手の中サイズに赤外線や紫外線センサ、温度センサに加速度センサを詰め込んだBluetooth接続の多機能センサ「AllBe1」が届きました。このAllBe1、2015年6月にクラウドファンディングのIndiegogoで資金を募っていた製品で、もともとの出荷予定は2015年12月。1年以上遅れての出荷となりました。
外観
全長は4㎝ほど。最近種類が増えてきた置き忘れ防止のBluetoothタグと比べると、若干大きいです。キーホルダーに取り付けることはできますが、財布には入りません。背面にはボタンが1つ。長押しで電源ボタンになるほか、あとで説明するMulti Buttonとして利用します。
側面には充電用のmicroUSBポート。使用方法にもよりますが、バッテリーは1回の充電で60日持つとのこと。
クリップや机上に置くスタンドタイプのアタッチメントが付属。簡単に取り換えることができます。
ちなみに、AllBe1自体はブザーやスピーカーの類を搭載しておらず、音を出すことはできません。あとで紹介しますが、動きの検知や赤外線による人の検知などができるので、音を出せると使い道が広がりそうなだけに、ここはちょっと残念です。
1台9役の多機能ガジェット
最初に書いた通り、AllBe1は以下の4つのセンサを搭載します。- 温度センサ
- 紫外線センサ
- 赤外線センサ
- 加速度センサ
各動作はすべてスマートフォンアプリから設定します。紫外線センサと温度センサを一緒に使うなど、同時に複数のセンサを利用することも可能です。
▲アプリはAndroid、iOSのどちらでも利用可能
Indiegogoでは歩数などを計測するアクティビティトラッカとしても利用可能と説明されていましたが、この機能はなくなってしまいました。
Burglar alarm(赤外線センサ)
赤外線センサを利用して、AllBe1の前を人が通ったときにスマートフォンにアラームを出す機能です。検出可能な範囲は最大で3mほど。アラームが出せるのはBleutoothの到達範囲内にペアリングしたスマートフォンがある場合に限られます。
ただし、このモードがONの場合にはAllBe1はBluetooth接続が切れても動作を維持。センサーが反応した場合にはイベントログに日時を記録するので、あとから確認可能です。
▲中央の白い部分が赤外線センサです。
▲Burglar alarmの設定画面(左)とアラーム画面(右)
実際の動作は下記。この機能に限らず、アラーム系の動作はすべて同じです。
Movement detection(加速度センサ)
動いたことを検知し、スマートフォンにアラームを出す機能です。車やオートバイなどに取り付けて盗難防止で使ったり、引き出しに入れておけば開けられたことを検知できます。このモードもBurglar alarmの場合と同様、Bluetooth接続が切れていても本体内のイベントログに記録を残します。
▲Movement detectionの設定画面。検知レベルも設定できますが、Low Levelでもちょっとした振動で発報します。
UVセンサ、温度計
紫外線量や設定値以上になったり、温度が設定範囲から外れたらアラームを出す機能です。外出時にペンダントのようにぶら下げたり、赤ちゃんの寝ている部屋に置いておき、暑すぎたり寒すぎたりしないかを監視できます。
▲温度センサの画面(左)、紫外線は発報レベルを指定して使います(右)
Out of range、Kid in the car
カバンやパソコンに着けて置き、Bluetooth接続が切れたらアラームを出す機能です。一般的な置忘れ防止用途です。接続が切れたときにアラームを出すLong rangeと、接続していても信号が弱まったらアラームを出すShtor tangeが選べます。
また、このShrot rangeの応用として、子供を車に置き忘れないよう、数メートル離れたらアラームを出すKid in the carという機能が別途用意されています。Short rangeだけでいい気もしますが・・・。
▲Out of range(左)とKid in the car(右)
Lock
AllBe1との接続が切れた場合に、スマートフォン側にロックをかける機能です。これを使わなくても、Androidの標準機能であるSmart Lock機能(設定した機器がBluetooth接続している場合はパスワードなどのロック解除が不要になる機能)でいい気がします。
Multi button
AllBe1をBluetooth接続のボタンとして使う機能です。割り当てられる機能は下記。
- Find my Phone:スマートフォンから音を出して見つける
- Call Phone:設定した番号に電話をかける
- Send SMS:設定した相手に設定した内容のSMSを送る
- Take a Photo:写真撮影
- Caputure audio:録音開始
▲Multi buttonの設定画面
Track
スマートフォン側からAllBe1を探す機能です。AllBe1から音は出ないのですが、信号の強度によってスマートフォン側から出る音のピッチが変ります。
あともう一歩
正直な感想としては「面白みはあるけどもう一歩」というところです。赤外線による動体検知は、1人暮らしの女性が玄関や窓際に仕掛けておけば、簡易的な侵入警報として使えそうです。ただ、スマートフォンがBluetoothの範囲内にないと音が出ないというのが残念なポイントです。加速度計を使った移動検知にしても、本体から音が出ればもっと使い道が広がると思います。どちらの場合でも、使用していないスマートフォンを近くに置いておき、そこからアラームを出すなどの工夫をするといいのかもしれません。
デバイスとしてはこのサイズに良く詰め込んだという感じなので、あとはアプリ側の出来次第。IFTTTなどのサービスと連携できるようになるといろいろな事ができそうなので、その辺りを今後に期待したいところです。
AllBe1は現在、公式サイトから1つ$54で購入可能です。