地球外生命の探求は容易な仕事ではない。だがNASAの科学者たちは、このたび地球外生命体の徹底的な調査をほんの少し簡単にする方法を発表した。
それは地球の生命の構成成分を分析する方法の一つを特別にしたもので、他の生命体を検出するために使用されている現在の方法に比べ10,000倍も感度が高いものとなっているという。
遠く離れた惑星に存在する地球外生命をも可能にすると考えられているこの調査方法は、米カリフォルニア州の塩湖で実施された。
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生物の構成成分を分析する検査法
その方法とは、キャピラリー電気泳動という名で知られるアミノ酸や地球上のあらゆる生物の構成成分を分析する方法だ。
image credit:LoganArt/Pixabay
研究者はさらに類似した惑星に存在するであろう生命をも分析するため、この方法を用いるという。
image credit:Neil Hall / Reuters
一般なキャピラリー電気泳動とは、荷電粒子や分子が電界中を移動する電気泳動という現象を用いた分析法の一つで、各物質の分子の大きさに応じて分離する"分子ふるい効果"を応用したものだ。
これはゲルなどで満たしたキャピラリー(毛管)という極細の管の端に、試料溶液を注入して、管両端に高電圧をかけて電気泳動を起こし、その物質の電荷の強さや分子の大きさに基づく速度の差異から物質を分析できる方法だ。
従来の検出方法よりも高感度に
だが、米カリフォルニアにあるNASAのジェット推進研究所(JPL)が用いるこの方法の感度は、他の生命体を検出するために使用されている現在の方法に比べ10,000倍も高いものとなっている。
NASAのジェット推進研究所のメンバー
image credit:nasajpl/Instagram
この分析を行うにあたり、専門家たちは異なる速さで動く分子の観察をするため液体試薬(化学分析に使用する混合物)と液体試料の混合物にレーザーを当てる。
このプロジェクトの主任研究員であるピーター・ウィリスは、生物由来のアミノ酸と隕石のような非生物資源由来のアミノ酸との違いを見分けることができると説明した。
過酷な環境にあるモノ湖
image credit:monocountytourism/Instagram
火星のニリ・フォッサ地区の画像
image credit:nasajpl/Instagram
この検査は、火星やその他の惑星の奇妙な衛星、そして太陽系の先にある未踏の世界を想定し、塩分濃度が高く、生命にとって極めて不利な環境にあるカリフォルニア州モノ湖で行われたという。
via:infowars、rt・translated D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
JPLって、意外な研究に金費やしてるなぁ
まあ、本職のロケット開発やら探査機製造よりは、優先度低いんだろうけど
2. 匿名処理班
物体Xがいてもすぐにわかると
3. 匿名処理班
JPLは、この前ここでも記事になった隕石接近の3DC.G.動画を作って公表したりしてるのよ
4. 匿名処理班
まず研ナオコと美川憲一で試してもらいたい
5. 匿名処理班
「宇宙人を判別するための試薬」というより、「地球上以外の場所で生命の痕跡(生物由来のアミノ酸)を検出できる検査方法」ですね。