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藤田和日郎の週刊少年サンデー連載「双亡亭壊すべし」第57回です。
今週は巻頭カラーで登場しました。

ここまで連載も好調な「双亡亭壊すべし」。
単純比較は出来ませんけど、前作よりもカラーになる機会が増えている気がします。
そんな今回の見開きカラー絵は異色のレトロ調でした。
古めかしいものを描く事が多い藤田作品ですけど、作者もこういうのは好きなんでしょうね。

さて、中に突入して行った青一からテレパシーで連絡をもらった緑朗。
フロルたちを一刻も早く助けに行こうとする青一だったが、そのフロルが運ぶための窒素を近くまで運んで欲しいのだという。
その事を総理たちに伝えるも、敷地内の安全確保と「液体窒素」の使用法の検討が必要だからと、思う様に話が進まず焦り出した緑朗。
自分が何とかするしかないと、トラックに向かって走り出した緑朗だったのだが…!?
s運んでください2

今のままでは姉も危険だと考え、トラックのところに走って行った緑朗。
そのトラックの配達員も兵士たちに見下され、何やら不満を感じている様子。
そんなところに飛び込んで来た緑朗だが、「液体窒素」を<双亡亭>の中まで運んで欲しいのだという。
今すぐ届けないと中で待っている人が死んでしまうと訴える緑朗。
そんな必死の緑朗に対し、全く相手にしようとしない配達員たちですけど、こういう部外者の大人が子供の必死の声をなかなか理解してくれないという構図は藤田作品では何度か見た事があります。

ついには警官までが現れ、身動きが取れなくなってしまった緑朗。
何とも非力な緑朗ですけど、やはり凧葉や紅の様な行動できる大人の協力者が彼には必要なのかも知れません。

sあんなに一生懸命3

警官に連れて行かれようとするも無理矢理振りほどいて配達員のところに戻って来た緑朗。
何としてでも「窒素」を運んでもらおうと頼み続ける緑朗だが、やはり小学生の身ではどうにもならないらしい。
無理矢理車を奪えば何とかなりそうな気もしましたけど、運転した事がないならアタフタしているうちに捕まってしまうのがオチか?
そもそも少年誌的に小学生が車を運転する姿なんて描けないですしね(笑)。

「オレ達さ…あんなに一生懸命…誰かのためにアタマを下げたコトって、最近…あったかなァ…」
必死に頭を下げる緑朗の姿に感じるものがあったらしい竹田さん。
こうやってただの大人が熱い子供に感化されるのは藤田作品ではよく見られる光景です。
s来ている4

フロルたちを助ける為、群がる敵をかき分けて先に進もうとする青一。
それでもドリルだけは使いたくないと考える青一だが、元は人間だった彼等を完全に粉砕する気にはなれないらしい。
『アア デモ…マニアワナイ…』
実感として感じるのか、フロルたちが助からないと予感する青一。
そのフロルたちはすでに戦う手段が無いのか、ただ逃げるだけになっていた様子。

そんなフロルだが、すでに液体窒素を積んだトラックが視えていたらしい。
『でも、今の私が「物質現出」で引き寄せるには重すぎる!』

能力には重さと距離が関係するのか、せめて<双亡亭>の敷地の中に来て欲しいと考えるフロル。
そういう意味では青一はずっと近くにいるハズですけど、やはり人間を引き寄せるのは何か意味が違うのでしょうか?
sトラック5

警官が手こずっている緑朗を自分たちが預かると言い出した竹田さん。
指示が出るまで自分たちもヒマだからと言う竹田だが、警官たちも特に問題があるとは思わなかった様子。
そんな緑朗を回収した途端、屋敷に向かって走り出したトラック。
「スマンな今井ちゃん…でもよ…あたしゃ、あんなに必死になってモノを頼まれたコトなかったんでさ…」
すっかりその気になってしまった竹田さんですけど、それは総理たちも望んでいる事ですし、この行為を咎められる事はないハズです。
s開始6

『来た!』
トラックが屋敷の方向に向かっている事を理解したフロル。
これでやっと能力が使えるフロルだが、液体窒素はとても重い為、集中が必要らしい。
『「物質現出(アポーツ)」開始!』
ついに伝家の宝刀を抜いたフロル。
能力を使って死ぬと言っていた事が気になりますけど、もしかするとこっちに向かって走り続けている事がプラスに働くのかも知れません。

何とか青一との約束を守る事が出来そうな緑朗。
というより、緑朗だけでなく配達員の竹田・今井も最前線に飛び込む事になっちゃうんじゃないのかな?
車から降りなければとりあえず安全だとは思いますけど、それもいつまでも続かないと思いますし、窒素を降ろしたら生存者を荷台に乗せて急ぎ脱出する事が彼らの新しい役目になるのかも知れませんね。

ウィキペディア:藤田和日郎
少年サンデーWEBコミックサイト:クラブサンデー

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