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北九州のカナッペが違う - デイリーポータルZ:@nifty

 

みじかい記事 2017年4月18日
 

北九州のカナッペが違う

カナッペ。
カナッペ。
「カナッペ」で画像検索するとリッツパーティーみたいな写真が出てくると思う。

一口大に切ったパンやクラッカーにチーズや野菜などを乗せた軽食、それがわれわれの思い描くカナッペではないだろうか。正直あまり食べたことはないけれど、たぶん美味しいんだろう。

しかし先日、北九州で食べた「カナッペ」がまったく違ったので報告します。
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。
> 個人サイト むかない安藤 ツイッター

それは小倉の旦過市場にありました

北九州市小倉にある旦過市場は、市街地のど真ん中にあるのだけれど、ちょっとここだけ周囲と雰囲気が違う。
旦過市場入り口のひとつ。
旦過市場入り口のひとつ。
なんというか近代的な都市にぽっかりと空いたワームホールみたいな空間なのである。

僕はここが好きで小倉を訪れるたび立ち寄るのだけれど、どうしてこんなに好きなのかと考えたところ、前に住んでいた沖縄にも同じような雰囲気の市場があったからかもしれないなと思い当った。沖縄の市場についてはDEEokinawaが詳しいので読んでみてもらいたい(たとえばこれ)。

観光地として整備された場所ではなく、地元の人向けに古くからずっと栄えている場所。一般的な観光地にひととおり行き尽くした旅行者を、日常のテンションで迎えてくれる。

そんな旦過市場には肉も魚も野菜もたこ焼きも、それこそなんでも売られている。
中央にずばっと通った道から枝道が血管みたいに伸びている。
中央にずばっと通った道から枝道が血管みたいに伸びている。
肉屋には肉が。
肉屋には肉が。
果物屋には果物が売られている。ザボン(でかいみかん)がむかれて売られていたりもする。
果物屋には果物が売られている。ザボン(でかいみかん)がむかれて売られていたりもする。

カナッペは小倉かまぼこに

旦過市場を歩いているといろいろなお店からそれぞれのいいにおいがしてくる。食べ歩きするのにちょうどいいものが多いので、かなり強い意思を持って進まないと途中でお腹いっぱいになってしまう。

そんなお店の並びに「小倉かまぼこ」がある。
小倉かまぼこ。
小倉かまぼこ。
その名の通り、売られているのは主に練り物です。
その名の通り、売られているのは主に練り物です。
かまぼこ屋さんというだけあって、ショーケースの中は主に練り物が並んでいるのだけれど、真ん中あたりにひとつ気になるものを見つけた。
カナッペ。
カナッペ。

カナッペが違う

カナッペである。

文字だけ見るとかまぼこ屋さんになぜ?と不思議に思うのだけれど、よく見るとこのカナッペ、思っていたカナッペと違う。
お店の中ではカナッペをはじめ、練り物が次々と作られていた。
お店の中ではカナッペをはじめ、練り物が次々と作られていた。
ひとつ買ってみた。
このカナッペ。まだ温かいぞ。
このカナッペ。まだ温かいぞ。
できたてのカナッペはほんのり温かかった。ひとつ140円。「すぐ食べます」と伝えると簡単にビニール袋に入れて渡してくれる。

受け取ったら一刻も早く食べてほしい。
うっわ、うっま。
うっわ、うっま。
揚げたてのカナッペはサクッとした衣の中に、玉ねぎニンジンと胡椒の効いた練り物が入っている。衣に薄い食パンを巻いて揚げてあるのだとか。

カラッと揚がった食パンの衣のおかげでさつま揚げみたいなウェットな感じはなく、どちらかというとスナック菓子みたいな歯ざわりである。それでいて中の練り物はしっかりと弾力があって味も濃く、ピリッと胡椒が効いている。これを片手にビールでも飲んだら世界から争いごとなんてなくなるだろう。

「カナッペ」という食べ物はこの小倉かまぼこさんのオリジナルらしいのだけれど、他のお店でも似たようなものが売られていた。
こちらはパン巻。
こちらはパン巻。
パン巻もカナッペと同じく魚の練り物にパンを巻いて揚げたものでした。カナッペみたいに胡椒が効いていないので、酒のつまみというよりもおかず寄りか。
パン巻もカナッペと同じく魚の練り物にパンを巻いて揚げたものでした。カナッペみたいに胡椒が効いていないので、酒のつまみというよりもおかず寄りか。
このパン巻練り物文化は前に長崎で見つけた「ハトシ」に近いと思うが、カナッペの方がハトシよりも小さくて、味が濃くカラッとしている。もしかしたら九州には他にもこういうパン巻練り物があるのだろうか。それだけめぐって有給ぜんぶ消化してもいい。

小倉はパンの街なのかもしれない

パン巻練り物「カナッペ」の美味さにやられて翌日も買いに行ってしまったのだけれど、他にも小倉にはうまいパン屋さんがいくつもある。もしかしたら小倉はパン好きが集まる土地なのかもしれない。
行列のできるパン屋さん「シロヤ」。パン屋さんというか、パンも売っている洋菓子屋さん。
行列のできるパン屋さん「シロヤ」。パン屋さんというか、パンも売っている洋菓子屋さん。
名物オムレット。脅威の40円。
名物オムレット。脅威の40円。
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