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合体スマホMoto Z、モジュールよりも欲しいのは「アレ」だ:山根博士の海外スマホよもやま話 - Engadget 日本版

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合体スマホMoto Z、モジュールよりも欲しいのは「アレ」だ:山根博士の海外スマホよもやま話

モジュールが使える手頃なアダプタがあれば、さらに便利では

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CES2017で大きな話題になると思いきや、キワモノ扱いで一部のマニア層にしか受けなかったフランス発の合体スマートフォン「GraalPhone」。会場で見かけた筆者はモックアップしかまだ無いにも関わらず、そのモックを「売ってくれ!」と叫び、CESが終わった後もメーカーとコンタクトを継続中。合体モノという変態系端末には夢や希望を感じてしまうのである。

そのモックを触っての個人的な感想は「たぶん製品化されないだろうなあ」というもの。アイディアは優れているものの、スマートフォンとタブレットを別々に持った方が使い勝手が良さそうなのだ。

そもそも合体型のスマートフォンは、過去に成功した例はほとんどない。昨年2月のMWC2015でLGからモジュール合体スマートフォン「G5」が発表された時も、「これは絶対買わなくては」と思ったものの、いざ製品が出てくると、手を出すのをためらってしまった。なにせモジュール一式を揃えると、本体を除いた価格でもハイエンドスマートフォンが1台買えてしまうのだ。


▲実際に発売されてみると、LG G5のモジュールは欲しいと思わせるインパクトに欠けていた

この手の合体型製品で成功した例は恐らく、現在日本でも発売中のモトローラ「Moto Z」シリーズだろう。モジュールの「Moto Mods」はマグネットでぴたりと張り付き、しかも種類が豊富。スピーカー、プロジェクター、カメラ、外部電池と楽しさだけではなく実用性も兼ね揃えたモジュールが多数登場している。

しかもクラウドファウンディングサービスのIndiegogoとコラボし、Moto Modsのアイディアコンテストを行うという。面白い機能を持ったモジュールの登場が大いに期待できるわけだ。

▲Moto Mods選びだけでも楽しいモトローラMoto Z / Moto Z Play

モトローラ以外のメーカーの合体型スマートフォンは、発表時は大きな話題になるものの、発売になるころにはだいぶトーンダウンしてしまい、実際の購入者の数はあまり多くない、といったパターンが毎回続いているように思う。前述のLG G5も、モジュールの「LG Friends」は本体にセットになっていれば使ってみようと思ったが、別売されたものを買うほどの魅力には欠けていた。

また、合体式の元祖と言えばASUSの「PadFone」シリーズを思い出す。スマートフォンにタブレット型のカバーをかぶせるとタブレットになる便利なものだったが、新型のPadFoneが出るたびにタブレットモジュールも買い替えねばならなかった。

LG同様、せっかく合体型にしたところで、その合体先のモジュールが1機種専用であれば、本体とセットで買うタイミングを逃してしまうと、後から買おうと思う気にはなれないだろう。


▲ASUSはスマートフォン+タブレット+ノートPCというTransformer Book Vも展示会で見せていたが、こちらは幻に終わってしまった

その点、Moto Modsは最初から対応スマートフォンを1機種に絞らず、ハイスペックなMoto Zと普及モデルのMoto Z Plusを投入。また向う2年間は対応モデルを継続して出すと話している。つまりMoto Zを買い、後からMoto Modsを少しずつ買い足し、1年後に次のモトローラのスマートフォンに買い替えても、買いそろえたMoto Modsは引き続き使えるというわけだ。

モデル数が他社よりも少ないモトローラだからできることなのかもしれないが、モトローラは過去にスマートフォン「Atrix 4G」にノートPC型のモジュールがドッキングできる「Laptop Dock」を開発したことがある。コンシューマー向けと言うよりもB2Bを考えた製品だったが、恐らく売れ行きは思わしくなかっただろう。その時の反省が、Moto Modsにも少しは活かされていると考えられる。


▲モトローラは過去にこんな合体製品も出していた

Moto Modsは今後の新製品やアイディアコンテストでどんなものが商品化されるか気になるところ。1年もすればMoto Modsの種類も10を越え、カバンの中にはMoto Modsが数個入っている、なんて状況になっているかもしれない。それはそれで楽しいのだが、Moto Modsはスマートフォンに装着しなくては使えない。つまりカバンの中にいくつもMoto Modsがあろうとも、1度に1つしか使うことができないのだ。これはなんだか勿体ない気がしてしまう。

スマートフォン側を2台持ちにする、つまりMoto ZとMoto Z Playを買えばいいかもしれないが、Moto Z PlayがMoto Zより安いと言え5万円近くする。モトローラによるとエントリーレベルの製品でMoto Modsが使える端末が出てくるらしいが、安くても2万円を切ることは無いだろう。Moto Modsのために追加で2万円以上の投資はちょっと割高だ。

ならば思い切って、LTE非搭載、Wi-Fiだけを搭載したMoto Mods対応端末を出してはどうだろうか。

そういえば昔サムスンが「Galaxy Player」というスマートフォン、いや、Wi-Fi端末を出していた。Galaxyシリーズのミッドレンジモデルから3G通信機能を外し、Wi-Fiだけに対応させたものだ。価格は1万円台だったと記憶している。Moto Zも同様に、Wi-Fiのみ搭載、ディスプレイも4インチ程度と小型化した「Moto Z Player」なんて端末が1万円程度で出てくれば、Moto Modsをサブで活用する用途に使えそうである。

▲サムスンが出していた、Wi-FiだけのGalaxyシリーズ「Galaxy Player」

このMoto Z Playerが発売されれば、ハッセルブラッドのカメラモジュールを使いたいためだけにセットで買う人もいるだろう。そしていずれは「どうせなら単体で通信したい」と、Moto ZやMoto Z Playに乗り換える、ということも期待できる。

実はこのアイディアは、はるか昔、PDAの代名詞だったPalmの互換機、Visorに似たようなものがあった。Visorは背面にSpringboardスロットを備え、そこに拡張モジュール「Springboard」を装着することが出来た。

そのモジュールの一つに電話をかけられるGSM携帯モジュール「Visor Phone」があったが、他のモジュールを使っている時には、Visor Phoneを使うことができない。そのため、Visor Phoneを単体で使う10キーパッドが販売されたのだ。両者を合体させると、単体のGSM携帯電話になるというわけだ。


▲PDAのVisorで電話がかけられる「Visor Phone」。当時は夢の拡張モジュールだったが、携帯電話を買ったほうが安かった

Visor Phoneは値段が高くてあまり売れず、それを使うための10キーパッドの存在もほとんど知られていない。敗因はVisor Phoneに単体で使いたいと思わせるだけの魅力が無かったからだろう。しかしMoto Modsには何といっても高画質カメラのハッセルブラッドカメラモジュール『Hasselblad True Zoom Camera』がある。Moto Zを買って時には合体させて使いながらも、Moto Zで作業中にハッセルブラッドだけ別に使いたい、なんてシーンもあるだろう。

▲Moto ModsのHasselblad True Zoom Camera。単体でも使いたくなる出来の良さだ

モトローラがMoto Modsにどこまで本気なのかはわからないが、モジュールの種類を増やすためには対応機種の販売台数増も必要となる。そのためにはMoto Mods対応スマートフォンの数を広げることが必要だが、使っていないMoto Modsを単体で使えるようにするための端末も必要ではないだろうか。合体式スマートフォンの勢いを止めないためにも、モトローラにはぜひがんばってもらいたいものである。

関連キーワード: cellphones, Moto Z, Moto Z Play, MotoMods, motorola, yamane
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