サヤカ「『リトル・フェアリー』は友情の証」
サヤカ「ねえ、瑠璃。私達ってとっても気が合うね」
瑠璃「そうね、サヤカ。私もそう思ってたわ」
サヤカ「よかったら私とお友達になってくれない?」
瑠璃「もう私達は友達よ、サヤカ」
サヤカ「ありがとう瑠璃……そうだ、このカードを受け取って」
瑠璃「これは『リトル・フェアリー』?」
サヤカ「私のお気に入りのカードなの。私達の友情の証として瑠璃、貴女に受け取って欲しいの」
瑠璃「ありがとう、サヤカ。私、このカード大切にするね」
食堂……
瑠璃「サヤカ、こっちこっち~」
サヤカ「ありがとう瑠璃。席取って貰って」
瑠璃「気にしないで。それより早く食べましょう」
サヤカ「うん、そうだね。あっ、でもその前にはい、これ」
瑠璃「これは『リトル・フェアリー』?」
サヤカ「席を取って貰ったお礼に瑠璃、貴女に受け取って欲しいの」
瑠璃「別にいいのに……でもありがとうね、サヤカ」
休日……
サヤカ「面白かったね、今日観た映画」
瑠璃「そうだね。また別の映画も観に行こうね」
サヤカ「うん、楽しみにしてるね。あ、そうだ。はい、これ」
瑠璃「これは……『リトル・フェアリー』?」
サヤカ「今日は2人で初めて遊んだ日を記念に瑠璃、貴女に受け取って欲しいの」
瑠璃「そ、そう……ありがとうね、サヤカ」
数日後……
サヤカ「はい、これ」
瑠璃「……『リトル・フェアリー』」
サヤカ「瑠璃、貴女に受け取って欲しいの」
瑠璃「何だかこのカードたくさん貰っちゃったね」
サヤカ「うん、だって私と瑠璃の友情の証だもの」
瑠璃「あの別に無理にくれなくても……」
サヤカ「ん?」
瑠璃「あ、いや……ありがとうね、サヤカ」
黒咲家……
瑠璃「…………」
隼「瑠璃、まだ起きていたのか?」
瑠璃「あ、兄さん」
隼「ん、何だそのカードは? 同じカードが10枚くらいある様だが……」
瑠璃「何でも無いの。おやすみなさい、兄さん」
隼「? 何なんだ?」
学校……
サヤカ「瑠璃、パン買って来たよ」
瑠璃「ありがとう。でも自分で買いに行ったのに」
サヤカ「気にしないで。それより早く食べよう、時間もあんまりないし」
瑠璃「あ、確かにそうだね。いただきます」
サヤカ「そういえば午後の授業なんだっけ?」
瑠璃「えっと、確か……ん?」
サヤカ「どうしたの?」
瑠璃「いや、何かパンの中に……!?」
『リトル・フェアリー』
瑠璃「な、何でパンの中に『リトル・フェアリー』が……?」
サヤカ「あはははははははは!!!!」
瑠璃「!?」ビクッ
サヤカ「驚いた? これ私からのサプライズよ瑠璃♪」
瑠璃「サ、サヤカがやったの?」
サヤカ「ごめんなさい、何時も普通に渡してたから偶には趣向を変えてみたの。あ、そのカードは受け取ってね」
瑠璃「…………」
サヤカ「ふふ、大成功~♪」
放課後……
瑠璃(こんな事思っちゃいけないとは思うけど……サヤカってちょっとおかしいな)
瑠璃(事あるごとに私に『リトル・フェアリー』を渡して来るし)
瑠璃(でもサヤカ本人は善意でやってくれてるみたいだし……あんまり無下にするのもな……)
瑠璃「いけない、いけない。友達の事でこんな暗い事を考えるなんて」
瑠璃「そうだ、気分転換にカードショップに行こう。新しいカード入ってるかしら?」
◇◇◇◇
カードショップ……
店長「お、瑠璃ちゃん。久しぶりだね」
瑠璃「ご無沙汰してます、店長さん。最近はずっとサヤカと遊んでて来れなかったから」
店長「ん、サヤカ? サヤカってまさか笹山サヤカって眼鏡の子じゃないだろうね?」
瑠璃「え? 店長、サヤカの事知ってるんですか?」
店長「瑠璃ちゃん、その子と友達なの?」
瑠璃「そうですけどそれが何か……?」
店長「…………」
瑠璃「店長?」
店長「瑠璃ちゃん、悪い事は言わない。友達は選んだ方がいいよ」
瑠璃「どういう事ですか?」
店長「いや、君の友人関係に口出しする権利なんてないのは重々承知なんだけど……その子、最近問題の子なんだ。主にカードショップでね」
瑠璃「問題って……サヤカが何をしたんですか?」
店長「彼女はね、色々なカードショップで1枚のカードを買い占めてるんだ」
瑠璃「え?」
店長「別にそれ自体は悪く無いんだよ。気に入ったカードを無限回収する人なんてよくいるからね。でも彼女はそれがちょっと異常で……」
瑠璃「異常って……」
店長「ウチじゃないんだけどね。ある店で彼女がそのカードを買いに来た時にたまたま在庫が切れてたそうなんだ」
店長「そしたら彼女激高して……店員に掴みかかりながら叫んだそうなんだ」
…………
サヤカ「何で! 何で置いてないのよ! あのカードは友情の証なのよ……本当はあるんでしょ? 出してよ! 出しなさいよぉ!!」
…………
店長「当然その店は出禁になったみたいだけどね」
瑠璃「…………」
瑠璃「あの、店長。サヤカが集めてるカードって……」
店長「えっと、確か『リトル・フェアリー』だったかな? 特に特別でもないコモンカード何だけどねぇ……」
瑠璃「…………」
店長「ん、大丈夫かい瑠璃ちゃん? 何だか顔色が悪いけど……」
瑠璃「何でも無いです……ごめんなさい、店長。今日はもう帰りますね」
店長「あ、うん」
瑠璃(……考えなかった訳じゃない)
瑠璃(あんなに何枚もの『リトル・フェアリー』をどうやって集めてるのかって事を)
瑠璃(でも、まさか店員さんに掴みかかるまで必死に集めるなんて……)
瑠璃「サヤカ……」
翌朝……
サヤカ「どうかしたの、瑠璃?」
瑠璃「え?」
サヤカ「何だか元気ないけど? もしかして体調悪いの?」
瑠璃「いや、別に……ちょっと頭が痛いだけよ」
サヤカ「そうなの? 保健室行く?」
瑠璃「そこまでじゃないわ。心配してくれてありがとう、サヤカ」
サヤカ「辛くなったら言ってね。瑠璃は私の大切な友達なんだから」
瑠璃「う、うん……」
瑠璃(サヤカは私を本気で心配してくれている。それは分かる)
瑠璃(だけど昨日の店長の話を聞いてから……いや、その前から私はサヤカの事を……)
サヤカ「瑠璃?」
瑠璃「あっ、本当に大丈夫よ。ほら、早く教室に行きましょう」ガチャ
……バサッ
瑠璃「え?」
瑠璃(何? 下駄箱を開けたらたくさんの……これ、全部『リトル・フェアリー』……?)
サヤカ「――ねえ」
瑠璃「!?」
サヤカ「元気、出た?」ニコッ
瑠璃「これ……全部サヤカが?」
サヤカ「そうだよ。本当は新しいサプライズに仕掛けたんだけど……ふふっ、元気出たでしょ♪」
瑠璃「…………」
サヤカ「さあ、全部受け取って瑠璃。それで早く元気になってね」
瑠璃「……受け取れない」
サヤカ「え?」
瑠璃「私、こんなに『リトル・フェアリー』……受け取れないよ」
サヤカ「……何言ってるの?」
瑠璃「何って……」
サヤカ「『リトル・フェアリー』は私と瑠璃の友情の証なんだよ。大切なカードなんだよ。私はこのカードを瑠璃に受け取って欲しいの」
瑠璃「だ、だから……」
サヤカ「受け取ってよ、瑠璃」
瑠璃「…………」ビクッ
サヤカ「受け取って」
瑠璃「…………」コクン
サヤカ「……ありがとう、瑠璃。さあ、早く教室に行こう! 遅刻しちゃうよ♪」
瑠璃「…………」
瑠璃(……確信した)
瑠璃(この子……どう考えてもおかしい)
◇◇◇◇
瑠璃(こんな時に限って……)
サヤカ「私は『リトル・フェアリー』を召喚!」
瑠璃(サヤカと、試合だなんて……)
サヤカ「私は手札を1枚捨てて『リトル・フェアリー』のレベルを1上げる! さらに2体のモンスターでオーバーレイ!!」
瑠璃(集中……出来るはずがない)
サヤカ「ランク4『フェアリー・チア・ガール』! そしてダイレクト・アタック!!」
瑠璃「きゃああああ!!!」
瑠璃 LP1400→0
…………
サヤカ「私の勝ちだね、瑠璃。やっぱりまだ体調が悪いんじゃないの?」
瑠璃「そんな……私の完敗だよ、サヤカ」
サヤカ「そうだ、このカードを受け取って。私達の友情の証……一番の友達の瑠璃に受け取って欲しいの」
瑠璃「…………」
隼「貰うんじゃない、瑠璃!!」
瑠璃「兄さん?」
隼「くっ!」
パンッ!!
サヤカ「あっ……」
隼「君もデュエリストなら自分のカードを易々と他人に差し出すような事をするべきじゃない」
サヤカ「…………」
隼「おい、聞いているのか!!」
瑠璃「に、兄さんやめて! サヤカは……」
サヤカ「……ごめんなさい」
瑠璃「え?」
サヤカ「出過ぎた真似でした。ごめんなさい」ペコリ
隼「……ふん、分かればいい」スッ
瑠璃「兄さん……ごめんね、サヤカ。兄さんも悪気があった訳じゃないの」
サヤカ「…………」
瑠璃「サヤカ……?」
サヤカ「…………」
瑠璃(サヤカはそれっきり何も喋らなかった)
瑠璃(ただその場を後にする兄さんの背中をジッと見つめていた)
瑠璃(見えなくなるまで、ジッと見つめていた)
コメント一覧
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- 2017年02月27日 23:37
- 私が住む次元では、異性と友情を育んだ証として、セックスをする習慣があるんだ
ぜひとも、柊柚子さんや黒咲瑠璃さんと友情を結びたいものなんだが
ちなみに男同士の場合は、友だち○こと言いながら、お互いのぽこちんを握るんだ
榊遊矢君、一度デュエルをしたなら、私達は友だちだ
友情の証を示そうじゃあないか ボロン
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- 2017年02月27日 23:47
- サヤカとかいう根暗貧乳ブスメガネ本当にいらないんだが
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- 2017年02月27日 23:57
- イイハナシカナーと思ったら、サイコだった
俺は人間を超越し、アカデミアを殲滅する!
RURYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!