198 名前:じぷしー名無しさん 投稿日:01/11/24 03:39 ID:???
中学時代の事。
長い事閉鎖されてた校舎の屋上の鍵が開いてる事を悪友達と発見。
まずはそこでぎゃぁぎゃぁ遊んでただけだったけど、毎日休み時間とか
授業フケた時とかそこに通ってる間にみんな愛着が湧いてきてなんとなく
「独占しよう」みたいなことになって早速ホームセンターで別の錠前と合鍵を
人数分揃えて、ドアの内外に取り付けた。
それから3人がかりでグランドと職員室からの死角に入るようにブルーシートを
張って屋根の完成。
その他雨水止めの為にスノコ持ってきて床上げたり技術の時間に作った本棚持っていったり
で数日でなんとか「秘密基地」っぽくなってきた。
でもそこまで手を加えるといつ見つかるかが不安になっちゃって、学校終わっても
気が気じゃなくなってきて、誰が言い出さずとも毎日のように誰かが夜の見張りに行ってたり
してて、たまに夜とかに集まってバカ話続けたりとかやってた。

・・・長くなりそうなので中座・・・

続けてもいいっすかねぇ。


205 名前:198 投稿日:01/11/24 04:29 ID:???
ありがと、でも面白くないかもしれん・・・

まぁそんなこんなで秘密基地ライフを俺らにとっては類稀なる団結力で自治してたんだけど
何度かピンチがあって、ある日卒業アルバム用の学級の集合写真を撮る事になり撮影場所を聞いたら
屋上から学年と学級単位で全体を屋上からグランドに向けて撮るとの事。
前日から撮影があるのは聞いてたけど、撮影場所まで頭が廻らなくて当日の朝になって
「屋上がヤバい」というのに気づき、必死で対策を練るも何も浮かばない。
とりあえづ休み時間ごとに屋上の荷物を片して鍵を外してしのごうとしたんだけど、
俺らのクラスは順序が早くて荷物がほとんどかたずいてないうちに撮影となった。
もう「基地はあきらめよう」「遅かれ早かれ見つかるんだし」とほとんどあきらめたまま
撮影に望んだ。

「もうじき放送で呼ばれたり朝礼で詰問されたりすんのかな」とかそれぞれ不安なまま
残り少ないであろう基地ライフを楽しんでたんだけど、先生方面からは全く何の音沙汰も無い。
なので結局「屋上に上がったのは写真屋だけだったんだろう」という説で落ち着いてた。

それからまた数日後。
希望者は上がった写真を見せてもらえるという事で職員室まで見に行ったら
写真の中に基地仲間のAがいない。
後でその事をAに聞くと、幸い屋上に上がったのは写真屋一人だったけど、
不安だったので一つ下の学年の委員長と偽って写真屋を屋上まで先導して
屋上に残った明らかな私物については本当の事を話して頼み込んで黙ってもらったらしい。

なので卒業アルバムの集合写真にはAの写真は載ってない。

それから豪雪で屋根があぼーんされたりキャッチボールしてて捕り損ねた球が
下に停めてあった技術教師のフロントガラスを大破させたり(後日野球部の仕業に)
色々あったけど基地は卒業まで俺ら数人しか目にしないまま卒業の日になった。

卒業式の前日、みんなで基地最後のパーティをした。
盛り上がるかと思ったけど普段の夜の集会と変わらないまま誰とも言わず基地を撤去した。
普通の屋上に戻ってもの寂しくなった風景を見ながらなんかしんみりしてた。

それから卒業。

在学中あんなに仲良かったみんなだったけどそれぞれ別の高校に通い、徐々に
疎通になってたところ、Aの訃報を聞いた。
あの地震で家と一緒に潰れたらしい。
通夜の時に悪友達と再会した。
そのなかの一人がAの自宅が潰れたので代わりに棺の中に収める卒業アルバムを持ってきてた。
プチ同窓会みたいになって懐かしがりながら普通にみんなで見てたんだけど、Aだけが写ってない
集合写真のページになった途端、俺ら全員で泣いた。