氷の下の温かい海で、水素が大量生産されてる。
土星の衛星エンケラドゥスは、表面こそ氷で覆われているものの、その下には流れる海があると言われてきました。さらに今週NASAは、その海の底では生命のエネルギー源となる水素が大量に生み出されているらしいことを発表しました。つまりエンケラドゥスは今、地球以外で生命体が存在しうる可能性がもっとも高い星になったのです。
Scienceに発表された新たな論文によれば、エンケラドゥスの海では水素分子が大量に生産されています。何が水素を生み出しているのかというと、もっとも強く考えられるのは、氷の下の海で高温の岩と水が水熱反応を起こしていることです。とすると、エンケラドゥスには温かい水に有機物、ある種の鉱物に加えて、微生物の命を支えるエネルギー源まで存在しているんです。地球でもマグマの通り道近くにおける水熱反応は、複雑な生態系を支えていることが知られています。
エンケラドゥスは木星の衛星エウロパに比べるとそこまで知られていませんが、太陽系の中ではもっとも興味深い存在のひとつです。直径は約504kmで、地理的には若く、地表はつねに変化しています。その軌道は円形ではないため、重力で軌道が曲がっていると考えられており、その歪みがエンケラドゥスの核に熱を生じさせているのではないかと考えられています。またこの潮汐力からくる熱によって、深さ60kmに及ぶと言われる液体の水が大量に存在しうるのだとも考えられます。火星より、木星よりも太陽から遠い土星の衛星に液体の水があるのは、そういうわけなんですね。
この地下に存在する海の水温は、海底では摂氏90度にもなると言われていて、そのため地球外生命体が存在しうる強力な候補となったのです。
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