9482925筆者は、8年前の著書『日本カフェ興亡記』の1章で「手軽さのドトール、楽しさのスタバ」と紹介して以来、国内店舗数1位と2位の両社を分析してきた。そこで今回は消費者心理の視点から、顧客満足でドトールがスタバを上回る理由を以下に分析してみたい。



スタバがドトールに負けた3つの理由


▼満足度その1「手軽さ」
筆者はメディアから取材を受ける時は「その日の気分でピンと来た店を選ぶ」と説明している。東京都内の駅前商店街にあるドトールの店でお客を観察してみると、近所の高齢者、スーツ姿のサラリーマン、女性数人連れなど多彩な客層だ。

一方のスタバは、ドトールに比較して高感度な服装の客も目立つ。店が持つ洗練された雰囲気やメニュー構成によるものだが、逆にそれが苦手な人は一定層いる。退職世代である高齢客の多くはそうだし、現役世代でもそうだ。


スターバックスCEOが全パートナーに宛てて送った言葉



▼満足度その2「安定性」
「ドトールならそれなりの味だろう」という意識がある。

収入が伸びない現代、消費者はふだん使いで外食店を利用する時に「千円札を大切に使う」意識も高い。取材先の外食チェーン店に確認しても、その傾向は強まっていると話す。

小腹を満たしても千円でお釣りがくるドトールは、「自腹で楽しむからには外したくない」消費者心理にもマッチしているのだ。


Twitterの声






▼満足度その3「女性の支持」
また、ドトールはモーニングサービスの「朝カフェ・セット」に野菜たっぷりのメニューを取り入れるなど、女性を意識したメニュー開発にも意欲的だ。健康を気づかうメニューは女性受けしやすい。こうした手法も実を結び、以前に比べて肌感覚でも女性客が増えた。

喫煙者以外の女性客はドトールを敬遠する傾向にあったが、店の分煙設備も整い、マイナスイメージが減ったのも満足度向上につながったと思う。


ドトールコーヒー行徳店スマイルガール