英ARMは21日(現地時間)、AI(人工知能)関連のアプリケーション処理能力を大幅に向上させる新世代の技術として「DynamIQ」を発表しました。
ARMの説明によると、DynamIQは、今後登場する予定の次世代Cortex-Aコアにおける中核を成す技術の1つであり、複数のCPUコアからなるマルチコアSoCにおいて、コア構成の柔軟性や処理効率の向上を実現させるとのことです。
また、最適化された設計の新世代Cortex-Aコアや専用命令セットなどと組み合わせることによって、「Cortex-A73」コアをベースにしたシステムと比較した場合、今後3~5年の間に、AI関連のアプリケーション処理において最大50倍もの性能を実現することが可能とされています。
さらに、現在の「big.LITTLE」技術よりも柔軟なクラスタ構成も可能に。例えばオクタコアSoCにおいては、1コアのクラスタと7コアのクラスタに分けて動作させることもできるとのこと。また、1クラスタあたり最大8コアまで処理できるため、最大16コアのSoCを構成することも可能にしています。
そして、ARMは今回、1コア毎に個別に動作周波数を制御することも可能となるため、処理効率および電力効率が大幅に改善されることを強調。また、ADAS(先進運転支援システム)においても高度な処理能力を発揮し、システムの安全性を向上させることが可能になるとされています。
そのほか、クラウドとローカルの双方における機械学習を活用した高度なAIの実現にも寄与し、直感的かつ自然なユーザーエクスペリエンスを実現するとのこと。
なお今回、詳細な製品ロードマップは示されませんでしたが、AIや機械学習といった分野が一般社会においても浸透し始めた現状を見るに、近い将来の登場に期待したいところです。
[ARM via Phone Arena]
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