未来「それぞれのぶどーかんへ」
トレーナー「未来ちゃん、いつもより気合入ってるね」
未来「当たり前ですよ! いよいよ今週末ですから、私たちの武道館ライブ!」
トレーナー「でも、歌詞は……たまーに飛んじゃってるけど?」
未来「それは……記憶喪失ってことで、でへへ~」
トレーナー「理由になってません。ちゃんと覚えなおしておくこと」
未来「はーい! ……武道館かぁ」
トレーナー「ついに来たね、オーディションで未来ちゃんに会ったのが昨日のことみたいなのに」
未来「もう四年? 以上ですよね、オーディションからだと」
トレーナー「あの頃は14歳だった未来ちゃんも……あれ?」
未来「トレーナーさん」
トレーナー「はい」
未来「とにかく、ぶどーかん、ぶどーかんぶどーかんぶどーかんぶどーかん! よ~し、気合入れていくぞー!」
育「ねえねえ桃子ちゃん」
桃子「ん?」
育「桃子ちゃんは、武道館立ったことあるんでしょ?」
環「知ってるぞ! ヤキニクマンソードのイベントで立ったっておやぶんが言ってた!」
桃子「うん、一応……でも、五分だけだよ? 時間制限とかあったし」
環「どんな感じだった?」
育「知りたい! 私たちの中で武道館に立ったことあるの桃子ちゃんだけだもんね!」
環「おお……」
育「やっぱり大きいよね、一度下見いったけど、会場に呑まれそう? って静香さんも言ってたし」
桃子「うん、あの時ものまれそうになったし、寂しかった」
桃子「でもね、この前の下見の時は、寂しくなかったんだ」
育「?」
環「?」
桃子「そう思うとね、大きい会場だなって思ったけど、寂しくはなかったんだ」
桃子「だから……その、育、環」
桃子「桃子の友達でいてくれて、ありがと」
育「桃子ちゃん!」
環「たまきも、ももこの友達になれて嬉しいぞ!」
育「私も!」
桃子「ちょっと、苦しいってば……ふふっ」
小鳥「仲良きことは美しきかな……ピヨォ」
桃子「小鳥さん、星座」
小鳥「アッハイ」
ひなた「武道館ライブ、楽しみだねぇ」
奈緒「ついにやって来た! やもんな、私らは全員初日やし、ビシッと決めて、静香たちにつないだらんとな!」
エミリー「……」
奈緒「エミリー?」
エミリー「は、はい!そうですね」
ひなた「……エミリーちゃん、緊張してるんかい?」
エミリー「……はい、その……この度の公演で、初めて英国から両親が見に来るので、いつもより緊張してしまって」
奈緒「わかるわぁ。私のアニキもなんや気合入れて花作った言うとるし、余計な緊張させんでほしいわ」
ひなた「あたしのところも、おじいちゃんたちみんなが来るって言ってるから、今からドキドキだよぉ」
ひなた「同じユニットだもんねぇ」
エミリー「……はい! 私もお二人の親御様に恥じない演舞を心がけます!」
奈緒「恥じないって、そんなに気張らなくてもええって」
ひなた「楽しむのが大事だべさ」
奈緒「よし、明日の練習もがんばらんと。おばちゃーん! ご飯とタクアン、大盛りでー!」
ひなた「あたしも大盛りで、お願いしてもいいかい?」
エミリー「わ、私も同じものを!」
奈緒「ええのん? おばちゃんの大盛り本気やで?」
ひなた「体いっぱいうごかすから、これくらい食べないとねぇ」
エミリー「はい!」
莉緒「るーるるるるー」
このみ「莉緒ちゃん、また?」
風花「ここのところ定期的にこの状態になってますね……」
莉緒「この三人の中だと私だけ初日参加なんだもん」
このみ「気持ちはわかるけど……」
莉緒「歌いたい歌いたい! 私も永遠の花歌って花のセクシートリオとか言われたい!」
このみ「花のセクシートリオ……アリね」
風花「このみさんまで乗らないでください!」
莉緒「姉さん……」
風花「確かに、あの曲の雰囲気は私やこのみさんでは難しいですしね」
このみ「風花ちゃん、今変な意味含んでなかった?」
風花「な、何のことですか!?」
莉緒「よーし、このセクシーさに磨きをかけるため、今からエステ行っちゃいましょう!」
風花「今から!?」
莉緒「行きつけのタイ古式マッサージのお店、まだやってるのよ。ちょっと女性率少ないけど」
風花「莉緒さん」
このみ「それって」
紗代子「もうそろそろですね、武道館」
千鶴「いよいよ、ですわね」
紗代子「今まで四年、長かったですね、千鶴さん」
千鶴「ええ、ネットで『誰だかよくわかんねー37人のアイドル』と言われていたころが懐かしいですわ」
紗代子「それが今は武道館、不思議ですね」
千鶴「このままいけばドームライブも」
紗代子「夢じゃないですよ、私たちなら」
紗代子「? どうかしましたか」
千鶴「今まで私は家がセレブと言ってきましたが、その」
紗代子「ストップ」
千鶴「?」
紗代子「言わなくていいです。千鶴さんは千鶴さんですから。私たちの頼れるお姉さんです」
千鶴「紗代子……」
紗代子「さっ、そろそろ行きましょう。快速の電車出ちゃいますよ。……ここのお代、奢ってもらっちゃってもいいですか? お姉さん」
千鶴「……ええ、いつでも、この二階堂千鶴に頼りなさい!」
杏奈「……百合子さん、次立ち上がったらスタン入れるね」
百合子「うん、五秒後に乗りだよね」
杏奈「それが終わるころに麻痺入れるから、罠の用意、お願い、です」
百合子「はーい」
杏奈「……っと」
百合子「だいぶ早くなったね、タイムアタックも」
杏奈「休憩時間、こればっかりやってたから」
百合子「レッスンの集中力途切れさせないようにやってたら、どんどんタイム伸びるんだよね」
杏奈「……休憩?」
百合子「まあ、体は休まってるし」
杏奈「……どうしたの?」
百合子「うん、アイドルになって、こうやってゲーム仲間だった杏奈ちゃんとリアルでも顔を合わせてるのって、面白い縁だなって」
杏奈「……世界って、狭いよね」
百合子「だね。もしアイドルじゃなかったら、私たちであってないかもしれないんだよ?」
杏奈「……杏奈は、違うと思うよ?」
百合子「?」
杏奈「杏奈がアイドルじゃなくても、百合子さんがアイドルじゃなくても、どっちもアイドルにならなくても……何かの方法で、杏奈と百合子さんは会ってると、思う、です」
杏奈「そして……その時もこうやって、親友に、なってる、と思う」
百合子「杏奈ちゃん!」
杏奈「武道館ライブ、日にちは違うけど、百合子さん。杏奈に、応援、ください」
百合子「もちろん! 法被とタオルで応援するね!」
杏奈「……法被?」
百合子「あ、亜利沙さんが作ってくれて」
可奈「いよいよ夢のぶどーかん~♪ 皆でガンガンシューティング~」
翼「可奈ちゃん、その歌おもしろ~い!」
可奈「えへへ、武道館が近づいてるって思うと、どんどん歌が湧いてくるんだ! 私を勇気づけてくれるみたいに!」
翼「勇気づけてくれる歌か……歌と言えば可奈ちゃん、最近の可奈ちゃんの歌って、ちょっと変化球? って言うのかな、そんな歌が多いよね」
可奈「えっと、Eternal Spiralと、No Curry No Life?」
翼「うん。おまじないとかオリジナル声になってを始めに歌ってるから、変わった歌歌うなって」
可奈「えっとね、No Curry No Lifeは、私からプロデューサーさんにお願いしたの」
翼「可奈ちゃんから?」
翼「可奈ちゃん……凄い! 千早さんみたいにかぁ。わたしは美希先輩!」
可奈「翼ちゃん、美希さんのこと大好きだもんね」
翼「うん! ……でも、一度でいいから美希先輩を超えて見たいなって思うときもあるよ?」
可奈「超える?」
翼「美希先輩は確かにわたしの憧れだけど、たまーに、美希先輩の上が見えて、そこに行きたいって思うときがあるの」
翼「きっと、わたしの中の伊吹翼が、もっと行ける、もっと高くまで飛べるって言ってるんだと思う」
翼「だから、この武道館の目標はそれ。一瞬でいいから美希先輩を超える!」
可奈「超えるかぁ……千早さんを超えるなんて考えたこともなかったよ」
翼「可奈ちゃんならできるって!」
可奈「そうかな……いつかなれるかな~♪」
翼「その調子!」
瑞希「……ふぅ、疲れたぞ」
海美「全身の筋肉使うからね。はい、スポーツドリンク」
瑞希「ありがとうございます」
海美「でもみずきんがボルダリングやりたいって言いだすなんて珍しいね。どうしたの?」
瑞希「この前、全体リハーサルがありまして、久しぶりに舞浜さんや所さんと一緒に歌ったんです」
海美「なかなか一緒には歌えないもんね」
瑞希「その時……舞浜さんの進化に驚きました」
海美「確かに。最近あの二人すごいよ
コメント一覧
スポンサードリンク
デイリーランキング
新着コメント
マンスリーランキング
最新記事
掲示板サイト
アンテナサイト
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク
武道館めっちゃ期待してるで!!