今週初め、カナダ中西部の小さな町で「水道からピンクの水が出る!」という苦情が住民から相次ぎ、大騒ぎとなった。
地元メディアの報道によると、アルバータ州オノウェイで今月6日(現地時間)、一般家庭の台所やトイレにピンクの水が
流れるトラブルが発生し、人口1000人余りの町民が大パニックに陥った。
事態を重く見たデール・クラスナウ町長は直ちに声明を出し、ピンクの水は、水道処理に使われる「過マンガン酸カリウム」
という物質が水道局のミスで混入したのが原因だとして、健康には影響がないと発表した。
「過マンガン酸カリウム」は、濃い紫色をした無臭の結晶で、飲料水の殺菌をはじめ、海産物の寄生虫駆除や消毒剤、
染料などに使われることが多く、コカインの精製にも使われてきたことから、日本では特定麻薬向精神薬原料に
指定されているほか、米国では使用や販売が規制されているという。
アルバータ州の水道局では原因をまだつかめていないものの、水処理場で週に一度行うフィルターの洗浄作業中に、
バルブが動かなくなり、貯水池に入り込んだ「過マンガン酸カリウム」が町の給水システムに入った可能性が高いと謝罪している。
水道は翌日には元に戻ったものの、各家庭の貯水槽に届いた水には成分が残っている可能性もあるため、
水道を使用する前には数分間流し続けて欲しいと注意を喚起しているという。
あまりにも鮮やかなローズピンクの水は町民を一時的に混乱に陥れたが、なかには記念に、と家にあった
ありったけの空き瓶に水を詰めた人もいるそうだ。「この水でコーヒーを飲むのはためらうけど、花を活けたりしたら、
ピンクに染まって綺麗じゃない?」と話しているという。