六本木にある国立新美術館で、開館10周年を記念して20世紀を代表する彫刻家であるアルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966年)の大回顧展「ジャコメッティ展」が2017年6月14日(水)~9月4日(月)の期間に開催されます。
「ジャコメッティ展」は、南フランスにある、世界3大ジャコメッティ・コレクションの一角を占めるマーグ財団美術館のコレクションを中心とした展示です。また、ジャコメッティ作品を所蔵する国内コレクションも展示され、彫刻、油彩、素描、版画など、約135点が出品される予定となっています。
スイスに生まれ、フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年)は、20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりです。
アフリカやオセアニアの彫刻やキュビスムへの傾倒、そして、1920年代の終わりから参加したシュルレアリスム運動など、同時代の先鋭的な動きを存分に吸収したジャコメッティは、1935年から、モデルに向き合いつつ独自のスタイルの創出へと歩み出しました。
それは、身体を線のように長く引き伸ばした、まったく新たな彫刻でした。ジャコメッティは、見ることと造ることのあいだの葛藤の先に、虚飾を取り去った人間の本質に迫ろうとしたのです。
その特異な造形が実存主義や現象学の文脈でも評価されたことは、彼の彫刻が同時代の精神に呼応した証だといえましょう。またジャコメッティは、日本人哲学者である矢内原伊作(1918-1989年)と交流したことでも知られ、矢内原をモデルとした制作は、ジャコメッティに多大な刺激を与えました。
「歩く男Ⅰ」 1960年 ブロンズ
Archives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)
「3人の男のグループ(3人の歩く男たち)」 1948/49年 ブロンズ
Archives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)
「犬」 1951年 ブロンズ
Archives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)
「女=スプーン」 1926/27年 ブロンズ
Archives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)
場所:国立新美術館 企画展示室 1E
日程:2017年6月14日(水)~9月4日(月)
休館日:毎週火曜日
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
営業時間:10時~18時
入場:当日 一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円
住所:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
WEBサイト:http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/