木星の公転軌道を逆回転するワガママ小惑星「2015 BZ509」。実は絶妙なバランスで安定していると判明
自分を信じて突き進めば、いつかきっとうまくいく(かもね)
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太陽系最大の惑星である木星は、その軌道上に無数の小惑星を従えて太陽を周回しています。当然それらの小惑星は木星そして太陽系すべての惑星と同じ方向に回っているわけですが、2015年にハワイのPan-STARRSで発見された2015 BZ509だけは、木星とほぼ同じような軌道をまったく逆方向に公転していることがわかりました。
これまでにも太陽系を逆回転する天体がなかったわけではありません。1999年に見つかった"ディオレッツァ"こと20461 Dioretsaや、2016年にやはりPan-STARRSが発見した"Niku"なども、その傾斜角が大きすぎて逆回転と言えるような軌道を回っています。
ただ、2015 BZ509が特に個性的なのは、上にあげた2つの小惑星の公転軌道がどの惑星とも異なるのに対して、木星とかなり近い軌道を木星と同じような周期で逆回転しているところ。1周の間に2度ある木星とのフライバイ(接近通過すること)は、1度目で木星軌道の内側に引っ張られ、2度めは外側に押し出されるように作用しています。
観測データを分析した学者は通常なら小惑星が木星に飲み込まれたり、逆に弾き飛ばされたりするところを、うまく木星とバランスできたために、もう100万年ものあいだ安定して軌道を共有できていると分析しました。
2015 BZ509は、その他大勢に見向きもせずひたすら我が道を行く超絶ワガママな星かと思いきや、しっかりと木星のお世話になっているところが憎めないヤツという感じで面白いものです。そして、こんな例外をあっさりと許容する宇宙の懐の深さにもまた驚かざるを得ません。