9488972千葉県北西部で昨年5月、一軒家のごみがたまった一室から、足が壊死した状態の高齢女性が救出されていたことが分かった。
女性は生活意欲などの衰えから身の回りのことができなくなるセルフネグレクト(自己放任)の疑いがある。



ごみ部屋:女性を救出…体埋もれ、両足壊死


自治体などによると、女性は60代後半で、70代の夫と30代の娘の3人で暮らしていた。夫はがんを患っており、往診のために医師が昨年4月に訪れたところ、2階にごみだらけの部屋があることに気付き、自治体に連絡。

夫はその直後に亡くなったが、葬儀に女性は参列せず、自治体の職員が安否確認のため娘に「お母さんに会わせてほしい」と依頼した。しかし、娘は「母は会いたくないと言っている」と拒んだという。

警察官による周辺への聞き込みで「最近顔を見ていない」などの証言を得た。生命や健康が損なわれている事態も予想されたことから、5月12日、警察官数人が保健師らとともに女性宅に踏み込んだ。


セルフネグレクトとは



女性は2階の部屋でレジ袋やペットボトル、ヨーグルトのカップ、おにぎりを包んでいたアルミホイルなど大量のごみに埋もれ、あおむけに顔だけを出していた。

警察官が声を掛けると「大丈夫です」と返事をしたものの、自ら動けない。救助工作車とレスキュー隊が出動し、病院に救急搬送。女性の両足の先端部は真っ黒な状態で壊死していた。

女性の食事は娘が運び、トイレはおむつで済ませていたという。救出時、娘は「母のことを誰に相談すればいいのか分からなかった」と涙したといい、女性は今も入院中だ。


働き世代の女性のセルフネグレクトによるごみ屋敷化