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bタイトル1なかなか雑誌に掲載される事がなく、ファンをヤキモキさせ続けている「ベルセルク」。
ヤングアニマル11号に載った350話の続きは6/23発売の13号との事で、何とか今回は月イチのペースでの掲載になる様です。
そんな「ベルセルク」ですが、以前本誌の「ベルセルク道場破り」にて今後の展開について語っていた事がありました。
それが何と80年代の伝説的SFマンガ「ダークグリーン」をオマージュにしているそうで、当時リアルタイムで読んでいた自分は「こんなところでこのタイトルが出るのか」と、ちょっとビックリしてしまいました。

そんなこんなで「ダークグリーン」について少し話してみようかとここ数週間思っていた訳ですけど、元々は妹が少女コミック(現・Sho-Comi)を買っていて、そこで佐々木淳子の作品を読んだのが最初だったと思います。
「那由他」は途中からだったのでコミックスを買って確認したのですが、その頃の自分はというと竹宮恵子や萩尾望都などの女性作家のSFに心底しびれていた時期で、そういう作品が他にもないか探していた時期でもありました。
全部が全部ではないですけど、男性作家が描くSFはどうしてもアクションが前に出て来るのに対し、女性作家のそれは人間の内面に迫るというか、「11人いる」みたいにしっかりとしたストーリーで勝負している感じがして好きだったんですよね。
「那由他」も最後は太陽系の外はどーなってる?っとなって話が大きくなって行った訳ですけど、アニメ化された時は喜んだものです。
同時期に増刊号の方で「ブレーメン5」ってのがありましたけど、こちらは途中休んでいた期間があったので完結してよかったという印象の方が強かったかな?
近年、モーニングで「ランド」が始まった時、「おっブレーメン5っぽいのキタ!」と勝手に思って喜んだりしましたけど、半人半獣のヒュウなどは近年の人外ネタを先取りしていた様な気もしなくはないですね。
ダークグリーン1

それで「ダークグリーン」ですけど、これは連載一回目でビビっと来たのを覚えています。
夢を題材にするというだけでもちょっと普通じゃないと思ったのですが、その表現が色々と曖昧だったり、何かイメージがぼんやりだったりと、「あー確かに夢ってそんなものだよな」と思ったりした訳ですよ。
ちなみにウィキペディアによると、「198□年12月20日。その日、世界中の人間が同じ夢を見た。
「R-ドリーム」と呼ばれるその夢の中で、人々は「ゼル」と呼ばれる謎の侵略者たちと戦い続ける。R-ドリームから出られなくなった人間は、現実では植物人間状態となり、R-ドリームの中を彷徨う羽目になる。そしてR-ドリームでの死は、現実での死となる。
美大浪人生・西荻北斗は、R-ドリームで戦士ホクトとなり、R-ドリーム最強と言われながらも自分の正体を知らずにR-ドリーム内から出られない少年リュオン、金色の肌の少女ミュロウらと知り合い、共にゼルと戦う。そして彼らはやがて、この世界の秘密へと迫っていく。」となっています。

この説明は別に間違ってはいないのですが、全10巻の最初の1巻分の説明にしかなっておらず、これだけで作品を理解する事は出来ないと思います。
ダークグリーン2裏

当時は少女マンガでありながら男性ファンも結構いた様で、以前学校で知り合った人に話をしたら「自分も少女コミックとコロネットはチェックしていた」と言って来た時はちょっと感動してしまいました。
まさか会ったばかりの男同士で佐々木淳子を語り合える日が来ようとは!と(笑)
当時は今の様にアニメが多く作られておらず、「ダークグリーン」もアニメになんてなっていない訳ですけど(アニメージュか何かでアニメ候補作品として挙がっていたのを見た事はありますけど)、アニメイトに行くと普通にグッズが売っていて、この下敷きも当時自分が買ったものです。
使うつもりで買っている訳ではないので袋に入ったままの未使用品なんですけど、実はこういうのが結構手元にあるんですよね。
うる星

今では休日に出かける事もないので買わなくなって久しいのですが、80年代は特に意味も無くアニメの下敷きやポスターといったグッズを買い集めていました。
とにかく多いのが高橋留美子関連で、あの当時の自分は確実に高橋留美子中心に動いていたんじゃないかな(笑)。
うる星のイベントにも何回か行ってますし、見た事ないポスターを見つけたら常に買っていたのを思い出します。
下敷きも「うる星」関連が多いですけど、とりあえず今回ざっと見つかったものを写真に撮ってあります。
真ん中に「うる星やつら記録全集」というのがありますけど、当時一冊だけで終わってしまったシリーズで、これはその店頭チラシです。
エリア88

高橋留美子以外だと思い付きで買ったりしていた訳ですけど、「エリア88」が3枚あるのが多いクチでしょうか。
真ん中に「超力ロボ・ガラット」がありますけど、コレ結構好きだったんですよね。
島本和彦「炎の転校生」「風の戦士ダン」安永航一郎「県立地球防衛軍」あたりは「あーこりゃ買うしかないわ」と。
ほとんど未使用品ですけど、右下のクリィミーマミ&マジカルエミ下敷きはずっと使っていて、不思議と割れずに現在に至っています。

こういうグッズ関係は他にも色々あるので、機会があればまた何か語ってみたいですね。
つーか、なんか最初から話が脱線してるんだが(笑)。

b旅は続く2

キャスカの夢の中を旅し続けるシールケとファルネーゼ。
キャスカのこれまでの経験を追体験する2人ですが、当時のキャスカの心境を感じる事が出来るのは何とも興味深いですね。
その中には初めて知る当時の彼女の本当の気持ちもある?
多くの人間ドラマがある一方で、奇妙な光景も目にしていくシールケたち。
ここに描かれたものなどは手塚治虫「火の鳥 宇宙編」に出た植物を思わせます。
bしゃべってる3

そんな旅でシールケたちは最後に何を見る事になるのか?
「あいたいひとがいる」と言いながらも脅える姿を見せたちびキャスカ。
あの日のグリフィスが待っている気がしてならないのですが、結局それを乗り越えた先にキャスカの復活があるという事なのかな?
そんなちびキャスカと「ダークグリーン」のちびミュロウの姿が重なります。
ミュロウが夢の中で復活した事を考えるとそれをオマージュとした「ベルセルク」でも同様に復活劇があるのかも知れません。
gむくり1

そんな「ダークグリーン」ですけど、序盤は夢の中で謎の敵ゼルと戦う展開がメインになります。
夢の中で死ぬと現実でも死ぬというのが絶対的なルールで、面白いのは夢のため起きたら忘れてしまうケースがあるという事。
主人公の北斗も当初は自分が夢の中で何をしているのか分からなくて、しっかり意識して夢に入った事で夢世界「R-ドリーム」に入って自分を認識出来る様になったものの、それ以前の記憶を失ったり。
これが大きな伏線になっているとは当初は思わなかったのですが、実は佐々木淳子のSFは伏線が色々絡み合って衝撃のラストシーンを迎えるケースが結構あります。

その夢世界「R-ドリーム」で北斗とコンビを組むリュオンが地下に閉じ込められるのですが、その際に巨大な人影を目にしています。
当時、雑誌でこれを見て「おおっ」と衝撃を受けた訳ですけど、「こういうシーンこそアニメで見てみたいなー」とも思ったものです。
g外じゃない2

この1巻の地下からの脱出編は夢ならではワンダーに満ちていて、シリーズを通しても好きなエピソードなんですが、脱出に至る展開がなかなかユニークなんですよね。
巨大な人影に恐怖して上へ上へとリュオンは逃げる訳ですけど、ようやく出たと思った地上はニセモノというオチ。
何と、夜空まで作り物で、月だと思っていたのはただの穴で、それを通ってさらに上に行ったら密室で、顔のない婆さんが一人で座っているという。
また凄い展開だなーと思った訳ですけど、この翌年公開の「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」で空まで作り物だった展開に「ダークグリーン」を思い出した人はそれなりにいたハズです。
gおいで3

3巻から話は大きく動き出し、人々が何故かR-ドリームに入れなくなる展開に。
現実に行く手段が無く、夢世界で北斗が来るのを待ち続けるリュオンだが、そこで七重人格のミィムと遭遇する。
現実では一人だが、夢の中では七人に分裂して存在しているビッキー・マイク・メリッサ・シド・ミィム・ティナ・ジョアン。
七人が全員揃わないと現実には戻れない為、ミィムの回収を手伝ったリュオンだが、箱の中に隠れ、さらに小さくなってしまう展開に。
ミィムは自閉気味の為、追い詰めるとチリになって消えてしまうとメリッサに言われたリュオンですけど、こういう不思議な展開はゾクゾクするものがあります。
g宇宙だ4

4巻では北斗の体の中に入る事でリュオンが現実世界に来る事に。
現実世界とR-ドリームの密接な関係が明かされる中、R-ドリームとは別の世界に行く事を模索する。
5巻では衝撃の「植物の意識世界」に突入した北斗たち。
植物にも意識があるという考え方がユニークで、そこではまた様々な非常識が常識になっています。
地平が見えない森林世界の中心に謎の物体を見つけたミュロウ。
だが、それはまさかの「宇宙」だった!?
裏っ返しの世界の為、中心が宇宙で外側が植物という事になっているそうで、「ゴッドサイダー」で食物連鎖が逆転するというのを見た時、何となくこれを思い出しました。
gミュロウ5

植物世界の約束は絶対であり、情報を得る代わりに命を失ったミュロウ。
わずかに残った欠片を大切にしていた北斗だが、その欠片から小さなミュロウが誕生する。
このちびミュロウが「ベルセルク」でネタになったのかなーと思った訳ですけど、全10巻中では意識を取り戻したものの、元の大きな女性の姿には戻っていません。
終盤の10巻、世界の運命を変える為北斗はクレインと共に「無意識界」に突入するのですが、この影響でミュロウは意識を取り戻しています。
これがまた常識を超えた世界な訳ですけど、「ベルセルク」で言っているダークグリーンのオマージュとはこのあたりの事を言っているのかも知れません。
g現実へ6

ミュロウが生まれた事を知らずに夢世界に突然現れた海を渡ったリュオン。
その先に現実世界が映し出されるのが何とも幻想的です。
こういうイラストを見ると竹宮恵子的なものを連想してしまいます。
現実とR-ドリームの境目が曖昧になり、そのままの姿で現実世界に行ける様になったリュオン。
これが7巻で、8巻ではリュオンの衝撃の正体が明かされる事になります。
gクレイン7

終盤の重要キャラクター・北の果てのクレインが登場したのは7巻のラスト。
最初の下敷きの画像にもあるクレインですけど、当時はこのキャラの登場は衝撃的でした。
ああ、まだこんな隠し玉があったんだと。
1巻最初の北斗の記憶の謎、3巻の七重人格のビッキー編の伏線も回収。
謎がどんどん明かされていくのは快感に近いものがあります。

そんなこんなであんまり説明になっていない今回の作品紹介ですけど、興味を持ってもらえれば幸いです。
佐々木淳子は本当にSFしか描かない人なので、興味があれば「青い竜の谷 」や「アイン・ラーガ 」もチェックして見ると面白いかも知れません。
「青い竜の谷」というとよく引き合いに「ジュラシックパーク」が出て来ますけど、年代的には「青い竜の谷」の方が先ですしね。
ちなみに下敷きの画像ではクレイン・ホクト・アブドルの3人が並んでいるのですが、思えばジョジョでアヴドゥルが出た時に、「アブドルのイメージ違うなー」と感じたのを思い出しました。
霧で始まる日

佐々木淳子のSFは色々衝撃的なものがあるのですが、近年流行の時間ループを描いた作品があります。
「ブレーメン5」4巻収録の「霧ではじまる日」ですけど、面白いのが「明日が存在しない為」時間がループしているという事。
主人公には超能力があり、時間ループが起きる前日に戻ってその根源を断つ、というのが大まかな流れですけど、この作品は1982年ですから、35年も前の作品という事になります。
この作品のオチもなかなか面白いので機会があれば是非見て欲しいですね。

(前にも言った気がしますが)そんな自分の佐々木淳子お勧めは「ショート・トゥイスト」だと、改めてここで言っておきます。

【関連記事】
◎佐々木淳子SFファンタジー「ダークグリーン」の続編がいよいよ登場!!
◎悪夢再び!「ダークグリーン2 ディープグリーン」世紀を越えて第1巻ついに発売!!


何か、前に書いた記事の方が詳細かも。

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