9485932「大丈夫ですか」 巡回中のパトカーから降りた兵庫県警須磨署の巡査部長と巡査は、男性の車に近づき、そう声をかけた。神戸市須磨区のレンタルビデオ店の駐車場。車内で仮眠している男性を見つけ、車上狙いに遭わないよう指導するつもりだった。しかし・・



警察の所持品検査は「プライバシー侵害」と驚きの賠償命令


ところが運転免許証を見せるように言われた男性は、駐車をとがめられたと誤解。慌てて車を出そうとしたのがあだになった。
不審に思った巡査部長らは「車内を見せてほしい」と要請。男性がトランクの中を見せると、今度は助手席に置いてあったかばんの中を見せるよう求めた。

かばんの中には「大人のおもちゃ」が入っていた。「絶対他人に見られたくない」と思った男性は、再三の説得に「見せたくないです」「協力しません」などと抵抗。押し問答を続けるうち、応援のパトカーやバイクが続々と到着した。
男性は最終的に6人の警察官に取り囲まれ、パトカー内で説得を続けられた末、検査をしぶしぶ了承した。


職務質問




かばんを開け、紙袋に入った「大人のおもちゃ」を巡査部長に見せた。かばんの中に法に触れるものがないことが分かると、ようやく解放された。

男性は納得できず、県警に何度も苦情を申し立てたが、経緯の説明や謝罪はなかった。このため、代理人を立てず、たった1人で法廷闘争に打って出ることを決意。27年1月、「合意のない違法な検査だった」として県に慰謝料10万円の支払いを求める訴訟を起こした。


警察の職務質問を完全無言で対応



判決は、巡査部長が証人尋問の際に職務質問のきっかけになった男性の具体的言動の記憶がないと述べたことや、男性がトランク内の検査には応じていたことなどを根拠に、男性に犯罪の嫌疑があったとは認められないと判断。

「承諾が得られなかった段階で検査を終え、男性を解放すべきだった」と巡査部長らの対応を指弾した。


Twitterの声








その上で、パトカー内などで執拗に説得した末の検査には「真意の承諾」がなく、必要性や緊急性も欠いていたと指摘し、「プライバシー侵害の高い行為で、相当と認められる限度を逸脱している」として県に3万円の賠償を命令。

判決は県警が控訴しなかったことで確定した。


警察官と一般市民がガチンコ対決