建物の常識を変えるかもしれません。
ビル、橋、高速道路など、日本のインフラを支えている建造物たち。それらのほとんどはコンクリート製であるため、耐久年数が決まっています。特に高度経済成長時代に作られたものはその多くが限界を迎えており、大幅な補修などが急務の状況です。
しかし当然ながら、それらをすべて作り直すにはたくさんのお金と時間が必要です。でも、もし傷まないコンクリートがあったら…。
そんな、まるで夢のような素材を発明したのが、株式会社ニッコー代表の塩田政利さん。そのロングインタビューが、IBMのWebメディアMugendai(無限大)に掲載されています。
塩田さんが開発した夢の素材の正体とは、「液体ガラス」。ガラスと言えば、普通は固くて何かに塗れるような物体ではありません。溶かすにも、1400度以上の高温にさらす必要があります。
しかし塩田さんは、長年試行錯誤を重ねて独自の特殊技術を開発。ついに常温でのガラスの液体化に成功しました。この液体ガラスで建造物をコーティングすることにより、強度は大幅に増します。
そもそも、鉄筋コンクリートの最大の敵は「錆」。建造物に使われる鉄筋コンクリートの中では、コンクリートを作る際に混ぜられる水が徐々に蒸発し、内部に隙間ができます。そこに雨水が浸透して乾くと、雨水の成分である塩分、酸がコンクリートの中に残り、これが鉄筋を錆びさせる原因に。鉄はさびると膨張