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善子
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1: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:33:17.53 ID:uRwcO3ap.net
曜「あれ?善子ちゃん!」

善子「ヨハネよ!」

善子「こんな時間になんでこんな所に居るのよ」

曜「あ、あはは、私も一応受験生だし……」

善子「そっか、こんな時間まで塾なんて大変ね」

曜「うーん……でも勉強頑張らなきゃだし……」

2: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:36:48.46 ID:uRwcO3ap.net
善子「そっか……」

曜「……」

善子「……」

善子「ち、ちょっとそこの公園にでも行きましょうよ」

曜「ええ!?寒いよ!帰ろうよ!」

善子「良いから来なさいよ!コーヒー買ってあげるから!」

曜「えー……」

善子「それに……」

善子「あと何回会えるかも……分からないんだし……」

曜「……」

3: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:38:52.91 ID:uRwcO3ap.net
公園

曜「……」ズズッ

善子「……」ズズッ

善子「ニガッ!」

曜「苦手ならコーンスープにすれば良かったんじゃ……」

善子「良いの!こっちの方が堕天使っぽいでしょ!」

曜「うーん……そう……かも?」

5: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:41:21.75 ID:uRwcO3ap.net
善子「それより……勉強の調子はどうなのよ」

曜「……微妙かな?」

曜「私あんまり頭いい方じゃ無いから……」

善子「……そう……」

善子「……」

曜「……」

善子「本当に……」

善子「本当に東京の大学に行っちゃうの……?」

6: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:43:49.38 ID:uRwcO3ap.net
曜「……」

曜「……うん、そうする」

善子「……そう……」

善子「それって……東京じゃないと学べない事が有るのよね……」

曜「うん……海洋学の事とか勉強して……将来は船長になりたいから」

善子「……」

善子「……受験まであと何日?」

7: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:46:39.49 ID:uRwcO3ap.net
曜「10日くらい」

善子「……」

善子「もし受かったら、曜さんもあと2ヶ月くらいで東京に行っちゃうのね……」

曜「……うん」

善子「……」

曜「……」

善子「曜さんが東京に行ったら……千歌さんは凄く寂しがるわよ?」

8: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:48:34.85 ID:uRwcO3ap.net
曜「そうかな?」

善子「そうよ……」

善子「千歌さんの気持ち、知ってるんでしょ?」

曜「……うん……」

善子「だったら……!」

曜「でもね、千歌ちゃんとは友達のままで居ないと……」

善子「……」

10: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:53:36.54 ID:uRwcO3ap.net
曜「ちゃんと東京に行って勉強して、将来パパとママに恩返しできるようになりたいから……」

善子「……」

曜「それに何より……Aqoursの皆が困った時に助けられるような大人になりたいんだ」

善子「……曜さん……」

善子「……」

曜「そんな顔しないでよ!何も死ぬわけじゃ無いんだから……」

曜「私もたまには帰ってくるよ!」

善子「……」

11: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 22:56:45.96 ID:uRwcO3ap.net
善子「去年ダイヤさん達が卒業して、果南さんはここに残ったけど……」

善子「ダイヤさんは東京の1流大学、鞠莉さんも留学して全然会えなくなっちゃった」

曜「……」

善子「二人も曜さんと同じような事言ってたわよ……」

曜「……」

善子「あの二人が居なくなっただけでも千歌さんあんなに寂しそうなのに……貴方が居なくなったら……」

曜「……」

善子「それに……私だって……」

曜「……」

12: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:00:27.59 ID:uRwcO3ap.net
善子「……」

曜「……っ!」

善子「……せめて千歌さんに気持ちを伝えなさいよ……」

善子「千歌さん言ってたわよ」

善子「今曜さんに変な事言って、最後の思い出がぎこちなくなっちゃったらどうしようって」

13: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:04:33.85 ID:uRwcO3ap.net
善子「千歌さんは貴方との思い出を大事にしたいから何も言い出せずに居るのよ」

曜「……」

善子「それって辛い事……私には痛いほど分かる……」

曜「……うん……」

善子「あなたが千歌さんの気持ちを受け入れれば千歌さんもあなたの気持ちを受け入れてくれる……」

善子「それって凄く恵まれてるんだから……」

善子「私と違って……」

14: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:06:57.33 ID:uRwcO3ap.net
曜「……」

善子「せめて……」

善子「せめて東京に行くまでの間だけでも……恋人として一緒に居てあげなさいよ……」

善子「別れる時が怖いなら、その怖さも打ち消すくらい楽しめば良いじゃない!」

曜「……」

曜「善子ちゃん……もしかして……」

15: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:08:56.52 ID:uRwcO3ap.net
善子「……」

曜「……私の事……」

善子「……っ!」

善子「ち、違うわよ!」

曜「……」

曜「じゃあ何で……泣いてるの……?」

善子「……っ!」

17: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:10:31.61 ID:uRwcO3ap.net
曜「……」

ギュッ

善子「!?」

善子「ち、ちょっと!」

曜「……」

善子「わ、私は……!」

曜「ううん」

曜「寒いから……」

19: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:12:08.47 ID:uRwcO3ap.net
善子「……!」

曜「寒いから……温まりたくなっただけ……」

ギュゥゥ

善子「……」

曜「……」

善子「そんなの……卑怯よ……」

曜「……ごめんね」

善子「……許さない!」

20: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:13:50.67 ID:uRwcO3ap.net
曜「……」

善子「……」グスッ

曜「……雪が降ってきたね」

善子「……ええ」

曜「……」

善子「……」

曜「善子ちゃんは……雪……好き?」

善子「……好き」

21: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:16:40.78 ID:uRwcO3ap.net
曜「……」

善子「……」

曜「……もう帰ろっか」

善子「……もう?」ギュッ

曜「善子ちゃんのお家の人も心配しちゃうよ?」

善子「……うん」

22: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:18:38.94 ID:uRwcO3ap.net
善子「……でも」

善子「今日だけ……こうしていたい……」

曜「……うん……わかった」

善子「……」

曜「……」

23: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2017/02/26(日) 23:18:45.70 ID:uRwcO3ap.net
終わり