神谷奈緒「なんで土下座してんの…?」
金は命よりも重い・・・・!
P「お願いします、お願いしますからお金をくださいお願いします」
奈緒「…」
P「返すんで、必ず返すんでお金をくださいお願いします」
比奈「…」
P「お願いします、一生のお願いですからお願いします」
比奈奈緒「「……」」
奈緒「あのさぁ…とりあえず土下座やめようよ」
P「靴だろうと床だろうと何でも舐めるんでお金ください」
奈緒「土下座やめろって」
比奈「なんで急に歳下の担当アイドル二人に土下座をしてんスか」
P「お金が欲しいからです」
奈緒「人としての誇りとか無いのか」
奈緒「とりあえず口調直して!土下座やめて顔上げて!」
P「ああ…」スクッ
奈緒「一体何なんだよ…」
P「見苦しいところを見せちまったな…」
比奈「…で、何があったんスか?お金がどうこう言って」
P「給料日は昨日だったんだが…トラブルで金が無くなっちまってな…」
奈緒「もしかして、財布落としたとか?」
P「いや…そうじゃないんだが…」
奈緒「…何か深い事情でもあるの?」
P「…」
比奈「とりあえず、何があったのかを聞かせてほしいっス。アタシらも出来るなら力になりたいんで」
P「ありがとう…ああ、実はな…」
P「昨日貰った給料を全部クレーンゲームにつぎ込んだ」
比奈「何やってんスか!」
奈緒「ただの自業自得じゃねえか!」
P「いやーすごいよねアレ、金をスルンスルン呑んでいきやがる」
奈緒「真面目に聞いて損したよ!」
P「何だよ!二人だって経験あるだろ!!」
奈緒「何で逆ギレしてんだよ!」
比奈「もういやこの大人」
P「二人とも経験あるだろ!クレーンゲームでどうしても欲しい景品のために金をつぎ込んじゃうの!」
奈緒「あー…いや、確かに全くそういうことがないってワケじゃないけどさぁ…」
比奈「さすがに給料全部はないっス」
奈緒「私は一応限度額とか、引き際とかは鑑みてクレーンゲームはやるし…」
比奈「アタシも似たようなモンっスね」
P「嘘だろ…二人とも仙人か何かなのか…」
奈緒「いや給料全額つぎ込むPさんサイドがおかしいんだと思うけど…」
比奈「でも一体、何を取るために給料を全てつぎ込んだんスか?」
奈緒「確かに気になる、よっぽどのレアものとか?」
P「かわいくて胸がおっきい女の子の柔らかいマウスパッド」
奈緒「ダメだこいつ」
比奈「救いようが無さすぎるっス」
奈緒「元からかわいそうじゃ無かったのがよりいっそう輪をかけてかわいそうじゃ無くなった」
P「オイオイオイオイ辛辣だなオイ」
比奈「辛辣にならざるを得ないっスよこれは…」
P「俺もな…『これで最後、これで最後』って思いながらプレイしてたんだよ…」
P「でも…やめたらそこまでつぎ込んだのが全部無駄になるんじゃないかって…」
P「そう考えると…退くに退けなくなって…金をアレヨアレヨと投入しちまって…」
P「気づいたら…給料袋が空っぽだったんだ…」
奈緒「同情の余地が一切無い」
比奈「自業自得の極みっスよ」
P「というわけでお金を」
奈緒「やるわけ無いだろ」
P「この通りだ!頼む!必ず返す!」
奈緒「いやだ!マウスパッドに給料全額つぎ込むような社会人に貸す金なんて私は持ってない!」
比奈「あのー…話の腰を折るようなんスけど…銀行で貯金とか卸したりしたらこの問題解決するんじゃ…」
P「ああ俺口座凍結されてるから、だから給料袋手渡しだし」
奈緒「何でだ!何で凍結されてんだ!」
比奈「そっちの方がなんか闇が深い!」
P「人生っていろいろあるよねー」
奈緒「絶対に『いろいろ』ですむような問題じゃ無いだろ!」
P「お願いだ!必ず色をつけて返す!このままだと俺は今月霞を食って生きていくしかねえ!」
比奈「いやー…口座凍結の件とかは事情が飲み込めないんスけど…」
奈緒「自業自得で擁護のしようも無いし…」
二人「「無理」」
P「そこをなんとか!ね!」
比奈「ならないっス」
P「二人は、誰かに笑顔を届けることの出来る存在なんだ!誰かに手をさしのべて、道しるべとなれる存在なんだ!」
P「二人は、そんなアイドルだろ!?」
奈緒「金の説得のために『アイドル』って言葉を使うなよ!」
P「こちとら今際の際だ、なりふり構ってる場合じゃないんだよ」
比奈「もうダメだこの人」
事務室―…
千川ちひろ「…で、私に相談をしにきたんですね」
奈緒「うん…」
比奈「お願いしますちひろさん、あの人今も仕事せずに親の仇かってくらいに土下座をし続けてるんスよ…」
奈緒「こっちの心がもう保ちません…」
ちひろ「…わかりました、なんとかします」
奈緒「あ、ありがとうございます!」
Pの部屋前―…
ちひろ「それじゃあこれから説得をしますね」
比奈「頼んどいてアレなんスけど、大丈夫っスか?」
ちひろ「ええ、安心して任せてください」ニコッ
奈緒「…?」
奈緒(デジャヴかな…今の目をどこかで見たことがある気が…)
ちひろ「それでは」ガチャ
バタン
ちひろ『プロデューサーさん、ちょっとお話が…』
P『お金をください』
ちひろ『出会い頭にそれですか』
比奈「ここは任せるしかないっスね…」
奈緒(何だっけ…どこで見たんだっけ…?)
五分後…
奈緒(思い出した!暗殺教室に出てくる理事長の目にそっくりなんだ!)
ガチャ
ちひろ「終わりましたよ」
奈緒「理事長!」
ちひろ「理事長?」
比奈「あの…その…」
ちひろ「安心してください、もうちゃんとなってますから」
比奈「よ、良かったっス…」
奈緒「ありがとうございます!」
ちひろ「いえいえ、あの人がちゃんと仕事をしないと私も困りますから」
ガチャ
奈緒「Pさん!もう大じょ、う…」
P「生まれてきてごめんなさい…生きててごめんなさい…ちひろさんごめんなさい…」シクシクシクシク
奈緒「ぶ…」
比奈「ちひろさん…プロデューサーさんに一体何が…」
ちひろ「私はただちょっとした雑談とお金の大切さの話をしただけですよ」
P「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」メソメソメソメソ
奈緒「壊れたおもちゃみたいに『ごめんなさい』を繰り返してるんだけど…」
P「ごめんなさい…ありがとうございます…このお金は何があろうと必ず返します…」シクシク
比奈「お金渡したんスか?」
ちひろ「でないと根本的な解決にはならないと思ったので…ちゃんと金利はとりますよ」
奈緒「あー…確かに、その方が良いかも」
比奈「じゃあこれにて、一件落着ってことで」
P「ありがとうございます…ありがとうございますちひろさん…本当に本当に…ありがとうございます…」
奈緒「落着とは言い難い気もするけど…」
ちひろ「少しやり過ぎちゃいましたね」
それとも数人に一人Pがついてるのか…
後者ならこのP担当になった二人が可哀想だ
>>30
二人の担当がこのクズってだけです。出てこないだけで他にもアイドルとPはいます。
このPはいつもの仕事っぷりは真面目でこんな人じゃ無いけど、季節の変わり目だけこんな感じになるのだとの報告があります。
翌朝―…
奈緒「結局昨日のは何だったんだろう」
比奈「普段はあんな人(クズ)じゃないのに、いろいろとおかしかったっスよね」
奈緒「変なモノでも拾って食べたとか?」ハハハ
比奈「かもしれないっスねえ」フフフ
奈緒「まああの後はちゃんと仕事もしてたみたいだしもう大丈夫でしょ」
比奈「ずっと涙目だったっスけどね」
ガチャ
奈緒「おはようございまーす」
P「おう、おはよう」
比奈「ちゃんとなってるっスね」
P「はは、昨日は迷惑かけてすまんな」
奈緒「もう何が起きたかと思ったよ」
P「すまんすまん、もう大丈夫だから安心してくれ」
P「ああそうだ、今日の予定を言う前にちょっとした話があるんだが…」
比奈「?、何っスか?」
P「いやいや、これは身勝手な提案なんだが…」
P「二人もちひろさんの元に下らないか?」
奈緒「……は?」
P「ちひろさんはどん底の俺に手を差し伸べてくれたメサイアのような存在なんだ、あの方に従えば輝かしい未来が広がっているに違いない」
比奈「一体何を…?」
P「あの方は今の世を変える救世主の器をもつお方なんだ」
奈緒「言っているんだ…?」
P「だから二人もちひろさんの言うことを絶対として…」
奈緒(比奈さん!なんだよこれ!
コメント一覧
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- 2017年03月01日 22:21
- おのれドン・サウザンド・リバー!!
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- 2017年03月01日 22:26
- だめなおとなに、なりましょう
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- 2017年03月01日 22:31
- 季節の変わり目にこんなことが起きるのも、全て向井拓海って奴の仕業なんだ
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- 2017年03月01日 22:37
- 前作と全然違う空気でワロタ
そのマウスパッドが比奈奈緒のだったというオチがほしかったな
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- 2017年03月01日 22:37
- ※3
なんだって!?そいつは本当かい!?
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- 2017年03月01日 22:53
- 季節の変わり目って言葉を無償に使いたくなる気持ちはわからんでもない
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- 2017年03月01日 22:55
- 給料500円とかそういう話かと
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- 2017年03月01日 23:19
- 季節の変わり目には、訳もなく悲しくなりません?
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- 2017年03月01日 23:39
- 天下の芸能プロは給料手渡しなのか…
-
- 2017年03月01日 23:46
- 口座凍結はなんなんですかね
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