ゴン「キルア、殺し合いをしよう」
ゴンさんの後遺症が回復した後の話。あと、短いです。
ゴン「キルアは俺と本気で戦ってみたくないの?」
「無理だね お前に友達なんて出来っこないよ。お前は人というものを殺せるか殺せないかでしか判断できない」
「彼の側にいればいつかお前は彼を殺したくなるよ。殺せるか殺せないか試したくなる。なぜならお前は根っからの人殺しだから」
キルア「・・・バ、バカ!そんな事思った事ねーよ!」
ゴン「・・・そうなんだ。俺は今キルアと凄く殺し合いがしたい」
キルア(コイツ、マジだ・・・)ぞっ・・・
ゴン「キルアってさ頭良いし、強いし、いっつも俺助けられてて。でも、念を覚えて俺も強くなって今ならキルアを越えられるかもって」
ゴン「そう思ったらもう止まらなくて。今ならヒソカの気持ちが凄く分かるんだ」
キルア「組み手じゃダメなのかよ!」
ゴン「それじゃ意味が無い。念能力者としての本気のキルアを倒さないと」
キルア「念能力者同士の戦いだぞ!?ちょっと怪我したじゃ済まないんだぞ!」
ゴン「だから殺し合いって言ってるだろ」
キルア「お前、まさか誰かに操作されてるのか・・・?」
キルア「・・・凝」 ずっ・・・
キルア「・・・確かにいつものお前のオーラだ」
ゴン「三日後。ここから東の荒地で俺は待つ。最低な俺のわがままを聞いて欲しい。じゃあ・・・」シュン
キルア「行っちまったか・・・」
キルア「・・・」
キルア「・・・ああ」
ビスケ「あの子がそんな事をねぇ。よっぽどアンタに劣等感を抱いていたんだろうね」
キルア「あのバカ野郎・・・!!」
ビスケ「ゴンの気が済むまで戦ってあげて半殺し・・・ってのは無理そうね。明らかな格下なら適当に相手して負かすことが出来るけど」
ビスケ「実力が同じ相手じゃそんな余裕ないものね」
ビスケ「で、アンタから見てゴンの実力はどうなのさ」
キルア「基本的な身体能力、全体的なオーラの扱いは俺がかなり上。だけどオーラの総量はゴンの方が圧倒的に多い」
ビスケ「攻撃力、防御力は勿論、強化系のオーラで強化されたゴンの肉体はアンタの身体能力を遥かに凌駕する。体外に出せるオーラがアンタより多ければの話だけどね」
ビスケ「それに錬の持続時間、念能力の発動回数などでも相手に劣ってしまう。まぁこれは能力によってバラつきがあるわね」
ビスケ「オーラを使った行為には必ず代償としてオーラを消費する」
キルア「長期戦になったら俺がヤバいって事だな」
ビスケ「そういう事。アンタの戦闘スタイルは短期決戦型だからゴンのペースになるとマズイわね」
ビスケ「まぁそういう話は置いといてアンタ、ゴンと闘いたいの?」
キルア「・・・闘いたくない」
ビスケ「ゴンと友達じゃ無くなっても?」
ビスケ「そりゃそうよねぇ・・・ わかった!」
キルア「ん?」
ビスケ「二人が闘っても死ななない様に出来る能力者を探してあげるわさ!」
キルア「いるのかよそんな奴!」
ビスケ「アタシもそこそこ顔が広いし、何とかしてあげるわよ」
キルア「でも、どんな能力でそんな事を・・・」
ビスケ「そうねぇ・・・ 致命傷の怪我を治せる強化系、または特質系能力者。魂だけを念空間に飛ばして戦わせる具現化系能力者」
ビスケ「最悪、ゴンにキルアと戦ったと錯覚させる催眠を使える操作系能力者。思いつくだけでも結構いるでしょ」
キルア「たしかに・・・ それなら何とかなるかも・・・!」
ビスケ「その時は残念だけど新しい友達を探しなさい。それじゃあアタシは行くわ」
キルア「ビスケ・・・ 色々ありがと」
ビスケ「アタシの可愛い弟子だからね。世話も焼きたくなるわさ」
ビスケ「三日後の朝、アタシが能力者を見つけて尚且つアンタがゴンと戦う気でいてここに姿を見せたら決戦に行くわよ」
キルア「わかった・・・」
ビスケ「修行、忘れるんじゃないよ」
キルア「押忍!!」
ゴン「・・・」ごぉぉぉぉぉ!!
ゴン「・・・来てくれたんだね」
キルア「ああ、凄いオーラを感じると思ったらやっぱゴンだったんだな」
キルア(なんて練なんだ・・・)
ゴン「俺、あの時詳しい場所言い忘れてたからこうでもしないと会えないかなって」
キルア「だな」
ゴン「・・・ところでビスケは知ってるとしてそこの人は?」
ビスケ「アンタのわがままを叶えるためにアタシが大枚叩いて呼んだんだわさ」
ビスケ(4000万・・・ね)
ビスケ「名前はメーメール。具現化系能力者よ」
メーメール「・・・ウス」
メーメール「ウス」
ゴン「それで俺のわがままを叶えるって・・・」
ビスケ「アンタ、キルアと本気の殺し合いがしたいらしいじゃない」
ゴン「うん。こんなのおかしいって自分でも分かってるんだけど止まらないんだ」
キルア「ゴン・・・」
ビスケ「メーメール」
メーメール「ウス」スッ
当時、彼は自然が豊かなアオリル地方では珍しくない羊飼いの少年だった。しかし、雄大な自然に育まれたにも関わらず彼の心は暗く狭く固く、そして氷の様に冷たかった。
別に彼を大きく変える特別な事件があった訳では無い。彼には五人の兄弟がおり皆母親の平等な愛情を受けて育った。誰が悪い訳でも無くメーメールは勝手に腐ったのだ。
そんな彼の心中をヒツジは察し、何匹たりとも彼に近寄らず言う事を聞こうとしない。次第に愛想を尽かした家族からは使えない奴と罵られ食事を減らされる事が増えていった。
「何故、五人もいる兄弟の中で俺だけがこんなに歪んでいるのか。他の連中は真っすぐに育っているのに」
だが、彼は虫も殺せない程の極度の小心者で臆病者。更には争いを好まない平和主義という矛盾。人を[ピーーー]など夢のまた夢。彼は殺しの願望を夢に託す事にした。
しばらくした日の夜、夢の中でメーメールはいつもの羊の群れの中にいた。普段の夢とは違い自由に手足を動かせる。そして手には肉切り包丁。
「夢なら殺しても大丈夫」 その瞬間、彼は弾けた。
絶望の中、黒い羊が彼に歩み寄る。再度包丁を振りかざした彼を見てもまるで死を享受しているかの様に黒い羊は逃げなかった。
「殺したい」その一心でその黒い羊の脳天に包丁を振り落とした。その羊が死んだのかは解らない、何故なら目覚めた時に彼の傍らにはその羊が居たのだから。
ビスケ「彼が具現化した羊は触れた対象者を眠らせ魂を念空間へと誘う。そして術者も羊に触れれば同様に念空間へと飛ばされる」
ビスケ「念空間へ送られた魂は決闘を行わなければならない。一人が生き残るまでね」
ビスケ「そして決着が着いた時、残るのは術者の記憶のみ。後の者は何も覚えていない」
ビスケ「負けても魂は無事に元に戻るわ。戦った記憶は無くなるけどね」
ゴン「それだけ・・・?変わった能力だね」
ビスケ「ええ、聞いた話ではそれだけ。念能力はその個人の性格に大きく反映されるもの。彼の念能力は殺したい、でも殺したくない。っていう矛盾・葛藤が産んだものかもね」
ビスケ「彼、凄く優しいと思うわ。だって・・・」
メーメール「・・・」
ビスケ「ごめんなさい。少し喋り過ぎたみたいね」
黒い羊「・・・」
メーメール「・・・戦いは俺が見届ける。お前達が望むのなら勝敗の結果を教えよう」
ビスケ「術者は眠らなくても念空間の様子を把握できるみたいね」
メーメール「・・・ウス」
ゴン「キルア、今更なんだけど俺と戦うのが嫌だったら戦わなくて良い。じゃあ・・・ 俺は先に待ってるから」スッ
ゴン「眠気が・・・」zzz
キルア「お前はいつだってそうだ!自分勝手で何でもやると決めたら真っすぐに・・・!」
キルア「だから、もう覚悟は出来てんだよ。これが終わったらまた遊ぼうな・・・」スッ
キルア「・・・」zzz
メーメール「・・・普通に眠る」
ビスケ「そうなの。で、アンタ今までに何人夢で殺したのさ」
メーメール「・・・」
ビスケ「ま、良いか」
ビスケ(本当に殺した事があるのかしら・・・)
コメント一覧
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- 2017年02月21日 22:50
- 未央ちゃん、ただいま。。。
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- 2017年02月21日 23:40
- ※1
うるせえタヒねクズ
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- 2017年02月21日 23:42
- オーラの設定がよく出来てて面白かったわ。次はヒソカとゴンの戦いが見たい。
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