9534249米雑誌「Mindful」オンライン版(2月16日付)などによると、ノースウェスタン大学フェインバーグ医学院の研究者らが、脳の機能と「鼻呼吸」が密接に関係していることを突き止めたという。



鼻呼吸と口呼吸、脳への影響に圧倒的な差があることが判明!


しばしば鼻呼吸の方が頭に良いといわれるが、実はそれには脳科学的な理由が存在する。

嗅覚皮質における電気刺激の調整において鼻呼吸が極めて重要な役割を果たしており、嗅覚系と隣接する情動・記憶・行動に関与する大脳辺縁系にも大きな影響を与えていると考えられているからだ。

そのため、匂いはしばしば記憶を鮮明に蘇らせることがある。今回の研究も上述の仮説の延長線上に位置づけられるものだ。


口呼吸と鼻呼吸



呼吸と脳の関係は今回の研究のみならず、脳科学の分野で盛んに研究されており、先行研究では、瞑想が及ぼす身体への効能も実証されている。

2011年に米ハーバード大学の研究者らが行った研究では、呼吸を重視する瞑想が記憶や感情に関わる灰白質を再建する働きを持つことが判明している。
被験者に27分間のマインドフルネス・エクササイズをするよう指示したところ、たった2カ月で記憶力などが強化されたそうだ。


口呼吸を改善する「あいうべ体操」



また、ハーバード・メディカル・スクールのハーバート・ベンソン博士らが行った2015年の研究でも、ストレスにより引き起こされるといわれている、大腸の運動や分泌機能の異常で起こる病気「過敏性腸症候群(IBS)」が瞑想により緩和すると報告されている。

2009年に発表されたカリフォルニア大学の研究に至っては、瞑想や呼吸の調整により寿命まで延びる可能性が指摘されている。適切な呼吸は、寿命や若返りの鍵を握ると近年注目されている「テロメア」を長くするからだという。


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