世界の各地で気象変動による被害が相次いでいる。アフリカ、ケニアでは激しい干ばつが国家的な災害となり、270万人もの人々、そして多くの動物たちが非常に深刻な水不足に苦しんでいるという。
そんなケニアで、たった一人で野生動物たちの救助活動を行っている男性がいる。農家を営むパトリック・キロンゾ・フワルアさんは、給水タンクトラックで、片道1時間以上の道のりを走り、ほぼ毎日動物たちに水を運び続けている。
彼はいつしか、「ウォーターマン」と呼ばれるようになった。
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ケニアの野生動物を助けたい
image credit:Facebook
「ケニアの野生動物たちを干ばつから救いたい」そう考えて一人で立ち上がった男性の名前は、パトリック・キロンゾ・フワルアさん。
トサボ・ウェスト国立公園の近辺ではなんと去年の6月ごろから全く雨が降っていないのだという。
パトリックさんはエンドウ豆農家の仕事の傍ら、毎日片道1時間以上の道のりを給水タンクのついたトラックをレンタルし、トサボ・ウェスト国立公園に住む野生動物たちに大量の水を運び続けている。
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いつしか動物たちと心が通じ合うように
水は地球上で暮らす動物たちにとって欠かせないものだ。飲み水はもちろん、水浴びをして体をうるおしたり、ノミや泥を落としたりなど、なくてはならないものである。
命をつなぐ大切な水を毎日運んできてくれる「ウォーターマン」を動物たちもいつしか心待ちするようになった。
パトリックさんが公園に着くやいなや、シマウマやゾウなどが瞬く間に集まってくる。水をためる大きな穴の周りに集まる動物たちの種類は多種多様で、皆がトラックから出る水を待ち望んでいるという。
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「昨日はバッファローが500頭ほど待っていてくれました。動物たちには水の匂いが分かるのでしょうね。すぐに近づいてきて、私のそばで一生懸命水を飲んでいました。とても喜んでいる様子でしたよ。」とパトリックさんは語る。
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パトリックさんはケニアで生まれ、ケニアで育ってきた。待てど暮らせど降らぬ雨に人々は焦る一方。そして、自分の愛する土地の愛する動物たちも水を飲むことができず次々と衰弱死していく悲惨な状況を目の当たりにしてきた。
「もし私が動物たちに水をやらなければ、動物たちはみんな死んでしまう。」パトリックさんはそう考えたという。
そんな今の環境を少しでも変えたくて、パトリックさんは数年前に水を運ぶ活動を開始した。
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動物たちを助けたい、その気持ちは真実だが、パトリックさんは本業はエンドウ豆農家であり、その仕事の合間に「ウォーターマン」としての活動をしている。
その活動のための費用がかさむのが悩みの種なのだそうだ。1回約1.2万リットルの水のための費用は日本円にして約2万8千円かかる。更に個人でレンタルしているトラック代、ガソリン代などもある。
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ウォーターマンに協力者が!
そんな彼の善行に人々が注目し始めた。国立公園を訪れた人々がパトリックさんの行動に胸を打たれ、手助けを開始した。インターネットで資金を募集するGoFundMeで寄付を呼び掛けたのだ。自分のことを省みず、自分の生まれた地に住む野生動物の命を救おうとする姿はたくさんの人々の心を動かしたようだ。
あっという間に10万ドル(約1130万円)もの資金が集まり、今もその金額は上昇していて現在は約2700万円にまで達しているようだ。
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現在パトリックさんは、動物たちへの給水活動以外にも自然保護プロジェクトを開始。地元の小学生たちに、ケニアに住む野生動物たちの大切さを伝える活動をしているんだそうだ。
「いつかは子供たちが私に代わってケニアとケニアの宝の動物を大切にしてくれることを願っています。」とパトリックさんは語っている。
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援助者や集まった資金のおかげで、近い将来パトリックさんはレンタルではなく、自分だけの給水トラックを手に入れることができるであろう。
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複数台のトラックがあれば、パトリックさんの給水活動は効率化され、さらに多くの動物たちの命が救われるだろう。
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「ウォーターマン」パトリックさんの任務は今後も続いていく。
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パトリックさんの活動が実を結び、一刻も早くケニアの人々ケニアの動物たちの水不足が解決することを世界中が祈っている。
via:facebook
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コメント
1. 匿名処理班
スーパーマンならぬウォーターマン、良いTシャツだ。
2. 匿名処理班
こういうことって本当は国家が行う事だよな
野生動物は観光資源にもなるんだし
3. 匿名処理班
大した人や
4. 匿名処理班
この活動は支援したい。とりあえず10$分寄付した。
5. 匿名処理班
いい話だなあ
6. 匿名処理班
すごいな。
日本からも募金出来るのかな。
7. 匿名処理班
人間に水貰っても野生かな
公園で餌貰ってる鳩だって飼われてるわけじゃないし野生か
8. 匿名処理班
申し訳ないんだが、一番気になったのが野生動物の中におりおりロバが1頭だけ登場してること。
なんなの?
あれも野生動物なのか?
9. 匿名処理班
彼の胸のスーパーマンのマークは伊達じゃないね。
10.
11. 匿名処理班
人工のオアシス
12.
13. 匿名処理班
リアル版ケモノフレンズだね。
流石にここまで「聖地巡礼」できる
ファンはいないだろ。
ドラゴンボールのナムさんですら
作り話だというのに彼は本当に素晴らしい。
アフリカの精霊の御加護がありますように。
14. 匿名処理班
ツァ!
15. 匿名処理班
感動した
この一言に尽きる
16. 匿名処理班
聖人と協力者と動物に幸あれ
17. 匿名処理班
すごいなあ、なんでこんな風に無私で他者を助けることができるんだろう
雨が降らないのは乾期だから? 異常気象のせい?
早く雨が降りますように
18. 匿名処理班
トム・クルーズ主演で映画化
19. 匿名処理班
根本解決になっていない。
彼自身は良いやつだと思うが。
20.
21. 匿名処理班
目頭が熱くなった
世の中にはこんな素晴らしい人もいるんだな
22. 匿名処理班
水道作れないか。無理か。
23.
24. 匿名処理班
心の狭い俺には理解できない…
水勿体ないやん
25. 匿名処理班
土に水が浸み込まないのかな?それにしても素晴らしい人ですね
26. 匿名処理班
自然に滅ぼされるのもまた自然だと思うがね。野生ってなんだろうね。
27. 匿名処理班
いい商売だなあ
28. 匿名処理班
良いことしてるんだろうけどもっと大きな副作用出ないかね。
動物達が遠くの水場への移動をしなくなるとか。
活動切り上げのタイミングで逆に多くが犠牲になったりしないか心配だ。
29. 匿名処理班
アフリカって雨男・雨女いないのかな?
30. 匿名処理班
※24
※26
何もせずに見殺しにするよりも遥かにいい方法だとは思うけどね。
それに本当に水がもったいないというのなら、バケツチャレンジとやらは流行らなかった。
動物の研究によって、人間の生活や技術に役立てられるものがあるから、この動物たちが絶滅するのは科学的にも生物学的にも壊滅的なダメージを被る。
31.
32. 匿名処理班
干ばつが永久に進行していくだけなのか、一時的な物なのかにも寄るかな
長期的に考えると住み良い環境を求めて移動するだとか、種として干ばつに対抗する手段を身に付けるチャンスを奪ってる可能性も無くは無い
短期的には素晴らしい行動だとは思うんだけど、擬かしい問題だね
33. 匿名処理班
※30
一応、動物も危機感を持たないと野生本能がなくなっちゃうぞ
絶滅する恐れが進化につながるし
この男のやる事は立派だが、動物保護を訴えて募金詐欺する所もあるからなぁ・・・
動物に酷い事をする密猟する人間と募金詐欺団体が実は同じ団体だったり
信用できるとわかるまでしたくないね。動物の為にも
34. 匿名処理班
※26
例えば人が、ライオンに襲われているシマウマをと言って助けるのはダメだと思う。
でも今回のような「対自然」というケースにおいては、ヒトも同じ動物の一種として力を貸すのは何も問題ないと思うな。人間が動物を助けても自然は困らないしね。
35. 匿名処理班
※32
>>種として干ばつに対抗する手段を身に付けるチャンス
何年規模の話をしてんねん
それだけあれば目の前の動物たちは死んで、干ばつに強い別生物が台頭してくるかもしれんけど
この人が救いたいのは目の前の動物でしょう?
36. 匿名処理班
一番いいのは乾期に耐える森林を作った方がいいんだろう。
飲み場が一ヶ所しかないなら、恐らく周辺の草は水を飲みに来た草食動物にさらに食われてバランス壊してるんだろう。
子供の頃から思うんだが、サハラ砂漠に横断する海まで抜ける大規模水路を作れば、蒸発した水分が砂漠周辺に恵みの雲を作るんだろうけどなぁ。砂漠化解決の一番の要因は水だから。
アスワンハイダムが出来てから、その溜めた水蒸気で降水量が増えた地域もあるし。勿論雨が増えたせいで乾燥向けの家が壊れたり、遺跡が侵食されたりで、二次災害は起きるけど。
37. 匿名処理班
定置でできる水場も自然界にはあるし、危機感がなくなることはないんじゃね?
水をまいている場所が肉食獣に襲われない場所ってわけでもなさそうだし
なんなら毎回水まく場所変えればいいだけだ
このおっさんだって、いつ何時なにかがあって水を撒くことができなくなる可能性もあるし、それもまた自然ではないか
38. 匿名処理班
なかなか出来ることじゃないですわ
尊敬する
39. 匿名処理班
※14
このコメントの意味を知るまでに五分とかからなかったが、もしこのコメントが無ければ知り得ない、もしくは知るまでに何年もかかっただろう。
ツァ=水のこと(どこの言葉や)
40.