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第4回 ファミコンパケ絵の世界!! ~その魅力の謎に迫る!!編~
 

第4回 ファミコンパケ絵の世界!! ~その魅力の謎に迫る!!編~


 こんにちは。ファミコン研究家のオロチです。
 今回は普通に語ります。


<イメージを掻きたてたファミコンのパケ絵>

 ファミコンパッケージには独自の魅力があります。たとえば当時のゲームはパケ絵と実際のゲーム画面が違っていて当たり前でした。したがってファミコン少年たちは、パケ絵を見てイメージ(妄想とも言う)を膨らませていたのです。

 中にはあまりのギャップに落胆する者もいましたけどね(笑)

 darenanda0061.jpg
 ※『マドゥーラの翼』パッケージより


 たとえば小学生のとき『マドゥーラの翼』をジャケ買いしたS君は、ゲーム内の主人公ルシアの姿に「ぜんぜん違うじゃねえか!」なんてまったく言わないタイプでした。むしろ喜々としてプレイしてましたね。

rusia001.jpg

 もしかしてS君にはドット絵姿のルシアが、パケ絵となんら変わらない姿に見えていたかもしれません……




<ルシアの口は開いているか論争>

 こんなエピソードがあります。

 ルシアは泉で体力を回復することができるのですが、そのとき、S君は「ルシアの口が開いてる!」と言って譲らないんですよ。いやいや、そんなことないでしょとケンカになってしまったことがあったのです(笑)

rusia033.jpg

 写真ではわかりづらいですが、実際のゲーム画面を見てみると、たしかに回復の泉はチラチラと流れているので、ドットの一部がルシアの顔と重なることによってそう見えなくもないんです。

 でもね……
 僕は気付いたんですよ。
 そういうことじゃなかったんだなって……

 今は、S君の中では「ルシアの口は開いていたんだな」って素直に認める気持ちでいっぱいです。それは彼がたった一枚のパケ絵から妄想を膨らませた結果だったんじゃないでしょうか。いわゆる「感情移入」ってやつですね。 ※1

 そこには、ファミコンの時代のゲームは極端に公式イメージが少なかったって事情も関係すると思われます。とにかく、たった一枚から脳みそが擦り切れるまで妄想するしかなったのですよ。そりゃあ口ぐらい開いて見えますって(笑)  ※2


 ※1 そもそも飲んでるんじゃなくて、浴びてるんじゃない? ってツッコミはしてあげないで下さい(笑)
 ※2 ちなみに本作品は何度か漫画になっていますが(みなづき由宇版、もりけん版等)、当時、S君がそれを知っていたかは謎……




<出て来ないキャラクタすら描かれていた>

 『マドゥーラの翼』には他にも特筆すべき点があります。それはこの黒いおっさん……

rusia002.jpg

 ラスボスの「ダルトス」なんですが、なんと驚くべきことに実際のゲームには出て来ないのです。化け物姿でしか出て来なくて、とくに説明もなかったんですよ。今、こんなことしたら炎上しちゃうかもしれませんね(笑)


 でも当時、ほとんど問題になりませんでした。(イジられた程度)
 
 それは、ファミコンのパケ絵が、当時のハード性能や容量の関係で再現できなかった理想のイメージや、盛り込めなかった設定などを補う機能も果たしていたからなんじゃないかなって思うわけです。

pakee012.jpg

 もちろん、すべてのゲームがそうだったとは言いませんが「ゲームの進化=この3つの間隔を縮めること」だと考えるとわかりやすい。

 したがって不気味の谷現象じゃないですけど、この間隔が下手に狭いと逆に気持ち悪いってこともあるんですよね……




<パケ絵には独自の世界観すらあった>

 そう考えるとファミコンのパケ絵に、独自の魅力があってもおかしくありません。たとえばこんなツイートを引用させてもらいましょう。


 『ガーディック外伝』のパケ絵には独自の世界観がありましたよね。

 余談ですが当時、デザイナーがファミコンのパケ絵の依頼を受けた場合、十分な情報を得ていることは稀だったらしいですよ。したがってゲーム内容とかけ離れたパッケージ絵が誕生することもあったそうです。

 いくつか頭をよぎるなあ(笑)


 まさに「時代の妙」ですよね。そういうところもまた魅力なんですよ。ホントに。





<奇跡みたいな時代・奇跡みたいな物体>

 そろそろまとめに入ります。現在のゲームはスマホやダウンロードが主流になりつつあります。つまりパッケージは消えゆく存在なんですよね……

 参照記事:海外流出よりも深刻!? レトロゲーム消滅問題について

 元々ゲームはデータの集まりですから、わざわざパッケージ化して売っているほうが不自然だったのでしょう。100年、200年もすれば「ゲームをわざわざ物体にして売ってる時代があった!」なんて未来人たちに驚かれるかもしれません(笑)

 でも、だからこそこんな奇跡みたいな時代に生まれた奇跡みたいな物体を、僕は大切にしていきたいんですよ。ほら、昔から、大切に育てた娘のことを「箱入り娘」なんて言うじゃないですか。日本人にとってやっぱり箱って格別なんだと思うわけです。


Super Famicom: The Box Art Collection
 ※スコットランド人の熱狂的スーファミマニアが発行したボックスアート集(Amazonリンク)

 もちろん日本だけじゃありません。海外では「BoxArt」と呼ばれ芸術のひとつと見なされてますからね。パケ絵の魅力はワールドワイドなんです。


 ということで次回は紳士のたしなみ 谷間編(2)です(結局は)
 お楽しみに~!

<ファミコンパケ絵の世界 シリーズ>

1.お前は誰なんだ編(1)
2.背景と同化してる薄いおっさん編
3.紳士のたしなみ 谷間編(1)
4.その魅力の謎に迫る!!編
5.紳士のたしなみ 谷間編(2)
6.夜空に浮かぶお月さま編(1)





 ※以下のテーマも更新準備中です。気になるテーマがあったらどしどしリクエスト下さい

 勇者の剣はキラリと光る編、なぜか天気が悪い カミナリ編、ファミコンパケ絵は城でもつ編、敵に捕まってるお姫様・ヒロイン編、ガオーポーズしてる巨大なおっさん編、シュワちゃんのそっくりさん(もしくは本人)編 スタローンもおるでよ!! 他

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yesなどのレコードジャケットを手がけた英デザイナー(スペースハリアーの世界感に影響を与えたともいわれる)、ロジャーディーン氏のFrayja's Castleを使用したスーパーブラックオニキスのボックスアートも取り上げて下さい
4435. [ 2017/04/23 13:46 ] [ 編集 ]
そうでしたね、たしかうちのブログで言及したことあるぞと思ったらこちらの記事の気になるファミコンネタでした。
ttp://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-404.html
アーティスト特集ということで、いろいろ調べてみます。
4436. [ 2017/04/23 22:52 ] [ 編集 ]
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