NVIDIAのAIプラットフォームといえば、テスラModel SやRoboraceに採用される自動運転用AI Drive PX2がよく知られています。一方、ロボットやカメラなどへの組み込み用として発表されたJetson TX1も地味ながらトヨタのロボットや産業用パワーローダーなどの開発に用いられるなど実績を積み上げつつあります。

TX1につづく2代目として発表された Jetson TX2 は、消費電力を7.5wと抑えつつも、処理性能を従来比2倍にまで高めたのが大きな特徴。ナビゲーションや画像・音声認識といった負荷の高い処理を、クラウドやデータセンターへ投げることなくこなす「エッジ・コンピューティング」を得意とし、通信環境に左右されないスマートなデバイスを構築できるとのこと。

NVIDIAは発表において、すでに十数社のパートナー企業がJetson TX2を使った開発を行っていると明かしました。たとえばシスコは、テレビ会議システムを進化させたオールインワンの遠隔会議室セットとでも言うべきシステムを開発しているとのこと。

その他の企業・研究機関でも、AIを応用した在庫記録管理システムや、4K360度動画のリアルタイム加工、さらには画像認識ベースで自律飛行するコンパクトドローンの開発といった幅広い用途にJetoson TX2が使われているとしています。

Jetson TX2は現在米国と欧州で予約を受付中。本体モジュールのみで399ドル(約4万5000円)、コンピューターとして必要な一式を備えるデベロッパーキットは599ドル(約6万8000円)とのこと。また現行のJetson TX1デベロッパーキット(499ドル・約5万7000円)も販売を継続するとのこと。


下は、モジュール単体の比較表。
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	Jetson TX2	Jetson TX1
GPU	NVIDIA Pascal, 256 CUDA cores	NVIDIA Maxwell, 256 CUDA cores
CPU	HMP Dual Denver 2/2 MB L2 + Quad ARM® A57/2 MB L2	Quad ARM® A57/2 MB L2
ビデオ性能	4K x 2K 60 Hz Encode (HEVC) 4K x 2K 60 Hz Decode (12-Bit Support)	4K x 2K 30 Hz Encode (HEVC) 4K x 2K 60 Hz Decode (10-Bit Support)
メモリー	8 GB 128 bit LPDDR4 58.3 GB/s	4 GB 64 bit LPDDR4 25.6 GB/s
ディスプレイ出力	2x DSI, 2x DP 1.2 / HDMI 2.0 / eDP 1.4	2x DSI, 1x eDP 1.4 / DP 1.2 / HDMI
CSI	Up to 6 Cameras (2 Lane) CSI2 D-PHY 1.2 (2.5 Gbps/Lane)	Up to 6 Cameras (2 Lane) CSI2 D-PHY 1.1 (1.5 Gbps/Lane)
PCIE	Gen 2 | 1x4 + 1x1 OR 2x1 + 1x2	Gen 2 | 1x4 + 1x1
ストレージ	32 GB eMMC, SDIO, SATA	16 GB eMMC, SDIO, SATA
その他	CAN, UART, SPI, I2C, I2S, GPIOs	UART, SPI, I2C, I2S, GPIOs
USB	USB 3.0 + USB 2.0
通信	1 Gigabit Ethernet, 802.11ac WLAN, Bluetooth
寸法	50 mm x 87 mm (400-Pin Compatible Board-to-Board Connector)