新作映画をLTE-Bで無料ダウンロード、観るとき課金をFOXが実験。通信料不要のマルチキャストを活用へ
ストレージは空けておこう
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モバイル製品見本市 MWC 2017より。20世紀FOXとエリクソン、豪Telstraが、プリロード型映画配信サービスの実証実験開始を発表しました。あらかじめユーザーのスマートフォンにおすすめ映画ライブラリを自動送信しておき、視聴するときにはじめて支払い処理をするコンセプトを掲げます。
動画視聴サービスといえばiTunesのようなダウンロード型から、近年はNetflixやHulu、Amazon Primeなど、すぐに観られる定額見放題のストリーミングサービスに主流が移っています。
ただし、モバイル通信でのストリーミングはデータ通信量を消費してしまうため、よほど大容量か無制限の通信プランでないかぎり見放題というわけにもゆかず、利便性はダウンロード型と大して変わらない状況です。
20世紀FOXの実験するサービスでは、あらかじめスマートフォンにコンテンツデータを自動ダウンロードするという、もはや古いとも思える方法を採用しつつ、モバイル通信プランの通信量制限を回避してどこでも映画を視聴可能にします。
そのからくりに使われるのが、放送用途で試験が続くLTE-B網。LTE-B (LTE-Broadcast)は1対1ではなく1対多のマルチキャスト方式により、少ない帯域で多くのユーザーに同じコンテンツを送れる通信方式。スタジアムで大勢の観客に映像を同時配信するといった用途を想定します。
FOXによればダウンロードされる映像は1080pのフルHD画質で、タブレットやスマートフォンで視聴するには十分なクオリティ備えたものになるとのこと。ただし視聴時に支払いが発生するシステムのため、映像データには電子透かしやDRMが付与されます。
実験では映画11タイトル(「オデッセイ」、「デッドプール」、「レヴェナント: 蘇えりし者」など)が用意されるだけですが、もしもサービスとして開始するならば、20世紀FOXが持つ無数の映画や新作視聴可能になるとのことです。
実証実験の期間は2月27日から約1か月ほどを予定します。期間中はテスターに専用のスマートフォンが渡され、視聴する際の支払手続きなども含めて実用性を検証するとのこと。
Amazonプライム・ビデオなどで見放題に慣れてしまったユーザーがPPV方式に戻れるかはわからないものの、通信量制限もダウンロード待ちも電波環境も気にせず映像コンテンツを楽しめる点には注目したいところ。逆にこのシステムにあえて定額制を導入すれば、かなり魅力的なサービスになる可能性も秘めていそうです。