こんにちは、マンスーンです。
突然ですが僕には嫌いなものが3つあります。
まず、『知らない土地の乗り方がわからないバス』。
次に『麺あがります!と大声で宣言するラーメン屋』。
そして最後の一つが……
『虫』です。
特にゴキブリ・ハエ・蚊・蜘蛛(でかいやつ)などは部屋に現れると嫌な気分になりますよね。
そんな時に救世主となるのが殺虫剤ですが、最近では「殺虫剤に強いゴキブリが現れだした…」なんて怖すぎる都市伝説を耳にしました。
もしそれが本当ならもうお終いなので地球を出ていくか異世界に転生するしかありません。
異世界に転生といえば、今回の記事は、女子高生だったはずなのになぜか蜘蛛として異世界に転生される小説「蜘蛛ですが、なにか?」の広告記事です。
また、記事中にリアルな虫の画像は一切出てこないので虫嫌いの方も安心してお読みください!
噂の真相を確かめるため、広島にあるフマキラー株式会社さんの開発本部にお邪魔して、虫たちがどれくらい進化していてどのように対策しているのかを聞いてきました。
フマキラーと言えば『ベープ』シリーズなどの有名な商品を販売している大手殺虫剤メーカーなのできっと虫の進化について教えてくれるはずです。
都市伝説は嘘ですよね? 嘘って言ってよ。
お話を伺ったのは海外開発研究部リーダーの杉浦さん。
小さい頃から昆虫が大好きで嫌いな虫は一匹もいないそうです。
ゴキブリについて聞いてみた
いきなりなんですけど、このオフィスで普通にゴキブリが出たことってあるんですか?
いや、研究所では大量に飼っていますが、普通に出たことは無いですね。
さすが殺虫剤メーカーのオフィス…。
ところで、最近は「ゴキブリが進化して、殺虫剤が利かなくなってきた」…なんて噂を聞いたのですが本当なんですか!?
害虫を駆除するために頻繁に殺虫剤を使用すると、遺伝的に強いものだけが生き残り、やがて殺虫剤の効きにくい集団になってしまうことがあるんです。
これを抵抗性と言うのですが、抵抗性を持ったゴキブリは普通のゴキブリよりも殺虫剤に強いです。
うわ…本当に強いゴキブリはいるんですね…! その抵抗性を持ったゴキブリはどこに生息しているんですか?
特に多いのはやはり殺虫剤を定期的に使用している『飲食店』です。うちの会社でもサンプルを取るために飲食店に協力してもらうのですが、夜に行って電気をつけた瞬間にm…
ストップ!!!ストーップ!!!!それ以上はやめてください!!!!
ところでフマキラーさんは害虫の抵抗性に対してどのように対策しているんですか?
これはどの殺虫剤メーカーでも同じなのですが、虫のライフサイクルに合わせて成分の異なる薬剤をローテーションで使うようにしています。
なるほど、ちなみにそのライフサイクルはどのくらいの期間なんですか?
例えばゴキブリだとクロゴキブリは育つのに1年以上かかるので抵抗性はあまりないんです。
でも成長が早いチャバネゴキブリは抵抗性が強いんです。飲食店にいるのは基本チャバネゴキブリですね。
チャバネっていう言葉の響きでもう鳥肌がたってきました。
私達がよく見かけるゴキブリの見分け方です。
抵抗性って、要は殺虫剤を使わなければ無くなるものなので、そこら辺は私達も研究をしているのですが、抵抗性を持ったゴキブリは他のゴキブリに比べて繁殖力が弱いんです。
抵抗性があるから強くなった訳ではなくて、虫だって何かを犠牲にして強くなっているんです。
なるほど。別に進化してるってわけではないんですね…。ゴキブリだって滅ばないように必死に生きているわけですね。
家にいるゴキブリは一部で、ほとんどのゴキブリは森林性で他の動物の餌として生態系を保っています。もし外で生きているゴキブリがいなくなってしまったら、生態系が崩れてしまうでしょう。
3億5千万年くらい前からほぼ変わらずに生き残って来たわけですから、生きるための手段はわかっていると思います。
すごい。1億年のシーラカンスを「生きた化石」とかありがたがってますが、ゴキブリのが長いんですね…。
よく「ゴキブリは一匹見たら百匹はいると思え」なんてことを言われていますが、実際に1匹生息していたら何匹くらいいると思った方がいいんでしょうか? 見かけても、意外とその一匹だけとかなんじゃないですか…?
基本的にゴキブリは夜行性。昼間に見かけるのは全体の数%です。なので、もし昼間に1匹見かけたら百匹は大げさですが数十匹はいると思います。
やっぱりいるんだ…。
ゴキブリの話ばかりしていると読者もキツイと思うので別の話題に移りましょう。
ゴキブリも慣れれば全然大丈夫ですよ。
これは僕だけかもしれないんですが、昔に比べて虫の数って減っている気がするんです。
昔って、もっと蚊とかハエとかをよく見た気がしますし…。実際はどうなんですか?
今の日本は衛生環境が改善されていて、蚊やハエは昔に比べると減っていると思います。
また、環境がきれいになると少しの虫でも嫌がる人が増えてくるので、実は殺虫剤自体の需要は高まるんですよ。
虫が減っても増えても儲かるなんて…殺虫剤メーカーってウハウハですね。
そうも言っていられなくてですね、最近では地球温暖化やグローバル化に伴って、海外から危険な虫が入り込んできているのでその対処も大事になってきています。
例えば、成田空港の周りで海外の虫が一時的に発生することがあるんです。
それヤバいじゃないですか!! 日本もおしまいだ!
でも、そういった危ない病気を持つ虫は暖かい国から来ることが多いので、日本の冬が越せなくて1世代で死んでしまうんです。
冬って朝布団からなかなか出れなくて嫌だなと思っていたんですが、初めて冬に感謝しました。
みなさん!冬は大事です!!!!
飼育室を見てみよう(※虫の写真はありません)
せっかくなので、虫の飼育室を見学させてもらいました。
なんて説明したらいいのかわからないのですが、とにかく沢山の『家族』がいました。
たくさんい過ぎて感覚が麻痺したのか、だんだん怖くなくなってきました。
実験室では『かわいいウサギのキーホルダー』を凍らして駆除するスプレーの実験も体験させてもらうことに。
最初は『かわいいウサギのキーホルダー』だったのですが、スプレーをかけると・・・
一瞬で凍ってしまいました。
しかも、殺虫剤ではなくガスを使っているので、スプレーを吹きかけた箇所がベタベタになりません。台所やお子さんのいるご家庭におすすめです。『かわいいウサギのキーホルダー』が現れたらぜひ。
パッケージに虫が描かれていないのは何で?
最近の殺虫剤のCMって、直接的に虫の写真とかCGがあんまり使われなくなりましたよね。パッケージにも虫の絵があんまり描かれていないし…。やっぱり、見た目でクレームが来るんですか?
はい…来ます…。日本は厳しいですけど、海外で販売している製品にはいろいろ描かれていますよ。
え! フマキラーさんは海外でも殺虫剤を販売しているんですね。
こちらが海外で販売しているフマキラーの殺虫剤。
なぜか象のリアルな絵まである。
これ、象も駆除できるんですか?
無理です。
蚊取り線香にも、なぜか象の絵が。
象=強いということなのだろうか?
あと日本だと、特定の虫に関しては「このスプレーはこの虫に効きます!」って表記をするのに許可が必要なんです。
そんな決まりがあったんですね。
特にハエ・ゴキブリといった衛生害虫に効くという表記をしたりイラストを載せたりするためには、厚生労働省に届け出をだして人間への影響がないかチェックがあり、許可が降りるまで時間がかかるんです。
果汁100%じゃないとジュースって名乗れなかったり、果実の断面イラストを載せられないのと似てますね。
でも、「ハエ・ゴキブリに効く」って表記してしまうと、逆に他の虫に効くと表記できない…という決まりもあって、日本はちょっと特殊なんです。成分的にはほかの虫でも効くものを使っているのですが…。
めんどくさい…。
入り口の一番目立つところに置いてあった「フマキラープレミアム」も、ハエ・ゴキブリっていう表記がないんですが、これもちゃんとゴキブリにだって効くんですよね?
「効く」とは明言できないので、こう言わせてください。
効く成分を使用しています!
だそうです!!!
朝蜘蛛って殺しちゃいけないの?
「朝蜘蛛は見ても殺すな」ってよく言われていますが、朝の蜘蛛は益虫で夜の蜘蛛は害虫だったりするんですか?
諸説あるんですが、蜘蛛は天気のいい日に巣を貼るので、「朝に蜘蛛をみかけるといい日になる」という言い伝えがあります。
一方で夜に出る蜘蛛は不気味なので不吉なものとされていたようです。どちらも同じ蜘蛛なので、朝と夜で違うということはありません。
僕は自分の部屋に蜘蛛が出ても見て見ぬふりをしています。それはゴキブリを食べてくれるっていう話を信じているからで。見逃すからゴキブリ食べてね!っていう信頼関係なんです。
信頼されているかどうかはわかりませんが、特にアシダカグモという足の長い蜘蛛は、ゴキブリを食べますよ。
つまりゴキブリは嫌いだけど蜘蛛は大丈夫って人は、アシダカグモを大量に家に放てばゴキブリを全滅させることができるってことですか!?
しません。 (※そこまで沢山は食べてくれないそうです)
とあるジョジョっとした不思議な冒険をする漫画に、蜘蛛を舐めるキャラクターが出て来るのですが、蜘蛛って舐めても大丈夫なんですか?
野生のものはいろんなバクテリアがついているので、衛生上は良くないですね。ただ、セアカゴケグモのような蜘蛛でも毒は牙にあるので身体を舐めても毒の影響はないでしょう。
舐めても大丈夫?
衛生上よくないです。
わかりました。
これはもしもの話なんですが、杉浦さんが急に蜘蛛になってしまったらどこに住みますか?
人間のいる家屋だと嫌われて駆除されてしまう可能性が高いので、森林に行きます。そうすれば人に害を与えることもなく共存できると思いますから…。
自分の作った商品で駆除されるのはつらいですもんね…。
僕も、杉浦さんの教えにしたがって蜘蛛になったら森林に住みます!
改めていいますが、この記事はフマキラーさんの記事広告ではなく…
“蜘蛛になってしまう”といえば…。
現在、カドカワBOOKSから女子高生だったはずが異世界で蜘蛛として目覚めて……?という始まりの小説「蜘蛛ですが、なにか?」が大好評発売中です!
蜘蛛の持つ「毒」「糸」「耐性」などを最大限駆使して、ファンタジー世界のザコVSザコ戦がめちゃめちゃ熱い展開で描かれています!
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