9477231それはあまりに凄惨な光景だった。ボスとして群れを率いていたチンパンジーが、かつての仲間たちに襲われて、体の一部を食いちぎられ、殺されたのだ。チンパンジーが同じ群れの仲間を殺したという記録は、これを含めてわずか9例しかない。



衝撃、チンパンジーが元ボスを殺し共食い


チンパンジーの争いが時に殺し合いに発展することは、研究者の間では認識されていた。10年以上調査されている生息地ではすべて、死に至る争いが報告されている。しかし、同じ群れの中での殺し合いは極めて珍しい。

「とても見ていられませんでした」と、報告書を共同執筆した米アイオワ州立大学の人類学者ジル・プルエッツ氏は語る。「その後3日間は事件のことが頭から離れませんでした。友人と喧嘩別れをしたような、いやな気分でした」


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殺されたのは「フォウドウコ」と呼ばれる、ニシチンパンジー(Pan troglodytes verus)の雄だ。セネガル南東部のサバンナに位置する25平方キロほどのフォンゴリという地域で、2007年には30頭以上のの群れを率いていた。

しかし、群れの中で反乱が起こり、フォウドウコはフォンゴリの外れに追いやられてしまった。そして、それから5年の後、かつての子分たちの手によって殺されてしまうのだ。原因は、交尾相手をめぐる争いと考えられている。


※問題の動画: Cannibal chimps killed and ate their former leader