むしろ今までなかったのが驚き。
子供の頃、顕微鏡で微生物を見るのってワクワクしましたよね。裸眼では見えないミクロの世界はどこか神秘的で、必死にプレパラートを動かしてミジンコを探した覚えがあります。
でも研究者にとって動く微生物を観察し続けるのはちょっとめんどくさい。特に何時間も何日も何週間もかけて少しずつ動く微生物や成長する植物を自力で観察し続けるのは非常に大変です。そんな悩みを解決するべくオーストリアの科学技術研究機関IST Austriaの研究者たちは夢の顕微鏡システムを生み出しました。Science | AAASによると、今回のシステムはbioRxivにて発表されました。
このシステムを開発する前、IST Austriaの研究チームは植物の根の細胞分裂を観察研究をしていたのですが、何日間も常に顕微鏡を調節し続け、写真を撮り続けなければならないという重労働を強いられていました。そこでチームは、簡単に顕微鏡のタイムラプス動画を撮影できるように、オリジナルのソフトウェアとハードウェアを開発しちゃったんです。
こちらはScience Magazineによる解説動画。
開発されたソフトウェアの、動く対象を自動的に追跡する機能自体は新しいものではありません。ハリウッドではすでに10年以上前から使われている技術です。しかし顕微鏡レベルで実用化するには、ソフトウェアが対象をロックオンしやすくする必要があるのです。そこで科学者は、植物のタンパク質をレーザーによって蛍光色に照らすライティングシステムを構築することに。ただ植物の成長を観察する目的なので、レーザーによって植物が死んでしまっては元も子もありません。そこで植