9493346日本人にもう1つわかってもらいたいのは、辣椒さんが漫画でも描いた反日、あれも天安門事件と関係があることです。天安門事件で中国共産党への神話が崩壊してしまい、事件後に台頭した江沢民政権は民心をいかに掌握するかの課題を持っていたのです・・



「日本は毒針で中国を狙うサソリの形」中国の反日教育の実態


石平 そこでごく自然なロジックとして別の敵を作ること、すなわち日本を敵に仕立てたのです。その頃から日本は中華民族の共通の敵になりました。

そのような性質を持つ天安門事件であるのに、日本が間違っていたのは天安門事件後、外国が中国に行なっていた制裁からまっ先に抜けて、再び中国を援助したことです。自らを敵に仕立てた政権を援助したのです。

以来、中国では学校教育の他、テレビや映画なども日本を敵とする傾向になったのです。

辣椒 1980年代、私が小学校の頃には日中関係はとてもよかった印象があります。その頃、日本の映画や漫画がたくさん入って来て、日本に対する印象もよかったです。

私の周囲では手塚治虫先生の『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』などが人気がありました。


評論家の石平(せきへい)氏



中国から亡命した漫画家の辣椒(ラージャオ)氏



石平 1980年代に日中関係がよかったというのは私たちの共通の認識だと言えますね。それが90年代以降に作られたものは日本軍による凄惨な殺戮シーンなどが出てきて、あれを見ると日本に対する憎しみが湧いてしまうのです。それに加えて、辣椒さんがこの本の中で描いていた……。

辣椒 「照」という字の覚え方ですか?

石平 そう。北京の小学校で教えていたという。

辣椒 「照」を教えるのに「1人の日本人が刀を持って1口(人)の人を殺して、4滴(部首のれんが)の血が流れた」と教師が教えたそうです。あれは恐ろしいと思います。

石平 私の妹の息子が学校でこんなことを教わったと言います。「日本の地図を見てみよう。あれは猛毒を持つ蠍のようなものだ。
この蠍がいつも尾の毒針を出して狙っているのは海のこっちの私たちの祖国だから、日本と戦わねばならない」と。妄想に基づく反日脅威の典型ですね。


これが中国と韓国における反日教育の実態だ!



辣椒 こういうケースもあります。ある家庭で息子が父親と一緒に抗日戦争ドラマを見ていて、ともに日本に対して怒りの感情を持ちました。

一方、母親はドラマに興味がなく、ある時、友人から日本がいいと勧められて家族で日本旅行しようと提案しました。ところが、母親はもとより父親が説得してもその息子だけは頑として日本旅行に反対したというのです。

怖いのは情報が限られている中で長期的にこのような番組を見ていると、思考に悪影響を与えることです・・


韓国の反日教育