490 名前:水先案名無い人[sage] 投稿日:04/08/28(土) 18:53 ID:LW8x8kJw
姉が亡くなってもう20年以上になります。

その頃の私はまだ小学校にもはいっていない歳で、どうして突然
姉が入院したのかも分らずに過ごしました。
病気が「白血病」だったことも、それがあの頃、不治の病だったことも
知りませんでした。そんな姉は、病院に遊びに行くたびにおもちゃをく
れました。当時八歳だった娘が入院した事を不憫に思った親が買い
与えたおもちゃを、全て私にくれた姉。
「ここにあるもの、みんなあげるからね。お姉ちゃん、もういらないからね」
まだ小さかった弟とお見舞いに行った私に姉が言った言葉は、今思えば
何もかも知っていた言葉だったのかも知れません。
姉が冷たくなって、父親に抱かれて家に戻ってきたのは、それからしばらく
した夏のことでした。

お姉ちゃん、わたしはもう30を越えました。
あなたの病気ももう、不治の病ではありません。私はあなたに優しくしてくれた
看護婦さんに憧れ、なんとか頑張って看護婦になりました。あなたが護ってくれ
たのか、病気一つしない元気な身体で今日も患者さんと接しています。
あの頃小さかった弟はもう、あなたの記憶はおぼろげですが、今も元気です。
また、あなたの命日がやってきます。
今年も夜勤で親と一緒にあなたの思い出を語ることも出来ませんが、許してくれ
ますね?
私は今でも、あなたのことが大好きです。