全編がFPSゲームかのように一人称視点で撮影された、まったく新しいライド型アクション映画『ハードコア』。
本作はメディアアーティストの落合陽一さんが「これはもう映画じゃない、バーチャルリアリティだ。一人称視点で描かれる浮遊感・血生臭さ・焦燥感・そして映像酔い・映画史に残る先端の試みを噛み締め、全てを愉しむしかない!」と表現していることからもわかるように、斬新な映画体験が魅力の映画です。
そこで今回は『ハードコア』を手がけたロシア出身の新進気鋭、イリヤ・ナイシュラー監督に、製作の裏側、そして日々近づき続けているゲームと映画の表現の未来などについて、お話を伺いました。
『メタルギアソリッド』シリーズでおなじみのゲームクリエイター、小島秀夫監督についての熱い発言も飛び出しています。なお、本編のネタバレがやや含まれていますので、ご注意ください。
――『ハードコア』はFPSゲーム的な視点で全編が描かれている作品ですが、「映画」として成立させるために一番気をつけたのはどういったところでしょうか?
イリヤ・ナイシュラー(以下、ナイシュラー)