提督「僕は今日もレディの君とデートをする」
提督「うんそう。デート」
暁「……暁と?」
提督「そう。君と」
暁「……」
提督「……」
暁「し、仕方ないわね! 暁はレディだから付き合ってあげるわ!」
提督「よかった。ありがとう」
暁「それでどこに連れて行ってくださるのかしら?」
提督「うーんと、そうだね。どうしようかな」
暁「司令官ってば、レディを誘うんだからちゃんと行き先を決めてないとだめじゃない!」プンスカ
提督「すまないね。じゃあ、バーに行くというのはどうだろう?」
提督「うん。バー」
暁「えへへ、バー、かあ。とってもおしゃれでレディだわ!」
提督「お気に召したようで何よりだよ」
暁「それでいつ行くの?」
提督「そうだな。思い立ったが吉日ともいうしこれから、なんてどうかな?」
暁「わかった! 準備してくるわね!」タタタ
暁「わあ……。ここがバーってところなの?」キラキラ
提督「そう。海軍学校時代はたまに来てたんだ」
暁「いきつけってやつね!」
提督「格好良く言えばね」
暁「いきつけのバーがあるなんて司令官はとっても大人ね!」
提督「大人だからね」
暁「と、当然よ! レディの嗜みのひとつですもの!」
提督「よかった。安心したよ。君にはまだ少し早いかもなんて思ってたんだけど、杞憂だったみたいだね」
暁「む。またそうやって子ども扱いしてー!」
提督「とんでもない。僕はお子様をバーになんて連れてこないよ」
暁「そうなの?」
提督「ああ。まだ捕まりたくはないからね」
暁「……? どういう意味?」
提督「僕は今日一人のレディをバーに誘ったってことさ」
暁「それならよろしい!」
暁「うーんと、そうね」
提督「……」
暁「えーっと」
提督「わからないのなら、聞くといいよ」
暁「そ、そんなわけないじゃない! ただ飲みたいものがありすぎてどれにしようか迷ってただけよ!」
提督「そっか」
暁「でももう決まったわ! この青い珊瑚礁をいただくわ!」
提督「わかった。じゃあ注文してこよう」
暁「乾杯!」
提督「……」ゴク
暁「……」ゴクッ
提督「うん。おいしい。そっちはどうだい?」
暁「……と、とってもおいしいわ!」
提督「そっか。君はミント味は平気なんだね」
暁「ミント?」
提督「わかりやすく言うと歯磨き粉の味だよ」
暁「……あ! ほんとだ! 歯磨き粉の味だこれ!」
提督「うん。僕はどうもミントが苦手なんだ」
暁「だめよ司令官。好き嫌いしたら大きくなれないのよ」
提督「そうだね。肝に銘じておくよ」
暁「……」トン
提督「あれ? もう飲んだのかい?」
暁「うん。結構すっきりしてて、ゴクゴク飲めちゃった」
提督「でもそれは結構強いお酒だからね。気をつけなよ」
暁「……? 大丈夫よ! 鍛えてるから負けないわ!」
提督「ははは。それは頼もしいね。さて、次は何にする?」
暁「えーっとそうね……」
提督「……君がよかったら僕のオススメでも飲んでみるかい?」
暁「オススメ?」
提督「うん。カシスソーダって言うお酒なんだけど」
提督「どうだい?」
暁「あ、おいしい」
提督「それはよかった」
暁「司令官のオススメだけあるわね!」
提督「……実は僕が君にそれを勧めた理由は味だけじゃない」
暁「そうなの?」
提督「うん。花に花言葉があるように、カクテルにも酒言葉というものがあるんだ」
暁「ふーん」
提督「たとえば今僕が飲んでいるブラッディメアリーは断固として勝つという意味なんだ」
暁「へー、かっこいいわね!」
提督「だから海軍学校時代は景気付けによく飲んでたんだ。試験の前とかにね」
暁「験担ぎね! 結果はどうだったの?」
提督「もちろん試験の前なんかに酒を飲んでるようなやつがいい成績を収められるわけがない。結果はぼろぼろで上官にひどく怒られたよ」
暁「あはははは! やっぱり!」
提督「そうだよ。僕は優秀な軍人だからね。クラウゼヴィッツもマハンもリデル・ハートも孫子も知ってる。僕は何でも知ってるんだ」
暁「よ、よくわからないけどかっこいい!」
(……)
暁「……」ボー
提督「さて、もう一杯くらい飲んで帰ろうか」
暁「え? もう?」
提督「そろそろ夜も遅いからね。眠たい」
暁「しょうがないわね。司令官に合わせてあげるわ!」
提督「ありがとう」
暁「うーんと、それじゃあ何にしようかな。えーっと」
提督「どれがいいかわからないの?」
暁「そ、そんなことないし、お酒はレディの嗜みよっ!」
提督「じゃあそんなレディに魔法の言葉を教えてあげよう」
暁「魔法の言葉?」
提督「いいかい? まずはマスターを呼んでこう言うんだ」
暁「えーっと、……最後の一杯にしようと思うんだけど、私はお酒のことはよく、わからないの」
「左様でございますか」
暁「だからマスター。知恵を、貸していただけるかしら?」
「ええ、喜んで。レディ」
暁「えへへ……、ありがとう」
「それでどのようなものがご希望ですか?」
暁「えーっと、レディっぽいの……とか?」
「ええ、かしこまりました」
暁「ありがとう」
提督「ありがとう」
暁「……」ゴク
提督「……」チビ
暁「……!! おいしい!」
提督「それはなにより」
暁「今日飲んだ中で一番おいしいかも! お酒っておいしいのね!」
提督「ああ、お酒は溺れなければおいしいものなんだよ」
提督「……? どうしたの?」
暁「なんでもない」
提督「最初から見栄を張らずに素直になったほうがおいしいものが飲めたかもしれないって?」
暁「!!」
提督「違うかい?」
暁「……気付いてたの? 暁がお酒なんて飲んだことないって」
提督「僕は何でも知ってるからね」
暁「最初のお酒も、強がって飲んでたことも?」
提督「ああ」
暁「そっか。全部バレバレだったのね」
提督「それは違うよ」
暁「え?」
提督「僕は何でも知ってる。だから君が今日強がってたことも、お酒を飲んだことがないことも知っていた」
暁「……」
提督「そして君がレディになろうと日々努力していることも知っている」
暁「!!」
提督「今日だって僕のためにレディであろうとしてくれたんだろう? デートだから」
暁「……結果はこんなだけどね。がっかりした?」
提督「そんなことはないよ」
暁「ほんとうに?」
提督「もちろん。さっき言い忘れてたけどカシスソーダの酒言葉を知ってるかい?」
暁「……? 知らないけど」
提督「あなたは魅力的、という意味なんだよ」
暁「!!」
提督「僕は誰でもいいからと君をデートに誘ったわけじゃない。君にお酒のおいしさを知ってもらいたかった」
暁「そう、なの?」
提督「うん。何より君とデートがしたかったんだ」
暁「ず、ずるいわよ。もう」
暁「……」スウスウ
提督(やっぱり寝ちゃったか)
提督(割と強いお酒を飲んでたからね)
提督(……)スタスタ
提督(……)スタスタ
提督(警察に呼び止められたらなんて言い訳しようかな)
提督「結局おきなかったな」
提督「ニイサンマルマル鎮守府に帰還っと」
暁「……司令官」ムニャムニャ
提督「ん? おきてたのかい?」
暁「……」スヤスヤ
提督「……寝言か」
提督「……」
提督「おやすみなさい。暁」
バー編・完
提督「うん。デート」
暁「いいわね! 今回はどこに行くの?」
提督「そうだね。釣り、なんてどうだろう?」
暁「釣り? 私やったことないんだけど大丈夫かな?」
提督「大丈夫さ。僕も海釣りはやったことないからね」
暁「ぜんぜん大丈夫じゃないじゃないの」
暁「太刀魚かあ」
提督「それで近くに太刀魚が釣れる所があるらしい」
暁「そこにいくの?」
提督「うん。道具は知り合いから借りてくる」
暁「でも未経験者二人で行って釣れるかなあ」
提督「わからない。もしも釣れなかったら暁の水平線を二人で見るプランに変更しよう」
暁「うーん。ま、それはそ
コメント一覧
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- 2017年02月26日 21:49
- 流行の物で一本書いとけばコメが稼げる
そういう感じかな
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- 2017年02月26日 21:50
- 暁とラブラブするの好き
でも酒飲ませるのは駄目だろ
見た目的にもゲームでの扱い的にも
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- 2017年02月26日 22:06
- ※3
同じこと思った、バーテンがそもそも酒出すのかよと
店に入れてもらえるのかなと考えてしまった
初めにもやった所為で後の文書ももやもや
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- 2017年02月26日 22:09
- ロリコンが気取ってんじゃネーゾ
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- 2017年02月26日 22:15
- 確かに暁にお酒は色々とアウトだな
でもこの暁は立派なレディだから別にいっか
作品は良かったよ
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- 2017年02月26日 22:40
- 響は(改造されただけで)酒飲みまくってるし暁や長門だって飲もうと思えばのめるだろ
-
- 2017年02月26日 22:46
- 某パラガスみたいに暁に不埒な真似をしようとしては妹代理のシベリア憲兵&ヨシフおじさんに連行されるものと期待したのに
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- 2017年02月26日 23:37
- 建造年月を鑑みればみんな成人どころか最低でも70越えのBBAだぜ
・・・ん、こんな時間に来客だと(死
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皆は頑張って楽しんでくれ
乙