「歩きスマホが増えすぎたので…専用レーンを用意してみた」アメリカで行われた実験結果
スマートフォンが普及したことで問題化しているのが「歩きスマホ」の危険性。
注意散漫になりがちで、通常の歩行者の邪魔にもなっています。
そんな不注意軍団を1つのレーンに歩かせたらどうかと、アメリカで「歩きスマホ専用レーン」を用意する実験が行われました。
Cellphone Talkers Get Their Own Sidewalk Lane in D.C.
こちらは首都ワシントンD.C.のダウンタウンの歩道。
レーンを2つに分けて、左側が歩きスマホ専用レーン、右側がスマホ禁止レーンになっています。
政府が考え出したアイデアではなく、ナショナル・ジオグラフィックがテレビ番組で「人々がどんな風な行動に出るか」を確認するために企画したものだそうです。
「歩行は自己責任で」
では実際にスマホを見ながら歩く人は、指示の通りに左側のレーンを使ったのでしょうか。
しばらく観察した結果、以下のようなデータが得られました。
・境界線に気づいた少人数しか、実際にレーンの変更をしなかった。
・この実験により最も多かった影響は、スマホを持っている人は立ち止まり、そこの写真を撮ることだった。(2010年に行った類似の実験、ニューヨーカーと観光客を分けた線でも同じ結果)
・スマホレーンは、その他のカテゴリ、自転車・車いす・荷物用のカートを引く人なども引きつけた。
・電子タバコも含む喫煙者は、全員スマホレーンを歩いていた。
・Bluetoothやハンズフリー製品を使っている個人もスマホレーンに移動していた。
・ちょっと変わったストリートサインは、知らない人同士に会話をさせる。郵便局員が手押し車を押して歩いていたら、とある女性が「こっちのレーンよ」と言い、両者とも笑っていた。
・ほとんどのスマホ利用者は画面に集中しているので、レーンに書いてある注意書きに気づかない。
この観察をした人によると、自分もスマホで(注意散漫に)メモを取ったので、深い観察ができているかは自信がないとのことでした。
注意散漫な人を固めて1つのところに歩かせても、そもそも注意書きをなかなか読んでくれないので、あまり効果的ではないようです。