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s喋り始めた1

藤田和日郎の週刊少年サンデー連載「双亡亭壊すべし」第50回です。

紅の期待通り、鬼離田姉妹の2人を救出した凧葉。
全員疲労し、命令が出ている事から撤退を口にした宿木だったが、まだみんなで力を合わせて戦っていないと言って凧葉は拒絶してしまう。
そんな凧葉の訴えに疲労困憊でありながら残留を表明して来た紅やフロルたち。
帰り道を心眼で見抜ける鬼離田姉妹までが残留を表明し、反対していたアウグストも決断するのだが…!?

アウグストまでが反旗を翻す展開に衝撃を受けた宿木隊長。
そんな宿木を無視して敷居を超えたアウグストだが、凧葉の言う「情報交換」は理解出来るのだという。
データを共有し、やれる事を検討した上で「撤退」を決めるのが正しい姿勢だと言うアウグスト。
ようやく自分たちがここで知った事を言い合う事になった一同だが、改めて紅は凧葉の力を感じる事になったらしい。

みんなの話をまとめ上げ、絵の中に引き込まれても乗っ取られないケースがある事を理解したアウグスト。
そのアウグストや宿木などはまだ絵の中に入った事がない訳ですが、この先充分に研究が進めば絵の中を自由に出入り出来る様になるのかも知れません。

s窒素2

自分の超能力が増した訳ではないのにおかしい事があると夫に報告したジョセフィーン・マーグ。
メアリーがおかしいと言うジョセフィーンだが、あんなに大きな火の玉を吐く子ではなかったのだという。
そんな話に端末をチェックし、屋敷内部に設置したセンサーの数値を調べたアウグスト。
「<双亡亭>内部の『空気』の構成要素の割合が外とは違う もしかしたら、キサマが正しいのかもしれナイ!」
「奴らは絵から出て来られないんじゃないか」という凧葉の意見を肯定したアウグストだが、調べたところ火球が大きくなったのは酸素が関係しているらしい。

屋敷内の空気は酸素約42%・窒素約56%・その他2%となっていると聞かされ、酸素が通常の20%の2倍になっていると驚く凧葉たち。
「ソコではナイ…減ってイル…いや、奴らが減らしテイル…気体はなんだ?」
「そうだ通常、空気の78%占めるハズが、ここでは56%まで少なくなってイル…」

そんな凧葉たちとは別の角度からこの結果を見ていたアウグストだが、「奴ら」には環境を自在に出来る能力があり、その力で「窒素」の空気中の割合を異常に低くしていると察したらしい。
仮説として「窒素」が多い空気中で奴らは「絵」から出て生存できると結論付けたアウグスト。
そんな話に「生き残った警官が外に出てきて液状に」溶けた話をブリーフィングで聞いた事を思い出した凧葉だが、乗っ取られた警官たちはこの窒素を減らした空気の中でだけ動けるらしい。

情報交換の結果、青一との合流前に自力で敵の弱点に到達した凧葉たち。
この情報を何とか外に伝えたい凧葉だが、宿木の通信機は受信のみでこちらからの発信は出来ないらしい。
s液体窒素3

そんな独自に「窒素」にたどり着いた凧葉たちだが、屋敷の外ではすでに「窒素」を使った作戦が動いていた様子。
「ニトロゲン化学」「トクナガ理研」に用意できるだけの液体窒素を準備させた総理たち。
元総理の北条さんは代々「トクナガ理研」の親会社の系列であり、そのコネで短時間で準備出来たのだという。
一方で、そんな無理な注文に動揺する関係者だが、無暗に空気中にばらまくと酸素が凝縮されて引火爆発したり、酸素の濃度が低くなって人が窒息したりするんだとか。
何やら作戦中、現場は危険な状態になりそうな雰囲気ですけど、これって凧葉たちの存在を確認出来なければ全員死亡と判断して液体窒素を投入する事になっちゃうのかな?
そうなった場合、正に絶体絶命の危機に陥る訳ですけど、もしかすると全員で絵の中に避難するなんて展開もあるのかも知れません。
s近づいて4

「窒素使用の作戦」の立案を急ぐ斯波総理たち。
あと15分たらずで問題の<双亡亭>に到着すると青一に伝えた桐生防衛大臣だが、すでに本人は臨戦態勢だった様子。
感覚で敵地のすぐ近くまで来ている事を理解する青一。
誰よりも<双亡亭>破壊に執念を燃やす青一ですけど、元から対抗手段を持っているだけに<双亡亭>側がどんな反応を示すのかは気になります。
s地下5

窒素という敵の弱点を知るも、外に伝える手段がなく困惑する凧葉たち。
そんな凧葉に一番大切な事がまだ分からないと言うアウグストだが、<双亡亭>は何をしたいのか、奴らの目的が分からないのだという。
そんな話に博士と合流する前、森田が絵に取り込まれた直後に経験した事を話し始めた宿木隊長。
大勢の気配を感じて身を低くして下を覗いたという宿木だが、数えきれないほどの人たちが螺旋階段を下って行ったらしい。

そんな彼らの手には木切れや板を持っていた者もいたという宿木隊長。
「私は…奴らの目的が地下に在るように思えてならない」

何と、<双亡亭>の地下に奴らの真の目的が隠されている?
そんな話に宿木にも敷居をまたいでもらい、奴らが地下で何を狙っているかを突き止めなくてはならないと言うアウグスト博士。
思えば真条寺総理の身体を乗っ取った者が双亡亭から石神井川まで水路を作らせようとした事があったそうですけど、もしかすると彼等だけで何年もかけて地下水路を作り上げているのかも知れません。

そんな敵の本丸にこれから乗り込もうとする凧葉たち。
恐らくは鬼離田三姉妹の長女やアウグストの娘ナンシーもそこにいると思いますし、光も届かない闇の底で本当の恐怖劇場がこれから開幕するのかも知れません。

ウィキペディア:藤田和日郎
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