花粉症グルイ
- § 衛府のSLPY
- 藤木の鼻先 やや熱いか…
- § 衛府のSLPY
- スギが花を付けたら用心せい
- § 衛府のSLPY
- この日、権左衛門はは塩水による鼻うがいを決行している
- § 衛府のSLPY
- 花粉症という病は
ひとたび
ひとたび発症すれば二度とは
二度とは
- § 衛府のSLPY
- 山内 大坪 口をふさげ
- § 衛府のSLPY
- 花粉である
花粉が人体の免疫を麻痺させているのだ
- § 衛府のSLPY
- 奥方様を花粉症に貶めた 悪樹を焼き断つるが御けじめ
- § 衛府のSLPY
- 隻腕の男は鼻をかむことができるのか?
盲目の男でも目の痒みを訴えることができるのか?
出来る 出来るのだ
- § 衛府のSLPY
- 素手で…
手鼻をかむのにチリ紙は用いぬ
- § 衛府のSLPY
- "練り"と呼ばれる鼻うがい法は小半刻かけて鼻腔洗浄の一挙動を仕終える
くわえられた手拭はクシャミによって奥歯が粉砕するのを防ぐためだ
- § 衛府のSLPY
- ヒノキ林、まこと広うなり申した
- § 衛府のSLPY
- 伊良子清玄は意識を取り戻した
後方からのイネの花粉 前方にブタクサの開花
こ… こは何事!?
- § 衛府のSLPY
- あの折 儂がスギの植樹で緑地化したるは 宗矩が指図 はかった喃 はかってくれた喃
- § 衛府のSLPY
- 花粉症は病気ではない もっとおぞましい何かだ
- § 衛府のSLPY
- 「あれるぎぃ?」 「海を隔てた南蛮国の…」
- § 衛府のSLPY
- 源之助の鼻腔から粥のごときものがあふれ出た
珍しいことではない クシャミの間際に鼻水を出そうとするのは本能である
- § 衛府のSLPY
- 春先に体調がすぐれない場合 その原因として最初に疑うべきは病原菌ではない
- § 衛府のSLPY
- 夕雲の鼻は ほぼ2倍に膨れ上がっていたが
- § 衛府のSLPY
- 笹原邸のゴミ箱には白く粘つく何かに塗れたティッシュが溢れていたが その理由を問う源之助ではない
- § 衛府のSLPY
- 鼻をかむという発想は 虎子たちには無い
- § 衛府のSLPY
- 花粉症患者が常に鼻水を排出していることを知らぬ者にとって これは
苦しみに耐えて異物を排出せんとする神聖な鼻水と映る
- § 衛府のSLPY
- 戯れなればヒノキにて
- § 衛府のSLPY
- 無用だ 里山の杉の木 人里には無用だ
- § 衛府のSLPY
- 緑地化には『スギ』が最適だと ささやかれていたことを何人が知っていよう
- § 衛府のSLPY
- 「なにゆえ鼻をつまむ?」
「息苦しきゆえ」
- § 衛府のSLPY
- 時の行政が植えたのはスギであった
ハゲ山を緑にすれば環境が良くなる
そう自惚れていた
- § 衛府のSLPY
- なんだおぬしブタクサか 蕾見してみいや
- § 衛府のSLPY
- スギに与えられた過酷な荒地こそ かえって その若き雄蕊(おしべ)を揺さぶり、ついには…
- § 衛府のSLPY
- 鼻うがいには水をぶつけるのが一番です 藤木先生っ
- § 衛府のSLPY
- 牛股は必死にある衝動を押さえていた. ここにいる全てのヒノキを片端から切り倒してしまいたいという衝動を
- § 衛府のSLPY
- この日 駿河大納言は微熱を帯び 童のごとく口元を緩め
眼差しは虚空の一点を見据えるという ただならぬ“花粉症”であった
- § 衛府のSLPY
- クシャミしつつ源之助は嘔吐した
杉だらけの山を後にする源之助の姿は入山した時とは別人である
- § 衛府のSLPY
- そんなに花粉症が辛いなら鼻の粘膜を焼ききっては? レーザーなら痛みはありませぬよ?
- § 衛府のSLPY
- 花粉症か…
医者の返事には諦念があった
- 関連記事
-