「べるぜバブ」の田村隆平がジャンプに帰って来ました。
前回掲載された短編「タイガー兄とドラゴン」が2015年6・7合併号でしたから、ほぼ2年振りのジャンプ本誌復帰という事になります。
そんな作者の前作はアニメにもなったヒット作「べるぜバブ」な訳ですが、完結後に番外編のシリーズが始まり、本誌を離れてジャンプNEXT!で完結したという経緯があります。
思えばそのNEXT!はすでに無く、受け皿のGIGAも休止中(2017年春再始動との事)と状況は色々変わってしまいました。
今回、ジャンプでは6連続新連載という前代未聞の新連載攻勢をかけています。
そのラインナップを見ると前半3本が新人、後半3本がベテランという図式になっていますけど、最近のジャンプ新人の苦戦を考えると前半の3作が上手く軌道に乗らなくても残りの3作で帳尻を合わそうという意味合いがある様にも感じられます。
そんなベテランのトップバッターとなった田村隆平先生の新作「腹ペコのマリー」とはどんな作品なのか?
という事で、いつもの様に少し語りたいと思います。
教会の屋根の上に立つ謎の少女のシーンから連載はスタート。
菓子の名前を口にし、腹が空いたと主張するタイトル通りの少女だが、果たして「腹ペコ」である事が何を意味するのか?
そんな教会だが、お化け屋敷として有名なのだという。
母が開いているところ見た事がないと言っていたといってタイガに帰る様に提案したマモル。
それでも強引に入ろうとするタイガだが、写真を撮るつもりで準備もして来たらしい。
そんな教会の扉が開き、恐怖で慌てて帰ってしまったマモル。
だが、そこから現れたのは一人の少女だった?
「おとなりの…タイガ君…だよね…」
何と、隣の家だったお化け屋敷。
「レア幽霊ゲットだぜ!!」
すかさず写真を撮るタイガですけど、こういうボケは「べるぜバブ」の作者らしくていいですね(笑)。
引っ越して来たというアンナと初めて顔を合わせたタイガ。
それが初恋だったというタイガですけど、こういう主人公の恋愛要素は「べるぜバブ」では見なかったので期待したくなります。
そんな隣のタイガだが、家は日本でも珍しい道教の寺であり、元々は祖母が台湾で道士をしていた関係なのだという。
その祖母から隣は商売敵であり、娘とも会ってはいけないと注意されてしまったタイガ。
同じく、アンナもタイガと会ってはいけないと教えられており、恋が始まる以前の問題だったらしい。
それから6年が経過し、すっかり成長したタイガ。
教会の鐘の音に対抗するかの様にアクロバティックにジャンを鳴らすタイガだが、この仕事はタイガの日課になっているのかな?
そんな嫌がらせの様な事をしているタイガの美女木家だが、教会の神父とは犬猿の仲らしい。
前作「べるぜバブ」のアランドロン調でインパクトがあり過ぎる鷺宮神父ですけど、「マリオが死んだ時のリズム」とかセリフが普通に面白いですね(笑)。
対するタイガの祖母は引っ越しさせる為の嫌がらせは尽きない様子。
つーか、「引っ越し」連呼で騒音起こすって、これ見るまで奈良騒音傷害事件なんて完璧に忘れてたよ…(笑)。
学校に行くために玄関先で顔を合わせた美女木タイガと鷺宮アンナ。
彼女に初恋をしたタイガだが、6年が経過してもうまく話す事が出来ないでいたらしい。
そんな初恋をこじらせるタイガですけど、両家の関係を考えるとまともに話せないのも無理はない気もします。
下手にいい関係になったりしたらドーラ婆さんにフラップターから突き落とされかねませんからね(笑)。
そんなタイガの友人として最初から出ていたマモルだが、こちらは6年ですっかり雰囲気が変わってしまったらしい。
合同コンパに精を出すチャラい男になってしまったマモル。
そんな彼に言わせると鷺宮アンナは四次元の生き物であり、世の中には絶対に交わらないねじれの存在というものがあるらしい。
そんな彼情報によるとアンナは聖アントワーヌ学院という超がつくお嬢様学校に通っているんだとか。
学校が違う時点ですでに接点が限られるタイガとアンナ。
一方、子供の頃にマモルをイジメていたという山本だが、何やら不良グループを仕切っている様子。
タイガに助っ人を頼もうとする山本ですけど、いずれは「べるぜバブ」の様なバトル展開が見られるのかも知れません。
何とか鷺宮アンナに告白したいと考えていたタイガ。
だが、河原で一人でいた彼の前に現れたのはまさかのアンナ本人だった。
「今日は呼びだす」
タイガがすぐ近くにいる事に気付かず、謎の儀式を始めたアンナ。
「テクマクマヤコン テクマクマヤコン エロイムエッサイム エロイムエッサイム」
「もしもし神よ神さんよ世界のシスターアンナだよ 今日の儀式はよろしくね」
またメチャクチャな呪文を唱えだしたアンナですけど、もしかして今の若い世代によっては「テクマクマヤコン」自体知らなかったりするのかな?
タイガにずっと見られていた事に気付き、そそくさに片づけて去ろうとしたアンナ。
それでも見られたと確信したアンナは暴力に訴えて来た!?
鞄をぶつけ、胸ぐらをつかまえて来たアンナですけど、まともに話してなかったから知らなかっただけで、そういう人間だったという事なのかな?
鷺宮家が代々仕えて来た方を呼び出す練習をしていたというアンナ。
「こうなったら最後までつき合って貰います」
昔、誰かに秘密を知られた時は共犯者にする様にと母に言われてきたらしい。
そんな話に邪な気持ちが芽生え、共犯者になる事を了承したタイガ。
かくして生贄として教会に連れて行かれる事になったタイガですけど、これって縛られた状態で街中を連れまわされたのでしょうか?(笑)
生贄として隣の家のタイガを連れて来た娘に動揺する神父。
それでも娘に何を言われたのか、タイガを生贄として使う事にした神父だが、当初は特売の鶏もも肉を使うつもりだったらしい。
降霊術は教会でも異端中の異端であり、バレれば一家で路頭に迷う事になると言う神父。
それでも鷺宮家には果たさなければならない使命があるのだという。
「フランス王朝最後の王女 マリー・テレーズ・シャルロット様の復活」
何と、鷺宮家の狙いはマリー・アントワネットの娘の復活だった!?
当時、マリー・アントワネットに仕えていた鷺宮家の先祖だが、賭け事に興じていたアントワネットが酔った勢いで復活の黒魔術の本を先祖に託したらしい。
「ただの酔っぱらいのたわ言じゃねーかっっ!!!!」
自分に何かあった時は黒魔術で子供たちを幸せにして欲しいとと曲解した神父の先祖。
以来、鷺宮家はこの本を家本とし、研究に研究を重ね、200年後となる今死者の魂をこの世に復活させる方法にたどり着いたらしい。
テレーズの遺品に魂を定着させると言って、アンナにぬいぐるみを持ってこさせた神父。
0時になったら始めると宣告する神父ですけど、この時点で息子の不在に隣が騒ぎ始めてもおかしくない気もします。
いかれた事に手を貸しているアンナが本当に自分の意志でやっているのか疑問を感じたタイガ。
そんなタイガに反論するアンナだが、彼女には教会の上に立っている彼女が見えるのだと言う。
いつも悲しそうにただ黙っている女の子がマリー・テレーズという名前である事を後になって知ったというアンナ。
「だから思ってた…いつか…彼女と話してみたいって…」
親と違って純粋な気持ちで儀式に挑もうとしていたアンナですけど、彼女がマリー・テレーズである事をどうやって知ったのかは疑問です。
そんな彼女に対し、気持ちが理解出来ると言い出したタイガ。
ずっと自分もアンナと話したいと思っていたのだという。
「初めて見た時から好きだったから」
何と、ドサクサに紛れて告白を決行したタイガ。
『――それはまるで電撃にうたれた様な 恋の始まり』
顔が真っ赤になったアンナですけど、言われて初めて自分の気持ちに気付いたというところでしょうか?
そんなタイガが文字通り、雷に打たれて巨大な穴となって消えてしまった事に一瞬遅れて気付いたアンナ。
散々たる状況に鶏もも肉が2つある事を思い出し、彼の鞄を依代にして復活させようとする神父ですけど、さらっとそういう行為に出ようとするところを見ると今後もいとも簡単に危ういものを復活させそうな気がします(笑)。
穴の中から声が聞こえ、タイガが無事だった事に安堵した神父とアンナ。
だが、その姿はまるで別人だった!?
「年は15歳…」
「名前はー…美女木タイガ」
何と、問題のマリー・テレーズになってしまったタイガ。
肝心のマリーの魂そっちのけで姿だけ蘇る事になった様ですけど、これってタイガの肉体が死滅し、復活したマリーの身体を奪ったという事なのでしょうか?
CASE-XXXX 『腹ペコのマリー』 作/田村隆平
TYPE:入れ替わり(憑依?)
詳細:降霊術と雷のショックにより、美女木タイガ(15)はマリー・テレーズの姿になった。
恋の物語がスタートするはずがいきなり女になってしまったタイガ。
そんなタイガが元に戻る日は来るのか?
TSネタとしては珍しいタイプの女体化ですけど、この状態がずっと続くのか、何かの条件で2つの姿を行ったり来たりするのかは気になるところ。
まだ肝心の「腹ペコ」というキーワードが明かされてませんが、もしかすると食事がキッカケでマリー本人が出現するとか、タイガに戻るといった現象が見られるのかも知れません。
そんな第1回でしたけど、タイガという名前といい読切の「タイガー兄とドラゴン」が元になっているのは明らかです。
まあ、それにしては設定とかかなりいじって来た様ですけど、連載を長く続ける為に色々試行錯誤した結果だと思いますし、これからどう話を発展させて行く事になるのか、来週号が楽しみになって来ました。
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