節分賛歌!正義と化した雛苺
§ 桜田ジュンの部屋 桜田家の節分の闇は深い。日頃の自堕落な生活で体内にたまりまくった邪気のせいで 赤鬼と化した真紅を聖なる祝福を受けた豆で滅することで、桜田家の節分はようやく終幕を迎える。 雛苺「うぃーっ! ヒナの必殺のお豆さんを食らえなのよ真紅ーッ!」 真紅「KUAAAAAAAAAAAAーーッ! この痛み!? この熱さッ!? 豆が当たった所から燃える!? 私の体がァー!」 翠星石「蒼星石がこの日のために聖別し、祝福を授けた清らかなる豆ですぅ! 邪悪の化身には効果抜群ですぅ!」 真紅「ば、馬鹿な! 私は世界を支配する偉大なアリスよ! その私がッ、…こ、こんな、これしきのことで!」 翠星石「散滅すべし真紅! さあチビ苺、早くトドメの豆を!!」 雛苺「分かってるの! 必殺! セツブン・ビーンズ・オーバー・ドライブなのー!」 真紅「こぉれしきぃのことっぉおおおおッバッ! 焦げ焦げ焦げ………」ブショァアアアア 翠星石「やったです…。ついに悪鬼真紅は灰になったですぅ」 雛苺「ハァハァ…」 ジュン「やっと終わったか。はい、掃除しますよ~っと」サッサッ 翠星石「やれやれです。毎年毎年、真紅を浄化する翠星石達もたまったもんじゃねぇですよ」 ジュン「この一年の間に真紅の体内に溜まった邪気を清めるためだ。そう言うな」 翠星石「…で、そのビニール袋に集めた灰を鍋に移して、カレーみたいに一晩寝かせると綺麗な真紅が復活ですか?」 ジュン「ああ、そうだ。とことんふざけたアリス様だよ」 翠星石「アリスが聞いて呆れるです。まぁ、今日の節分の結果からしても真に清らかな聖☆少☆女は翠星石で決まりですがね」 雛苺「……」 翠星石「んー? 何を黙りこくってるですかチビチビぃ~? てめぇも翠星石様を称えろですよ? ほらほら」グリグリ ジュン「おいこら、雛苺をいじめるな翠星石…」 雛苺「だまれなの…」ガシッ 翠星石「ッ!? な、何をするです!? 翠星石の腕を掴んだりして反抗的な…!」 ジュン「雛苺…?」 翠星石「ッ!? この怪力!? ふりほどけぬですぅ!」 雛苺「翠星石…、貴様はお喋りが過ぎるようなのよね」グギギ 翠星石「何ですと!? 大体、翠星石が蒼星石から聖なる豆をもらっていなければチビ苺だって活躍できな…!」 雛苺「調子に乗るのはそこまでなのよ翠星石…」ギチチ 翠星石「グワーッ!? 調子乗ってマジすいませんですー! お金あげるから! お金あげるですからーっ!」 ジュン「お、おい何やってんだ雛苺! ふざけるにしても、やりすぎだぞ!」 雛苺「やりすぎ? そんなことはないのよ。翠星石だって、いつもヒナをいじめるの。こんな奴はもっと苦しめなくちゃ」 翠星石「ひぃいーっ! 許してくれですぅ! 2千円あげるから! 2千円あげるですからー!!」 ジュン「本当にどうしたんだ雛苺! 突然、セル戦時の悟飯みたいなことまで言い出しやがって」 雛苺「うォおん! ヒナの荒ぶる正義の心が悪を倒せとささやくのよーっ!」ヒュパッ 翠星石「ギャーッ! す、翠星石にまで豆をぶつけるなですチビ苺ーーーっ!!」 雛苺「ヒナの今日の正義には、まだまだやるべき使命があるの!」ダダダッ ジュン「雛苺!? どこへ行く!?」 翠星石「グェエエーーーッ! 真紅ほどではないですが体が燃えるですー!! 助けてくれです、ジューーーン!!」 ジュン「うわわっ…! 消火、消火ーッ!!」§ 30分後 翠星石「ふぃー、一時はどうなることかと思ったですよ」プシュ~ ジュン「真紅と違って、翠星石の邪悪度が低くてボヤ程度で済んで助かったな」 翠星石「…にしても今日のチビ苺は異常ですぅ。何が奴の正義心をあそこまで暴走させたですぅ?」 ジュン「皆目、見当もつかない。しかし、雛苺を野放しにするわけにはいかないぞ」 翠星石「うーむ。ですがチビ苺の行き先も分かんねーですし、ここは蒼星石に相談ですぅ」 ジュン「そうだな。薔薇屋敷へ行ってみよう」§ 薔薇屋敷の庭園 蒼星石「大丈夫ですかマスター? 寒いんですから、庭仕事は僕に任せて部屋に戻られても」 一葉「いやなに、好きで手伝っているのだ。私にもたまには働かせておくれ蒼星石」 蒼星石「…はい」 一葉「それに部屋に引きこもっている方が体には悪い…ッ!? お、おうわっ!? へ、ヘビぃ!?」 蒼星石「マ、マスター!? …それ、ヘビじゃあないですよ。ただのロープです」 一葉「…たはは、これは恥ずかしい。いやはや、しかしビックリした」 蒼星石「マスターがそんなに慌てふためくところ初めて見ました。ヘビ嫌いなんですか?」 一葉「ああ、特に理由もないのだが、どうにも苦手だ。よほど先祖がヘビに悪さでもしたのか、されたのか」 蒼星石「……」 翠星石「ちょりーっす。お取込み中にすまねぇですが、可愛い可愛い翠星石がやってきたですよ~」 ジュン「庭仕事中すいません結菱さん」 蒼星石「や、やあ…! いらっしゃい翠星石」 一葉「よく来たね。すぐお茶でも出そう。さあ家の中に…」 翠星石「厚意を受けたいのはやまやまですが、緊急事態なのでここで立ち話させてもらうです、おじじ」 蒼星石「緊急事態? ひょっとして聖別した豆が足りなくて、邪神と化した真紅を鎮めきれなかったとか?」 ジュン「逆だ。真紅はものの見事に灰になったんだが、豆をまいていた側の雛苺がおかしくなった」 蒼星石「……」 一葉「雛苺が?」 翠星石「その内、食物連鎖という地球の摂理さえも邪悪と断じそうな暴走正義っぷりだったですぅ」 蒼星石「まさか、僕の聖別した豆を雛苺は食べたりしなかったかい?」 翠星石「え? そりゃあもう食べたですよ。もらった豆の内、真紅にぶつけたのよりチビ苺が食べた方が多い…」 蒼星石「翠星石…!」 翠星石「はいですぅ?」 蒼星石「今年のジャスティス大豆は浄化能力特化だから食べちゃあいけないって、あれほど言ったよね!」 翠星石「何ですとー!? 翠星石も食べちゃったです!」 ジュン「僕も少し食べちゃったぞ! と言うかジャスティス大豆!? そんな恥ずかしい名前だったの!?」 蒼星石「少量なら問題は無い、多分。だが大量摂取した雛苺はジャスティス大豆の影響を強く受けたに違いない」 一葉「影響を強く受けるとどうなる?」 蒼星石「独善的な性向となり、些細なことに対しても正義執行しまくりんぐになります」 翠星石「執行しまくりんぐ…ですか」 ジュン「雛苺の行き先の予想はつくか? 蒼星石?」 蒼星石「水銀燈か雪華綺晶あるいは薔薇水晶の所だろう」 一葉「何故、そう思う」 蒼星石「雛苺のことだ、一番の邪悪である真紅を倒した後は他の邪悪っぽい姉妹を襲うだろう」 翠星石「なるほどですぅ」 ジュン「よし、それじゃあ、その小悪党三姉妹の所へ手分けして行くか」 水銀燈「その必要はないわぁ」プスプス 雪華綺晶「ええ、その必要はありませんわ」プシュゥ~ 翠星石「むむっ!? オセロコンビ!?」 蒼星石「二人とも何故ここに…!? あと、なんだかちょっぴり焦げてない!?」 雪華綺晶「苺のお姉様に襲われました」 水銀燈「しこたまジャスティス大豆を投げつけられたわよ」 雪華綺晶「反撃しようかとも思ったのですが…」 水銀燈「雛苺が涎たらしまくり&失禁しまくりで、やたら常軌を逸した状態だったから蒼星石に相談に来たってわけ」 一葉「頼られているのだな蒼星石」 蒼星石「いやぁ~、それほどでも」 水銀燈「そもそもの原因は蒼星石にもあるってことを無視しないでよぉ、じいさん」 翠星石「確かにこれは蒼星石が撒いた種、蒼星石が刈るべきですぅ。庭師的にも」 ジュン「食べるなって忠告を完全に忘れていた翠星石にも問題あるんだからな」 翠星石「ぐ…」 雪華綺晶「ともかく苺のお姉様が、残っている比較的邪悪なメイデンである薔薇水晶を狙うのは明白」 一葉「槐君のお店…EnjuDollだったか、そこへ急ごう」 蒼星石「はいっ!」§ EnjuDollの店先 雛苺「邪悪の化身ばらっしー! 今日こそはヒナの正義の鉄槌を受けるのよ!」 ばらっしー「何をするっしー!?」 雛苺「受けよヒナの正義! セツブン・ビーンズ・オーバー・ドライブ! 鬼は外なのー!」バシィッ ばらっしー「節分の豆まきっ!? うちは『槐』姓だから『鬼は外』じゃなくて『鬼も内』なんらっし」 雛苺「問答無用ー! ローゼンメイデンをパクっただけでなく、ふなっしーまでパクる薔薇水晶は真の邪悪なの!」 ばらっしー「な、中に薔薇水晶なんていないっしー!」 槐「そうだそうだー! 薔薇水晶もばらっしーも僕のオリジナルだぞー」 雛苺「槐先生! 嘘つきは水銀燈の始まりなの! 絶対に許せないの! ヒナが清めてやるのよ!」 ばらっしー「槐先生を攻撃する人形は、ばらっしーも許せないんだっしー!」 雛苺「うにゅにゅにゅ! 着ぐるみ風情にヒナの正義は止められないはずなの!」 ばらっしー「それはどうかなだっしー! さっきの何とかドライブも全然効いてないっしよ!」 雛苺「そ、そんな馬鹿ななの! 水銀燈の人も雪華綺晶もこの豆で退治できたのよ!」 槐「よく分からないけど、ばらっしーの中の薔薇水晶に豆が当たらないから効かないのでは?」 雛苺「ひ、卑怯なのよ、ばらっしー!」 ばらっしー「卑怯も発狂もないんだっしな! と言うか雛苺の方こそ今日は何だかクレイジーだっし!」 雛苺「うぉおお~、あんまぁ~! ヒナは…ヒナの正義は負けないのーっ!」ズバババ ばらっしー「地面のアスファルトを割って大量の蔓植物が!? 苺わだち…だっし!?」 槐「いや、苺じゃないぞ! これは大豆植物だ! しかも枝豆がなっている。うん、美味しい!」モグッ ばらっしー「ちょっ!? 槐先生! 食べるのに躊躇なさすぎらっしー!」 槐「あがががががが…! お、お腹が痛いィィイイイイイ!?」がくがくぶるぶる ばらっしー「言わんこっちゃないらっし! ノータイムでお腹壊してるっしな!」 雛苺「蒼星石の聖なる大豆のお陰でヒナはとってもパワーアップしたし、良い気分なのよ! うへへへへ」ジョバー ばらっしー「失禁…!? 人形が失禁とか異常の極みだっしー!」 槐「なんて人形をローゼンは作ったんだ…! うぐぅ!?」ゴロゴロピー ばらっしー「お父様…じゃなくて槐先生!?」 槐「ぼ、僕も失禁しそうだ。しかも、大きい方…」ピーゴロゴロ ばらっしー「流石に大の大人がそれはやばいっしー! 社会的に終わるっしよ!」 槐「と言うわけで、僕は一旦お店のトイレにこもるから! 後はよろしく、ばらっしー!」シュタタ 雛苺「逃がさないの! 大豆わだち!」シュバァ 槐「グワーッ!? 足が縛られて…、動けない! や、やばい!」ゴロゴロピー ばらっしー「なっ! トイレに駆け込もうとしている人を足止めするだなんて、人道にもとるっし!」 雛苺「全ては正義のた
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:- :2017/02/19(日) 23:14:47 邪悪でないが故にハブられるカナマジスーパーカワイイにして可哀想。 :- :2017/02/19(日) 23:22:38 結菱さんのパンパースボケは洒落にならない… :- :2017/02/19(日) 23:24:03 てかお外で下から漏らしたの初めてじゃないJUMくん :- :2017/02/19(日) 23:35:45 カナは、みっちゃんに存分に愛でられてるからきっと幸せ…かしら
しかし槐先生…トレイにナニをぶちまけるんですかね……? : :2017/02/19(日) 23:39:36 > しかし槐先生…トレイにナニをぶちまけるんですかね……?
槐先生の『トレイ』を『トイレ』に修正しました!許してくださいお願いします何でもしますから!