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終わりの見えない大人の喧嘩、ほんと夫婦って面倒くさいね!映画「おとなのけんか」

By ono   2017年2月2日


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 図書館に行くと、季節的にいろんなコーナーを企画してくれているのね。芥川賞特集だとか、映画の原作特集だとか、渡辺淳一的な作品集(奥様層にはこの手の話が鉄板なのよ、と司書のお姉さんが笑顔で教えてくれました)だとか。個人的には「薄くてすぐに読み終えられるけどとっても面白い小説」を特集してほしいといつも思います。「何か面白い本が読みたい」ときってだいたいその手の作品を求めるもんじゃない?
 映画も似たような傾向ってあるかなと思うんですよ。特に何が観たいって訳じゃないけど、さくっと観れてそれなりに楽しめるやつはないかなー、なんてね。
 で、そんな時にオススメなのがこの作品。

おとなのけんか
 上映時間80分!オープニングとエンディングをのぞくとほとんど1時間ちょっと、でもお話の面白さはお墨付きです。何せ役者が良い。常識人で良き妻であろうとする奥様役をジョディ・フォスター、寛大で太っ腹ののんきな夫役をジョン・C・ライリー、弁護士の夫を持つハイクラスで金持ち喧嘩せずな妻をケイト・ウィンスレット、その弁護士の夫をクリストフ・ヴァルツ。劇中にはこの4人しか出てきません。延々と実りの無い会話をエスカレートさせていきます。ちなみにこの作品は2011年のフランス・ドイツ・ポーランド・スペイン合作によるコメディ映画。戯曲『大人は、かく戦えり』をもとに制作されています。映画の原題は「Carnage」、修羅場や殺戮といった意味合いです。派手な喧嘩ってことですね。
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 ↑ロングストリート夫妻、夫のマイケルと妻のペネロピ。
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 ↑カウアン夫妻、夫のアランと妻のナンシー。

■子どもの喧嘩が火種のもとに
 きっかけは、ロングストリート夫妻の子ども、イーサンがカウアン夫妻の息子ザッカリーに棒切れで殴られ、前歯をへし折られてしまうという事件でした。
 イーサンのお母さん、ペネロピはカウワン夫妻を自宅に呼ぶと、事情を説明して子どもの喧嘩を親同士で上手に解決しようとするのです。

「来てくれてありがとう。親同士がいがみ合う事態を避けられたわ」
「こちらこそ」
「お礼を言い合うのも変だけど、地域の結びつきって大切よね」
「子どもにも教えないと・・・うちの子に」
「そう、うちの子よ」

■話はそう簡単には終わらない
 そうなのです。きっかけはカウアンの夫アランがひっきりなしに電話で仕事の話をしていることでした。はやいとここの場を片付けたいアランは周りの空気など意に介さず言いたい放題。イラットしたペネロピがキレそうになるとナンシーが言い返し・・・と最初の穏やかだった空気はどこへやら、どんどん空気が険悪になり、会話がエスカレートしていくのです。さてこの4人、一体どうなってしまうのか?というお話。とにかく話の終着点は見えないし、予想外のことが次々に起きて、ちょっとお酒が入った辺りからはもうはちゃめちゃ・・・

「何なの?最低の夫」
「言葉に気をつけろ、俺にも我慢の限界がある!」
「うちの息子にだけ反省しろと?」
「”穏やかな話し合い”なぞもうまっぴらだ。こっちは花まで買った!
 リベラルな親を演じたが、こんな茶番やってられるか!俺は短気な野蛮人なんだ!」
「皆そうさ」

・・・”地域の結びつき”とやらはどこへ行ったんだろうね!

■夫婦には建前がありますもんね
 以前紹介した「フレンチアルプスで起きたこと」もそうですけど、観た後誰かと語りたくなる映画ですねー。いろんな話題が出てきますけど、「奥さんはだいたい世間体を偽ってる」だとか、「夫ってなんで子どもみたいにガジェットに執着するのか」といった論点でだけはそれぞれの夫同士、妻同士が同意してつるんでみたり、とかね。
 やっぱり夫婦ってどうしても世間を前にして「良き夫婦」でありたいと思うからさ、お互いに対して納得がいかないところがあっても、あえて寛容ある理解者みたいなスタンスをとっちゃったりするじゃない?そんな様子をかいま見ながら、「そのセリフ、わかるわー」みたいにゆるく感情移入しながら観るのも楽しいです。
 夫婦4人のマウンティング合戦、いったいどんな結末になるのか、気になる方は是非ご覧下さい。

 


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