!」

穂乃果「うん!」

『思いつきで行動したところで、状況は変えられないわ』

海未「…あのときと同じ人とは思えませんね」

ことり「ふふふ。…穂乃果ちゃんのおかげかな♪」

42: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:49:17.38 ID:CkifKIyU.net
真姫「新曲は作れるけど…練習はどうするの?」

にこ「一ヶ月でも無謀なのに、二週間以内にライブができる状態に仕上げるなんて…」

凛「そんな劇的に上手くなるわけないにゃ」

穂乃果「今までより効果的な練習…あ、そうだ!」

【絢瀬家】

絵里「こn」ヴヴヴ

絵里「穂乃果?…ごめんなさい。ちょっと待ってて」

亜里沙「うん(…雪穂寝てるし)」

絵里「なあに穂乃果?…今忙しいんだけど」

『絵里さん!練習に付き合って!』

絵里「なに言ってるの。ライブに協力するとは言ったけど」
『今すぐ!!』

絵里「もう。ワガママなんだから…今回だけよ?」

モブJC(バカップルだ…)
亜里沙「Хорошо♪」
雪穂「…」Zzz

【音ノ木坂】

穂乃果「μ'sに入って!」

絵里「嫌よ。練習に付き合えっていうから来たのに…」

にこ「新曲、衣装、野外ステージ。あらゆるインパクトが必要なのよ。入学希望者を集めるためには」

海未「そして新メンバーです。このタイミングで生徒会長が加わったとなれば…」

穂乃果「美人だし、金髪だし♪最高に目立つでしょ!?」

絵里「私はパンダじゃないのよ。一人増えたくらいでそんな…」

穂乃果「できる限り協力してくれるって言ったよね!?絵里さん!おねがぁい」スリスリ

絵里「も、もう…ずるいわよ」

絵里(練習を手伝うついでに、廃校を回避するまでの条件つきで…私もμ'sに加わることになった)

【オープンキャンパス当日】

穂乃果「この学校だから、このメンバーと出会い…この八人が揃ったんだと思います!」

希「九人や!ウチも入れて!」

ほのえり「ダイスキ♪」

43: 名無しで叶える物語(魔王城門前)@\(^o^)/ 2016/08/14(日) 00:50:55.52 ID:CkifKIyU.net
にこ「…っていうか、あんたはどうして頑なにスクールアイドルやりたがらなかったのよ。恵まれたもの持ってるくせに」

絵里「私がどうこうっていうより、穂乃果をアイドルにしたくなかったのよ」

希「穂乃果ちゃんを独り占めしたいからってやつ?」

絵里「それもあるけど…穂乃果って水泳部だったでしょ」

穂乃果「うん。とりあえず廃校は回避できたし、夏だからこれからたくさん泳ごうと思ってるけど♪」

絵里「やっぱりアイドルより水泳部よね♪」

凛「もしかして…穂乃果先輩の水着姿が見たかっただけ…とか」

絵里「そ、そんなことないわよ。とにかく廃校は回避できたんだから──」

花陽「でも…まだラブライブがありますけど…」

穂乃果「あ、そうだった…よーし!出場目指して頑張ろう!」

絵里「私は参加しないわよ。目的は達成したんだから…」

ことり「でも夏は屋上で練習するのは暑するよね…」

穂乃果「海行こうよ!合宿!」

絵里「行きましょう!」

希「えぇ…エリち、さっきは参加しないって言ってたやん」

真姫「やっぱり穂乃果先輩の水着が見たいだけなんじゃない?」

絵里「違うわよ。私は水着よりも穂乃果に興味があるんだから!」

穂乃果「えへへ。私も絵里ちゃんと一緒に行きたいな♪」

海未「もう勝手にしてください…」

絵里「穂乃果と海辺で合宿よ!ハラショー♪」



おわり