代謝は上げられる、ただし…。
「冬太り解消にこの運動」やら「○○を食べて痩せる!」やら、今の世の中ダイエットに関する広告とかニュース記事を見ない日はありません。その中でよく魔法の杖のように登場するのが、「代謝を上げる」的なフレーズ。「代謝を活性化させる魔法の朝食食材3つ」とか「代謝を上げるための5つのエクササイズ」とか、そりゃもう無数に使われてます。
代謝が上がれば、普通に生活してるだけでいつもよりたくさんカロリーが消費できて、今まで通り食べて何もしなくても痩せられてラッキー!みたいな感じがしますよね。でもこの手の話って、根拠のないものが多いんです。特に、何らかの食材を食べたり、ちょっとしたひと手間を加えたりするだけで、いきなり脂肪がボンボン燃える超代謝マシーンに変身、なんてありえません。ただ専門家の話を聞くと、たしかにライフスタイルを改善して、カロリーがより多く、早く燃えるようにする方法はあるみたいです。ただそれは「ちょっと変えるだけで激ヤセ!」的なことじゃなくて、もっと地味で地道で退屈で残念で、時間のかかるプロセスなんです。
体は体重を変えたくない
「代謝」という言葉は、体のあちこちで同時に起こっているいろんな化学反応を総称しています。つまり食べ物の消化もそうだし、糖分をエネルギーに換えるとか、たんぱく質を作るとか、とにかく生きていくために必要な働き全部のことを指します。人体はこれらのプロセスを総動員することで生きながらえ、ホメオスタシスを維持しています。ホメオスタシスとはこの場合、入ってくる燃料と出て行くエネルギーや排出物を定常的に保ち、必要な物質の