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こんばんは、ライターのギャラクシーです。今日は東京都目黒区の『祐天寺』に来ております。こちらは東急東横線「祐天寺駅」から徒歩10分、駒沢通り沿いにある浄土宗の寺院です。

 

 

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一体なぜこんな夕暮れにお寺を訪ねたのか……? お供え物のまんじゅうを盗むため?

いいえ。実はこちらのお寺、『累ヶ淵(かさねがふち)』という有名な怪談に所縁があるからなのです!

 

というわけで今回は、「都市伝説」や「心霊スポット」といったマジ怖い場所ではなく、昔ながらの風情ある「“怪談”スポット」として、祐天寺の「累塚(かさねづか)」をご紹介しましょう。都内……しかも僕が働いているオフィスの近所にあるので、サクッと行ってきました。

 

 

累ヶ淵ってどういう怪談?

 

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怪談の舞台となったのは茨城県常総市羽生町の法蔵寺周辺。怨霊とその除霊を題材としたこの物語は、全国に広く流布し、歌舞伎や落語(累ヶ淵にヒントを得た怪談噺『真景累ヶ淵』)として親しまれました。

 

 

累ヶ淵

 

下総国の百姓・与右衛門は、助(すけ)という子を連れたお杉と夫婦になった。しかしは生まれつき顔が醜く、足が不自由であったため、与右衛門は助を可愛がることができなかった。それどころか、とうとう助を川に投げ捨てて殺してしまう。

 

その後、与右衛門とお杉は、累(るい)という女児をもうけるが、なんと累の容姿は助に生き写しだった。村人は助の祟りと噂し、「助がかさねて生まれてきたのだ」と、「るい」ではなく「かさね」と呼んだ。

そしてまさに祟りであるかのように、与右衛門とお杉は相次いで死んでしまう。

 

独りになったは、流れ者の谷五郎を婿に迎えた。

ところが谷五郎は、次第に醜い累を疎ましく思うようになり、川に突き落として殺害してしまう。

 

谷五郎は別の女と夫婦になったが、女はすぐに死んでしまい、その後 幾人後妻を娶っても、ことごとく死んでしまった。

 

6人目の妻との間にようやく菊(きく)という娘が生まれた。しかしには、累の怨霊がとり憑き、谷五郎の非道を語りながら菊の体を苦しめた。

ちょうどこの頃、浄土宗大本山増上寺36世法主であり江戸時代を代表する呪術師・祐天上人が近隣に滞在していた。上人は話を聞くと、の解脱を試み、見事これに成功する。

が、直後に再び何者かが菊にとり憑いた。祐天上人が問いただしたところ、この物語の発端・の霊であった。上人はにも十念を授けて戒名を与え、解脱させたという。

 

 

以上が怪談・累ヶ淵です。

 

与右衛門が助を殺したのが物語の発端なんですが、何の罪もない累や菊がメチャ理不尽な祟りに遭ってるのはかわいそう過ぎませんか。あんまりでしょ。

ちなみにこの話、事実に基づいた話と言われています。

 

 

祐天寺境内の累塚へ

 

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さて、累ヶ淵の物語を読んで頂きましたが、『祐天寺』には祐天上人の墓があるため、上人が祓った中でも有名な累一族の塚が作られ、霊を弔うことになったというわけです。

 

 

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それがこちら。門をくぐって数十m歩くと柵に囲まれて塚があります。

画像は目一杯明るさを上げていますが、僕が行った時はそこそこ夕暮れだったのでかなり怖かったです。

 

 

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累塚という文字が見えるでしょうか。

そのうしろの石碑が累一族を供養するために建立された塚です。

 

 

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由来が書いてありました。未だに歌舞伎清元の上演者はここを訪れ、累一族を供養すると書かれていますね。

 

 

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本堂には祐天上人像が安置されているそうです。

 

なお、夕方に言ったのでなんだか怖く見えますが、境内には公園というか児童遊技場のようなものがあり、昼間にいくと子どもたちがキャッキャと遊んでいて、結構ほのぼのした雰囲気です。

 

 

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というわけで今回は目黒区の祐天寺で「累ヶ淵」をご紹介しました。

行って欲しいところや、怪談スポット情報などありましたら、コメントをお寄せくださいね。

 

 

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ただし、怪談スポットは強力な霊気によって祟りに遭う可能性もあります。霊力のないみなさんにおかれましては、騒いだり周囲に迷惑となる行動はお控えください。

 

 

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では、さようなら~!

 

 

(おわり)