1991年、ソ連崩壊の後、急速に西側諸国の文化や資本主義、ライフスタイルなどがなだれ込んでいったロシア。
それまでは社会主義国家として独自の路線を貫いていたのだから、急激な変化の速度で様々なひずみもでてくるだろう。
今や、ネット上にはロシアからの情報で溢れている。これまで秘密のヴェールで隠されてきたロシアの一面を見るにつれ、その特異性は注目を集めている。
「おそロシア」とはロシアを表現した1つの言葉だが、アメリカのサイトが、ロシアの危険性をいくつかまとめて考察していたので見ていくことにしよう、そうしよう。
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1. 地下鉄を乗りこなす野良犬たちがいる
ロシアでは野犬が問題になっており、モスクワだけでも3万5000匹の野良犬がうろついているという。
これをソ連崩壊のせいにするのは簡単だが、モスクワの野犬問題は19世紀からずっと続いていて、アントン・チェーホフもこのことについて書いているくらいだ。中にはかなり凶暴化する犬もいて、彼らは人間を避けて夜だけ徘徊し、モスクワ界隈や郊外で、夜ひとりで歩いている人間を怖がらせている。
当局はモスクワの地下鉄内には500匹前後が棲みついていると試算していて、そのうち20匹は地下鉄の乗り方を覚え、ねぐらにしている郊外から、食べ物をあさるダウンタウンまで通勤してくるという。
地下鉄犬たちはおとなしそうに見え、ソーシャルメディアによって国際的に有名になっているが、別の問題も起きている。野犬による襲撃数は毎年2万件と言われている。
2. 出会い系サイトのプロフィール画像が謎
プロフィール写真だけで、その国の国民性を判断するのはフェアではないが、ロシアの出会い系サイト”plentyoffish.com ”などの写真を追ってみると、怪しげなものがたくさん見つかることは確かだ。
"バラか銃弾、どっちにするか決めな、ベイビー!" ってことでいいんだろうか?アメリカにも確かに全米ライフル協会ファンはいるが、カメラに向かってこんなふうに銃を突きつけるようなことはあまりしない。
ロシア人は交際相手を探すときに、こんなアピールの仕方をするのが一般的なのだろうか?
3. はびこる薬物乱用問題と暴徒
噂を信じるなら、ロシアは深刻な薬物乱用問題に苦しんでいる。その原因の一部はヘロインやコカインのようなもともとある定番ドラッグである一方、スパイスという合成麻薬もあらゆる混乱をもたらしている。
スパイスは安価で、2009年までは小売店で合法に手に入れることができた。だが違法となった今も、通りで堂々と取引されている。
このドラッグは2004年頃から出回ったが、アメリカやEUでは禁止され、ロシアでも2009年に政府が禁止令を出した。しかし、法律は形式的なだけなので、このドラッグの正確な化学成分は常に変わり、堂々と宣伝販売されている。
ロシアでは、暴力は反ドラッグ側からしかけられることもある。この写真のように、中道左派の若者グループが集団でスパイスの密売人を痛めつけている。こうした若者ギャングたちは、よく金槌など家庭に置いてある道具で相手を襲う。
4. 寒さに勝つ体を作るためにアイススイミング
ロシア人になるためには、普通の人間なら死んでしまうような過酷な状況に適応できるようになることが条件のようだ。
ノリリスクという町のすぐ北は北極だ。ここは冬には氷点下18℃になり、太陽は11月後半に沈んだきり、1月のある時期まで昇ってこない。一年でもっとも寒い2ヶ月間、厳寒の町は夜の真っ暗な闇のままだ。
加えて、金属精錬工場の排出する蒸気がここを世界でもっとも汚染された町にしている。にもかかわらず、この町には17万7000人が住んでいる。
こんな所で冬の間、ウォッカを大量に消費する以外になにをやることがあるだろうか? 戸外で泳ぐなどまず思いつかないはずだが、実際はアイススイミング自体は、ロシアとくにシベリアではかなり一般的だ。
ロシア人の多くは、氷のように冷たい水で泳ぐ効力を信じて疑わず、心臓や肺に急激にショックを与えることは、健康にいいと思い込んでいる。そのショックは強ければ強いほど、要するに寒ければ寒いほどいいらしい。
5. 運転中のトラブル多発。武装するドライバーたち
運転中のイライラはロシアの日常生活の別の一面だ。ソーシャルメディアやイギリスのタブロイド紙には、運転中のこうしたブチギレ例がいっぱい出ているが、ドライバーの多くは銃を携帯しているようだ。
YOUTUBEには数々の路上での暴力沙汰が公開されており、ランキングにまとめられているくらいだ。
Road RAGE Compilation | Top 10 - pt.#1 | Meanwhile in RUSSIA | MIR 2016
ロシアでこうしたトラブル動画があふれているのは、ロシア人の車にはたいていドライブレコーダーが装備してあるからだ。彼らがドライブレコーダーを装備する理由は、手に負えない警察の横暴や、他人のひどい運転や飲酒運転から身を守るためだ。
6. どこでも喧嘩
ウォッカの力ももちろんあるだろう。ロシアでは路上での喧嘩が日常茶飯事だ。例えば、モスクワの通りを歩いていたら、数ブロックで必ず誰かの喧嘩に出くわすという。
ロシアのいわゆる意図的殺人率は米国の3倍近く、凶悪犯罪は約2倍あるのだそうだ。ほかの暴力犯罪率は米国とほぼ同じだが、専門家たちはロシアの警察が検察医に圧力をかけて、実際はもっと多い殺人率を改竄していると信じている。
7. クマ、ただひたすらクマ
ロシア人のクマに対する愛着はそうとうなものだ。巨大で強靭なクマはロシアの厳冬を生き延びられるくらいタフで、その武勇伝がいろいろ伝わっていて、自分たちロシア人と重ね合わせているのだろうか?
理由はなんであれ、ロシアでは、ペットとしてクマを飼っている人がいたり、街中を走るタクシーにクマが乗ってたりなんかもする。もちろん違法ではない。
モスクワではクマを通りへ散歩に連れ出すこともできるし、誰かの家の芝生でうんちをさせることもできる(犬は規制されているがクマは規制されていない)。
クマのエサ代はかなり高いに違いないが、クマが一頭いればシベリアの夜でも4人家族が暖かく過ごせるかもしれない。
8. 真冬に行水
シベリアはとにかく寒い。おそらく一番いいのはこの寒さに慣れてしまうことだろう。寒い冬に戸外で冷たい水のシャワーを浴びるのがごく普通の習慣になっている背景には、こうした理由があるのかもしれない。
シベリアでの生活ではこれは重要なことだと考えられていて、氷点下の中、幼稚園児たちが水着を着て、外でバケツの氷水を頭から勢いよくかぶることは日課になっている。
この行水にはまっている人たちは、これは健康に良く、実際に免疫システムを活性化させると考えている。少なくとも、文字通り常に寒い状態に身をおく生活への心構えができるというわけだ。この氷の行水は子どもだけではなく、雪の中でパンツ一枚でチェスをしている老人や、写真のような妊婦も行う。一度やると中毒性があるようだ。
9. 若者たちが行う命がけの遊び
ロシアが恐ろしいのはクマや銃だけではない。ロシアの若者たちは、冗談ではなく死の危険があるリスクをわざわざ冒す新たな楽しみを見いだしている。
スカイウォーキングセルフィーだ。アンジェラ・ニコラウとそのパートナーは、登山家でアドベンチャージャンキー。ロシアから中国にかけての摩天楼のてっぺんで危険な自撮りをして戻ってくるという芸当で世界的に有名になった。
Extreme selfies Angela Nikolau, Russian Instagram star , selfies from the sky
アンジェラは確かに一番有名かもしれないが、ロシアではスカイウォーカーは彼女だけではない。スカイウォーキングは、当たり前だが危険と隣り合わせだ。
2015年にはロシアの十代の若者が、スカイウォーキングセルフィーのために、9階建てのビルから落ちて死んだ。
インスタグラムでアンジェラのアカウントはもちろん人気でファンも多いが、彼女の危険なパフォーマンスに多くの非難も集まっている。言うまでもないが、マネしたらダメ!絶対だ。
10. 海水浴客とビーチを共有する潜水艦
白海のドヴィナ川の北部に位置するヴェロドヴィンスクだが、気温の高い日はビーチで過ごすこともできる。ビーチから海のほうを眺めると、潜水艦がゆっくりと滑るように目の前を進んでいくのが見えて圧巻だ。
それもそのはず、この町にあるセヴマシュ造船所は、ロシアでもっとも先進的な攻撃型原子力潜水艦を建造、修繕している。平時ならば原子力潜水艦の姿にいちいちビクビクする必要はないが、昨今はそんなに悠長な眺めではないかもしれない。
via:Absurd Photos That Prove Russia Is Dangerous AF/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
良くも悪くも今を生きてる感じだな。
2. 匿名処理班
全部凄い!
3. 匿名処理班
スカイウォーキングの動画を見てるだけでざわざわする。
4. 匿名処理班
アル中多過ぎて入浴剤とか靴のクリームも飲む所が怖い
5. 匿名処理班
「8. 真冬に行水」元気な子供が産まれそうね
6.
7. 匿名処理班
社会・経済状況を置いておいて、本当に「ロシア人は破滅的行動をする傾向がある」って言えるんだろうか?
国民性って不思議だよなあ・・・教育内容が変わっても集団で維持される行動様式なんて、生命の不思議を感じる。
8. 匿名処理班
こんなイカれた(褒め言葉)ロシアと戦争やってたということが信じられない
片手で握りつぶされそう
9. 匿名処理班
※4
それは禁酒令出てた時じゃなかったっけ?
10. 匿名処理班
8番の画像の女性は妊婦さん?くれぐれも体に気をつけて!
11. 匿名処理班
なにしろロシアだからね、同志。
12. 匿名処理班
氷河期に生き残れるのはこういう人たちなのだろうな、と思う(食糧事情は置いといて)。
クマはもう生まれたてから世話してれば懐くんだろう。真似して日本のクマで挑戦しちゃ、ダメ、絶対。
やはりロシアは怖く、難解だわ。
13. 匿名処理班
ロシア人は、戦場から逃げ出すような臆病者は後ろから撃たれて淘汰されてしまったのだよ。
そして運が悪い奴はドイツ軍に殺されて、あとに残ったのは命知らずで、それでもそう簡単には死なないような奴らばかりということさ。
14. 匿名処理班
おいおい、8の写真妊婦さんか?
そういうのやめてくれ
見てるこっちまでハラハラする
15. 匿名処理班
ロシア人の友人はいるけど「ロシア人ってペットに
クマ飼ってんだろ?」って聞いたら
「犬や猫ほど一般的じゃないけど、フェレット
程度には人気ある」と言ってた。
真面目な返事は、商業目的(動物タレントやサーカス)じゃなければ
一部の物好きが馬鹿野郎だけで例外中の例外だということです。
分かってるは思いますが……。
16. 匿名処理班
頭のネジがぶっ飛んでいる奴らが多いんだな、寒すぎるから?スリルを楽しめる性格じゃないと生き残れないんだろうか
バレエに建築に文学と文化に魅力感じてるんだけどなあ、血の気多そうなとこ見るとやっぱ怖ええでも興味ある。
17. 匿名処理班
ロシア人は恐怖遺伝子を持たない(少ない?)んだっけ?
だから熊も高い所も怖くないのかね
18. 匿名処理班
※7
国民性なんて幻想だー
あるのは継承だけだ
19.
20. 匿名処理班
※4
ロシア人の死亡事故で、その製品にアルコールが含まれていたって知る事になる。
薬物やアルコール以外の幸せを感じるモノを見つけて欲しい。
21. 匿名処理班
ロシア嫌い
22. 匿名処理班
こういうチキンレースで頻繁に子供が死んでるよね
ロシアの命めっちゃ軽いわ
23. 匿名処理班
ロシアの母ちゃんたちも入れたげて