マイクロソフトの共同設立者ポール・アレン氏が設立した航空宇宙ベンチャーStratolaunch Systemsが、「世界最大の飛行機」を公開しました当初2016年には飛行テストを実施する予定だったこの双胴機は両翼端が117mもあり、総重量約227トンまでの衛星打ち上げロケットを抱えて上空約1万mの高さへと運びます。
機体を開発するStratolaunch Systemsは、マイクロソフトのポール・アレン氏とScacled Compisites創業者バート・ルータン氏が2011年に設立しました。「Roc」と名付けられた巨大な双胴機は、その中央に人工衛星などを納めたロケットをぶら下げる格好で飛び立ちます。上空へはボーイング747から転用するエンジンを6基使い、天候に左右されないはるか上空まで上昇したのち、地球低軌道へ向けてロケットをリリースします。
Rocの機体はStratolaunch Systemsが開発。製造はこれもバート・ルータン氏が設立者であるScaled Compositesが担当します。一方、積荷となるロケット部分は、当初はSpaceXが関わりFalcon 9をベースしたものになる予定でした。ところが2013年に長期的ビジネスモデルの相違から両者は袂を分かち、現在はOrbital ATKがロケットの開発を受け持っています。
Stratolaunch Systemsは現在、このモハベ砂漠に構築した格納庫でRocのフューエルテストを実施中。その後もジェットエンジンへの火入れなどを行い、2018年には初飛行を、そして2019年初頭にはロケットの空中打ち上げ実験を実施する予定。「2010年代が終わる頃には」完全な運用へと持っていきたい構えです。
.@Stratolaunch came out of the hangar for fuel testing. More pictures soon! pic.twitter.com/RCNgSpgG6W
— Paul Allen (@PaulGAllen) 2017年5月31日
ロケットの打ち上げにはどうしても天候が影響し、状況によって延期を強いられることもしばしば。その点、嵐のないはるか上空まで出てからロケットをリリースするというアイデアは合理的です。ただRocが飛び立つ飛行場が嵐に見舞われれば、やはりロケットの打ち上げは中止せざるを得ない気もします。どちらかといえば、上空からの打ち上げによるロケット燃料の節約が、コスト面で貢献するビジネスモデルと言えそうです。