ポケモンGOのスポンサー料が開発元より公開。来客一人あたり0.15〜0.5ドル、売上は約84億〜280億円か
割引クーポン配布と違い、店側の手間が比較的掛からないというメリットも
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日本でもスポンサーを増やしているポケモンGO。トレーナーであればふと気になったことがあるであろう、ポケストップやジムのスポンサー料に関する話が、ポケモンGOの開発と運営を担当する米ナイアンティックへのインタビューなどより公開されています。
ある程度幅があり、また一部推定が入る状態、との前置きは必要ですが、スポンサード・ロケーション(提携先の企業からスポンサー料が支払われる場所)金額は、来客一人あたり0.15ドルから0.5ドルとなります。
これまでナイアンテックはスポンサー料を明らかにしていませんでしたが、これによりある程度の売上が概算できそうです。
事の発端は、ブラジルの新聞Globo誌に掲載された、ナイアンテック戦略的提携担当の副社長Mathieu de Fayet氏のインタビュー。同誌によれば、氏は
- 特定の場所でプレイヤーにアイテムを提供する対価として、パートナー(スポンサー)はゲームで来客した一人あたり0.15ドルを支払う
- すでに5億人の集客を実現している。
- 日本では昨年夏のピーク時に、日本マクドナルドの各店舗は1日に2000人を集客した
と述べています。
これに対してナイアンテックの広報担当者は、誤訳の可能性があるとして訂正をコメント。こちらによれば、「ナイアンテックのCPV(訪問ごとのコスト)モデルでは、スポンサー場所へのユニーク訪問(のべ人数ではなく「同一人物が2回訪れても1人」とカウント)/日につき、パートナーは0.50ドル以下の支払い」としています。
これらの数字を元にして計算すると、約5億人を集客したということは、ナイアンテック側の売上は7500万ドル(約84億円)から2億5千万ドル(約280億円)と見積れます。
さらに、日本マクドナルドは3000店舗をスポンサー場所としたことから、ピーク時には1日90万ドル(約1億円)〜300万ドル(約3億3千万円)支払った計算になります。
日本でも、ポケモンGOのスポンサード契約は増加しており、2017年2月にはタリーズコーヒーや伊藤園の一部自販機が、4月には全国のセブンイレブンがスポンサーとして参加。これらの店舗がポケストップやジムとなっており、また今後も増加の予定としています。
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さて、飲食店などのネットにおける集客手法といえば、例えば飲食店の場合は口コミSNSでの広告などが思い浮かびます。しかしこうしたSNSでは、「提供した情報によりお客が来店した」という因果関係を証明する方法がありません。
たとえばYelp(米サンフランシスコ発のローカルビジネスレビューサイト)も、効果の定量化には苦労しているとのこと。
またネット広告では、さらなる集客や効果を測定するために、飲食店の割引クーポンなどを配布するパターンが挙げられますが、これは店側のコストが掛かります。
対してポケモンGOの強みは、「ポケストップによるアイテム配布などにより、来客とゲームとの関連付けが比較的明確である」点や「割引クーポンによる手法とは異なり、ナイアンティックもスポンサーにも基本的に負担がかからない」点などが挙げられます。
日本でもスポンサーが増えている理由には、こうした点にもありそうです。
ただし、こうした手法はゲーム以外のサービスでは導入が難しいところもあり、単純にビジネスモデルを見習うのは難しいかもしれません。