カリフォルニア州のサンフランシスコ湾内に浮かぶアルカトラズ島には、1963年までアメリカ史上最も有名な連邦刑務所があった。鉄壁の牢獄と言われたその刑務所には主に凶悪犯が収容された。脱獄不可能と言われ、監獄島、ザ・ロックとも呼ばれていた。
常時202〜302名の囚人が暮らし、1,500名以上の男たちが人生の一時期そこを住み家とした。刑務官やその家族といった民間人も300名ほど暮らしていた。
監房BブロックとCブロックを合わせて336房。Dブロックは隔離監房36房と懲罰房6房。囚人は月に1度の面会を許されていたが、物理的な接触や刑務所内の出来事について会話することは認められなかった。
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刑務所内での囚人による殺人事件は8件。5名が自殺し、15名が自然死した。遺体安置所はあったが、検死を行うリソースはなかった。
36名が脱獄を企て、7名が射殺、2名が溺死。5名が消息不明であるが、辻褄の合わない証拠にも関わらず溺死と発表されている。以下はアルカトラズで撮影された写真である。
15. 刑務所長の建物
刑務所長が使用していた建物。過酷な職務に配慮して、可能な限り快適に作られていた。”古い塩水”という通称で知られた初代所長ジェームズ・ジョンソンは、14年という最長の任期を務めた。彼には警備もつけずに囚人と一緒に食事を摂る習慣があり、囚人に襲われてもそれを止めなかったという。
最後の所長となった4代目オーリン・ブラックウェルは大酒飲みで、囚人に対して寛大だったことで知られている。1962年には、休暇中に脱獄事件まで発生させてしまった。
14. 押収品
ナイフの類で、脱獄や刑務所内の暴行事件に使われたものと考えられている。多くは施設内の備品を盗み出したものである。また囚人が作ったものもあった。牛乳の紙パックを乾燥後、折りたたんでは鋭く尖らせたもので、実際に人を殺すこともできたという。
13. 囚人にとっての我が家
アルカトラズの囚人にとってはここが家だ。1.5 x 2.7メートルの区画で、囚人は両手を伸ばせば両側の壁に触れることができた。中には小さな流しとステンレス製のトイレが備え付けられている。ただしトイレには便座も蓋もない。また今日の刑務所とは違い、同房者はいない。それでも懲罰房に比べればましだ。
12. アル・カポネ
犯罪史上有数の犯罪者であるアル・カポネもアルカトラズに収監されていた。思春期前のポン引きを皮切りに犯罪人生を歩み始め、1924年には犯罪行為によって週10万ドルを荒稼ぎしていたと言われている。
年の稼ぎはインフレも加味した現在の価値で78億円にも相当した。稼ぎすぎたために脱税の容疑で逮捕され、11年の刑期を過ごし1939年に釈放。その後、マイアミのパームアイランド島の自宅で梅毒の合併症によって亡くなった。
11. モリスの身代わり
囚人の顔を注意深く観察すると殴られてアザだらけにも見える。が、実は首から下はない。といっても本物ではない。これは脱獄を企てる囚人が看守の目をごまかすために作ったものだ。
フランク・モリスらの3人組は、囚人向けの画材店で手に入れた絵の具と床屋で集めた髪の毛を利用して、ダミーの頭部を作成。看守を欺き、夜間にいかだで脱獄を図った。警察は溺死したと断定しているが、死体は見つかっていない。映画『アルカトラズからの脱出』はこの話をモデルとしたものだ。
10. グリーンマイル
処刑台へ向かう囚人……ではない。別の刑務所に移されることになった囚人の姿だ。アルカトラズは1963年、老朽化と財政難のために閉鎖された。50年以上前のことであり、当時の囚人が生きていたとしてもごく少数だろう。
前述したフランク・モリスの3人組は脱獄に成功して生きているという噂もある。海に囲まれた島からの脱出は不可能として、公式には死亡したことになっているが、彼らが自由を取り戻したことを示唆する証拠もあるのだ。
9. ステーキナイフのコレクション
囚人には料理や給仕といった家事の類の仕事が割り当てられており、こうした道具を日常的に使うことができた。
脱獄や、他の囚人を襲って自らの地位を確立するための道具が欲しい囚人は、それをくすねた。更生の手段として、あるいは責任感を芽生えさせたり、勤労の価値を教えたりすることを目的として、こうした仕事を与えることは一般的なことであった。刑務所運営のコスト削減という意味合いもあった。だが、凶悪犯に武器となるものを託すなどちょっと考えられないことだ。
8. 保健室
普通の監房を改修したもの。ここに入りたいと思ったら、刑務所内で刺されてみればいい。いわば保健室であり、一時的に医療的ケアが必要になった囚人が入れられる。
ちょっとさぼれる学校の保健室を連想してはいけない。仲間内で袋叩きにされるなど、過酷な状況でここに運ばれてくるのだ。
7. 病院
長期的な治療が必要と判断されれば、こちらに入れられる。普通の監房よりもずっと陰鬱で、精神病院のような雰囲気がある。酷い傷を負っていたり、免疫が弱っていたりするのに、普段の場所よりも一層不潔なところに閉じ込められというのだから治るものも治らないかもしれない。
6. キッチン
薄暗いキッチン。衛生指導員がいたら、アルカトラズ閉鎖の別の理由にも挙げられていたかもしれない。こんな場所に食料が保管されていたら、そこで作られる料理も思いやられるというものだ。
真面目な話、ここでは人間の食用に適さないようなものも出されていたと言われている。アメリカでは現在も囚人からの食事への不満が絶えない。おそらくアルカトラズでもそうだったろう。
5. 機関銃のケリー
囚人番号117番、機関銃のケリーはアル・カポネと同じ禁酒法時代のギャングだ。17年間の囚人生活では見事なまでに教化され、他の囚人によって豆鉄砲のケリーと改名された。模範囚だったのだ。
彼の犯罪で最も有名なものは、石油王チャールズ・アーシャルの誘拐だ。20万ドルの身代金をせしめたが、証拠を残してしまったために逮捕された。1954年7月18日、心臓発作で死亡。その日、59歳の誕生日であった。
4. 休み時間
刑務所構内でのひととき。チェスやトランプなどで遊ぶことができた娯楽スペースだ。が、そう見えて脱獄やさらなる犯罪の計画を練っていたのかもしれない。もちろん喧嘩もあったろう。囚人同士が一番のびのびできた場所なのだ。
ホールや食堂にも囚人が集まったが、そこには看守の目があった。ゆえにそうした監視がないこここそが、刑務所の中心であり、最もディープな場所だった。
3. 懲罰房
この厳重な扉の後ろに懲罰房がある。刑務所の中の刑務所と呼ばれる場所だ。重大な規則違反をした囚人が入れられ、一度そうなれば、1日23時間はここで過ごす覚悟を決めなければならなかった。
1日あるいは数日に1時間だけ休み時間として外に出ることを許される。また賭博で借金を負った者、密告者、元警官といった、囚人から殺される危険がある者を守るためにも懲罰房は利用された。
2. 窓のない部屋
通風口のようだが、監房の窓である。逃亡を防ぐために目の細かい金網が張られ、外の景色を楽しむことはできない。かすかな陽の光は入ってきたが、それがすべてだ。
清潔なシーツに真新しい枕といったものも期待できない。ここは刑務所だ。囚人は薄いマットを床に敷いて眠る。長くいれば体重も落ちる。
1. 石鹸を落としてはならない
囚人のシャワー室だが、娯楽スペースよりも危険だったかもしれない。ここに入らなければならない状況に直面した看守は、さぞ気が重かったことだろう。
囚人による刺殺事件が頻発した場所だ。殺人を犯したくなるような雰囲気を醸し出しているのだろう。血液や証拠の類は、水で洗い流してしまえばいい。また性的暴行もよく発生した。
via:15 Most Chilling Photos Taken At Alcatraz / translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
クリント・イーストウッドが収監されたとこかー
2. 匿名処理班
ウォッチドッグス2でここ来た。
3. 匿名処理班
犯罪者に甘すぎる
だから再犯が起こる
4. 匿名処理班
ルパン三世ではここの地下にパラダイスがあり
それを知ったケネディーが閉鎖したことになってるが
これを見ると絶対にあり得んと思う
5. 匿名処理班
映画のテレビ放送版は山田康夫、納谷五郎、小林清志が吹替えという
いろんな意味でお宝でしたw
6. 匿名処理班
記事の左側の画像の顔はなんやろ
7. 匿名処理班
>石鹸を落としてはならない
あぁ、拾う時に尻を突き出すような恰好になるからか・・・。
8. 匿名処理班
※3
ノルウェーの刑務所で画像検索してごらん。
その刑務所で過ごすのに再犯率はとても低い。
厳しくすればおとなしくなるってのは必ずしも当てはまらないということ。